Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
「必要とされるデータ基盤」であり続けるためにやってきたこと / What We've Done...
Search
yamamoto-yuta
September 06, 2025
Technology
0
1
「必要とされるデータ基盤」であり続けるためにやってきたこと / What We've Done to Make a Needed Data Analytics Platforms Grow
レバテック Meetup~活用ファーストで考えるデータ基盤~ - connpass
https://levtechcareer.connpass.com/event/366066/
yamamoto-yuta
September 06, 2025
Tweet
Share
More Decks by yamamoto-yuta
See All by yamamoto-yuta
他チームへ越境したら、生データ提供ソリューションのクエリ費用95%削減へ繋がった話 / Cross-Team Impact: 95% Off Raw Data Query Costs
yamamotoyuta
0
440
プロダクト観点で考えるデータ基盤の育成戦略 / Growth Strategy of Data Analytics Platforms from a Product Perspective
yamamotoyuta
1
1.5k
ヤプリのデータカタログ整備 1年間の歩み / Progress of Building a Data Catalog at Yappli
yamamotoyuta
4
3.2k
私のdbt布教用資料 〜TROCCOUG Ver.〜 / My Guide to Evangelizing dbt - TROCCOUG Ver.
yamamotoyuta
1
1.5k
データカタログの最初の一歩 〜データ組織向けに dbt docs を整備している話〜 / Maintaining dbt docs for data organizations
yamamotoyuta
1
2.6k
次の10年を戦える分析用データ基盤構築の第一歩 - dbtによる基盤刷新とクエリ費用90%削減への取り組み -
yamamotoyuta
1
1.5k
技術書LT #11 実践 Docker - ソフトウェアエンジニアの「Docker よくわからない」を終わりにする本
yamamotoyuta
0
1.3k
Other Decks in Technology
See All in Technology
なぜSaaSがMCPサーバーをサービス提供するのか?
sansantech
PRO
5
1.3k
新規案件の立ち上げ専門チームから見たAI駆動開発の始め方
shuyakinjo
0
640
Vault meets Kubernetes
mochizuki875
0
150
実運用で考える PGO
kworkdev
PRO
0
130
DeNA での思い出 / Memories at DeNA
orgachem
PRO
6
1.9k
なぜスクラムはこうなったのか?歴史が教えてくれたこと/Shall we explore the roots of Scrum
sanogemaru
0
100
実践データベース設計 ①データベース設計概論
recruitengineers
PRO
4
2k
衝突して強くなる! BLUE GIANTと アジャイルチームの共通点とは ― いきいきと活気に満ちたグルーヴあるチームを作るコツ ― / BLUE GIANT and Agile Teams
naitosatoshi
0
290
大「個人開発サービス」時代に僕たちはどう生きるか
sotarok
5
1.4k
JavaScript 研修
recruitengineers
PRO
6
1.4k
事業価値と Engineering
recruitengineers
PRO
8
5.4k
ZOZOマッチのアーキテクチャと技術構成
zozotech
PRO
2
1.1k
Featured
See All Featured
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
268
13k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
96
6.2k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
100
5.8k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
110
20k
Designing for humans not robots
tammielis
253
25k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
252
21k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
70
11k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
79
6.6k
Connecting the Dots Between Site Speed, User Experience & Your Business [WebExpo 2025]
tammyeverts
8
510
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1370
200k
Done Done
chrislema
185
16k
The Straight Up "How To Draw Better" Workshop
denniskardys
236
140k
Transcript
「必要とされるデータ基盤」で あり続けるためにやってきたこと 2025.9.4 in レバテックMeetup 株式会社ヤプリ ⼭本 雄太
SPEAKER 開発統括本部 プロダクト開発本部 データサイエンス室(以下、DS室) ⼭本 雄太 • 2023年に新卒⼊社 • dbt導⼊に際して、開発体制やリリースフローなどの 構築を担当
• pUG(旧TROCCOUG)の運営にも携わらせていただ いています
ノーコードのアプリ開発プラットフォーム「Yappli」 ヤプリの製品 • 750社以上で導⼊、 約900アプリを提供 • 50種類以上の機能で、 多様なシーンに合致した アプリが作成可能
Yappli導⼊顧客向けにアナリティクスサービスを提供 ヤプリの製品 CMSレポート Yappli 管理画⾯に表⽰される レポート画⾯ Yappli Data Hub アプリ内の⾏動データや属性データを
ユーザ単位で分析を可能にする データ連携サービス Yappli Analytics アプリログを網羅した分析や、 機能別に特化した分析が可能な ダッシュボード 無償 有償
データ基盤は 必要とされ続けることが重要
ヤプリのデータ基盤は必要とされ続けている • プロダクト⽤データ基盤:Yappliのサービスデータを扱う ◦ 各アナリティクスサービスの提供 ◦ Yappliの機能開発の優先度づけの根拠 ◦ 顧客へのCS活動の補助 ▪
アプリの運⽤状況の把握、施策の効果検証、etc. ◦ 営業戦略の補助 ▪ アプローチをかけるべき業界の検討、etc. • ビジネス⽤データ基盤:Salesforce等のビジネスデータを扱う ◦ 経営指標のモニタリング ▪ 売上⾼、受注件数、チャーンレート、営業進捗、etc.
必要とされ続けるために 何をやってきたのか?
INDEX ⽬次 1. 要望に応え続けした 2. エンジニアから集計の責務を剥がした — 3. 必要とされ続けることで起きること
INDEX ⽬次 1. 要望に応え続けした 2. エンジニアから集計の責務を剥がした → 要点だけ。⼤幅カット🙇 (詳細は後述の過去登壇資料をご覧ください) — 3.
必要とされ続けることで起きること
要望に応え続けた
「要望に”応え続ける”」には • 様々なデータ利⽤者からの「〜したい」を実現し続ける • データ利⽤者から要望が勝⼿に集まってくるようにすることが重要 ◦ ヒアリングしないと要望が出てこない場合、データ基盤がうまく活⽤されてない可能性あり ▪ ちゃんと活⽤されていれば要望(や不満)が⾊々出てくるはず 1.
要望に応え続けした
要望が勝⼿に集まってくるようにするには? • 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること • カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと 1. 要望に応え続けした
要望が勝⼿に集まってくるようにするには? • 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること • カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと 1. 要望に応え続けした
要望が勝⼿に集まってくるようにするには? • 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること ◦ 要望にスピーディーに応える ◦ 直接叶えられなくても、代替案で可能な限り応える • カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと 1.
要望に応え続けした
「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得るには 要望にスピーディーに応える • 早く対応してもらえると、シンプルにありがたい ◦ 弊社の場合、社内からの要望‧問い合わせはなるべく1営業⽇以内に対応 • すぐ対応できない場合は⼀次回答 ◦ リアクションを押したり、「ちょっと待ってね」を返信したり
◦ ⼀次回答がないと… ▪ 要望を送った側は「対応に時間がかかってる」or「⾒逃してる」がわからない → 地味にストレス ◦ ⼀次回答が早いだけでも信頼は少しながら得られる 1. 要望に応え続けした
「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得るには 要望にスピーディーに応える • 要望‧問い合わせ対応を頑張ってたら、他の仕事できなくない? ◦ 根本的な改善タスクに取り組めず、その場しのぎの対応しかできない… • 採⽤した新メンバーに根本的な改善タスクを任せる ◦ 元から在籍していたメンバー(1⼈)
▪ 引き続き、要望‧問い合わせ対応 ◦ 新たに⼊社したメンバー(3⼈) ▪ 根本的な改善タスクを担当 • dbt導⼊、RevOps基盤構築 1. 要望に応え続けした 要望に応え続けつつ、⼤元のデータ基盤をしっかり成⻑させる
「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得るには 直接叶えられなくても、代替案で可能な限り応える • 応えられる要望の数は多い⽅が早く信頼が得られる • 要望をしっかり聞いてみると、そこまで正確性が求められてないこともある ◦ 代替案での近似で⼗分応えられるケースも全然ある ◦ 実際にあった事例)
▪ 要望: Yappliの機能の改修優先度をつけたいので、各機能の設定状況の変遷が知りたい • 各アプリでどの機能がどのくらい設定されてきたのか ▪ しかし、データが存在するのは「現在」の設定状況のみ… ▪ そこで、現存する機能の初回設定⽇で代⽤ • 改修優先度をつける⽤途であれば、⼗分代⽤可能 1. 要望に応え続けした
要望が勝⼿に集まってくるようにするには? • 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること ◦ 要望にスピーディーに応える ◦ 直接叶えられなくても、代替案で可能な限り応える • カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと 1.
要望に応え続けした
カジュアルに要望が⾔える 関係値を築くには? 1. 要望に応え続けした
仲良くなる🤝 1. 要望に応え続けした
カジュアルに要望が⾔える関係値を築くには • 単純接触効果 ◦ オフィスで雑談する ◦ ⼀緒にご飯にいく ◦ 隣の席で仕事してみる(フリーアドレスの場合) ◦
Slackで#times-*チャンネルがあったら⼊って、リアクションしたり会話したりする • 仲良くなっていくと、相談ベースで要望がポロっと出てくることがある ◦ 例)「こういうデータって出せたりするの?」「こういうことってできたりするの?」 • ポロっと出た要望に応えると、次から相談‧要望を⾔ってもらいやすくなる • 「あの⼈に相談するといいよ」という認識が広がっていけば成功 1. 要望に応え続けした
カジュアルに要望が⾔える関係値を築くには 「あの⼈に相談するといいよ」という認識が広がって⼤成功した事例 • 24卒メンバーが⼊社後、ビジネス部⾨の⼈と積極的に交流 ◦ オフィスで雑談したり、ご飯に⾏ったり、隣の席で仕事したり(フリーアドレス) • その結果、オフィスで仕事をしていると席まで相談に来てくれるように ◦ 「今、ちょっと良いですか?」
• その後、RevOpsの波が到来&社内でもビジネス部⾨の全体最適化が課題に ◦ → RevOps基盤の構築プロジェクトへ参画 1. 要望に応え続ける
この章のまとめ 必要とされ続けるために何をやってきたこと① • 要望に応え続けた ◦ データ利⽤者から要望が勝⼿に集まってくるようにする ▪ 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること • 要望にスピーディーに応える
• 直接叶えられなくても、代替案で可能な限り応える ▪ カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと • 仲良くなる ◦ 雑談、ご飯、隣で仕事、Slackでリアクション、etc. 1. 要望に応え続けした
エンジニアから 集計の責務を剥がした
プロダクト⽤データ基盤の誕⽣経緯 • CMSにレポート画⾯をつけるために構築された専⽤データ基盤 • エンジニアの持ち物として管理 ◦ 集計クエリのメンテナンスもエンジニアで担当 • まだデータ組織は存在してなかった ◦
ようやく1⼈⽬のデータ⼈材が⼊社したくらい 2. エンジニアから集計の責務を剥がした
3年ほど運⽤して、課題が噴出 • CMSレポート以外のアナリティクスサービスが登場 ◦ Yappli Analytics、Yappli Data Hub • 既存のデータ基盤を増築して対応 →ガタが⾊々来てた
◦ クエリ費⽤、バッチの実⾏時間、リソースのメモリ上限、etc. • 2⼈⽬〜のデータ⼈材が⼊社し、「データ組織」が誕⽣ 2. エンジニアから集計の責務を剥がした
エンジニアから集計の責務を剥がした • dbtを導⼊し、エンジニアがメンテナンスしていた集計処理を移譲 ◦ 従来、集計処理を⾏っていた箇所は集計済みテーブルをSELECT * FROM tableするだけに • 集計の責務が無くなったことで、エンジニアの負担が⼤幅軽減
◦ 増改築された数百⾏のSQLを⾒なくて良い ◦ データ量が増えてメモリエラーを起こすバッチと向き合わなくて良い ◦ 「集計がおかしい」というインシデントに対応しなくて良い ◦ etc. • データ基盤の良さ(=必要性)を感じてもらえた ◦ 以後のコミュニケーションが円滑に 2. エンジニアから集計の責務を剥がした
詳細はこちらの資料をご覧ください🙇 2. エンジニアから集計の責務を剥がした https://speakerdeck.com/yamamotoyuta/ci-no10nian-wozhan-er ufen-xi-yong-detaji-pan-gou-zhu-nodi-bu-dbtniyoruji-pan-shua-xi n-tokuerifei-yong-90-percent-xue-jian-henoqu-rizu-mi https://speakerdeck.com/yamamotoyuta/growth-strategy-of-data -analytics-platforms-from-a-product-perspective https://speakerdeck.com/yamamotoyuta/cross-team-impact-95-p ercent-off-raw-data-query-costs
必要とされ続けることで 起きること
何が起きるのか? 3. 必要とされ続けることで起きること
外部要因によって 急に追い⾵が吹いてくる📈 3. 必要とされ続けることで起きること
それによって、⼀気に事が進む💪 3. 必要とされ続けることで起きること
追い⾵が吹いて⼀気進んだこと • プロダクト⽤データ基盤だと… ◦ プロダクト⽤データ基盤で⼀定の必要性を⽰せた事で、採⽤枠がもらえた ◦ 同タイミングでdbtが台頭してきた(=外部要因) → 新メンバーをdbt導⼊に専念させる事ができ、データマネジメント強化が⼀気に進んだ • ビジネス⽤データ基盤だと…
◦ 24卒メンバーが⼊社後、ビジネス部⾨の⼈と積極的に交流 →しっかり関係構築 ◦ 外部要因: RevOpsの波が到来&ビジネス部⾨の全体最適化の機運の⾼まり → RevOps基盤の構築が⼀気に進んだ 3. 必要とされ続けることで起きること
「必要とされるデータ基盤」であり続けるよう頑張って、 吹いてきた追い⾵に乗って ⼀気に事を進めよう! 3. 必要とされ続けることで起きること
まとめ
ヤプリのデータ基盤が必要とされ続けている秘訣 • ① 要望に応え続けた ◦ データ利⽤者から要望が勝⼿に集まってくるようにする ▪ 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること • 要望にスピーディーに応える、直接叶えられなくても代替案で可能な限り応える
▪ カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと • 仲良くなる(雑談、ご飯、隣で仕事、Slackでリアクション) • ② エンジニアから集計の責務を剥がした ◦ 開発者体験の向上や考慮事項の減少により、データ基盤の必要性を感じてもらえた まとめ 必要とされ続けることで、外部要因によって急に追い⾵が吹いてくる → ⼀気に事を進めよう!