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「必要とされるデータ基盤」であり続けるためにやってきたこと / What We've Done...

「必要とされるデータ基盤」であり続けるためにやってきたこと / What We've Done to Make a Needed Data Analytics Platforms Grow

レバテック Meetup~活用ファーストで考えるデータ基盤~ - connpass
https://levtechcareer.connpass.com/event/366066/

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yamamoto-yuta

September 06, 2025
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  1. Yappli導⼊顧客向けにアナリティクスサービスを提供 ヤプリの製品 CMSレポート Yappli 管理画⾯に表⽰される レポート画⾯ Yappli Data Hub アプリ内の⾏動データや属性データを

    ユーザ単位で分析を可能にする データ連携サービス Yappli Analytics アプリログを網羅した分析や、 機能別に特化した分析が可能な ダッシュボード 無償 有償
  2. ヤプリのデータ基盤は必要とされ続けている • プロダクト⽤データ基盤:Yappliのサービスデータを扱う ◦ 各アナリティクスサービスの提供 ◦ Yappliの機能開発の優先度づけの根拠 ◦ 顧客へのCS活動の補助 ▪

    アプリの運⽤状況の把握、施策の効果検証、etc. ◦ 営業戦略の補助 ▪ アプローチをかけるべき業界の検討、etc. • ビジネス⽤データ基盤:Salesforce等のビジネスデータを扱う ◦ 経営指標のモニタリング ▪ 売上⾼、受注件数、チャーンレート、営業進捗、etc.
  3. 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得るには 要望にスピーディーに応える • 要望‧問い合わせ対応を頑張ってたら、他の仕事できなくない? ◦ 根本的な改善タスクに取り組めず、その場しのぎの対応しかできない… • 採⽤した新メンバーに根本的な改善タスクを任せる ◦ 元から在籍していたメンバー(1⼈)

    ▪ 引き続き、要望‧問い合わせ対応 ◦ 新たに⼊社したメンバー(3⼈) ▪ 根本的な改善タスクを担当 • dbt導⼊、RevOps基盤構築 1. 要望に応え続けした 要望に応え続けつつ、⼤元のデータ基盤をしっかり成⻑させる
  4. 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得るには 直接叶えられなくても、代替案で可能な限り応える • 応えられる要望の数は多い⽅が早く信頼が得られる • 要望をしっかり聞いてみると、そこまで正確性が求められてないこともある ◦ 代替案での近似で⼗分応えられるケースも全然ある ◦ 実際にあった事例)

    ▪ 要望: Yappliの機能の改修優先度をつけたいので、各機能の設定状況の変遷が知りたい • 各アプリでどの機能がどのくらい設定されてきたのか ▪ しかし、データが存在するのは「現在」の設定状況のみ… ▪ そこで、現存する機能の初回設定⽇で代⽤ • 改修優先度をつける⽤途であれば、⼗分代⽤可能 1. 要望に応え続けした
  5. カジュアルに要望が⾔える関係値を築くには • 単純接触効果 ◦ オフィスで雑談する ◦ ⼀緒にご飯にいく ◦ 隣の席で仕事してみる(フリーアドレスの場合) ◦

    Slackで#times-*チャンネルがあったら⼊って、リアクションしたり会話したりする • 仲良くなっていくと、相談ベースで要望がポロっと出てくることがある ◦ 例)「こういうデータって出せたりするの?」「こういうことってできたりするの?」 • ポロっと出た要望に応えると、次から相談‧要望を⾔ってもらいやすくなる • 「あの⼈に相談するといいよ」という認識が広がっていけば成功 1. 要望に応え続けした
  6. この章のまとめ 必要とされ続けるために何をやってきたこと① • 要望に応え続けた ◦ データ利⽤者から要望が勝⼿に集まってくるようにする ▪ 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること • 要望にスピーディーに応える

    • 直接叶えられなくても、代替案で可能な限り応える ▪ カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと • 仲良くなる ◦ 雑談、ご飯、隣で仕事、Slackでリアクション、etc. 1. 要望に応え続けした
  7. 3年ほど運⽤して、課題が噴出 • CMSレポート以外のアナリティクスサービスが登場 ◦ Yappli Analytics、Yappli Data Hub • 既存のデータ基盤を増築して対応 →ガタが⾊々来てた

    ◦ クエリ費⽤、バッチの実⾏時間、リソースのメモリ上限、etc. • 2⼈⽬〜のデータ⼈材が⼊社し、「データ組織」が誕⽣ 2. エンジニアから集計の責務を剥がした
  8. エンジニアから集計の責務を剥がした • dbtを導⼊し、エンジニアがメンテナンスしていた集計処理を移譲 ◦ 従来、集計処理を⾏っていた箇所は集計済みテーブルをSELECT * FROM tableするだけに • 集計の責務が無くなったことで、エンジニアの負担が⼤幅軽減

    ◦ 増改築された数百⾏のSQLを⾒なくて良い ◦ データ量が増えてメモリエラーを起こすバッチと向き合わなくて良い ◦ 「集計がおかしい」というインシデントに対応しなくて良い ◦ etc. • データ基盤の良さ(=必要性)を感じてもらえた ◦ 以後のコミュニケーションが円滑に 2. エンジニアから集計の責務を剥がした
  9. 追い⾵が吹いて⼀気進んだこと • プロダクト⽤データ基盤だと… ◦ プロダクト⽤データ基盤で⼀定の必要性を⽰せた事で、採⽤枠がもらえた ◦ 同タイミングでdbtが台頭してきた(=外部要因) → 新メンバーをdbt導⼊に専念させる事ができ、データマネジメント強化が⼀気に進んだ • ビジネス⽤データ基盤だと…

    ◦ 24卒メンバーが⼊社後、ビジネス部⾨の⼈と積極的に交流 →しっかり関係構築 ◦ 外部要因: RevOpsの波が到来&ビジネス部⾨の全体最適化の機運の⾼まり → RevOps基盤の構築が⼀気に進んだ 3. 必要とされ続けることで起きること
  10. ヤプリのデータ基盤が必要とされ続けている秘訣 • ① 要望に応え続けた ◦ データ利⽤者から要望が勝⼿に集まってくるようにする ▪ 「要望を⾔えば応えてもらえる」という信頼を得ること • 要望にスピーディーに応える、直接叶えられなくても代替案で可能な限り応える

    ▪ カジュアルに要望が⾔える関係値を築くこと • 仲良くなる(雑談、ご飯、隣で仕事、Slackでリアクション) • ② エンジニアから集計の責務を剥がした ◦ 開発者体験の向上や考慮事項の減少により、データ基盤の必要性を感じてもらえた まとめ 必要とされ続けることで、外部要因によって急に追い⾵が吹いてくる → ⼀気に事を進めよう!