Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
robust logprocessing
Search
Daisuke Yamazaki
January 16, 2011
Technology
0
40
robust logprocessing
安全にスケールするログ解析システムの勘所
Daisuke Yamazaki
January 16, 2011
Tweet
Share
More Decks by Daisuke Yamazaki
See All by Daisuke Yamazaki
ノートラブルシステムへの道
yamaz
22
7.9k
RWC2019 rubyによる超大量データ配信
yamaz
0
140
学び実践してきたこと
yamaz
1
260
スケールアウト再考
yamaz
1
280
RTB 30 min
yamaz
0
79
RailsとCで広告システムを作って起業した話
yamaz
0
190
adserver 30min
yamaz
0
56
Other Decks in Technology
See All in Technology
オブザーバビリティの観点でみるAWS / AWS from observability perspective
ymotongpoo
8
1.5k
PHPカンファレンス名古屋-テックリードの経験から学んだ設計の教訓
hayatokudou
2
310
2.5Dモデルのすべて
yu4u
2
860
エンジニアのためのドキュメント力基礎講座〜構造化思考から始めよう〜(2025/02/15jbug広島#15発表資料)
yasuoyasuo
17
6.8k
AndroidデバイスにFTPサーバを建立する
e10dokup
0
250
あれは良かった、あれは苦労したB2B2C型SaaSの新規開発におけるCloud Spanner
hirohito1108
2
590
ユーザーストーリーマッピングから始めるアジャイルチームと並走するQA / Starting QA with User Story Mapping
katawara
0
210
AndroidXR 開発ツールごとの できることできないこと
donabe3
0
130
急成長する企業で作った、エンジニアが輝ける制度/ 20250214 Rinto Ikenoue
shift_evolve
3
1.3k
SA Night #2 FinatextのSA思想/SA Night #2 Finatext session
satoshiimai
1
140
アジャイル開発とスクラム
araihara
0
170
リアルタイム分析データベースで実現する SQLベースのオブザーバビリティ
mikimatsumoto
0
1.4k
Featured
See All Featured
Raft: Consensus for Rubyists
vanstee
137
6.8k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
133
33k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
100
18k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
27
1.9k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
306
110k
Refactoring Trust on Your Teams (GOTO; Chicago 2020)
rmw
33
2.8k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
47
5.2k
Facilitating Awesome Meetings
lara
52
6.2k
Thoughts on Productivity
jonyablonski
69
4.5k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
4
330
Visualizing Your Data: Incorporating Mongo into Loggly Infrastructure
mongodb
45
9.4k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
28
8.4k
Transcript
安全にスケールするログ解析システム 構築の勘所 1 株式会社 スケールアウト 山崎大輔
はじめに 1. スケーラブルなログ集計を安全に構築するために我々が考慮している ことを説明します。 2. 広告集計という特性上、「超高速にかつ高効率に!」というよりはどち らかというと「多少の非効率は目をつぶって安全側に寄せる」という設 計方針になっています。 3. 上司から突然「来月から1日10億越えのアクセスを食うことになるから
集計システムはよろしくね♪」という日が来るかもしれないので、来た る日に備えてもらえればと思います。 2
アジェンダ n 自己紹介 n ログ集計の実際 n ログ集計の各パートで考慮していること n まとめ 3
自己紹介 山崎大輔 Twitter: @yamaz Blog : 最速配信研究会 http://d.hatena.ne.jp/yamaz/ 現在:株式会社スケールアウト 代表
1日数億~を超えるような配信をカジュアルに行うための 広告配信システム「ScaleAds」の開発と販売およびコンサル かれこれオンライン広告業界で14年やってます 4
広告集計で行っている典型的 な処理 n 分散処理ができるもの n PageView集計など n 分散処理しにくく、依存関係がないもの n 1日分のUU(UniqueUser)集計
n 分散処理できず、データの依存関係があるもの n 積算UU集計など 5
システム構成(分散が効くもの) 6 配信サーバ 集計サーバ レポートサーバ(RDB) 生ログ 中間集計ログ
システム構成(分散が効かないもの) 7 配信サーバ 集計クラスタ(Hadoop) レポートサーバ(RDB) 生ログ
処理全体で意識すべきこと 集計処理全体でどのサーバにどう処理を負担させるべき かを強く意識する 例: 集計サーバ側での巨大テーブル同士のJOINは大変 解決案: JOIN相当が行われた状態でログをはき出す JOIN演算をフロントサーバに寄せることで、 JOIN演算の計算リソースと時間を分散する (ただしディスクは食う)
8
ログローテート n 定期的なログローテーション(現在は1時間 に一度) n ランダムローテーション(全台同時に落とし て対応するHTTPDがいなくなる状態を避 ける) 9
中間集計 ログローテーション後、分散処理が効く集計に関 しては速やかに同一サーバ(=配信サーバ)で 中間集計を行う 利点: 配信サーバが配信と中間処理のコストを 負うので、全体が間に合うようにサーバを足す だけ勝手にスケールする。 10
ログトランスファー n あんまりよくない方法 1日終わった後に全部のログを集める →集計開始時間が無駄に遅くなる n よりよい方法 ローテーション回数を増やし、時間分割して集まってない 奴だけを集める 11
ログトランスファーその2 n よりよいかもしれない方法 ログをそのままネットワークを介してデータストレージに書き 込む(Facebook Scribeなど) 利点: 帯域利用の平滑化が達成される (ログの二重書き込みの可能性を排除できなかった ため、弊社では不採用)
(注) 広告集計上まずいこと ログの二重カウント>> (越えられない壁) >>ログのロスト > 集計が間に合わない > その他 12
本集計 n 集計の冪等性を強く意識する 冪等性(べきとうせい: idempotence) ある操作を1回行っても複数回行っても結果が同じである ことをいう概念 n → 冪等性があって分割処理をしやすい集計はスケール
しやすい n 冪等性のあるなし/分割処理のしやすさによって処理を分 ける 13
本集計 n 冪等性あり/分割処理しやすい(例: PageViewカウント) → フロントサーバで中間集計し、本集計でマージ処理 (中間集計で大部分の処理が完了しているので、 処理は5 分程度) n
冪等性ちょっとあり/分割処理しにくい( 例: UniqueUserカウント) Hadoopクラスタにデータを載せて集計 n 冪等性なし/分割処理しにくい(例: 積算UUカウント) Hadoopクラスタにデータを載せて集計 14
日々の運用について n キャパシティプランニング n 人的依存の排除 n 集計系に過度な期待をかけない 15
キャパシティプランニング 今後の伸びだけでなく、日常的に再集計がおきうる ことも加味する よくない例 1日の集計が20時間かかる →再集計にかけられる時間が1日4時間しかない →1日の集計遅れを取り返すのに5日かかる →週明けに金曜の集計ミスが起きたら事実上アウト 弊社の例)8時間で完了するようにプランニングする 16
人的依存の排除 n 冪等性がある集計なら誰がいつ実行しても問題ないよう にする。 n 集計側を過度に複雑なシステムにて復旧にノウハウが必 要なようにはしない 繊細な条件でしか動かないようなシステムは よくないシステム(やかんはこわれないよ) 17
集計系に過度な負荷をかけな い n NOSQLベースだとJOIN演算がきつくなるので、ログ作成及びETL 側で工夫する ログ作成側(Webサーバ)でJOIN演算相当を行ってログ1行に極力 すべてのデータがあるようにする(これはJoin演算をアクセス側 に寄せているのと同じ) n 過度な最適化はあきらめる
最近のハードウェアは速く、単純な仕組みでも十分速い。 なので複雑な仕組みを導入しないと速度が上がらないようなら アーキテクチャやハードウェアの選定が間違っている可能性も 考えましょう 18
まとめ n ログ集計に際して弊社で考慮していることを 簡単に説明しました。 メンバー募集中です!大量配信・大規模集計やりたい方は ぜひ。 バイト・インターンも可です(
[email protected]
まで) 19