Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
テスト駆動開発と私 / TechBookWalk TDD
Search
Yuichi Goto
December 05, 2017
Programming
3
2k
テスト駆動開発と私 / TechBookWalk TDD
技術書の歩き方勉強会「テスト駆動開発」編(2017/12/05)
Yuichi Goto
December 05, 2017
Tweet
Share
More Decks by Yuichi Goto
See All by Yuichi Goto
[Teaser] Type-Safe Lightweight DDD with Effect Schema
yasaichi
0
22
Google Cloud を用いたソフトウェア開発の内製化組織の早期立ち上げの実現 / Rapid Establishment of In-House Software Development Teams Using Google Cloud
yasaichi
1
440
[EN] Robust and Scalable API Gateway Built on Effect
yasaichi
3
200
Effectで作る堅牢でスケーラブルなAPIゲートウェイ / Robust and Scalable API Gateway Built on Effect
yasaichi
8
1.7k
あるRailsエンジニアがビジネスリーダーに転身するまで
yasaichi
8
2.6k
Active Recordから考える次の10年を見据えた技術選定 / Architecture decision for the next 10 years at PIXTA
yasaichi
50
20k
Active Recordから考える次世代のRuby on Railsの方向性 / Directions for the next generation of Ruby on Rails: From the viewpoint of its Active Record
yasaichi
38
20k
ピクスタのエンジニアリングとCircleCI / Software Engineering with CircleCI at PIXTA
yasaichi
1
360
Ruby on Railsの正体と向き合い方 / What is Ruby on Rails and how to deal with it?
yasaichi
142
89k
Other Decks in Programming
See All in Programming
Outline View in SwiftUI
1024jp
1
330
色々なIaCツールを実際に触って比較してみる
iriikeita
0
330
アジャイルを支えるテストアーキテクチャ設計/Test Architecting for Agile
goyoki
9
3.3k
ローコードSaaSのUXを向上させるためのTypeScript
taro28
1
630
「今のプロジェクトいろいろ大変なんですよ、app/services とかもあって……」/After Kaigi on Rails 2024 LT Night
junk0612
5
2.2k
受け取る人から提供する人になるということ
little_rubyist
0
230
Why Jakarta EE Matters to Spring - and Vice Versa
ivargrimstad
0
1.1k
What’s New in Compose Multiplatform - A Live Tour (droidcon London 2024)
zsmb
1
480
CSC509 Lecture 12
javiergs
PRO
0
160
AWS Lambdaから始まった Serverlessの「熱」とキャリアパス / It started with AWS Lambda Serverless “fever” and career path
seike460
PRO
1
260
Jakarta EE meets AI
ivargrimstad
0
110
ActiveSupport::Notifications supporting instrumentation of Rails apps with OpenTelemetry
ymtdzzz
1
230
Featured
See All Featured
Music & Morning Musume
bryan
46
6.2k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
788
250k
Building Flexible Design Systems
yeseniaperezcruz
327
38k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
10
720
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
27
4.3k
Site-Speed That Sticks
csswizardry
0
27
What's new in Ruby 2.0
geeforr
343
31k
RailsConf 2023
tenderlove
29
900
A designer walks into a library…
pauljervisheath
204
24k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
356
29k
Statistics for Hackers
jakevdp
796
220k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
33
2.9k
Transcript
テスト駆動開発と私 Yuichi Goto (@_yasaichi) Dec 5, 2017 @ 技術書の歩き方勉強会「テスト駆動開発」編
self.inspect • ピクスタ株式会社 技術推進チームリーダー • Twitter: @_yasaichi • GitHub: yasaichi
• Blog: http://web-salad.hateblo.jp 2 他社さんにおける技術基盤の ようなチームです
https://pixta.jp クリエイターと購入者をつなぐデジタル素材のマーケットプレイス 3
Agenda テスト駆動開発(本)との関わり テスト駆動開発との出会い テスト駆動開発に対するスタンス まとめ 4
テスト駆動開発(本)との関わり • 原書(2002年)・旧訳版(2003年)ともに未読 • 原書の発売時は小学生 • 2013年のピアソンショックにより旧訳版は絶版に • 新訳版のレビュアー •
付録C 「訳者解説:テスト駆動開発の現在」を担当 5
付録Cについて • ざっくり言うと、和田さんによる良質なサーベイ論文 • 過去: テスト駆動開発の進化と普及の歴史 • 現在: 教条主義化と意味の希薄化 •
未来: これからのテスト駆動開発の学び方 • このためだけに本書を買ってもいいくらいの質の高さ 6
本文を読んで感じたこと • Kent Beckの思考過程を追える感覚、プライスレス • 思考過程は特定言語によらないので価値がある • ペアプロではなく書籍で伝えているのがすごい • 和田さんの訳注の質が高い
• 古くなった記述に「今はこうです」という補足がある 7
Agenda テスト駆動開発(本)との関わり テスト駆動開発との出会い テスト駆動開発に対するスタンス まとめ 8
テスト駆動開発との出会い • ≒ 和田さんとの出会い • 2013年、大学院生になって始めたエンジニアの アルバイト先(ピクスタ)で出会う • 当時の認識: 「Wikipediaに載ってるすごい人に
技術コンサルティングをお願いしているらしい」 • しばらくは特に関わりがなかった 9 現在も引き続きお世話に なっています
初めてのペアプログラミング • 2014年の春休みに大きめのリファクタ案件を任される • それまでは小さな改善タスクだけやっていたので、 テストを書く必要がなかった • 和田さんの「RSpecの入門とその一歩先へ」を写経し、 本文中の知らない単語を調べて下準備 •
人生初のペアプロを和田さんと行う(with RSpec) 10
テストにまつわる当初の認識 • 意味の希薄化(付録C参照)したTDD/BDDそのもの • テスト駆動開発 = テストを先に書くこと? • テストの書き方にはassertionとexpectationの 2つのスタイルがあり、RSpecは後者に属する
• double, stub, mockの違いがよくわからない 11
そして今日に至る • ペアプロを通じて和田さんに話しかけやすくなる • 曖昧な認識が議論・質問を通じて矯正されていく • DbC, DB設計, REST, キャリア設計など、テスト
駆動開発以外のことも和田さんから学ぶ • 今回書籍のレビュアーになり、少し恩返しできた感 12 和田さんに伺った話を再現する ことを「和田芸」と呼んでいます
Agenda ɹ テスト駆動開発(本)との関わり ɹ テスト駆動開発との出会い テスト駆動開発に対するスタンス まとめ 13
https://twitter.com/_yasaichi/status/936832539427094528 “テスト駆動開発は、「コードで記 述されたロジックや振る舞いを変更 する際に、フィードバックサイクル を⾼速で回すための現時点で最良の ⼿段」である” ― Yuichi Goto (
) 14
フィードバックサイクルという観点 • テストを書く・書いてあると個人的に嬉しいケース • テストを書く→仮実装→本実装の過程で • レガシーコード改善のお供として • Railsアップグレードの際の命綱として •
「変更の影響をすぐ知りたい」という点で目的が同じ 15
「ロジックや振る舞い」以外の場合は? • 例: コードで記述された「見た目」を変更する場合 • そもそも「どう見えるか?」をコードで記述できない • DOMやclass名などを使えば「見た目がどのように 構築されるか?」は記述できるが、壊れやすい •
より高速なフィードバックサイクルを達成するための 別の手段があるのでは? 16
https://medium.com/nulogy/storybook-driven-development-a3c517276c07 17 例えば、Storybook Driven Development (SDD)
SDDの実装・テストの流れ 1. 実装対象のUIコンポーネントの状態を全て列挙し、 Storyとして記述する 2. 各Storyで期待する見た目ができるまで、ブラウザ 上のレンダリング結果を目視確認しつつ実装する 3. 実装がひと通り終わったら、Snapshotを作成する 4.
以降はSnapshotを使って回帰テストを行う 18
目的を達成する手段はひとつではない • 実装の対象によって最良の手段は異なる • ロジックや振る舞い: これらのテストコードを使って 実装を進める(または変更する)TDD • UIコンポーネントの見た目: 最初は目視確認で
実装を進め、回帰テストにSnapshotを使うSDD • 今後状況が変化すれば、また別の手段が出てくる 19
Agenda ɹ テスト駆動開発(本)との関わり テスト駆動開発との出会い テスト駆動開発に対するスタンス まとめ 20
まとめ • 新訳版「テスト駆動開発」は原書の価値+和田さんの 訳・付録により現在においても手に取る価値のある本 • テスト駆動開発に対する私のスタンス • ロジックや振る舞いを変更する際に、フィードバック サイクルを高速で回すための現時点で最良の手段 •
銀の弾丸ではない(例: UIコンポーネントの見た目) 21
ご清聴ありがとうございました 22