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自己組織化の真価を引き出す EM of EMsのしごと

自己組織化の真価を引き出す EM of EMsのしごと

2024年の初春、とあるチームのEMだった私ですが、様々な巡り合わせの末に、あれよあれよとEM of EMsとして複数チームのマネジメントを行うことになりました。これまでよりも間接的に、開発チームの自己組織化を通じて成果を大きくする期待が寄せられたのです。自己組織化は、単に各チームが裁量を持てば良いというものではありません。あくまで組織の重要な目標に向かって裁量が発揮されてこそ意味があります。この数ヶ月、そうした自己組織化の真価を引き出すことが私の重要な仕事でした。各チームを成功に導くため、ビジョン、目標、戦略を駆使した真摯な方向付けを重ねてきました。この発表では、それらの経験と理論を紐付けながら、自分なりの「EM of EMsのしごと」についてお話しします。

Yuu Igarashi

August 25, 2024
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Transcript

  1. 自己紹介 • 五十嵐 雄 / id:yigarashi • Xは @yigarashi_9 •

    大阪府茨木市在住 フルリモート勤務 • 関西EMコミュニティ EM Lounge スタッフ • 趣味は筋トレ、ジョギング、ドラム 2
  2. 略歴 • 2019/4 株式会社はてな 新卒入社 ◦ WEBアプリケーションエンジニア ◦ エンジニアリングマネージャーを目指す若者の戦略 ▪

    早い段階でEMが面白そうだなと思って狙いを定める • 2023/6 はてなブックマークチームのEMに ◦ はてなEMキャリアパス 最速攻略RTA 新卒部門 • 2024/4 コンテンツ本部 EM of EMsに 3
  3. EM of EMsを名乗る気持ち • 各事業にEMも(まだ)いない • とはいえ各チームの機能はほぼ完結している ◦ PO →

    プロダクトマネジメント ◦ TL → テクノロジーマネジメント ◦ SM → デリバリー/チームマネジメント • 予算や事業構造、プロダクトが違う2事業に外 からアプローチする抽象度は高い 6
  4. 基本方針 • 自己組織化が土台 ◦ 組織が裁量を持ち自律的に目標に向かえている状態 ◦ 少ない指示で大きな成果を挙げたい • 自己組織化の真価を引き出す必要がある ◦

    裁量や自律性に気を取られすぎるのがアンチパターン ◦ 「目標に向かえている状態」が一番得たい成果 • 裁量の発揮を徹底して目標に方向づけする 12
  5. ポイント(3) 使い続ける • 毎月15分ほどの発信機会に言い続ける ◦ 「事業を成長させる組織になるために 〇〇」の形 ◦ 事業目標から逆算する思考、事業計画の構成要素や立 て方、Disagree

    & Commitの文化…… • 一貫した施策を打つ ◦ 事業計画立案にチームのエンジニアを巻き込む仕組み ◦ エンジニア育成を事業責任者と一緒に考える仕組み 19
  6. 提示した戦略の例(2) • 基本方針 ◦ 当該プロジェクトだけに集中できる人を増やすこと ▪ コンテキストスイッチと認知負荷を減らす ▪ フルコミットすることでモチベ向上も期待 ◦

    露払いに集中してもらう人が発生することも織り込む • 行動 ◦ チーム分割でいいんじゃない?ぶっ壊せ!詳細はヨロ 25
  7. 活用と育成の統合 • 当然両方の期待を満たすのが理想の状態 ◦ ここを目指してひたすらパズルをする ▪ 事業の要請から個人を引き上げる余地を考える ▪ 個人の伸び代からチームの理想像が引き上がることも ▪

    足りないケイパビリティは異動も検討 • 事業責任者と共同で設計するのが重要 ◦ EMの期待設計が事業の要請を満たすことを確認 ◦ 育成への投資に合意を得る 30
  8. まとめ • 裁量の発揮を徹底して目標に方向づける ◦ 本部単位 ▪ 組織ビジョンを用いて変化の方向性を提示し続ける ◦ チーム単位 ▪

    戦略のカーネルでリソースの投下方法を提示する ◦ 個人単位 ▪ 活用と育成を統合した期待で方向を示す 32