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部門横断チームによる生成AI導入の壁突破事例ご紹介
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YukiOgawa
December 30, 2024
Programming
1
6
部門横断チームによる生成AI導入の壁突破事例ご紹介
生成AIユースケース創出BootCamp@2024/10/29の登壇資料です
YukiOgawa
December 30, 2024
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Transcript
©Mitsubishi Electric Corporation 2 0 2 4 / 1 0
/ 2 9 IoT・ライフソリューション新事業推進センター 小川 雄喜 部 門 横 断 チ ー ム に よ る 生 成 AI導 入 の 壁 突 破 事 例 ご 紹 介 生成AIユースケース創出Boot Camp 11:45-12:00
©Mitsubishi Electric Corporation 2 • 小川 雄喜(おがわゆうき) • IoT・ライフソリューション新事業推進センター IoT推進部/プラットフォーム開発グループ
• 業務経験 • 家庭向けエネルギーマネジメントシステムの研究開発 • 米国向け空調クラウド開発 • IoT共通プラットフォーム”Linova”開発 • スマートフォン向けアプリ開発でのアジャイル開発導入 • 事業本部内クラウドCoEおよび社内 AWS コミュニティ活動 • 好きな AWS サービス • Amazon Bedrock • サーバーレスアーキテクチャ 自己紹介 @_YukiOgawa
©Mitsubishi Electric Corporation 3 背景 生成AI面白い! これって今の業務改善でも利用できるんじゃない? わたし 生成AIは使ってみたけど、答えの精度がねぇ・・・ まだまだ業務レベルでは使えないと思うけど・・・
Bさん Aさん 生成AI使ってみたけど、確かに良い感じ! 内部で使う文書検索やレビューなどに使えそう!
©Mitsubishi Electric Corporation 4 背景 生成AI面白い! これって今の業務改善でも利用できるんじゃない? わたし 生成AIは使ってみたけど、答えの精度がねぇ・・・ まだまだ業務レベルでは使えないと思うけど・・・
Bさん Aさん 生成AI使ってみたけど、確かに良い感じ! 内部で使う文書検索やレビューなどに使えそう! 生成AIをある程度触った経験あり ChatGPTを少し触った程度 生成AIを多くのメンバーに触れてもらう必要がある!
©Mitsubishi Electric Corporation 5 背景 組織メンバーを生成AIに触れさせるために、 良いトレーニングとかハンズオンってないっすか? わたし CSMさん それならば、EBA(Experience-Based
Acceleration)は いかがでしょうか? 短期間の伴走型パイロット開発支援で、お客様自身の 手で開発するので、実践的に知識を体得できます。 三菱電機グループでは初の試みになりますね! 上司の理解もあり、メンバー募集してやってみることに!
©Mitsubishi Electric Corporation 6 3つのチームにて組織が抱える課題にチャレンジ 当組織でのEBA内容 市場対応DX化 開発業務効率化 データ分析サポート コードレビューによる
開発スピードの向上 仕様書とコードの整合性、 コーディング規約を確認し、 過不足やレビュー強化箇所 を指摘 目標 内容 チーム 構成 ×3 ×3 ×1 ×4 ×3 ×1 ×2 ×1 ×5 運用エンジニア 開発エンジニア 管理職、非エンジニア Webお問合せの 回答スピードを向上 過去のお客様との質疑、製品の 取扱説明書や仕様書を参照した 回答案の作成 データ分析基盤を 初心者でも簡単に使える 自然言語での問合せに対して、 機器データカタログから問合 せに合うSQL文を生成
©Mitsubishi Electric Corporation 7 CoE的な機能を持ち、各チームの状況を確認&支援 コマンドセンターが各チームを支援 開発業務効率化 (嵐山チーム) ×3 ×3
×1 データ分析サポート (鎌倉チーム) ×4 ×3 ×1 市場対応DX化 (先斗町チーム) ×2 ×1 ×5 コマンドセンター (御所チーム) • 組織目標:EBAが組織目標とつながるように • 進捗フォロー:インセプションデッキ、チーム目標 • 教育支援:勉強会やハンズオン(底上げ) • イベント盛上げ:ドレスコード、懇親会準備など
©Mitsubishi Electric Corporation 8 EBA全体スケジュール 24/4 24/5 24/6 24/7 8-
15- 22- 29- 6- 13- 20- 27- 3- 10- 17- 24- 1- 8- 全体定例 / イベント ハンズオン 勉強会 各チーム ★キックオフ ★中間発表 7/9-11 EBA パーティー •AWS 様生成AI ハンズオン① •AWS 様生成AI ハンズオン② •全体定例② •全体定例③ アーキテクチャ検討 インセプション デッキ •内部サーバーレス勉強会 •内部アジャイル開発練習会 メンバー募集&チーム分配 EBA全体目標設定 •AWS 様 アジャイル座学 PBI検討 EBA環境準備 パーティー準備
©Mitsubishi Electric Corporation 9 • 3日間でのMVP作成&デモ披露をEBAパーティーと呼ぶ • EBAパーティー以前はアジャイル開発のスプリント0に相当 EBAパーティー Day1
Day2 Day3 9:00 開始前 事前チェック 事前チェック 9:30 事前チェック タイムテーブルの説明 タイムテーブルの設営 10:00 キックオフ デイリースタンドアップ デイリースタンドアップ 10:30 デイリースタンドアップ チームごとの作業 チームごとの作業 11:00 チームごとの作業 11:30 12:00 ランチ ランチ ランチ 12:30 13:00 デイリースタンドアップ デイリースタンドアップ デイリースタンドアップ 13:30 チームごとの作業 チームごとの作業 チームごとの作業 14:00 14:30 レトロスペクティブ 15:00 15:30 報告会(デモ/QA) 16:00 16:30 結果報告 結果報告・総評 17:00 ゲーム(全体) クロージング 17:30 結果報告 終了 懇親会 18:00 終了 全体イベント 各チームイベント ワークタイム 報告会 として 社内配信
©Mitsubishi Electric Corporation 10 各チームのMVP成果物
©Mitsubishi Electric Corporation 11 ①開発業務効率化:PR/FAQ • 設計仕様書およびソースコードのレビューサポートを行い、設計書、コーディン グ、テストコードの自動生成も実行します。生成AIの活用により、規約や条件に 基づいた一定品質のドキュメントやコードを出力し、開発工程全体を効率化でき ます。開発者のスキルやノウハウに頼る開発とは異なり、高速で一定レベルの
サービスやソリューションを提供できます。 • Q. 今回まずコードレビューアシストからリリースした理由はなんでしょうか? • A. コード品質を高くするために、現状の開発ではコードレビューに多くの時間を かけています。また、コードレビューは有識者の参加が必須であり、時間調整が 難航するなど、現状多くの課題があるため、最初のターゲットとしました。今後 は、設計書、ソースコード、テストコードの自動生成サービスへと展開予定です。 開発リソース不足の問題を解決し、 迅速な開発・リリースを可能にする”ACRA-1”開発のお知らせ
©Mitsubishi Electric Corporation 12 ①開発業務効率化:トップ画面 • レビュー観点(設計書、命名規則、コーディン グ規約、禁止事項など)をユースケースに従っ て選択する •
設計書ファイルをアップロード • 設計書はMarkdownなどの構造化言語で記述さ れていると生成AIが理解しやすい • 処理フローはPlantUMLなどで記述されている と生成AIがコードとの整合性を検証しやすい • ソースコードをアップロード • 今回のデモはPythonに限定しているが、他のス クリプト言語でも対応可能な想定
©Mitsubishi Electric Corporation 13 ①開発業務効率化:レビュー結果 • ユーザーが設定したレビュー観点を元にコー ディング内容を総合的に評価 • 概要、スコア、改善点の3つを要約として表示
• 設計書との整合性を評価 • コードにない「実装漏れ」を防ぐことができる • コーディング規約の準拠を評価 • コーディング規約に合わせた修正方法を指示 • コード修正案も提示
©Mitsubishi Electric Corporation 14 ②市場対応DX化:PR/FAQ • 本システムでは、取扱説明書や技術資料などの文書だけでなく、過去のWebお問 合せサイトや技術相談窓口でいただいたご質問とその回答内容を学習することで、 一貫性があり根拠のある回答を導きます。今後のソリューション増加やアジアを 中心とした海外展開によるMyMUユーザーが100万人以上に達した場合でも、現
状以上の回答品質とスピードの維持を目指します。 • Q. “Cat Hand”により 回答時間が短縮できる理由は何ですか? • A. 従来の回答作業は、過去の類似回答の調査とその理由の確認に多くの時間がか かっていました。本システムでは、過去のお問合せと近い質問を検索して回答案 を生成する一方、類似質問がない場合は取扱説明書から回答案を生成することで、 担当者やその承認者の確認作業時間を大幅に削減できました。 お客様からの製品お問合せへの回答時間を最大90%短縮できる 回答サポートAIシステム”Cat Hand”の開発のお知らせ
©Mitsubishi Electric Corporation 15 ②市場対応DX化:デモシナリオ • シナリオ①:過去に類似の質問がある場合 • 過去の回答を参照して、回答案を生成する •
ユースケース:よくある質問など、質問の多くのケースに対応 • シナリオ②:過去に類似の質問がない場合 • 取扱説明書を参照して、回答案を生成する • ユースケース:新規アプリや機能に関する質問 • シナリオ③:お客様と質問と回答が継続する場合 • 同じ質問IDの履歴を取得し、結合して質問文を生成する • ユースケース:お客様から一度に全ての情報が出て来ず、やり取りが続いた 場合
©Mitsubishi Electric Corporation 16 ②市場対応DX化:デモ結果「過去に類似の質問がある場合」 シナリオ①:過去に類似の質問がある場合 • MyMUアプリにて、過去によくある質問 • 過去の類似質問として抽出した引用元を記載してあ
り、詳細な過去のやりとりもトレース可能 • 参照元の日付やファイル場所の記載があり、引用元 がおおよそ合っているかを直感的に判断できる • 過去の類似した質問を参照し、その回答結果から回 答案を生成 • 回答案はそのままコピー&ペーストできる
©Mitsubishi Electric Corporation 17 ②市場対応DX化:デモ結果「過去に類似の質問がない場合」 シナリオ②:過去に類似の質問がない場合 • MyMUアプリの最新リリースにて対応した機能に関 する質問を実施(過去の問合せにはない) •
引用元として、最新の取扱説明書の該当ページであ ることを確認できる • 生成AIが判断した一致率とその理由を表示されるこ とで、利用者が回答案の確からしさを確認できる。 • 過去の問合せにないため、最新の取扱説明書のナ レッジベースから回答案を作成 • 参照するファイル名がそのまま回答されるなど、回 答案をそのままお客様に回答できるレベルではない。 PoCとしては市場対応員が最終的な文言の修正を行 う。 (中略)
©Mitsubishi Electric Corporation 18 ②市場対応DX化:デモ結果「お客様と質問・回答が継続する場合」 シナリオ③:お客様と質問・回答が継続する場合 • お客様の質問が曖昧な場合を想定 • 2回目の質問では具体的な対象機種の指定があった。
生成AIには1回目の質問と結合しているため、「機 器登録」かつ「エアコン」の文脈でナレッジベース を検索する。 • 取扱説明書より、「エアコン」の「機器登録」の方 法について具体的にご案内できる。 • 類似の過去の質問が無かったため、取扱説明書から 「機器の登録」に関する内容をご案内。 • 「機器の登録」は対象機種により操作方法が異なる ため、ここでは機器登録説明書のご案内にとどめた 回答案となっている。
©Mitsubishi Electric Corporation 19 ③データ分析サポート:PR/FAQ • 現在社内に提供しているデータ分析環境「KOTOLiA」は、利用者自身で分析内容 にあったSQLクエリを生成する必要があります。そのため、データ抽出作業に時間 がかかったり、うまくSQLクエリが作成できずに意図通りの結果が得られずに、 データ分析作業を断念してしまうケースがありました。
• 本サポートツールでは、自然言語でSQLクエリを作成することで、利用者がデータ 分析作業を断念せずに継続して利用できることを目指しました。 • Q. データの知識が無くても利用できますか? • A. 簡単な対象機器の知識があれば、データ仕様書やツールが提供する情報を活用 して、利用することができます。 データ分析環境の利用ユーザー向けSQLクエリ作成支援ツール 「お手軽データ抽出サポートツール」を提供
©Mitsubishi Electric Corporation 20 ③データ分析サポート:KOTOLiA概要 データ統合分析PF KOTOLiA データレイク • データ検索
• データマート作成 データ整形 分析データの 切り出し 分析者が利用可能な データベース 家電・ 住宅設備など オフィスビル用 空調設備など HEMS 霧ヶ峰 Remote 社内 実証 ビル用 空調 機器クラウド MyMU データ ウェアハウス データマート 利用者 Amazon Athena Amazon QuickSight Amazon SageMaker • データ可視化 • ダッシュボード作成 • データ詳細分析 • 学習アルゴリズム適用 レプリケーション 利用可能サービス
©Mitsubishi Electric Corporation 21 ③データ分析サポート:仕様書生成 • 分析対象となる機器データの情報を質問する • ナレッジベースで保有しているドキュメントを元に、 データテーブルやデータの種類に関して回答する。
• 主要なデータ項目のプロパティ名とその内容につい ても回答する。ユーザーはこれらのデータ項目の内 容を元に、抽出したいデータ項目を検討できる。
©Mitsubishi Electric Corporation 22 ③データ分析サポート:SQLクエリ生成 • 自然言語にてSQLクエリ文を生成するように指示 • 現状ナレッジベースに入れたビル空調データの情報 や、質問における冷房や送風などの情報から、生成
AIはビル空調データが対象だと判断 • 対象のデータテーブルにあったプロパティで、SQLク エリ文を生成する • 機器IDのデータフォーマットや運転モードの内容か ら、参照すべきデータテーブルを自動で選択 • 冷房や送風といった条件が運転中であることを判断 してAND文を自動で作成する • ナレッジベースや質問内容からデータのサンプリン グ周期や抽出期間を推定しているが、注意書きとし て適宜変更するようにユーザーに説明する 注意点: - データの収集間隔が2分でない場合は、計算式を適宜調整する必要があります。 - 過去1ヶ月分のデータを取得していますが、必要に応じて日付範囲を調整してください。 - LIMIT 10 を設定していますが、必要に応じて変更または削除してください。
©Mitsubishi Electric Corporation 23 EBAパーティー3日間を通じて、パーティー目標を達成 EBAパーティー全体の評価 生成AIを使ったMVP作成・デモを実施し、 当社ライフビジネス事業での生成AI活用で当組織が先行していることをアピール 目標① 当組織がアジャイル開発により短期間で
MVP作成ができることを証明し、内外で共有する 目標② • 参加者アンケートから当組織への期待として、 生成AI活用がEBA前後で約15%向上した※1 • 実質2.5日で3チームすべてがMVP作成を達成した • 報告会には社内で約500人が参加・視聴し、社内全体に共有できた *1: EBAパーティー申込者の事前事後のアンケートにて、当組織への期待のうち「生成AI利用のソリューション開発」が14.7%向上した。
©Mitsubishi Electric Corporation 24 開始からしばらくはネガティブな意見が多かった EBA実施前の参加者の声 今やっている業務が 忙しいんだけど・・・ 開発やってないから、 実装・設計できない
打合せまでにメンバーが 何もやってこない
©Mitsubishi Electric Corporation 25 開始からしばらくはネガティブな意見が多かった EBA実施前の参加者の声 今やっている業務が 忙しいんだけど・・・ 開発やってないから、 実装・設計できない
打合せまでにメンバーが 何もやってこない コマンド センター • もちろんメイン業務が優先です!チームの中でうまくタスクを分担しな がら、本番まで準備をしていきましょう! • デイリースクラムを開催して、自分と他のメンバーの状況を共有しましょ う!他のメンバーの進捗が刺激になって、主体性が出てきます! • チーム横断での勉強会やハンズオンを企画します!一緒に学んでいきま しょう!
©Mitsubishi Electric Corporation 27 EBAを通じて組織メンバーの意識をかえることができた EBA実施後の参加者の声 0 5 10 15
とても良くなった 良くなった 変わらない、分からない 悪くなった とても悪くなった 評価できない EBA参加者のアジャイル意識 0 2 4 6 8 10 ぜひ実施すべきだと思う 実施した方がよい 分からない・回答できない あまり実施しない方が… 実施すべきではない EBA参加者のアクセラレーション導入 アジャイル・マインドの向上 • コミュニケーション、主体性などのアジャイル開発での マインドが浸透できた • チームメンバーを混ぜたことで、専門技術で集まるので はなく、部/課の壁を超えた共有ができた • アジャイル開発を体験して、組織としてアジャイルに対 するポジティブな意見が増えた EBAが組織をアジャイル化するための 良いはじめの一歩となった
©Mitsubishi Electric Corporation 28 EBAを通じて社内全体にアピールできた 組織としての評価も上がった 0 50 100 150
今回初めて聞いた 名前だけは聞いたことはあった 知り合いが所属している部署がリソ推であ… 業務でかかわりはないが、リ本に属している… MyMUやLinovaなどのアプリやクラウドを… 開発依頼をしたこと、または開発依頼を受… 普段の業務で深くかかわっている 以前または現在の所属組織である その他 EBA前の組織の社内認知度 0 10 20 30 40 50 60 70 80 とても良くなった 良くなった 変わらない、分からない 悪くなった とても悪くなった 評価できない EBAによる組織の印象変化 0 10 20 30 40 50 60 70 80 参加してとても良かった 参加して良かった 概ね期待通りの内容だった 期待したものではなかった とても見られたものではなかった 不参加のため評価できない EBA聴講者の評価 当組織を 知らない人が約半数 EBAにより 印象アップ! EBA報告会も 好評!
©Mitsubishi Electric Corporation 29 • 生成AIアプリの利用継続と推進 • EBAでの開発成果を自分たちの日常業務に活用しつつ、組織として継続的な 見直し&改修をしていく •
獲得した生成AI知見を当社ソリューション事業にも積極的に展開していく • 部門横断でのEBA的な取り組み • 組織内だけでなく、全社横通しで取組んでいきたい • 今回のEBAを契機に、アジャイル開発やアクセラレーションを組織文化とし て取り込む 今後の取組み
None