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yuki
August 30, 2020
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magnetic energy
yuki
August 30, 2020
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Transcript
磁気エネルギーと 磁気随伴エネルギー 大阪府立大学 工学研究科 清水 悠生
2 モータのトルクを求める方法は様々 ✓ モータのトルクを求める方法はいくつか存在 ✓ 本スライドでは,磁気随伴エネルギーから トルクを求める方法について説明 ✓ 電機子電流と電機子鎖交磁束から トルクやトルクリプルを求める方法はこちらを参照
https://yuyumoyuyu.com/2020/07/26/torquederivationbyvectorproduct/ https://yuyumoyuyu.com/2020/08/02/orderoftorqueripple/ ✓ マクスウェル応力テンソルから トルクを求める方法はこちらを参照 https://yuyumoyuyu.com/2020/08/09/maxwellstresstensor/
3 モータが貯える磁気エネルギー(1/3) ✓ まず,モータに入力されるエネルギーを考える ✓ 簡単のため,モータ巻線の1相のみを考える ✓ 界磁磁束は無視する u相コイル u
v w 磁束鎖交数 電圧 電流 𝑣 𝑖 𝜙 巻線抵抗 𝑅
4 モータが貯える磁気エネルギー(2/3) ✓ キルヒホッフの第二法則から このような関係が導き出される 𝑣 = 𝑑𝜙 𝑑𝑡 +
𝑅𝑖 ⟺ 𝑣𝑖𝑑𝑡 = 𝑖𝑑𝜙 + 𝑅𝑖2𝑑𝑡 誘導起電力 電圧降下 モータに蓄えられる 磁気エネルギーdW m 抵抗が消費するエネルギー(ジュール熱) 電源がした仕事 𝑖 巻線を流れる電流 𝜙 巻線の 磁束鎖交数 𝑑𝜙 𝑖 面積 𝑖𝑑𝜙 = 𝑑𝑊 𝑚 この式は,微小時間dtにおいて 発生するエネルギーdWを考えている 0
5 モータが貯える磁気エネルギー(3/3) ✓ 機械仕事が発生しない場合においてモータが貯える 磁気エネルギーは下図の通り 𝑖 巻線を流れる電流 𝜙 巻線の 磁束鎖交数
𝑖𝑡 面積 𝑊 𝑚 𝜙𝑡 𝑊 𝑚 = න 0 ∞ 𝑣𝑖 − 𝑅𝑖2 𝑑𝑡 = න 0 𝜙𝑡 𝑖𝑑𝜙 0
6 磁気エネルギーに基づく機械仕事 ✓ 例えば,時間が と経過した際に 回転子位置と電流が と変化し 鎖交磁束数が と変化した場合を考えると 各エネルギーの関係は下図のとおり
𝑡1 ⟶ 𝑡2 𝜙1 ⟶ 𝜙2 𝜃1 ⟶ 𝜃2 , 𝑖1 ⟶ 𝑖2 𝑖 巻線を流れる電流 𝜙 巻線の 磁束鎖交数 𝜃 = 𝜃2 𝑖2 𝑖1 𝜙2 𝜙1 0 時刻t 2 における 磁気エネルギー 時刻t 1 →t 2 で 回転子位置をθ 1 →θ 2 と するための機械仕事 時刻t 2 までに 電源から供給 された電力 𝜃 = 𝜃1
7 磁気エネルギーからトルクを計算する ✓ 前スライドの関係を数式的に表現すると次式のとおり ただし,巻線抵抗の影響は簡単のため省略 𝑑𝑊𝑒𝑙𝑒𝑐 = 𝑑𝑊 𝑚 +
𝑑𝑊𝑚𝑒𝑐ℎ = 𝑑𝑊 𝑚 + 𝑇𝑑𝜃 電源から 供給された 電力 回転子になされる仕事 磁気 エネルギー 変化 𝑇: トルク 𝑑𝜃: 微小回転角 ✓ この関係式を次の二つの前提のもと解く 1. 𝜙, 𝜃を独立変数とする 2. 𝑖, 𝜃を独立変数とする
8 𝝓, 𝜽を独立変数とする場合 ✓ 磁気エネルギーと電流は𝜙, 𝜃の関数としてみなせるので 𝑊 𝑚 = 𝑊
𝑚 𝜙, 𝜃 , 𝑖 = 𝑖 𝜙, 𝜃 各エネルギーは次式のように変形できる 𝑑𝑊𝑒𝑙𝑒𝑐 = 𝑣𝑖𝑑𝑡 = 𝑖𝑑𝜙 𝑑𝑊 𝑚 = 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜙 𝑑𝜙 (スライドp.4参照) (合成関数の偏微分公式より) したがって,トルクは下記の通り計算できる 𝑇𝑑𝜃 = 𝑑𝑊𝑒𝑙𝑒𝑐 − 𝑑𝑊 𝑚 = 𝑖𝑑𝜙 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜙 𝑑𝜙 = − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝑖 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜙 𝑑𝜙 ⇔ 𝑇 = − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑊 𝑚 = න 𝑖𝑑𝜙 ⟺ 𝑖 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜙 = 0
9 𝒊, 𝜽を独立変数とする場合(1/2) ✓ 磁気エネルギーと磁束鎖交数は𝑖, 𝜃の関数とみなせるので 𝑊 𝑚 = 𝑊
𝑚 𝑖, 𝜃 , 𝜙 = 𝜙 𝑖, 𝜃 各エネルギーは次式のように変形できる 𝑑𝑊𝑒𝑙𝑒𝑐 = 𝑣𝑖𝑑𝑡 = 𝑖𝑑𝜙 = 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝜕𝜙 𝜕𝑖 𝑑𝑖 𝑑𝑊 𝑚 = 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝑖 𝑑𝑖 (合成関数の 偏微分公式より) したがって,トルクは下記の通り計算できる 𝑇𝑑𝜃 = 𝑑𝑊𝑒𝑙𝑒𝑐 − 𝑑𝑊 𝑚 = 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝜕𝜙 𝜕𝑖 𝑑𝑖 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝑖 𝑑𝑖 = 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝜃 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝑖 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝑖 𝑑𝑖 (合成関数の 偏微分公式より) … (A)
10 𝒊, 𝜽を独立変数とする場合(2/2) ここで,部分積分を用いると磁気エネルギー は 𝑊 𝑚 = න 𝑖𝑑𝜙
= 𝑖𝜙 − න 𝜙𝑑𝑖 となるから,両辺 で偏微分すると 𝑖 𝑊 𝑚 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝑖 = 𝜙 + 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝑖 − 𝜙 = 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝑖 となる。よって,前スライド(A)よりトルクは 𝑇𝑑𝜃 = 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝜃 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 + 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝑖 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝑖 𝑑𝑖 = 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝜃 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 𝑑𝜃 ⇔ 𝑇 = 𝑖 𝜕𝜙 𝜕𝜃 − 𝜕𝑊 𝑚 𝜕𝜃 = 𝜕 𝜕𝜃 𝑖𝜙 − 𝑊 𝑚 = 𝜕 𝜕𝜃 𝑊 𝑚 ′ と求まる。ここで, は磁気随伴エネルギーである 𝑊 𝑚 ′
11 磁気随伴エネルギーとは? ✓ 前スライドでは,次式で定義する磁気随伴エネルギーを導入 ✓ 物理的な意味はもたない 𝑖 巻線を流れる電流 𝜙 巻線の
磁束鎖交数 𝑖𝑡 𝜙𝑡 磁気エネルギー𝑊 𝑚 磁気随伴エネルギー𝑾𝒎 ′ 𝑊 𝑚 ′ = 𝑖𝜙 − 𝑊 𝑚
12 なぜ磁気随伴エネルギーを導入するのか ✓ 磁気エネルギーとトルクの関係式は, 独立変数の置き方により,下記の2式が得られた 𝑇 = − 𝜕 𝜕𝜃
𝑊 𝑚 𝜃, 𝜙 𝑇 = 𝜕 𝜕𝜃 𝑊 𝑚 ′ 𝜃, 𝑖 ✓ モータの入出力特性を考えると トルクは電流によって表現されるほうが扱いやすい! だから,磁気随伴エネルギーによるトルク式を使用する! (𝜃と𝜙の関数) (𝜃と𝑖の関数) 電気系回路 (インバータetc) モータ 機械装置 (減速ギアetc) 電流 トルク
13 磁気特性が線形の場合 ✓ 磁気特性が電流,磁束鎖交数に対して線形である場合 磁気エネルギーと磁気随伴エネルギーは同じ値になる 𝑊 𝑚 ′ = 𝑊
𝑚 = 𝜙𝑖 2 = 𝜙2 2𝐿 𝜃 = 𝐿 𝜃 𝑖2 2 𝐿 𝜃 : (自己)インダ クタンス (𝜃と𝜙の関数) (𝜃と𝑖の関数) 𝑇 = − 𝜕 𝜕𝜃 𝑊 𝑚 𝜃, 𝜙 = − 𝜕 𝜕𝜃 𝜙2 2𝐿 𝜃 = 𝜙2 2𝐿 𝜃 2 𝑑𝐿 𝜃 𝑑𝜃 𝑇 = 𝜕 𝜕𝜃 𝑊 𝑚 ′ 𝜃, 𝑖 = 𝜕 𝜕𝜃 𝐿 𝜃 𝑖2 2 = 𝑖2 2 𝑑𝐿 𝜃 𝑑𝜃 同じ数式 𝑖 𝜙 𝜙 = 𝐿 𝜃 𝑖 ⇔ 𝑖 = 𝜙 𝐿 𝜃 磁気エネルギー𝑊 𝑚 磁気随伴エネルギー𝑊 𝑚 ′
14 磁気特性が非線形の場合 ✓ 磁気飽和などで電流に対する磁束鎖交数が 非線形な特性を示す場合, 磁気エネルギーと磁気随伴エネルギーは異なる値をとる ✓ トルクの計算時には,磁気特性を何か別の関数で表し 磁気エネルギーか磁気随伴エネルギーを導出する 𝑖
巻線を流れる電流 𝜙 巻線の 磁束鎖交数 磁気エネルギー 𝑊 𝑚 = න 𝑖𝑑𝜙 磁気随伴エネルギー 𝑊 𝑚 ′ = න 𝜙𝑑𝑖
15 (補足)B-Hカーブ上での磁気エネルギー ✓ 磁性材料の磁気特性評価時によく利用されるB-Hカーブに おける磁気エネルギーについて計算してみる 𝑁𝑖 = 𝑙𝐻, 𝑑𝜙 =
𝑁𝑑𝜑 = 𝑁𝑆𝑑𝐵 𝑊 𝑚 = න 𝑖𝑑𝜙 = න 𝑁𝑖𝑑𝜑 = න 𝑙𝐻 𝑆𝑑𝐵 = 𝑙𝑆 න 𝐻𝑑𝐵 𝑁: コイルの巻数 𝑙: 磁気回路の平均磁路長 𝜑: 鎖交磁束 𝑆: 磁気回路の断面積 より 𝐵 ∝ 𝜙 𝐻 ∝ 𝑖 単位体積あたりの 磁気エネルギー න 𝐻𝑑𝐵 = 𝑊 𝑚 𝑙𝑆 と計算でき,B-Hカーブ上で計算した面積は 単位体積あたりの磁気エネルギーに等しいことがわかる
16 参考文献 ✓ 宮入庄太:「エネルギー変換工学入門 新しい電気機械 学」,丸善株式会社 (1963)