SBNRについて

こちらのレポートをもとに、社内で共有会をしました。
https://signing.co.jp/pdf/sbnr_report.pdf

Transcript

1. SBNR Spiritual but not religious
2. SBNRとは　(Spiritual but not religious) Spiritual But Not Religiousの略称です。 「精神的ではあるが宗教的ではない」という状態を指します。 最近世界的に急増している、「宗教的ではないけれど、精神的な豊かさを求めている人たち」のこと。 アメリカにおいて、約3.2億人の国民の中で5人に1人が「SBNR」という状態にあるとされています。 全米の18歳以下の83％がこの層に属すというデータも。 キリスト教国と見なされがちなアメリカですが、最近になってこの「SBNR」の考え方が注目され、多く の人が宗教に属さずとも精神的な探求をしていることが明らかになりました。
3. 興味をもったきっかけ =>昨年参加した京大デザインワークショップから。ワークショップ参加者の方から
4. 現代思想2023年10月号 特集＝スピリチュアリティの現在 【総論】
 スピリチュアリティの未来に向けて――限界意識のスピリチュアリティという視点から　／　島薗進 
 スピリットの形態学ならびにその展開と帰趨　／　堀江宗正 
 【スピリチュアル化する社会】 
 スピリチュアルとビジネスの共通の構成性を考える　／　ガイタニディス・ヤニス 
 感情が「現実」を作る時代――なぜニューエイジというアメリカの病はこれほど根強いのか　／　柳澤田実 
 考えるな、感じろ――精神世界とスピリチュアル文化を分かつもの　／　岡本亮輔 
 【占いの思想】 
 神は世界創造の前にタロットを引いたか――伝統宗教と個人的スピリチュアリティとのある対話　／　鏡リュウジ 
 上昇と下降、今を生きるための神殿　／　石井ゆかり 
 【〈信〉を形作るもの】 
 奇跡を実験する――トリノ聖骸布を〈検証／顕彰〉する科学　／　小俣ラポー日登美 
 今日のスピリチュアリズム――イギリスの霊媒たちと交霊会　／　河西瑛里子 
 縄文とスピリチュアリティ、考古学のスピリチュアリティ　／吉田泰幸＋ジョン・アートル 
 自然音と癒し　／　柳沢英輔 
 「畏敬の念」と日本の宗教性から読み解く現代のスピリチュアリティ　／　高野了太 
 【討議】
 隣人の傘を見つめて――信じたいという心のゆくえ　／　栗田英彦＋橋迫瑞穂 
 【霊性の根源をたどる】 
 「東洋的霊性」をいかに語るか――高楠順次郎とインド仏教　／　碧海寿広 
 政治と霊性――『宗教とは何か』を読むために　／　浅沼光樹 
 the hippie to the hip, hip hop, and you don’t stop――ヒップホップという異言　／　山下壮起 
 【野辺にて】
 求められるグリーフケアと問われる故人との関係性　／　坂口幸弘 
 新しい葬送と日本人の死生観――日本人の「宗教的感情」とは　／　谷山昌子 
 紹介いただいた本
5. 1/ イントロ 2/ SBNR とは ・個人の視点 ・ビジネスの視点 3/アフタートーク > 本日のおはなし
6. 本日の 参考資料 SBNR Report | HAKUHODO inc. & SIGNING inc. 2023
8. 本日の 参考資料 World Religions: the Spirit Searching – Simple Book Publishing
9. 1.個人の価値観の視点 2.ビジネスの視点
10. ここでアンケート
16. もっと詳しく知りたい方 は https://www.pewresearch.org/religion/interactives/how-the-religious-typologies-compare
17. 宗教について
18. 宗教の語源は？いつから？ 宗教の語源については、その言葉がどの言語において考えられているかによって異なりますが、多く の場合、ラテン語の「religio」がその起源とされています。 「religio」の語源には諸説ありますが、一般的には「再び」という意味の接頭語「re-」と、「結び つける」を意味する「ligare」が合わさって「再び結びつける」または「義務づける」という意味を 持つとされています。 これは、人間と神または超自然的存在との間の結びつきや義務を指しています。 宗教という概念がいつから存在しているか？ 定義によって大きく異なります。人類学や考古学では、宗教的な信念や儀式が見られる古代の遺物や 壁画などから、少なくとも新石器時代、約1万年前には人間に宗教的な感覚が存在していたと推定さ れています。 宗教という語が現在のような意味合いで使われ始めたのは、古代ローマ時代以降のことである可能性 が高いです。
19. 古代ローマ時代における宗教 古代ローマ時代における宗教は、多神教であり、日常生活の中で極めて重要な役割を果たしていました。 主な特徴 • 多神教: 古代ローマ人は様々な神々を信仰しており、これらの神々は自然現象、人間の活動や感情など、生活のあらゆる 側面を司っていました。 • 公共の儀式と私的な信仰: 宗教行事は公共の場で行われ、国家の安泰や繁栄を願う儀式が頻繁に行われていました。一 方で、個人や家庭でも祖先の霊や家庭の守護神を祀る私的な信仰がありました。 • 宗教と政治の結びつき: 宗教は政治と密接に結びついており、祭司や祭司長はしばしば政治的に重要な役割を果たしてい ました。また、皇帝はしばしば神として崇拝されることもありました。 • 異文化の神々の受容: ローマ帝国は広大な地域にわたり多様な文化を包含していたため、エジプトのイシス神の信仰やペ ルシャのミトラ教など、外来の宗教も広がりました。
20. 時系列的変化
21. 「2010年、ピューリサーチセンターは230以上の国と地域 を対象に人口統計学的調査を行いました。その結果、全世界 で58億人の大人と子どもが宗教団体に所属していると推定 され、2010年の世界人口（当時69億人）の84%に相当する ことが明らかになりました。以下は、信者の総人口から見た 宗教団体の内訳である。 • キリスト教信者-22億人（世界人口の31.5%を占め る） • イスラム教徒-16億人 (23.2%) • 無宗教-11億人（16.3%） • ヒンズー教徒-10億人 (15.0%) • 仏教徒-5億人 (7.1%) • 先住民族の宗教-4億人 (5.9%) • その他の宗教-5800万人 (0.8%) • ユダヤ教 1400万人 (0.2%) 世界の割合
22. 日本における宗教 日本における「宗教」という言葉は、「根本的な教え」や「本源からの教え」という意味合いを持つと解釈されます。 日本では、古来から神道が自然崇拝や祖先崇拝として存在していました。が、それを「宗教」というカテゴリで捉えては いません。 「宗教」という言葉自体は、近代になり西洋からの宗教学の導入や、神道、仏教、キリスト教など多様な信仰体系を包括 的に指す言葉として、「宗教」という語が一般化しました。 したがって、「宗教」という言葉の語源は、日本においても「根本的な教え」を意味するものであり、その用法は時間と 共に進化し、多様な信仰や教えを含む包括的な概念へと発展してきたと言えます。
23. 日本における宗教 神道は、アニミズムとシャーマニズムから直接発展したと考えられています。 神道は多神教的な性質を持ち、八百万の神々を崇拝します。 6世紀に仏教が日本に伝来した後、神道と仏教は混淆し、神仏習合という独特の宗教形態を 生み出しました。 明治時代になると、神仏分離が行われ、神道は国家神道として確立されました。 第二次世界大戦後、国家神道は廃止され、神道は民間信仰として存続しています。
24. 日本における宗教
25. https://contrib.pbslearningmedia.org/WGBH/sj14/sj14-int-religmap/index.html 日本における宗教
26. https://contrib.pbslearningmedia.org/WGBH/sj14/sj14-int-religmap/index.html 日本における宗教
27. 科学と宗教 19世紀、進化論や地動説など、科学的発見が宗教的教義と対立し、科学と宗教の間に緊張関係が生まれました。 現代、科学と宗教の関係について学際的な研究が進められました。 科学と宗教の共存の模索（21世紀）：科学と宗教が対立するのではなく、共存できる道を模索する動きが活発化しています。
28. 人間にとっての宗教の位置付けは？ 宗教の位置づけは、個人や文化、時代によって異なりますが、以下のような役割を果たしてきた。 1.世界観の提供 　世界の成り立ちや人生の意味、死後の世界についての説明を提供、人々の世界観を形成 2.精神的支柱 人生の困難や苦しみに直面した時に、心の拠り所となり、精神的な支えを提供 3.倫理・道徳の基盤 　 善悪の基準や道徳的な規範を示し、人々の行動を導く 4.コミュニティの形成 　 信仰を共有する人々のコミュニティを形成し、社会的な結びつきを強めた 5.文化の基盤 　 芸術、文学、建築などの文化的な営みに大きな影響を与え、文化の基盤となった 6.社会的機能 　 教育、福祉、医療などの社会的な機能を担ってきた 7.心理的機能 　 不安の軽減、自己実現、心理的な癒しなどの心理的な機能
29. 伝統的な宗教の役割の代替物 1.科学技術 　世界の仕組みを説明し、自然現象をコントロールすることで、宗教が担っていた役割の一部を代替 2.消費主義 物質的な豊かさや快適さが追求され、消費が人生の意味や幸福の源泉となる傾向があります。 3.自己啓発・自己実現 　自己啓発セミナーやワークショップ、coaching、瞑想など、自己内面を探求し、自己実現を目指す 4.スピリチュアリティ 　伝統的な宗教とは異なる形で、スピリチュアルな体験や気づきを求める人々が増えています 5.ナショナリズム・政治的イデオロギー 　国家への帰属意識や政治的な信条が、宗教的な役割を果たすことがあります。 7.スポーツ・エンターテインメント 　人々に感動や一体感、生きる意味を提供し、宗教的な機能の一部を担う 8.ソーシャルメディア・オンラインコミュニティ 　人々の結びつきや帰属意識を満たし、コミュニティの役割を代替しつつあります。
30. 科学、資本主義、SNS １.科学による世界観の提供: 宗教が担ってきた世界の成り立ちや人生の意味づけを、科学が合理的に説明多くの人が科学的世界観を 受け入れ、宗教的世界観の影響力が低下 ２.資本主義による価値観の変容: 資本主義社会では物質的豊かさや経済的成功が重視され、宗教的価値観の重要性が相対的に低下人々は 宗教よりも経済活動に時間を割き、宗教活動への参加が減少 ３.SNSによるコミュニティの代替: 宗教コミュニティに代わり、SNS上で同じ関心を持つ人々とのつながりを求めるSNS上では自分の価値 観に合う情報を選択的に受け取れるため、宗教の包括的な教えの必要性が低下
31. まとめ - 現代、特定の宗教を持たない人が増えている - 現代社会においては代替物が過去の宗教が果たしていた役割を補完している - 宗教の役割は、これらの代替物によって部分的に満たされており、消費につながっている 新たな問い - 代替ができない「宗教が果たしていた役割」はあるのだろうか？ - 人間の根源的な精神性や実存的な問いかけに対しては、何がその代わりになるだろうか？
32. 哲学と宗教 「哲学」という用語は、philosophyに対する日本語 がなかったため、明治期に思想家の西周(にしあま ね)がつくりだした訳語です。 その後、中国は日本を経由して「哲学」という訳語 を使うようになりました。 中国にも日本にも、物事の原理を問う思想の営みは 古くからあります。しかし、西洋とちがい哲学(論 理)と宗教を明確に分ける枠組みがなく、「宗教」 という概念もありませんでした。 続・哲学用語図鑑 ―中国・日本・英米(分析哲学)編 | 田中 正人, 斎藤 哲也 |本 Amazon
34. 1.個人の価値観の視点 2.ビジネスの視点
35. 本日の 参考資料 SBNR Report | HAKUHODO inc. & SIGNING inc. 2023
36. アフタートーク
37. Appendix
38. OSINOMICS REPORT 人が「推す」行動の裏にある心理や社会的価値について考察するレポート HAKUHODO & SIGNING のレポートは他にも面白いものがたくさん
39. Simple Book Publishing は他にも面白いものがたくさん Mavs Open Press https://pressbooks.directory
40. 自由研究会は