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協働的仮説形成システムによるECサイト運営のデータ駆動型意思決定支援/Supporting ...
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watasan
September 13, 2022
Research
1
930
協働的仮説形成システムによるECサイト運営のデータ駆動型意思決定支援/Supporting data-driven decision making on e-commerce operation by cooperative hypothesis formation system
FIT2022での発表スライドです。
概要はこちら
https://rand.pepabo.com/article/2022/09/20/fit2022-report/
watasan
September 13, 2022
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Transcript
1 協働的仮説形成システムによ ECサイト運営のデータ駆動型意思決定支援 渡辺 龍二, 酒井 敏彦, 三宅 悠介 /
ペパボ研究所 2022.09.13 FIT2022
2 1. 背景 2. 目的 3. 課題 4. 提案システム 5.
評価 アジェンダ
3 電子商取引(E-Commerce: EC)サイト運営者は日々、 売上向上のための意思決定をしている。 1. 背景 ユーザにどう 働きかけるか? どんな商品を 揃えるか?
ECサイト運営者 意思決定 意思決定の結果 (e.g. ある施策の実施)
4 • 運営する中で蓄積されるデータから知識を得て、それを元に意思決定の質を向上させることが狙い。 • 知識を得るためにはツールを活用したデータの分析が必要。 より良い意思決定の手段としてデータ駆動型意思決定が注目を集める[Akter2016]。 1. 背景 データベース 知識の獲得
ECサイト運営者 意思決定 意思決定の結果 (e.g. ある施策の実施) [Akter2016] Big data analytics in e-commerce: a systematic review and agenda for future research 分析システム 分析内容の指定 分析結果の提示 データ送信 データの要求
知識生成モデル[Sacha2014]を元にしたデータから知識を得るまでの過程 5 データから知識を得るには、ドメイン知識を参照しながら データ探索と仮説検証を繰り返す必要がある。 1. 背景 [Sacha2014] Knowledge Generation Model
for Visual Analytics 意思決定 結果 分析結果の提示 操作 気づき 獲得 知見 獲得 仮説 立案 知識 生成 データ探索 ループ 仮説検証 ループ 知識生成 ループ 分析対象の伝達 分析システム の担当範囲 データベース 運営者 の担当範囲 分析 分析内容 決定 データ送信 データ要求 ドメイン知識が必要 データ分析 ループ
データ分析 ループ 知識生成モデル[Sacha2014]を元にしたデータから知識を得るまでの過程 6 1. 背景 すなわち、良い知識を得るためには、仮説検証ループの効率化し 知見を得る機会を増やすことが有効である。 意思決定 結果
分析結果の提示 操作 気づき 獲得 知識 生成 データ探索 ループ 知識生成 ループ 分析対象の伝達 分析システム の担当範囲 データベース 運営者 の担当範囲 分析 分析内容 決定 データ送信 データ要求 知見 獲得 仮説 立案 仮説検証 ループ 効率化により知見を増やし 知識生成へつなげる
データ分析 ループ 知識生成モデル[Sacha2014]を元にしたデータから知識を得るまでの過程 7 しかし、データ探索に求められるスキルの習得が 運営者にとって大きな負担となっている[Behl2019]。 1. 背景 [Behl2019] A
conceptual framework for the adoption of big data analytics by e-commerce startups: a case-based approach 意思決定 結果 知識 生成 知識生成 ループ 分析システム の担当範囲 データベース 運営者 の担当範囲 分析 分析内容 決定 データ送信 データ要求 分析結果の提示 データ探索 ループ 分析対象の伝達 気づき 獲得 操作 知見 獲得 仮説検証 ループ データ探索スキル (仮説を元にしたデータ探索能力)が必要 仮説 立案
8 本研究では、EC運営者がデータ探索スキルに乏しい場合でも データから効率的に仮説検証ループを実行することを目指す。 2. 目的|本研究で目指すもの 意思決定 結果 分析結果の提示 操作 気づき
獲得 知見 獲得 仮説 立案 知識 生成 データ探索 ループ 仮説検証 ループ 知識生成 ループ 分析対象の伝達 データベース 分析 分析内容 決定 データ送信 データ要求 データ探索スキル が必要 目的:条件下における ループの実行と効率化 ドメイン知識が必要 運営者 の条件 • データ探索スキルに乏しい(仮説を元にしたデータ探索を自力で行えない) • ドメイン知識は有す データ分析 ループ
9 目的を達成するために、システムの担当範囲を拡大し、 システムと人間の協働による仮説立案・検証の実現を試みる。 2. 目的|本研究で実現したいもの 意思決定 結果 分析結果の提示 操作 気づき
獲得 知見 獲得 仮説 立案 知識 生成 データ探索 ループ 仮説検証 ループ 知識生成 ループ 分析対象の伝達 分析システム の担当範囲 データベース 分析 分析内容 決定 データ送信 データ要求 データ探索スキル が必要 ドメイン知識が必要 データ分析 ループ 運営者 の担当範囲 ・データ探索スキルに乏しい ・ドメイン知識は有する 従来
10 目的を達成するために、システムの担当範囲を拡大し、 システムと人間の協働による仮説立案・検証の実現を試みる。 2. 目的|本研究で実現したいもの 意思決定 結果 分析結果の提示 操作 気づき
獲得 知見 獲得 仮説 立案 知識 生成 データ探索 ループ 仮説検証 ループ 知識生成 ループ 分析対象の伝達 データベース 分析 分析内容 決定 データ送信 データ要求 運営者 の担当範囲 分析システム の担当範囲 協働領域 データ分析 ループ 実現したいもの ・データ探索スキルに乏しい ・ドメイン知識は有する データ探索スキル が必要 ドメイン知識が必要
11 • 立案と検証の繰り返しを通して運営者が知見を多く獲得することを狙う。 • このプロセスを効率的に実施することもまた重要 協働による仮説検証は、対話による仮説の立案と検証の繰り返しによって実現する。 2. 目的|本研究で実現したいもの 繰り返す 仮説の立案
仮説の提示 関連す 他の仮説の返答 分析システム 運営者 仮説の検証 仮説の提示 定量評価の返答 分析システム 運営者
12 実現のためには ①仮説の定義 と ②分析システムの構築 が課題となる。 3. 課題 仮説の提示 例:関連する他の
仮説の返答 (仮説立案の場合) 分析システム 運営者 課題① 両者が扱え 「仮説」をどう定義す か 課題② 分析システムをどう構築す か
13 提案する「協働的仮説形成システム」では、以下の解決策を導入する。 4. 提案システム|課題の解決策の概要 ① 両者が扱える「仮説」をどう定義するか ② 分析システムをどう構築するか ① ECサイトのユーザの行動ログを元に
仮説の表現を定義する ② 機械学習による仮説の推論結果を 提示する視覚的インタフェースの実装 課題 解決策
14 • ECサイトでは「どのユーザが」「どの商品に対して」「どの行動を取ったか」というログが得られる。 • このログは以下のような特徴を持つ。 • 運用者も理解可能な表現になっている。 • 分析システムがデータとして扱うことができる。 ユーザの商品に対する行動のログに着目する
4. 提案システム|解決策① 仮説の表現の定義 e.g. 太郎さん e.g. XX社のTシャツ ユーザ e.g. 「お気に入り」する 商品 行動
15 ユーザについて、行動ログを元に「クラスタ」を定義する 4. 提案システム|解決策① 仮説の表現の定義 ユーザクラスタ:「どの商品に対して」「どの行動をしたか」という傾向が似ているユーザの集まり。 太郎さん 次郎さん XX社のTシャツ ユーザクラスタ
「お気に入り」する 商品
16 同様に商品についてもユーザの行動ログを元にクラスタを定義する。 4. 提案システム|解決策① 仮説の表現の定義 商品クラスタ:「どのユーザから」「どの行動をされたか」という傾向が似ている商品の集まり。 太郎さん XX社のTシャツ YY社の短パン 「お気に入り」する
商品クラスタ ユーザ
17 例:太郎が短パンに「お気に入り」するのであれば、同一クラスタの次郎も「お気に入り」するのではないか? クラスタ内のユーザの未観測な行動について「仮説」を立ててみる。 4. 提案システム|解決策① 仮説の表現の定義 太郎さん 次郎さん XX社のTシャツ YY社の短パン
ユーザクラスタ 「お気に入り」する 商品クラスタ 「お気に入 」す であ うと 「仮説」を立て
ユーザクラスタ:U、商品クラスタ:G、行動:a と定義したとき •「ユーザu∈Uが商品g∈Gを閲覧す と 行動aを取 」という事象 •この事象を一意に定め h=(U, G, a)
を提案システムにおける「仮説」と定義する 18 この「仮説」の一般形を「仮説」として定義する。 4. 提案システム|解決策① 仮説の表現の定義 ユーザクラスタU 行動a 商品クラスタG 仮説の定義 • 運営者は自身のドメイン知識をこの仮説として表現し、分析システムに提示する。 • 分析システムは h=(U, G, a)という形で扱える
19 次のトピック:解決策②について 4. 提案システム|解決策② 分析システムの構築 ① 両者が扱える「仮説」をどう定義するか ② 分析システムをどう構築するか ①
ECサイトのユーザの行動ログを元に 仮説の表現を定義する ② 機械学習による仮説の推論結果を 提示する視覚的インタフェースの実装 課題 解決策
20 求められる機能を有し、対話を効率的に行う視覚的インタフェースを 分析システムに実装する 4. 提案システム|解決策② 分析システムの構築 繰り返す 仮説の立案 仮説の提示 関連す
他の仮説の返答 分析システム 運営者 仮説の検証 仮説の提示 定量評価の返答 分析システム 運営者 • 仮説の立案・検証のために分析システムが有するべき機能 • この機能を機械学習によって実現し、対話の効率化も行う視覚的インタフェースを実装する。
21 分析システムのインタフェース上ではユーザマップと商品マップによって クラスタ構造を示す。 4. 提案システム|解決策② 分析システムの構築 ユーザマップ 商品マップ • ユーザと商品をそれぞれクラスタリングし2次元マップ上に格子状に配置する
お気に入り 注文 22 運営者はインタフェース上をクリックすることで仮説を提示する。 4. 提案システム|解決策② 分析システムの構築 • 運営者は提示したい仮説 h=(U,
G, a)の各要素をそれぞれクリックする 商品クラスタG を指定 ユーザマップ 商品マップ 行動選択ボタン 仮説の提示 返答 行動a を指定 ユーザクラスタU を指定
お気に入り 注文 23 分析システムは仮説の提示途中からマップ上の色付け[Iwasaki2016]によって返答す る。 4. 提案システム|解決策② 分析システムの構築 ユーザマップ 商品マップ
行動選択ボタン • 運営者がユーザクラスタか商品クラスタの片方を指定すれば、関連する仮説について返答する。 仮説の提示 返答(評価) 仮 説 の 確 率 ③各商品クラスタを 指定して作られる仮説の 確率が色で示される →仮説の検証 ②ユーザクラスタU を指定 ①行動a を指定 [Iwasaki2016] Tensor SOM and tensor GTM: Nonlinear tensor analysis by topographic mappings
24 この分析システムの返答は仮説の立案にも寄与する。 4. 提案システム|解決策② 分析システムの構築 • 要素が全て揃った仮説を提示せずとも、複数の仮説を評価値と共に得ることができる。 仮説の提示 返答(立案支援) お気に入り
注文 ユーザマップ 商品マップ 行動選択ボタン 仮 説 の 確 率 ③各商品クラスタを 指定して作られる仮説の 確率が色で示される →仮説の検証 ②ユーザクラスタU を指定 ①行動a を指定 評価値が分か ので筋の良い仮説を発見でき →仮説立案支援
25 1. 背景 2. 目的 3. 課題 4. 提案システム 5.
評価 続いてのトピック
26 • ECサイト “SUZURI”の概要 ◦ 素材画像のアップロードと商品形態の指定によって商品を製作・販売できる 商品が「素材画像」と「商品形態」から成るECサイト“SUZURI”のデータを用いる。 5. 評価|実データによるデモンストレーション •
収集されるデータ:ユーザの商品に対する行動のログ ◦ 商品=素材画像と商品形態の組合せ 素材画像 商品が製作される Tシャツ 缶バッチ タンブラー アップロードし 商品の形態を 指定する 販売 ユーザの元へ
27 ユーザおよび商品を構成する素材画像、形態についてマップ化する 5. 評価|実データによるデモンストレーション 構築した分析システムの視覚的インタフェース SUZURIの 商品=素材画像×形態 に合わせて、素材画像と形態それぞれをマップ化 SUZURIの 商品=素材画像×形態
に合わせて 商品マップを素材画像と形態の2つに拡張 素材画像クラスタ (同一クリエイタの 猫のイラスト3枚) 行動選択ボタン ユーザクラスタ クラスタ内の黄緑 =要素の多さ
②’Mが使われている商品を 平均的にお気に入りする確率 28 • 仮説「ユーザクラスタUは素材画像クラスタMのショルダーバックを好む」 対話により仮説を立案する例 5. 評価|実データによるデモンストレーション ①行動aを指定 ③’UがMを使った商品を
お気に入りする確率 ②素材画像クラスタMを指定 (同一クリエイタの猫の イラスト3枚) ④ Mを使ったショルダーバック に対してはお気に入りする 確率が高いことを発見 ③Mを使った商品群を お気に入りする確率が 低いユーザクラスタUを 発見・指定 仮説の提示 返答
29 仮説と事実を元に、アクションにつなげる例 5. 評価|実データによるデモンストレーション 素材画像クラスタMの クリエイタに Mのショルダーバックの 製作を勧める 素材画像クラスタMの ショルダーバック化
|| 現状のMの商品を好まない ユーザクラスタUへの アプローチになるのでは? 素材画像クラスタMを使った ショルダーバックは出品されていない 事実 ※レコードの有無の確認はインタフェース上で可能 ユーザクラスタUは 素材画像クラスタMの ショルダーバックの商品を好む 仮説 着想 運営上の アクション
30 • 仮説の立案・検証の効率化に寄与している点 ◦ データから推定したクラスタを仮説の構成要素の単位としている ◦ 運営者側からの1度の仮説の提示で、 その他の仮説とその評価値の両方をレスポンスする • 仮説の立案における問題点
◦ データから推定されたクラスタが運営者のドメイン知識と合わない場合は ドメイン知識を適切に仮説として表現することが難しい →クラスタに運営者のドメイン知識を考慮するために、 クラスタリングから対話的に行う必要がある 分析システム構築アプローチの有効性の考察 5. 評価|実データによるデモンストレーション
31 本研究のまとめ まとめ EC運営における データ駆動型 意思決定への 注目 仮説検証ループ の効率化が必要 データ分析
スキルの習得が 運営者にとって 負担 運営者が データ分析スキルに 乏しい場合の 仮説検証ループの 効率化 仮説に基づく 対話によって アクションに つながる 仮説を獲得 ・クラスタリングや 可視化法は 効率化に有効 ・クラスタリングの 有効化のために 運営者との対話的な 実行が必要 提案システム 評価 目的 背景 運営者と 分析システム の協働による 仮説検証 ② 機械学習の 推論を元にした 視覚的インタ フェースの構築 ① ユーザの 商品に対する 行動ログを 元に定義 解決策 実現 したいこと ① 二者間で 対話可能な 仮説の定義 ② 分析 システムの構 築 課題