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経営視点で考える開発生産性の向上戦略
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Atsushi Kambara
July 05, 2025
Technology
0
60
経営視点で考える開発生産性の向上戦略
開発生産性カンファレンス2025 (以下URL) での登壇資料です
https://dev-productivity-con.findy-code.io/2025
Atsushi Kambara
July 05, 2025
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Transcript
© CADDi Inc. © CADDi Inc. 経営視点で考える 開発⽣産性の向上戦略 1 2025-07-04
開発⽣産性Conference 2025 キャディ株式会社 神原 淳史
© CADDi Inc. キャディ株式会社 Technology統括本部 Growth部 部⻑ SIerやITコンサルを経てSansan株式会社に ⼊社。社員数が10倍以上に増加する急成⻑ のタイミングで、様々な部⾨の開発部⻑や
事業責任者を歴任。 世界中で使われるプロダクトを作りたいと いう思いからキャディへ転職し、2024年よ り現職。 ⾃⼰紹介 @atsukanrock 神原 淳史 2
© CADDi Inc. このセッションのゴール 3 オーディエンス/読者が 1. 開発⽣産性の改善は善だが、その他の善との間で トレードオフがあり、取捨選択が必要だと認識している 2.
経営視点でそのトレードオフ、取捨選択を捉え、 時に “改善しない勇気” を持つことができる 3. 改善成果を経営視点に変換し、ニンマリ⾒える化できる
© CADDi Inc. このスライドで取り上げる「開発⽣産性向上施策」は、 機能開発の合間にチャチャッとできるものでなく、 それらとの間で有意なトレードオフが発⽣するような 量の投資が必要な (⼤きい) 施策のことです チャチャッとできるものはいつでもすぐやるのが⼤正義だと
思ってます 4
© CADDi Inc. サマリー 5
© CADDi Inc. なぜかというと… 1. 開発⽣産性そのものは経営の関⼼事ではない 2. リソースは有限である 3. 経営視点で成果が⾒えやすくなる
開発⽣産性は経営視点の “Issue Driven” で考えよう 6
© CADDi Inc. “Issue Driven” 『イシューからはじめよ』は、 限られた時間で本質的な成果を出すために、 「解くべき課題(イシュー)」を⾒極める 思考法を説く。闇雲に作業するのではなく、 本当に価値のある問題に集中することで、
圧倒的な⽣産性と成果を実現する⽅法を ⽰している。 7 Amazon商品ページ: https://amzn.asia/d/41jyVgQ
© CADDi Inc. Why 8
© CADDi Inc. なぜかというと… 1. 開発⽣産性そのものは経営の関⼼事ではない 2. リソースは有限である 3. 経営視点で成果が⾒えやすくなる
開発⽣産性は経営視点の “Issue Driven” で考えよう 9
© CADDi Inc. 10 “もし仮に地球を救うために 1時間の時間を与えられたとしたら、 私は59分を問題の定義に使い、 1分を解決するために使うだろう” “If I
were given one hour to save the planet, I would spend 59 minutes defining the problem and one minute resolving it.” 画像⽣成元: OpenAI's DALL-E
© CADDi Inc. 1. 事業成⻑ YoY成⻑率, etc. 2. 収益 売上↑,
コスト↓ 3. 市場競争⼒ Moat, “7 POWERS”, etc. 経営の関⼼事1: 経営成果 11 https://amzn.asia/d/7m0Bape
© CADDi Inc. 経営成果のためのリソース配分はどうあるべきか - 開発 - 機能 - プラットフォーム‧内部基盤
- マーケティング‧セールス - カスタマーサクセス - ⼈材‧組織⼒ ※ SaaS事業の場合の例 経営の関⼼事2: 資源配分‧投資判断 12
© CADDi Inc. 技術的負債が溜まっています!! それやらないと失注する? テストを⾃動化する必要があります!! コスト増やしたくないんだけど… 13
© CADDi Inc. 14 画像⽣成元: OpenAI's DALL-E
© CADDi Inc. 現在の経営の関⼼事は… - 売上を伸ばしたい?それともコストを下げたい? - 短期の受注加速?中⻑期の開発⽣産性? - 事業成⻑に必要なのは機能の豊富さ?機能の品質?
いずれも⼆者択⼀の問いではないが、どの課題解決を ⽬的とするかによってやるべきことが変わる 開発⽣産性を経営の関⼼事に翻訳して考える必要がある 15
© CADDi Inc. 経営の関⼼事 ⇔ 開発⽣産性向上施策 対応表 16 経営成果指標 代表イシュー
施策例 事業成長 市場投入速度が遅い - CI/CDパイプライン - Trunk Based Development - Feature Flag 収益 インフラコストが高い - FinOps - オートスケール/RI/SP - パフォーマンス最適化 市場競争力 機能優位期間 (*1) が短い - Platform Engineering (*1) ⾃社の新機能が競合よりも先に市場に出ていて、その差が価値として機能している期間
© CADDi Inc. なぜかというと… 1. 開発⽣産性そのものは経営の関⼼事ではない 2. リソースは有限である 3. 経営視点で成果が⾒えやすくなる
開発⽣産性は経営視点の “Issue Driven” で考えよう 17
© CADDi Inc. 18 安宅和⼈. イシューからはじめよ. 英知出版, 2010 避けるべき「⽝の道」
© CADDi Inc. 「改善」にはキリがない… - 世の中に無数にあり、⽇々発⽣するベストプラクティス - 時間経過とともに実践できていない数は増えるばかり - ベストプラクティスを実践できていないことは、
課題ではあるが今解くべきイシューであるとは限らない 19
© CADDi Inc. 改善のROIだけ⾒ていると⾒失う機会損失 - ROIは費⽤対効果 - かけた費⽤より効果が⼤きければ良い - ここでの機会損失とは、改善の代わりに機能開発する
ことで得られたかもしれない先⾏者利益を失うこと - 実はROIよりスピードが重要なことが多い - 経営の関⼼事は? 20
© CADDi Inc. “改善しない勇気” を持とう - 経営にとって頭の痛い課題だけ解く “Issue Driven” を
- その他の改善は勇気を持って後回し - (繰り返し) ただしチャチャッとやれるものはすぐやる 21
© CADDi Inc. なぜかというと… 1. 開発⽣産性そのものは経営の関⼼事ではない 2. リソースは有限である 3. 経営視点で成果が⾒えやすくなる
開発⽣産性は経営視点の “Issue Driven” で考えよう 22
© CADDi Inc. https://jp.findy-team.io/blog/cto-em-questionnaire-202208/ エンジニアリングマネージャーの悩みは尽きない 23
© CADDi Inc. エンジニアリングマネジメントの成果は⾒えづらい そもそも計測できないことが多い… - ⼈材育成 - 複数選択肢から1つを選ぶ意思決定 -
プロダクトマネジメント - 技術選定 - 組織設計 - 合意形成、動機づけ 24
© CADDi Inc. 開発⽣産性向上の成果を経営視点で⾒える化 25 25 週1回のリリース制限で年間x億円の アップセル機会を逃しています すぐ改善してくれ!! 技術的負債により機能開発⼯数が昨年⽐
+40%、市場投⼊速度がx%低下し、 ARR成⻑率をnポイント押し下げています その負債、すぐ返済してくれ!!
© CADDi Inc. 26 画像⽣成元: OpenAI's DALL-E
© CADDi Inc. 経営視点との結びつけ⽅は⽣成AIに聞けば良い時代 27 - 経営成果指標と開発⽣産性指標の関連性は⼀般論なので⽣ 成AIに聞けば分かる - ⾃社の外部環境‧内部環境を元に問いを⽴て仮説を作り
分析するところに⼈間の仕事
© CADDi Inc. 実践編 28
© CADDi Inc. 29 基本フロー 経営課題を 知る ボトルネック 分析‧特定 ROI試算
‧KPI設定 ボトルネック 解消 結果測定 開発⽣産性< 機能開発 No Yes No Yes 状況変化? No Yes 効果は ⼗分? 開発⽣産性 課題と繋がる? 「⽝の道」 回避 経営視点と 繋げる ⼈間の仕事
© CADDi Inc. キャディ株式会社の場合 30
© CADDi Inc. 31 プロダクト概念図
© CADDi Inc. 状況 32 1. ⽇本市場で急成⻑中 ARPA (平均顧客単価) の更なる向上と価値の多層化が課題
2. US市場開拓中 代表⾃らUS移住、ローカル⼈材チームを組成 3. 組織のグローバル化が進⾏中 特にTech組織では25%以上が⽇本以外の出⾝ 参考) https://note.com/atsukanrock/n/n271a51526d66?sub_rt=share_pw
© CADDi Inc. 33 コンパウンド戦略のためのPlatform Engineering 経営の関⼼事 ARPA (平均顧客単価) 向上
戦略 今後3年で数⼗アプリケーション/サービス イシュー 新規アプリ/サービス⽴ち上げ期間短縮 対策 Platform Engineeringにより新規アプリ/サービス ⽴ち上げ期間を3分の1に 対策の詳細は今後Tech Blogが出てくるはず… 参考) CADDi Tech Blog => https://caddi.tech/
© CADDi Inc. 34 US市場開拓のためのセキュリティ 経営の関⼼事 事業成⻑スピードアップ 戦略 US市場でのPMF イシュー
US⼤⼿企業基準のセキュリティレベル - 例) USリージョン対応, US法令対応, … 対策 アプリ/サービス開発の⾜枷にならず⾼セキュリティ を実現できるPlatform Engineeringを 対策の詳細は今後Tech Blogが出てくるはず… 参考) CADDi Tech Blog => https://caddi.tech/
© CADDi Inc. 35 めっちゃ⼤変なのでお仲間募集中です!! エンジニア 採⽤ポータル 採⽤情報TOP https://caddi.com/careers/ https://recruit.caddi.tech/
カジュアルに お話しましょう!! https://open.talentio.com/r/1/c/ caddi-jp-recruit/pages/78398 Platform Engineeringもアプリケーション開発も…
© CADDi Inc. © CADDi Inc. モノづくり産業の ポテンシャルを解放する Unleash the
potential of manufacturing MISSION - 企 業 理 念- 36