タンパク質構造のシミュレーションソフトウェア試行錯誤

第14期サイボウズ・ラボユース成果発表会
https://cybozu.connpass.com/event/347931/

青木 志穂

Transcript

1. 1 タンパク質構造の シミュレーションソフトウェア試行錯誤 早稲田大学 先進理工学研究科 LD2, 青木 志穂
2. 2 分子構造シミュレーション H H O (3,2,2) H H O (4,4,2) 原子の移動がなく なるまで繰り返す H H O 104.5° 0.957Å
3. 3 タンパク質構造のシミュレーションと課題 参考: https://mabuchigroup.jp/research/を元に改変 計算コスト 計算精度 高 高 低 低 計算方法 量子計算 分子動力学シミュレーション
4. 4 変性性のあるタンパク質 … … アミノ酸鎖 通常時 機能発揮時 構造分子 非構造分子 （変性性のあるタンパク質） シミュレーションBOXのサイズが大きい
5. 5 変性タンパク質の構造シミュレーションがしたい 既存の分子シミュレーションを行うと、 精度が低い もしくは 時間が掛かりすぎて完了しない ↓ 何とか計算できないか 【自力で実装】 【ライブラリの検討】
6. 6 【自力で実装】 課題： テンソルの取り扱い 力場セットの取り扱い 1原子あたり [x, y, z] 多原子化 1原子あたり [x, y, z, θxy , θyz , θxz , [𝕣𝕣]] [[x1 , y1 , z1 ], [x2 , y2 , z2 ], [x3 , y3 , z3 ], ‥‥ [x256 , y256 , z256 ]] 単原子 [ [x1 , y1 , z1 , θx1y1 , θy1z1 , θx1z1 , [𝕣𝕣1 ]], [x2 , y2 , z2 , θx2y2 , θy2z2 , θx2z2 , [𝕣𝕣2 ]], [x3 , y3 , z3 , θx3y3 , θy3z3 , θx3z3 , [𝕣𝕣3 ]], ‥‥ [xn , yn , zn , θxnyn , θynzn , θxnzn , [𝕣𝕣n ]]] Cの場合 [𝕣𝕣] = [r1 , r2 , r3 ] Hの場合 [𝕣𝕣] = [r1 ] Oの場合 [𝕣𝕣] = [r1 ] or [r1 , r2 ]
7. 7 テンソルの取り扱い 力場セットの取り扱い 他のライブラリを見てみよう  そもそも一つひとつ力場を計算していない（精度が低くなる要因ではある）  Amber, GROMACSなどライブラリの有する経験的力場情報を引用している ケースがほとんど  どうやって力場セットを読み込んでいるのか？  機械学習ポテンシャルの利用
8. 8 【ライブラリの検討】 タンパク質-リガンド 力場情報を有する 大規模/粗視化 内部でAmber力場を呼び出していそう →どうやって呼び出しているのかを読み解きたい….！ 量子効果 PIDM, CP2K 機械学習ポテンシャル AENET
9. 9 余談：自然科学ライブラリのBuildは大変
10. 10 余談：自然科学ライブラリのBuildは大変
11. 11 機械学習ポテンシャル ANETと機械学習による構造計算 http://ann.atomistic.net/documentation/ John Jumper et. al., Nature （2021）
12. 12 AF2による構造ドッキングは天然変性領域に耐えるか Entry: P10636
13. 13 AF2による構造ドッキングは天然変性領域に耐えるか あまり耐えていない
14. 14 今後 大規模処理→どうできるかを考えていきたい ライブラリ全般→そもそも使いにくすぎる 構造シミュレーション→-mer（フラグメント法）を試してみたい