Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
JVM言語でもできる、競技プログラミング
Search
dhirabayashi
June 15, 2024
Technology
0
440
JVM言語でもできる、競技プログラミング
JJUG CCC 2024 Spring
2024年6月18日(日) 10:25 - 10:45
dhirabayashi
June 15, 2024
Tweet
Share
More Decks by dhirabayashi
See All by dhirabayashi
Javaエンジニアのための低コストKotlin入門
dhirabayashi
0
1.3k
Other Decks in Technology
See All in Technology
Github Copilot エージェントモードで試してみた
ochtum
0
130
How Community Opened Global Doors
hiroramos4
PRO
1
130
KubeCon + CloudNativeCon Japan 2025 Recap
ren510dev
1
300
生成AI時代の開発組織・技術・プロセス 〜 ログラスの挑戦と考察 〜
itohiro73
1
370
Understanding_Thread_Tuning_for_Inference_Servers_of_Deep_Models.pdf
lycorptech_jp
PRO
0
150
生まれ変わった AWS Security Hub (Preview) を紹介 #reInforce_osaka / reInforce New Security Hub
masahirokawahara
0
360
AI導入の理想と現実~コストと浸透〜
oprstchn
0
150
怖くない!はじめてのClaude Code
shinya337
0
300
解析の定理証明実践@Lean 4
dec9ue
1
200
生成AIで小説を書くためにプロンプトの制約や原則について学ぶ / prompt-engineering-for-ai-fiction
nwiizo
4
3.4k
生成AI開発案件におけるClineの業務活用事例とTips
shinya337
0
180
Connect 100+を支える技術
kanyamaguc
0
150
Featured
See All Featured
Making the Leap to Tech Lead
cromwellryan
134
9.4k
実際に使うSQLの書き方 徹底解説 / pgcon21j-tutorial
soudai
PRO
181
53k
Build your cross-platform service in a week with App Engine
jlugia
231
18k
Performance Is Good for Brains [We Love Speed 2024]
tammyeverts
10
940
Being A Developer After 40
akosma
90
590k
Exploring the Power of Turbo Streams & Action Cable | RailsConf2023
kevinliebholz
34
5.9k
How to train your dragon (web standard)
notwaldorf
94
6.1k
ピンチをチャンスに:未来をつくるプロダクトロードマップ #pmconf2020
aki_iinuma
124
52k
Speed Design
sergeychernyshev
32
1k
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
367
26k
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
53
2.8k
Large-scale JavaScript Application Architecture
addyosmani
512
110k
Transcript
JVM言語でもできる、競技プログラミング JVM言語でもできる、競技プログラミング JJUG CCC 2024 Spring Daiki Hirabayashi
2 自己紹介 いわゆるシステムエンジニア – Javaをちょこちょこと – 最近はサーバサイドKotlin 平林 大輝 株式会社テクニケーション
– 2021年~ 現職 X (Twitter): @dhirabayashi64 競プロ歴について – 2022年から本格的に開始 – 実力は普通
3 話すこと • 競技プログラミング(競プロ)って何? – 概要 – 面白さや難しさ • 使用するプログラミング言語の話
• 面白さや実益についての実感
4 前置き • 競プロといってもいろいろある • 以下はAtCoderというサイトのABCというコンテスト前提
5 競技プログラミング(競プロ)とは? • プログラミングを使って問題を解くゲームみたいなもの • 参加者全員に同じ問題が与えられ、それを解くコードを書く • 正解するコードを書いたら得点が得られる • 多くの得点を獲得することを目指す
– 得点が高い人ほど上位 – 得点が同じなら早く正解したほうが上位
6 競プロで取り組む「問題」 たとえば以下のような感じ 出典: https://atcoder.jp/contests/abc169/tasks/abc169_a
7 競プロで取り組む「問題」 • 回答例
8 書いたコードは提出する
9 提出コードすると? • 提出したコードに対して即座にテストが実行される – 入力に対し、出力が期待値通りかどうか – 実行時間、メモリ使用量が制限を超えていないか
10 提出結果 →AC(Accepted): 正解
11 もうちょっと難しい問題 出典: https://atcoder.jp/contests/abc346/tasks/abc346_c
12 もうちょっと難しい例
13 もうちょっと難しい例
14 実装例(?)
15 提出結果… →TLE(Time Limit Exceeded): 実行時間超過
16 ダメな理由 →20億回ループが回るので間に合わない
17 どうやって解くか →こっち(20万件)なら全部見ても間に合う
18 どうやって解くか • 「現れないもの」の合計 – 2 + 4 + 5
= 11 • 「全部の合計」から「現れるもの」を引いても同じ! – 1 + 2 + 3 + 4 + 5 = 15 – 15 – (1 + 3) = 11
19 正解例
20 正解例 →1からKまでの合計を求める関数を作る。計算で求めるので速い
21 正解例 重複を排除 1からKの合計値を求める 現れる数を引く 最大20万件なので十分速い
22 提出結果 →AC!
23 競プロとプログラム実装 • ただの実装作業ゲーとは限らない – それなりに頭を捻ることになる – プログラムの実行時間も考える必要がある • ちゃんと実装しきる必要もある
– やってみると意外と大変…
24 プログラミング言語について • AtCoderの場合、メジャーな言語ならだいたい使える • 実際に使われているのは圧倒的にC++ – 次点でPython – だいたいどちらかがおすすめされる
• それら以外の言語も全く使われないわけではない
25 使用言語についての私見 • 好きなのを使えばいい – せっかくいろいろ対応しているので • 個人的にはKotlinを使っている – そんなに問題なくて2年くらい使っている
26 JVM言語(Kotlin)を使って得た実感 • そこそこ安心できる実行速度 – オートボクシング/アンボクシングで遅いことはある • バグなく実装しやすい – コンパイラのチェック、型安全性
• fluentなリスト操作は競プロでも活きる(※私見) • 不利な点も – 公式解説のコードはだいたいC++かPythonで書かれる – C++やPythonにあるがJavaやKotlinにはないライブラリも
27 競プロに取り組んで得た実感 • 実装力が鍛えられる – ちゃんと動くコードを素早く書く必要がある – 入念に動作確認している時間がない • 業務外で日常的にプログラミングする手段になる
– 作る物のアイデアがなくてもプログラミングできる – テストされるのでそれなりにちゃんと書く必要がある • プログラミングが楽しいと思えた
28 辛い点も… • それなりに時間を吸われる – コンテスト参加のための時間 • 提出が通らないが全然原因がわからないことも • 良い成績がとれるとは限らない
• 身につく力の範囲は局所的
29 代表的なコンテスト • AtCoder Beginner Contest(ABC) – オンラインコンテスト – ほぼ毎週開催される
• だいたい土曜日(たまに日曜日) • 21:00 ~ 22:40の100分間 – 直近では7問出題される • 難易度が幅広いのでだいたい誰でも参加できる
30 まとめ • 競プロは日常的にプログラミングする手段の一つとなる – 個人開発のネタがなくてもプログラミングできる – 実装力を鍛えられる – 楽しい
• 始めるならAtCoderがおすすめ • JavaやKotlinでも戦える