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『ビジネス課題を解決する技術』を出版しました / CA DATA Night #7

『ビジネス課題を解決する技術』を出版しました / CA DATA Night #7

CA DATA NIGHT #7 〜2025年をML/DSとともに振り返る忘年会SP〜のLT資料です。
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森下光之助

December 16, 2025
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  1. 実際に⽂章題を解く 太郎くんは、10分前に出発し た花⼦さんに追いつきたいと します。 50分以内に追いつくためには、 太郎くんは分速何メートルで 移動すればよいでしょうか。 ただし、花⼦さんの移動速度 は分速 100メートルとします。

    問題 解答 太郎君の移動速度を求めたいので、これを𝑥とおく。 太郎君が花⼦さんに50分以内に追いつくためには、 100×10 𝑥 − 100 ≤ 50 を満たすような速度𝑥が必要。 これを解くと𝑥 ≥ 120。 つまり、太郎君は分速120メートル以上で移動すれば、 50分以内に花⼦さんに追いつく。
  2. ビジネス課題と⽂章題の対⽐ 花⼦さんに追いつきたい ビジネス課題 ⽂章題 解くために必要な 情報がすべて与え られる ⼤雑把な⽬標だけ が決まっている状 態で提⽰される

    太郎くんは、10分前に出発した花⼦さんに追いつきたいとし ます。 50分以内に追いつくためには、太郎くんは分速何メートルで 移動すればよいでしょうか。 ただし、花⼦さんの移動速度は分速 100メートルとします。 課題 具体性 例
  3. ビジネス課題を”解ける”問題に変換するには? ⽬標⽔準の 明確化 ⼿段の具体化 必要情報の 特定と収集 不⾜情報を 仮定で補完 やるべきこと 50分で追いつく

    花⼦さんより⾼速で移動する 花⼦さんは何分前に出発した? 花⼦さんの移動速度は? 花⼦さんの移動速度は⼀定 例 未知の情報である花⼦さんの移動速度を分速𝛼 メートル、花⼦さんが何分前に出発したかを𝛽 分前とおく。 このとき、50分以内に花⼦さんに追いつくた めには 𝛼𝛽 𝑥 − 𝛼 ≤ 50 を満たすような𝑥で移動すれば良い。 これを𝑥について解くと 𝑥 ≥ 𝛼 𝛽 + 50 50 を得る。 解答 花⼦さんに 追いつきたい!
  4. 未知のパラメータをデータから推測 移動速度𝛼 経過時間𝛽 パラメータ ⼀般的な徒歩の分速80メートル を利⽤ 普段の出発時間から20分前に出 発したと推測 推定⽅法の例 𝛼,

    𝛽 = (80, 20)と推測したので、 80×20 𝑥 − 80 ≤ 50 を満たすような𝑥で移動すれば良い。 これを𝑥について解くと 𝑥 ≥ 112 を得る。 よって、太郎くんは分速112メートルで移動す ればいい。 解答 花⼦さんに 追いつきたい!
  5. ビジネス課題を解決するための3ステップフレームワーク • 解決すべきビジネス課題を数理最 適化問題として明確に定義する • 何を最⼤化または最⼩化したいの か、そのためにどのようなアク ションが取れるのか、守らなけれ ばならない条件は何か、を数式を ⽤いて具体的に表現する。

    • このプロセスを通じて、課題の核 ⼼が明らかになり、分析の⽅向性 が定まる ビジネス課題を 数理最適化問題として 定式化する 数理モデルを構築し、 未知のパラメータを データから推定する • 定式化した最適化問題を解くため に「アクションと成果の関係性」 を明らかにする • 多くの場合、関係性は未知である ため、数理モデルを構築し、デー タから未知の関係性を推定する • この際、分析対象のデータ⽣成過 程に対するドメイン知識を数理モ デルに反映させ、現実に即した推 論を⽬指す • STEP 2で関係性が明らかになっ た数理最適化問題を実際に解くこ とで、ビジネス課題に対する最適 なアクションを導出する • これにより、勘や経験だけに頼る のではなく、データに基づいた客 観的で合理的な意思決定を⾏うこ とが可能になる 数理最適化問題を解いて、 最適なアクションを導出する STEP 1 STEP 2 STEP 3
  6. ⽂章題を例にとると・・・ min 2 𝑥 s. t. 𝛼𝛽 𝑥 − 𝛼

    ≤ 50 𝑥 > 𝛼 ビジネス課題を 数理最適化問題として 定式化する 数理モデルを構築し、 未知のパラメータを データから推定する min 2 𝑥 s. t. 80×20 𝑥 − 80 ≤ 50 𝑥 > 80 𝑥∗ = 112 数理最適化問題を解いて、 最適なアクションを導出する STEP 1 STEP 2 STEP 3 50分以内に花⼦さんに追いつくという制約を 満たしながら、できるだけゆっくり移動する