Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
インセプションデッキの作り方/how-to-make-inception-deck
Search
Atsushi Harada
November 07, 2019
Technology
0
9.3k
インセプションデッキの作り方/how-to-make-inception-deck
Atsushi Harada
November 07, 2019
Tweet
Share
More Decks by Atsushi Harada
See All by Atsushi Harada
モジャイリーンな事業開発/mojilean-business-development
harada4atsushi
0
360
スクラムとモジャイル/scrum-and-mojile
harada4atsushi
0
7.5k
リーン・スタートアップとMVP/lean-startup-mvp
harada4atsushi
0
26k
リーンキャンバスの作り方/how-to-make-lean-canvas
harada4atsushi
0
8.7k
見積もり/agile-estimation
harada4atsushi
0
70k
振り返り/agile-looking-back
harada4atsushi
0
21k
もふもふなエンジニアの心得/mofmofinc-engineer-knowledge
harada4atsushi
0
7.2k
mofmof inc. 会社紹介 for 採用/mofmofinc-informatioin-for-recruiting
harada4atsushi
3
54k
Other Decks in Technology
See All in Technology
スケールアップ企業のQA組織のバリューを最大限に引き出すための取り組み
tarappo
4
1.1k
AWS CDK コントリビュート はじめの一歩
yendoooo
1
130
Lightdashの利活用状況 ー導入から2年経った現在地_20250409
hirokiigeta
0
190
LINEギフトのLINEミニアプリアクセシビリティ改善事例
lycorptech_jp
PRO
0
320
SREが実現する開発者体験の革新
sansantech
PRO
0
110
30 代子育て SRE が考える SRE ナレッジマネジメントの現在と将来
kworkdev
PRO
0
170
コドモンのQAの今までとこれから -XPによる成長と見えてきた課題-
masasuna
0
140
コード品質向上で得られる効果と実践的取り組み
ham0215
2
220
Agile TPIを活用した品質改善事例
tomasagi
0
550
AIエージェントの地上戦 〜開発計画と運用実践 / 2025/04/08 Findy W&Bミートアップ #19
smiyawaki0820
17
4.2k
Vision Language Modelを活用した メルカリの類似画像レコメンドの性能改善
yadayuki
9
1.3k
Proxmox VE超入門 〜 無料で作れるご自宅仮想化プラットフォームブックマークする
devops_vtj
0
230
Featured
See All Featured
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
Fantastic passwords and where to find them - at NoRuKo
philnash
51
3.1k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
7
620
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
12
1.4k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
298
20k
The Illustrated Children's Guide to Kubernetes
chrisshort
48
49k
Done Done
chrislema
183
16k
Testing 201, or: Great Expectations
jmmastey
42
7.4k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
205
24k
Six Lessons from altMBA
skipperchong
27
3.7k
Code Review Best Practice
trishagee
67
18k
JavaScript: Past, Present, and Future - NDC Porto 2020
reverentgeek
47
5.3k
Transcript
インセプションデッキの 作り⽅ mofmof inc.
頭の体操(1分間) メモ:来客のために⼿⼟産を⽤意したいの で買ってきてほしい。代⾦は⼀旦⽴て替え ておいてください。 いくらでどんなものを買いますか?
頭の体操 解説 • 来客は誰か? • どんな⽬的で必要なのか? • どんな⼿⼟産がいいのか? • いくらの⼿⼟産がいいのか?
なぜインセプションデッキを作るのか
顧客が本当に必要だったもの
顧客が本当に必要だったもの • 顧客⾃⾝が必要なものを的確に表現出来 るわけではない • 顧客には解決したいものがあっても、正 しいソリューションの形は知らない • 本当に必要なものは、探していかなけれ ばならない
どうやって⽬的を達成するか ✗ どんなものを作るか
⽬的を知らなければ • 「こういう機能があったら便利に違いない!作ろ う!」 • それは本当に⽬的を達成の役に⽴つだろうか? • 「機能A・機能B・機能C、全部必要!作らなきゃ!」 • そんなに機能作り込んだら、逆にユーザーは使いにくくな
るのでは? • 何を作るべきで、何を作るべきでないか、⽬的の達成 に近づくかどうかで判断しなければならない • ⽬的を知っていれば、もっとユーザーにとって価値の あるものを作るために時間を使えたかも知れない
インセプションデッキ • プロジェクトの⽬的を理解し合意するこ とが出来るドキュメント
とあるエピソード • 昔々とある社員名簿管理システムを開発していた ときにインセプションデッキをつくったときの話 • 業務システム=コスト削減が⽬的でしょ? • コストを削減したいのではなく、担当者⾃⾝が Excelによる煩雑な管理から開放されて、代わりに 社員⼀⼈ひとり向けのサービスを⼿厚くすること
に時間を割きたいという⽬的だった • 開発者は、⾃分が思っているより「⽬的」を理解 していないと⾔うことを⾃覚する必要がある
インセプションデッキ紹介
インセプションデッキ • 11枚のスライドを埋めるだけ
Ϗ δ ϣ ϯ
ϓ ϩ μ Ϋ τ ͷ Ձ
ϓ ϩ μ Ϋ τ ͷ Ձ
ε ί ʔ ϓ
ε ς ʔ Ϋ ϗ ϧ μ ʔ
ٕ ज़ త Ϧ ε Ϋ
Ϧ ε Ϋ
ׂ
ε έ δ ϡ ʔ ϧ
༏ ઌ ॱ Ґ
ε έ δ ϡ ʔ ϧ
実際に書いてみよう
None
None
注意点 • なんでもかんでも盛り込み過ぎて機能列 挙にならないようにする • 「◯◯が出来て、△△しやすくて、□□も出 来る!」 • 「ニーズ」「価値」「競合との差別化」 部分が重複しないようにする
• 伝わる⾔葉にするには出来るだけ重複な くシンプルに表現すること
None
ςϯϓϨʔτ w <જࡏతͳχʔζΛຬͨͨ͠Γɺ જࡏతͳ՝Λղܾͨ͠Γ>͍ͨ͠ w <ରސ٬>͚ͷɺ w <ϓϩμΫτ໊>ͱ͍͏ϓϩμΫτɺ w <ϓϩμΫτͷΧςΰϦʔ>Ͱ͢ɻ
w ͜Ε <ॏཁͳརɺରՁʹݟ߹͏આಘྗͷ͋Δ ཧ༝>͕Ͱ͖ɺ w <ସखஈ>ͱҧͬͯɺ w <ࠩผԽͷܾఆతͳಛ>͕උΘ͍ͬͯΔɻ
ྫ 5PSJEFST w <ৼࠐۀΛޮత͔ͭਖ਼֬ʹॲཧ>͍ͨ͠ w <ཧ৬>͚ͷɺ w <5PSJEFST>ͱ͍͏ϓϩμΫτɺ w <ৼࠐۀࣗಈԽαʔϏε>Ͱ͢ɻ
w ͜Ε <ٻॻ 1%'ͳͲ ͷ༰ͷղੳɾநग़ɾ ৼࠐσʔλ DTW ࡞ͷࣗಈԽ>͕Ͱ͖ɺ w <ָͨ͢ৼࠐͷٻॻؙ͛ϓϥϯ>ͱҧͬͯɺ w <ଞࣾޱ࠲Λར༻͠ͳ͍ɺ֎෦ͷਓΛܦ༝͠ͳ͍ ͨΊɺߴ͍҆શੑ>͕උΘ͍ͬͯΔɻ
ϞϦϞϦͷྫ 5PSJEFST w <ৼࠐۀΛޮత͔ͭਖ਼֬ʹॲཧ>͍ͨ͠ w <ཧ৬>͚ͷɺ w <5PSJEFST>ͱ͍͏ϓϩμΫτɺ w <ৼࠐۀࣗಈԽαʔϏε>Ͱ͢ɻ
w ͜Ε <ٻॻ 1%'ͳͲ ͷղੳɺձܭσʔλͷ มɺৼࠐޱ࠲ใͷهɺצఆՊͷඥ͚ɺࢧ ͍ཧ>͕Ͱ͖ɺ w <ָͨ͢ৼࠐͷٻॻؙ͛ϓϥϯ>ͱҧͬͯɺ w <ࣗͰٻσʔλΛཧɺखೖྗͰٻใΛೖྗɺ $47ग़ྗɺग़ྗ࣌ͷจࣈίʔυબ͢Δػೳ>͕උ Θ͍ͬͯΔɻ
ॏෳͷྫ 5PSJEFST w <ٻॻͷ༰Λ؆୯ʹσʔλԽ>͍ͨ͠ w <ཧ৬>͚ͷɺ w <5PSJEFST>ͱ͍͏ϓϩμΫτɺ w <ৼࠐۀࣗಈԽαʔϏε>Ͱ͢ɻ
w ͜Ε <ٻॻ 1%'ͳͲ ͷ༰ͷղੳɾநग़ɾ ৼࠐσʔλ DTW ࡞ͷࣗಈԽ>͕Ͱ͖ɺ w <ָͨ͢ৼࠐͷٻॻؙ͛ϓϥϯ>ͱҧͬͯɺ w <ٻॻͷ༰Λ0$3Ͱղੳͯࣗ͠ಈతʹσʔ λԽͯ͘͠ΕΔػೳ>͕උΘ͍ͬͯΔɻ
お題:NOREL 10分くらい
やってみよう • 4,5⼈のグループに別れる • 各⾃プロダクトオーナーになったつもりで書いて みよう • 書いてみたエレベーターピッチをグループで各⾃ 発表 •
グループごとに合意して⼀つのこれなら勝てると 思うエレベータピッチにまとめよう • グループごとに発表する • どういう議論があって、そのエレベータピッチに なったのか?
⼤事なポイント • 実際のプロジェクトでインセプションデッキを作るとき • 各⾃が仮説を⽴てて作ってみること • 誰かが作ったものに対してレビューするやり⽅をすると、ほと んど議論が発⽣せず「なんとなく合意」になってしまう • 評論家にならないこと
• 「それ必要?」「意味なくない?」「それ儲かるの?」という批判は せず(それが最初から分かるなら苦労しないよ。。)に、「⾃分はこう思 いますがどうですか?」という⾵に建設的に意⾒を述べよう • プロダクトの価値を、⾃分で他⼈に説明出来ないのなら、 ゴールを理解したとは⾔えない。それはただ聞いてただけ。
None
作ってみよう • 各スライダーは同じ位置に置かないこと • 「品質」は定義が曖昧になりがちなので 削除した⽅が良い(やるなら明確にしてか ら) • 保守性の⾼いソースコードのこと? •
⾒た⽬がキレイであること? • バグの発⽣率が少ないこと?
テーマ あなたはとあるプロジェクトのプロダクトオーナー に任命され、上司にこう説明されました。 「予算は300万円、納期は2ヶ⽉でアルバイトの求⼈ サービスを作って欲しい。応募者側は応募出来る機 能が必要で、企業側は応募者を管理する機能が必要 だ。何か聞きたいことある?」 質問例) ・予算は追加できますか?
τϨʔυΦϑɾεϥΠμʔ యܕతͳϑΥʔε ػೳΛͥΜͿἧ͑Δ είʔϓ ༧ࢉʹऩΊΔ ༧ࢉ ظΛࢮक͢Δ ࣌ؒ MAX MIN
MAX MIN MAX MIN
⼤事なポイント • プロダクトオーナーに書いてもらうときには 必ずこのように説明しよう • 「全て重要なのは承知です。でも全てが潤沢であ ることはほとんどないので、何か課題があったと きに何を優先とするべきかを事前に決めて起きた いのです」 •
トレードオフスライダーはそれぞれがトレー ドオフの関係にあることを理解してもらうこ とも⼤きな⽬的の⼀つ
最後に
インセプションデッキをつくるとき • インセプションデッキは、このドキュメ ントを作ることが⽬的ではない • 議論した上で合意すること⾃体が⽬的 • もし議論がなく合意された場合は、基本 的に失敗しているのでやり⽅を変えよう
インセプションデッキをつくるとき • 1スライドに対して30分以上はかけて議論し よう • 本来はプロダクトオーナーが作るものだが、 開発者も作って、主体となって進める⽅が上 ⼿くいく • 機能開発のミーティングと⼀緒にやってしま
うと後回しにされがちなので、別途時間を確 保してつくること
インセプションデッキをつくるとき • プロダクトオーナーの頭の中にあることを引 き出すように議論する • 評論家になってはいけない、あなたはチーム メンバーなのであって傍観者ではない • プロダクトの価値を、⾃分で他⼈に説明出来 ないのなら、ゴールを理解したとは⾔えない。
それはただ聞いてただけ
運⽤⽅法 • 教科書的には常に⾒えるところに掲⽰することが 推奨されている • が、ただの景⾊になる • 事務所の都合で出来ない • オススメ
• チームに新メンバーが⼊ったとき、全員に対しても う⼀度説明する • 内容を更新したとき、全員に対してもう⼀度説明す る • GitリポジトリのREADMEに貼っておく
テンプレート https://github.com/agile-samurai- ja/support/tree/master/blank-inception- deck
参考スライド https://www.slideshare.net/nawoto/head-first-inception-deck IUUQTXXXTMJEFTIBSFOFU5BLBP0ZPCFSFNBTUFS
振り返り • 気付いたこと、良かったことを書き出し てみよう • 書き出した内容をチームで共有しよう