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バランスト・スコアカード(BSC)

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July 27, 2025
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 バランスト・スコアカード(BSC)

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July 27, 2025
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  1.  目次 本資料の構成 目次 バランスト・スコアカードを体系的に理解するための構成 1 表紙 2 目次 3

    BSCの基本概念と目的 4 BSCの歴史的背景 5 BSCの4つの視点(概要) 6 財務の視点 7 顧客の視点 8 内部ビジネスプロセスの視点 9 学習と成長の視点 10 BSC導入・運用の代表的ステップ 11 企業導入事例 12 BSCのメリット 13 BSCのデメリットと注意点 14 まとめ・参考資料 ページ 2/14
  2.  BSCの基本概念 多角的な業績評価の枠組み BSCの基本概念と目的 バランスト・スコアカードの本質を理解する BSCとは  企業の業績評価を4つの視点から多角的に行う経営管理 手法 

    1992年、ハーバード大学のロバート・S・キャプラン 教授とデビッド・P・ノートン氏により提唱  企業の状態を財務面だけで判断せず、複数の視点で総 合評価 BSCの主な目的  経営ビジョンや戦略を具体的な目標と指標に落とし込む  短期的な財務成果と中長期的な組織発展のバランスを取る  非財務情報を取り入れた精度の高い戦略立案を実現  企業戦略の実行と継続的な業績向上を組織全体で実現 BSCの本質  財務指標 +  非財務指標 =  バランスの取れた 経営判断  2025 BSC研究会 ページ 3/14
  3.  BSCの歴史 経営管理手法の革新 BSCの歴史的背景 バランスト・スコアカードが生まれた経緯 BSC誕生の背景  従来の財務データ偏重の管理会計では企業の質的な課 題にアプローチできないとの問題意識 

    短期的な業績指標だけでは企業の持続的成長を測れな いという認識  非財務情報も取り入れた多角的評価の必要性  明確で精度の高い戦略立案を可能にする新たなフレー ムワークへの要請 BSCの発展タイムライン BSCの提唱者  ロバート・S・キャプラン ハーバード大学教授 + 1992年 共同提唱  デビッド・P・ノートン コンサルタント  2025 BSC研究会 ページ 4/14 1992年 ハーバード・ビジネス・レビューに「The Balanced Scorecard: Measures That Drive Performance」が掲載 1996年 キャプランとノートンが著書「バランス・スコアカード」を 出版 2000年代 日本を含む世界中の企業でBSCが導入され始める 現在 戦略実行のフレームワークとして多くの企業で活用される
  4.  BSCの4つの視点 多面的なアプローチで戦略実行を支 える BSCにおける4つの視点(概要) バランスのとれた評価で組織の持続的成長を実現 視点間の因果関係 4つの視点は互いに独立ではなく、因果関係で密接に結びついています:  学習と成長

      内部プロセス   顧客   財務 例:人材育成(学習と成長)→業務効率化(内部プロセス)→顧客満足度向上(顧客)→収益性向上(財務)  2025 BSC研究会 ページ 5/14  財務の視点 財務的成果・利益率・ROI  顧客の視点 顧客満足度・リピート率・市場シェア  内部ビジネスプロセスの視点 業務効率化・コスト削減・品質向上  学習と成長の視点 従業員スキル・組織力・イノベーション 
  5.  財務の視点 財務的成果の評価と管理 財務の視点 BSCにおける財務的成果の評価と戦略的位置づけ 財務の視点の定義と目的  株主や従業員などステークホルダーに対して財務的利 益をもたらしているかを評価 

    売上高、利益率、ROIなどの財務指標を用いて、企業の 財務業績向上のための施策を明確化  財務の視点のみに頼ると短期的なコスト削減に走りが ちという課題あり 主要な財務指標 $ 売上高成長率 収益の拡大状況 % 利益率 営業・経常・純利益率  ROI/ROA 投資・資産収益率  キャッシュフロー 実質的な資金創出能力 財務の視点とバランスト・アプローチ  財務的成果   短期的財務成果 収益性・効率性 利益率 ROI  中長期的成長 持続的価値創造 成長率 市場開拓   顧客の視点 顧客満足・市場シェア  内部プロセスの視点 効率・品質・生産性  学習と成長の視点 人材・組織力・イノベーション  財務の視点は最終成果指標であり、他の3つの視点(先行指標)と因果関係で結ばれています。 短期的成果と中長期的成長を両立させるバランス経営が、BSCの本質です。  2025 BSC研究会 ページ 6/14 企業価値・株主利益の最大化 
  6.  顧客の視点 顧客価値の創造と評価 顧客の視点 顧客から見た価値提供の状況を評価する 測定する主な指標  顧客満足度:サービス・商品に対する顧客の評価  リピート率:継続的に商品・サービスを利用する顧客

    の割合  市場シェア:業界内での自社の占有率  顧客生涯価値:顧客との長期的関係から得られる収益 目標設定の例  顧客満足度向上:前年度比+10%の満足度スコア達成  ブランド認知度向上:ターゲット層での認知率20%アップ  新規顧客獲得:前期比30%増の新規顧客数  顧客維持率向上:既存顧客の90%以上の維持 顧客視点の価値循環  顧客満足度 向上   リピート率 向上   口コミ 拡散   収益 向上  2025 BSC研究会 ページ 7/14
  7.  内部プロセス 組織の業務効率と品質 内部ビジネスプロセスの視点 効率的な業務プロセスの構築と運用 内部プロセスの視点とは  財務・顧客目標を達成するために必要な社内プロセス が適切に構築・運用されているかを評価 

    コスト削減や業務効率化、品質向上の観点からプロセ スを分析  社内プロセスのパフォーマンス指標(生産性、不良率 など)を継続的にモニタリング 主な評価指標と目標例  業務効率化:生産性向上率、リードタイム短縮、プロセス 所要時間  品質改善:不良率、クレーム発生件数、プロセス標準化率  コスト管理:原価率、工程別コスト分析、無駄の削減率  イノベーション:新規プロセス導入数、改善提案件数 内部プロセスと他の視点との関係  財務の視点 収益性・効率性の向上   顧客の視点 顧客満足度の向上   内部プロセスの視 点 効率的な業務プロセスの 実現 内部プロセスの改善が顧客価値の向上を通じて最終的に財務目標達成を下支えします  2025 BSC研究会 ページ 8/14
  8.  学習と成長の視点 組織の発展基盤を構築する 学習と成長の視点 組織の未来を支える人材と文化の基盤 評価の焦点  組織や人材の成長力と発展可能性を評価  従業員のスキル向上やモチベーション、定着率の改善

     将来的な革新力や組織能力の強化状況を測定  人材育成や企業文化の醸成に積極的に取り組む 主な評価指標例  従業員満足度スコア(◦%向上など具体的目標設定)  資格取得者数や研修受講率の向上  従業員の定着率・勤続年数の改善  改善提案件数や業務革新活動の活性度 学習と成長の視点が組織に与える影響  財務 最終的な業績向上 ※学習と成長は4つの視点の基盤となり、他の視点に影響を与えます  2025 BSC研究会 ページ 9/14  学習と成長 人材育成・能力開発   内部プロセス 業務効率・品質向上   顧客 顧客満足度向上 
  9.  導入ステップ 効果的な実装のポイント BSC導入・運用の代表的ステップ 効果的な実装と継続的な改善のためのプロセス     

    目標設定には「SMARTの法則」 (Specific/Measurable/Achievable/Relevant/Time-bound)の活用が効果的です  2025 BSC研究会 ページ 10/14 ビジョンと戦略の策定・確認 企業全体の中長期ビジョンや経営戦略を明確にします。市場環境や競合分析を踏まえて、企業の将来像を固めます。 1 戦略目標(KGI)と重要成功要因(CSF)の設定 ビジョン達成のため、4つの視点に沿って具体的な戦略目標を設定し、各目標の重要成功要因を洗い出します。戦略マップを作成して目標間の 因果関係を図示します。 2 業績評価指標(KPI)の設定 目標やCSFの達成度合いを測る重要業績評価指標(KPI)を定義します。KPIは定量的で、一定のタイムフレームでモニタリング可能な指標とし ます。 3 BSCと戦略マップの完成 目標・指標を4つの視点ごとに整理し、BSC表と戦略マップを完成 させます。全体の整合性を確認し、社内で共有します。 4 各部署・個人への目標展開 全社レベルのBSCから、部門やチーム、個人ごとのサブ目標・プラ ンに落とし込みます。現場まで戦略を浸透させることがポイントで す。 5 モニタリングと継続的改善 定期的なモニタリングとフィードバックによる見直し・改善を行います。環境変化や実績を踏まえて、BSC自体も継続的にアップデートしてい きます。 6
  10.  企業導入事例 様々な業種・規模での成功例 企業導入事例 様々な業種・規模の企業におけるBSC導入の成功事例  エクソン・モービル 石油・エネルギー業界  ガソリンスタンド事業でBSC導入

     ROI向上目標:6%→12%(倍増目標)  導入4年後:ROI16%達成  4つの視点で戦略が具体化され社員の認識が一致  関西電力 電力公益事業  2000年電力自由化に対応するBSC導入  支社・支店単位の「戦略マップ」作成  ワーキンググループでコミュニケーション強化  各社員が自律的に戦略遂行に取り組む体制構築  キリングループ 食品・飲料業界  2004年に経営改革の一環として独自BSC導入  財務、顧客、プロセス、人材、環境の視点で構成  非財務指標含む全社的目標管理の実現  現場社員一人ひとりに戦略目標が浸透  イーエムイー・コンサルタンツ 中小企業  社員数3名の小規模企業でも効果的に導入  標準4視点+「リーダーシップの視点」を追加  自社特性に合わせた柔軟なカスタマイズ  組織規模を問わずBSCの効果を引き出せる事例  BSCは大企業から中小企業まで幅広く応用され、戦略の具体化と全社浸透による業績向上が各社で報告されています。  2025 BSC研究会 ページ 11/14
  11.  BSCのメリット 導入による具体的な効果 BSCのメリット バランスト・スコアカード導入がもたらす効果  戦略の可視化と共有 企業のビジョンや戦略目標を具体的な指標体系と して見える化 

    全社員に戦略と目標を共有しやすくなる  組織の方向性に対する共通理解が促進される  PDCAサイクルを回しやすくする効果がある  長期・短期の統合 中長期的課題と短期的業績を結び付けた一貫した 戦略の構築  顧客関係や組織力などの長期的要素を評価  長期戦略と短期施策の橋渡しが可能に  従来の経営管理システムの課題を解決  業績評価のバランス改善 4つの視点による多角的評価で偏りのない業績管理 を実現  財務データだけでは見落としていた要素を発見  組織の強み・弱みを多角的に把握できる  定量・定性評価の両面から組織を理解  経営改善と持続的成長 継続的な経営改善による健全で持続可能な経営の 促進  非財務情報を含めた総合的な目標管理  経営の「見える化」と戦略実行力の強化  環境変化への対応力を高める効果  2025 BSC研究会 ページ 12/14
  12.  BSCの注意点 導入・運用時の課題 BSCのデメリットと注意点 効果的な導入・運用のために考慮すべき課題 導入時の課題  導入の難易度と理解不足 フレームワークが包括的なため導入プロジェクトが 煩雑になりがち。経営陣や社員の十分な理解がない

    と効果が得られない。  トップのコミットメント不足 形だけの導入では形骸化するリスクがある。経営層 の本気度と継続的な関与が不可欠。 運用上の注意点  アクションプラン遂行の困難さ BSC上で計画を策定しても、現場で確実に実行・管理す る仕組みがなければ成果に結びつかない。  運用の複雑化 指標や目標を細かく設定しすぎると、現場が「管理のた めの管理」に陥り疲弊するリスクがある。 BSC運用を成功させるための対策  組織全体の理解促進 経営層から現場までBSCの意 義と運用方法について十分な 教育・研修を実施  シンプルな設計 自社に必要な範囲に絞った指 標設定で、運用の負担を軽減  定期的な見直し 環境変化に応じた柔軟な指 標・目標値の調整を継続的に 実施  2025 BSC研究会 ページ 13/14
  13.  まとめ BSCの重要ポイント まとめ・参考資料 バランスト・スコアカードの重要ポイントと今後の活用 BSCの主要ポイント  財務・顧客・内部プロセス・学習と成長という4つの視点から企業 活動を評価 

    短期的な財務指標と中長期的な組織発展のバランスを取る  戦略マップにより、目標間の因果関係を可視化  大企業から中小企業まで幅広く応用可能 成功のためのヒント  経営トップのコミットメントを確保する  自社の状況に合わせた適切な指標設計が重要  シンプルで現場が理解・納得できる運用に留める  継続的なモニタリングと改善サイクルを構築する 「BSCは一面からの評価に留まらず多面的視点で戦略を構築・実行することで、組織の継続的成長を支えるフレームワークです。適切に設計・ 運用すれば経営の「見える化」と戦略の実行力強化に大きく寄与するでしょう。 」 参考資料 ウェブサイト  パーソルグループ - バランススコアカード解説  野村総合研究所(NRI) - 用語解説  マネーフォワード - BSCの基本と作成方法 書籍  「戦略マップ」R.キャプラン, D.ノートン著  「バランス・スコアカード」櫻井通晴著  「実践バランス・スコアカード経営」吉川武男著  2025 BSC研究会 ページ 14/14