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第140回 雲勉 今度こそ AWS CDK で構築してみたくなるようなCDK活用集

第140回 雲勉 今度こそ AWS CDK で構築してみたくなるようなCDK活用集

iret.kumoben

July 25, 2024
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  1. 講師⾃⼰紹介 2 ▪ 名前 佐藤 淳 • (所属) クラウドインテグレーション事業部 構築第4セクション

    • (経歴) 2021年 アイレット 中途⼊社 • (アイレット歴) もうすぐ3年 • (趣味) 最近は、キャンプと登⼭
  2. アジェンダ 3 ⾃⼰紹介 1. はじめに 2. AWS CDKとは 3. 実践①

    CDKで環境構築 4. 実践② CDKでテスト実装 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 6. 終わりに
  3. この資料の対象者 5 この資料では以下のような⽅が対象となります。 • AWS CDK で環境構築を実践したい⽅ • 複数環境をCDKで運営したい⽅ •

    作成したリソースのテストについてお悩みの⽅ • 既にCloudFormationでリソースを構築しているが、AWS CDK への移 ⾏を検討されている⽅
  4. 2. AWS CDK とは 7 AWS CDKとは ▪ AWS CDK(Cloud

    Development Kit)とは、AWSが提供するAWSリソースをプロビジョ ニングするためのIaCツール。 ▪ TypeScriptやPythonなどの⾔語を利⽤して、プロビジョニングすることができる。 (この発表では全てTypeScriptで構築) ▪ CDKライブラリでは豊富なメソッド、クラスなどが利⽤可能。 ▪ コンストラクトを使⽤し、少ないコード量でリソースを作成することができる。 L1コンストラクト … CloudFormationのように1:1でリソースを定義 L2コンストラクト … 複数の関連するリソースを1:nでリソースを定義 L3コンストラクト … L2コンストラクトをより抽象化したもの
  5. 2. AWS CDK とは 8 Resource Resource App Stack Stack

    Resource ▪ Application … CDK Appを呼び出し 複数Stackを定義可能 ▪ Stack … CloudFormation上でのデプロイ単位 ▪ Resource … AWSリソースを定義 CDKの構成
  6. 2. AWS CDK とは 9 CloudFormation , Terraform, AWS CDK

    ⽐較 CloudFormation ▪ スタックでの安全なリソース管理 ▪ AWS公式による参考⽂献が多い ▪ AWSのリソースに限定 Terraform ▪ マルチプロバイダー(NewRelic, CloudFlare, etc.. ) ▪ HashiCorp CloudなどHashiCorp社のサー ビスを利⽤可能 AWS CDK ▪ コードライクに複雑な条件分岐など を定義可能 ▪ L2, L3コンストラクトによる抽象化 ▪ マルチプロバイダー(CDK for Terraform)も可能
  7. 2. AWS CDK とは 10 もっと CDK を学ばれたい⽅向けへ ▪ CDK

    ワークショップ … CDK 初学者向け。CDK についてハンズオン形式で学べる。 https://cdkworkshop.com/ja/ ▪ baseline-environment-on-aws(BLEA) … AWS公式が提唱するセキュアなベースラインを提供するCDK テンプレート集。テンプレートの書き⽅を学習されたい⽅向け。 https://github.com/aws-samples/baseline-environment-on-aws ▪ 外部コンストラクト … AWSコミュニティやサードパーティ製のコンストラクト などを利⽤したい⽅向け。 https://constructs.dev/ cdk-nagとか
  8. 3. 実践① CDKで環境構築 12 シナリオ ▪ 以下のような複数アカウントでリソースを管理するケース。 ▪ 環境差分はリソース名やインスタンスタイプなど。 本番環境

    VPC Public subnet Public subnet Private subnet Private subnet example.com ACM マルチAZ ALB テスト環境 VPC Public subnet Public subnet Private subnet Private subnet testexample.com ACM シングルAZ ALB t3.micro インスタンスタイプ t3.medium db.t3.micro インスタンスタイプ db.t3.medium CDK 1台構成
  9. 3. 実践① CDKで環境構築 14 環境ごとに変数を定義 2. ./lib/stack.ts にてスタックを実⾏するクラスにて contextで定義した変数を渡す。 右のようにStackPropsを継承したインターフェース型を定義。

    if⽂などの条件分岐も、慣れ親しんだコードで記載可能。 → 複雑な条件分岐やマッピングなど、 CloudFormationでは難しい表現も可能。
  10. 3. 実践① CDKで環境構築 15 環境ごとに変数を定義 3. ./bin/stack.ts にてtryGetContext句を追加し、 環境変数を明⽰的に定義してスタックに変数を代⼊。 CDKデプロイコマンドにて

    --contextフラグを オプションとして指定して実⾏することで、 指定した環境ごとにデプロイできる。 [実⾏コマンド] $ cdk deploy -- --context env_name=prd
  11. 4.実践② CDKでテスト実装 17 CDKのテストとは︖ CDK のテストでは、以下の2つの⽅法があります。 1. スナップショットテスト CloudFormation テンプレートに対して以前実⾏したテンプレートとの差分を照合してテストします。

    TypescriptではJest、Pythonではpytestなど各コードでのフレームワークでテストを実施。 2. アサーションテスト CDKによって⽣成されたCloudFormationスタック上のリソースのプロパティが、特定の値であるかをテ ストします。 単体テストに相当する内容。 CDK ライブラリである aws-cdk-lib.assertions を使⽤してテスト。 他にも統合テスト⽤のモジュール「integ-tests」 もありますが、2024/07時点ではアルファ版であるため、今回は割愛。
  12. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 28 cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる ▪

    既存のCloudFormationで作成されたプロジェクトを、既存のリソースに影響なくCDKに移⾏したい。 ▪ CloudFormationテンプレートから、CDK に移⾏したい。 ▪ TypeScriptなどのソースコード作成も簡略化したい。 ↓ CDK migrate コマンドによって 既存のスタックや⼿動で作成したリソースをCDKプロジェクトに移⾏
  13. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 29 Case1. CloudFormationで作成したリソースをCDKプロジェクトに移⾏ ▪ 既存のCloudFormation

    スタックからCDKプロジェクトに移⾏する場合(--from-stack) $ cdk migrate --stack-name <<スタック名>> --language typescript --from-stack 上記のコマンドだけで、CDKプロジェクトに移⾏することが可能。
  14. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 30 Case1. CloudFormationで作成したリソースをCDKプロジェクトに移⾏ 実⾏結果 ▪

    Cdk migrate コマンドを実⾏したフォルダに CDKプロジェクトが移⾏できた。 ▪ ソースコードも同様に⽣成されていた。 ▪ cdk deploy で既存Stackを更新できた。
  15. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 31 Case2. CloudFormationのテンプレートからCDKプロジェクトを作成 ▪ 新しい環境で既存のCloudFormationテンプレートファイル

    -> CDKプロジェクトの移⾏(--from-path)。 既にテンプレートファイル template.json がある場合、以下のコマンドを実⾏。 $ cdk migrate --stack-name <<スタック名>> --language typescript --from-path template.json
  16. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 32 Case2. CloudFormationのテンプレートからCDKプロジェクトを作成 実⾏結果 ▪

    Cdk migrate コマンドを実⾏したフォルダに CDKプロジェクトが移⾏できた。 ▪ ソースコードも同様に⽣成されていた。
  17. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 33 Case3. ⼿動で作成したリソースをCDKプロジェクトに移⾏ ▪ CloudFormationスタック管理外のリソースもcdk

    migrate コマンドで移⾏することができる(--from- scan) ▪ --from-scanではCloudFormation上のIaCジェネレータの最新のスキャンを参照してリソースを検索 ▪ Filter句を使⽤することで、特定のタグキー/値 のリソース群をCDKプロジェクトに移⾏することができる $ cdk migrate --stack-name <<スタック名>> --language typescript --from-scan --filter tag- key=<<タグキー>>
  18. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 34 3. ⼿動で作成したリソースをCDKプロジェクトに移⾏ 実⾏結果 ▪

    Cdk migrate コマンドを実⾏したフォルダに CDKプロジェクトが移⾏できた。 ▪ cdk deploy で新規Stackを作成できた。
  19. 5. 実践③ cdk migrateコマンドで CDKプロジェクトに移⾏してみる 35 Tips cdk migrate を実⾏する上での注意点

    ▪ 移⾏によって作成される全てのアプリケーションはL1コンストラクトとして⽣成される。 L2やL3コンストラクトとして出⼒はされない。移⾏後にL2/L3コンストラクトの定義はできる。 ▪ CloudFormationのネストスタックの移⾏はサポートされていない。 cdk import やaws-cdk-lib.NestedStackを駆使して移⾏できるかもしれないが、影響調査が⼤きい。 ▪ --from-scanオプションを付与して移⾏する際は、関連するリソースも含めてcdk migrate コマンドを 実⾏。 以下のようにAWS::EC2::Instanceリソースの場合VPC Idを参照できなくてエラーが発⽣。