Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
アーキテクトに求められるマインドとは / mindset for an architect
Search
iselegant
July 14, 2022
Technology
24
10k
アーキテクトに求められるマインドとは / mindset for an architect
iselegant
July 14, 2022
Tweet
Share
More Decks by iselegant
See All by iselegant
Amazon ECSとCloud Runの相互理解で広げるクラウドネイティブの景色 / Mutually understanding Amazon ECS and Cloud Run
iselegant
19
3.2k
AWSコンテナ本出版から3年経った今、もし改めて執筆し直すなら / If I revise our container book
iselegant
19
4.9k
Amazon ECS & AWS Fargate 今昔物語 / past and present stories of Amazon ECS and AWS Fargate
iselegant
19
4.9k
Binary Authorizationと友達になろう / Let's be friends with Binary Authorization
iselegant
3
240
エンジニアとして成長するための持続可能なアウトプット戦略 / Sustainable Output Strategy
iselegant
6
930
人工衛星管制システムにおけるCICD / CICD in satellite control systems
iselegant
8
1.4k
人工衛星の運用を支えるクラウドネイティブ民主化への取り組み / Efforts toward cloud-native democratization for satellite operations
iselegant
5
1.4k
サーバーレスファーストで考えるクレジットカードビジネスの最適化 / Business Optimization for Credit Card by Serverless
iselegant
8
4.4k
全AWSエンジニアに捧ぐ、CloudWatch 設計・運用 虎の巻 / CloudWatch design and operation bible
iselegant
46
18k
Other Decks in Technology
See All in Technology
re:Invent2024 KeynoteのAmazon Q Developer考察
yusukeshimizu
1
150
RubyでKubernetesプログラミング
sat
PRO
4
160
30分でわかる「リスクから学ぶKubernetesコンテナセキュリティ」/30min-k8s-container-sec
mochizuki875
3
450
20250116_JAWS_Osaka
takuyay0ne
2
200
完全自律型AIエージェントとAgentic Workflow〜ワークフロー構築という現実解
pharma_x_tech
0
350
デジタルアイデンティティ人材育成推進ワーキンググループ 翻訳サブワーキンググループ 活動報告 / 20250114-OIDF-J-EduWG-TranslationSWG
oidfj
0
530
Reactフレームワークプロダクトを モバイルアプリにして、もっと便利に。 ユーザに価値を届けよう。/React Framework with Capacitor
rdlabo
0
130
あなたの人生も変わるかも?AWS認定2つで始まったウソみたいな話
iwamot
3
850
Visual StudioとかIDE関連小ネタ話
kosmosebi
1
370
AWSマルチアカウント統制環境のすゝめ / 20250115 Mitsutoshi Matsuo
shift_evolve
0
110
AWS re:Invent 2024 re:Cap Taipei (for Developer): New Launches that facilitate Developer Workflow and Continuous Innovation
dwchiang
0
160
信頼されるためにやったこと、 やらなかったこと。/What we did to be trusted, What we did not do.
bitkey
PRO
0
2.2k
Featured
See All Featured
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
406
66k
Building Adaptive Systems
keathley
38
2.4k
A designer walks into a library…
pauljervisheath
205
24k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
182
22k
Designing on Purpose - Digital PM Summit 2013
jponch
116
7.1k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
693
190k
Automating Front-end Workflow
addyosmani
1366
200k
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
3
240
A better future with KSS
kneath
238
17k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
157
23k
The Pragmatic Product Professional
lauravandoore
32
6.4k
Designing Experiences People Love
moore
139
23k
Transcript
アーキテクトに求められる マインドとは 2022-07-14 株式会社野村総合研究所 新井雅也 おすすめの技術書LT会 – vol.4
新井 雅也 M a s a y a A R
A I msy78 金融業界のお客様に向けたビジネス提案やシステム設計、開発、運用を担当。 UI/UXデザインやスマホApp、バックエンドAPIなど、フルスタック領域な守備範囲を持ちつつ、 クラウドを活用した全体のアーキテクチャ設計・開発が得意。 テックリード / エキスパートアーキテクト
u 便宜上、本発表では、ソフトウェアアーキテクチャや ソフトウェアアーキテクトのことを、 単にアーキテクチャ、アーキテクトとして表現しています。 u 「オライリー・ジャパン ソフトウェアアーキテクチャの基礎」にて 得られる知見をもとに、発表内容をまとめています。 発表の前提 https://www.oreilly.co.jp/books/9784873119823/
アーキテクトに求められるマインドとは
アーキテクトに求められるマインドとは そもそも、アーキテクトとは
(明確な定義やキャリアパスはないと言われているが) アーキテクトとは、適切な設計を選択し、 技術標準の枠組みを作る役割の担い手のこと
🙋 「新米 ソフトウェア アーキテクト X氏」
🙋 今の時代、クラウド使って マイクロサービスアーキテクチャで作るのが、 とりあえず最適だと思うのよね〜〜JK 「新米 ソフトウェア アーキテクト X氏」
🙋 今の時代、クラウド使って マイクロサービスアーキテクチャで作るのが、 とりあえず最適だと思うのよね〜〜JK 「新米 ソフトウェア アーキテクト X氏」
🙋 今の時代、クラウド使って マイクロサービスアーキテクチャで作るのが、 とりあえず最適だと思うのよね〜〜JK 「新米 ソフトウェア アーキテクト X氏」 なんて安直な思考に、 皆さんは陥っていないですよね
?????
そもそも、アーキテクチャとは、求められる or 達成したい ビジネス要件の文脈があって、初めて成立するもの u マイクロサービスアーキテクチャのメリットとデメリットは理解していますか? u モノリス構成を含む、他のアーキテクチャは検討しましたか? u マイクロサービスアーキテクチャが、ビジネス上のどのような課題を解決するのですか?
u 実際にコードを書くエンジニアやその他ステークホルダーと事前に共有しましたか?
「Jastrow, J. (1899) “Fact and Fable in Psychology” https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Duck-Rabbit_illusion.jpg」より引用 ものの見え方は、人の経験や状況によって左右されることと同じように、
アーキテクチャも解決したい課題によって左右される ウサギとアヒルの図形
つまり、アーキテクチャはすべてがトレードオフの世界である u「どうやって」よりも、「なぜ」のほうが本質 u「アーキテクチャとは、Googleで答えを見つけられないものだ 」 ※「オライリー・ジャパン ソフトウェアアーキテクチャの基礎」より引用
そもそも、アーキテクトとは
そもそも、アーキテクトとは アーキテクチャが持つトレードオフを理解しつつ、 自分たちのビジネス要件と照らし合わせて、 適切な設計を選択し、技術標準の枠組みを作る担い手
アーキテクトに求められるマインドとは そもそも、アーキテクトとは
アーキテクト アーキテクトに必要なマインドとは
アーキテクト 技術トレードオフを理解 ビジネス要件の理解 技術標準の枠組み アーキテクトに必要なマインドとは
アーキテクト 技術トレードオフを理解 ビジネス要件の理解 技術標準の枠組み → 多様な選択肢と洞察 → 要件は日々変化 → チームへの普及と理解
アーキテクトに必要なマインドとは
アーキテクト 技術トレードオフを理解 ビジネス要件の理解 技術標準の枠組み → 多様な選択肢と洞察 → 要件は日々変化 → チームへの普及と理解
変化への追随 技術的な リーダーシップ 学びの幅を広げる そのために・・・ そのために・・・ そのために・・・ アーキテクトに必要なマインドとは
優れたアーキテクチャや技術を幅広くおさえる uアーキテクトでは、「技術的な深さ < 技術的な幅」が重視される傾向 u トレードオフに対する感性が磨かれる u選択するために「知らないことについて知らない」ことを減らす u 単一の技術やプラットフォームに集中すると、そこが安全な避難場所になってしまう u
最新のトレンドを把握し続ける u 古い情報がまだ最先端であるという誤った感覚から脱出する
優れたアーキテクチャや技術を幅広くおさえる アーキテクチャ特性を軸にメリデメを理解する 各アーキテクチャの代表例を知る u レイヤード u パイプライン u マイクロカーネル u
サービスベース u イベント駆動 u スペースベース u オーケストレーション駆動 u マイクロサービス u 運用特性 e.g. 可用性、パフォーマンス、 スケーラビリティ、デプロイ容易性 u 構造特性 e.g. 拡張性、可搬性、メンテナンス性 アップグレード容易性 u 横断特性 e.g. 学習容易性、セキュリティ
変化に追随するためにイテレーティブに取り組む uビジネス特性を理解し、決して最善のアーキテクチャを追求しない u あらゆるビジネス上の問題を解決しようとすると、 汎用的なソリューションになり、単に労力・コストを要する u少なくとも、最悪ではないアーキテクチャを狙う u ソフトウェアアーキテクチャは動的な性質を持つもの u 変更が容易であれば、最初から望ましいアーキテクチャを
正確に設計しなければならない、というプレッシャーも少なくなる The Only Complete Swiss Army Knife https://www.hammacher.com/product/ only-complete-swiss-army-knife
技術的なリーダーシップを発揮する uビジネスと技術の両面の変化を捉え、翻訳し、チームをリードする Simon Brown氏: 私の場合、ソフトウェアアーキテクチャの役割はソフトウェアチームに技術的なリーダーシップ をもたらすことです。私はどんなソフトウェアプロジェクトにも、ある程度は事前の設計が必要 だと固く信じています。コツは「過不足なく」やることです。つまり、初期のハイレベルな構造 を作り、主要なリスクに対処し、チーム全員がともに取り組むべきビジョンを作ることです。 https://www.infoq.com/jp/news/2012/04/frustrated-architect/より⼀部引⽤
u開発チームが技術を選定できるように「ガイド」する uアーキテクチャの決定や設計指針の遵守を徹底する u ルールを逸脱すると、いずれ技術的負債へと変化する u「確証バイアス」に注意を払う u e.g. 「そのアーキテクチャの採用が、間違いなく正しいに違いない」と思い込み、 都合の良い情報のみを集めてしまう。 技術的なリーダーシップを発揮する
まとめ
アーキテクト 技術トレードオフを理解 ビジネス要件の理解 技術標準の枠組み → 多様な選択肢と洞察 → 要件は日々変化 → チームへの普及と理解
変化への追随 技術的な リーダーシップ 学びの幅を広げる そのために・・・ そのために・・・ そのために・・・ アーキテクトに必要なマインドとは
ビジネスの文脈がない アーキテクチャの選択は、 「マッチ棒で家を建てる」のと同じ
🙋 ご清聴いただき、ありがとうございました。