$30 off During Our Annual Pro Sale. View Details »
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
復号できなくなると怖いので、AWS KMSキーの削除を「面倒」にしてみた CODT 2025 ...
Search
iwamot
PRO
September 05, 2025
Technology
1
110
復号できなくなると怖いので、AWS KMSキーの削除を「面倒」にしてみた CODT 2025 クロージングイベント版
2025-09-05
Cloud Operator Days Tokyo 2025
https://cloudopsdays.com/
iwamot
PRO
September 05, 2025
Tweet
Share
More Decks by iwamot
See All by iwamot
AIエージェント・マイクロサービス時代。AWSでの手軽な構築法を考えて試してみた
iwamot
PRO
1
25
これがLambdaレス時代のChatOpsだ!実例で学ぶAmazon Q Developerカスタムアクション活用法
iwamot
PRO
8
1.4k
Developer Certificate of Origin、よさそう
iwamot
PRO
0
31
復号できなくなると怖いので、AWS KMSキーの削除を「面倒」にしてみた
iwamot
PRO
3
90
IPA&AWSダブル全冠が明かす、人生を変えた勉強法のすべて
iwamot
PRO
14
11k
2年でここまで成長!AWSで育てたAI Slack botの軌跡
iwamot
PRO
4
1.1k
名単体テスト 禁断の傀儡(モック)
iwamot
PRO
1
590
クォータ監視、AWS Organizations環境でも楽勝です✌️
iwamot
PRO
2
590
Cline、めっちゃ便利、お金が飛ぶ💸
iwamot
PRO
22
22k
Other Decks in Technology
See All in Technology
AWSインフルエンサーへの道 / load of AWS Influencer
whisaiyo
0
210
AWS re:Invent 2025~初参加の成果と学び~
kubomasataka
0
180
「もしもデータ基盤開発で『強くてニューゲーム』ができたなら今の僕はどんなデータ基盤を作っただろう」
aeonpeople
0
230
Oracle Database@Google Cloud:サービス概要のご紹介
oracle4engineer
PRO
1
760
シニアソフトウェアエンジニアになるためには
kworkdev
PRO
3
260
松尾研LLM講座2025 応用編Day3「軽量化」 講義資料
aratako
3
1.9k
ActiveJobUpdates
igaiga
1
310
事業の財務責任に向き合うリクルートデータプラットフォームのFinOps
recruitengineers
PRO
2
190
20251222_サンフランシスコサバイバル術
ponponmikankan
2
140
会社紹介資料 / Sansan Company Profile
sansan33
PRO
11
390k
ペアーズにおけるAIエージェント 基盤とText to SQLツールの紹介
hisamouna
2
1.5k
半年で、AIゼロ知識から AI中心開発組織の変革担当に至るまで
rfdnxbro
0
130
Featured
See All Featured
Save Time (by Creating Custom Rails Generators)
garrettdimon
PRO
32
1.8k
Facilitating Awesome Meetings
lara
57
6.7k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
269
13k
So, you think you're a good person
axbom
PRO
0
1.8k
A Soul's Torment
seathinner
1
2k
Fireside Chat
paigeccino
41
3.8k
Dominate Local Search Results - an insider guide to GBP, reviews, and Local SEO
greggifford
PRO
0
16
Product Roadmaps are Hard
iamctodd
PRO
55
12k
Jess Joyce - The Pitfalls of Following Frameworks
techseoconnect
PRO
1
30
The Spectacular Lies of Maps
axbom
PRO
1
400
DBのスキルで生き残る技術 - AI時代におけるテーブル設計の勘所
soudai
PRO
60
37k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
698
190k
Transcript
復号できなくなると怖いので、 AWS KMSキーの削除を「面倒」にしてみた CODT 2025 クロージングイベント版 2025-09-05 Cloud Operator Days
Tokyo 2025 https://cloudopsdays.com/ ENECHANGE株式会社 岩本隆史
どんな話? 暗号化データの復号に必要なキーを、うっかり削除できないようにした話 得られるもの:クラウド運用における、うっかりミスを防ぐ視点 ポイント: 「簡単」ではなく、あえて「面倒」にするという発想
自己紹介 岩本 隆史 @iwamot ENECHANGE株式会社 VPoT 前職:AWS 技術サポート AWS Community
Builder (Cloud Operations)
「面倒」にした経緯
サービス終了に伴い、AWS環境を削除 事業部からの削除リクエストを受諾 DBの最終スナップショットを作成 各種リソースを削除
11日後:復号できなくなることに気づく DBの暗号化キーまで削除しようとしていた(ぼくのうっかりミス) ありがたいことに、削除は保留されていた(デフォルト30日待機) このまま待機期間が過ぎると、スナップショットが復号できなくなる 虫の知らせで、たまたま気づけた
気づいて助かったが、 「うっかり削除」は怖い キーの削除をキャンセルし、事なきを得た とはいえ、今後も「うっかり削除」のリスクが残る
そこで、キーの削除を「面倒」にしてみた deletable = true タグが付いたキーのみ削除を許可するルール AWS Organizationsというサービスのポリシーで実装
リソースコントロールポリシーの実例 { "Version": "2012-10-17", "Statement": [ { "Effect": "Deny", "Principal":
"*", "Action": "kms:ScheduleKeyDeletion", "Resource": "*", "Condition": { "StringNotEquals": { "aws:ResourceTag/deletable": "true" } } } ] }
Slack通知も実装し、本格導入
タグがないキーは削除が拒否される
タグの付いたキーは削除が待機される
うっかりミスを防ぐ視点
不可逆で、とくに危険な操作はないか 例:クラウド側で、待機期間や復旧可能期間が用意されている操作 AWS Secrets Managerシークレットの削除(デフォルトで7日は待機) Azure Key Vaultの論理的な削除(デフォルトで90日は復旧可能) Google Cloudプロジェクトの削除(デフォルトで30日は待機)
「リーエン」という仕組みで削除を拒否することも可能
ルールによる拒否や、イベントの検知は不要か うっかりミスは原理的に防ぎたい 危険な操作が行われたら、念のためアラートしたい これらのニーズは十分に満たせているか
対応のポイント
あえて「面倒」にするという発想 危険な操作が本当に必要な場合もある → 無条件に拒否はできない 手間をかければ操作できる状態を目指す タグでなくても「面倒」ならよい 承認フェーズを設ける リソースロックをかける(Azureなど)
まとめ
こんな話でした 暗号化データの復号に必要なキーを、うっかり削除できないようにした クラウド運用における、うっかりミスを防ぐ視点 不可逆で、とくに危険な操作はないか ルールによる拒否や、イベントの検知は不要か あえて「面倒」にすべき操作はないか、考えてみませんか?