Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

滑空スポーツ講習会2025 航空安全講習会 第1回 最近の変更点ほか / JSA Safety...

滑空スポーツ講習会2025 航空安全講習会 第1回 最近の変更点ほか / JSA Safety Seminar 2025 Tokuteishinsa

公益社団法人日本滑空協会
2025/1/24
講師 公益社団法人日本滑空協会 佐志田 伸夫

Avatar for JSA seminar

JSA seminar

January 24, 2026
Tweet

More Decks by JSA seminar

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 通達国空乗第2077 号による航空安全講習会として、最近の航空法 令・関連規則の改正、事故・重大インシデント事例等を紹介します。 主催 (公社)日本滑空協会 後援 国土交通省航空局 2航空安全講習会 (2025年滑空機特化) 最近の変更点ほか

    1 目次 Ⅰ.特定操縦技能審査の概要 Ⅱ.航空法令、関係規則の最近の変更点等 Ⅲ.航空安全リーフレット集 Ⅳ.最近のグライダー事故・重大インシデント概要
  2. 配布資料 航空安全講習会資料(2025年滑空機化) 「特定操縦技能審査に関する参考資料」目次紹介 1.特定操縦技能審査実施要領(概要) (国空安政第3054号 令和7年3月28日改正) 2.特定操縦技能審査実施細則(抜粋) (国空安政第3054号 令和7年3月28日改正) 3.口述ガイダンス(抜粋)

    (改正国空安政第3054号 令和7年3月28日) 参考資料 参1.令和7 年6 月に公布された航空法の改正について 参2.AIC 021/25 空港使用に係る同意書及び運航者撤去作業の提出について 参3.SWIM 情報サービスの運用開始 参4.自家用航空機の操縦士に対する酒気帯びの有無の確認について 参5.技能証明に付された限定と同一の種類及び等級であって、操縦経験のない 型式の航空機を操縦しようとする場合等の教育訓練に関するガイドライン(抜粋) (国空航第1055号 令和2年6月29日制定) 参6.AIP ENR5.5 航空スポーツ及びレクリエーション活動 滑空機事故・重大インシデント概要 グライダー事故件数の推移、グライダー死亡事故原因 スライド中では 参考資料P.x と表示 2
  3. Ⅰ.特定操縦技能審査の概要 サーキュラー AIC033/22 3 • 特定操縦技能:航空機の操縦に従事するのに必要な知識及び能力であって その維持について確認することが特に重要であるもの • 技能を有することの審査は「操縦技能審査員」(国土交通大臣が認定)が行う •

    航空機の種類ごとに: 「運航に必要な知識(特に最新の改正内容等)」 「空港等における運航」 「通常時の離着陸や通常時の飛行」 「異常時及び緊急時の操作等の知識及び能力」 を確認する • 特定操縦技能審査実施要領 技能証明に結果記入 実技と口頭 • 特定操縦技能審査実施細則 • 特定操縦技能審査口述ガイダンス • 特定操縦技能審査チェックリスト・・・2年間保存
  4. 特定操縦技能審査実施要領 (国空航第799号 H24..03.29制定) (国空安政第1155号 R5.09.20改正) (国空安政第3045号 R7.03.28改正) 3.1. 特定操縦技能審査の申請等 3.1.2

    特定操縦技能審査の申請及び審査 (3)総飛行時間及び最近6月の総飛行時間を証する書類(航空機乗組員飛行日誌等) 3.2. 操縦技能審査員が提示する書類 操縦技能審査員は、審査を始める前に、被審査者に対して「技能証明書」、「操縦 技能審査員の証」及び認定を受けた日の属する年度の翌年度の初日から起算して 2年を超えている場合は、「定期講習修了証」(定期講習を免除される者は、「操縦 技能審査員定期講習免除通知書)を提示しなければならない。 第3章 特定操縦技能審査 参考資料P.1 4 R2.6.29 事務連絡 教育訓練実施記録を確認し未実施の場合には航空局に報告
  5. 特定操縦技能審査実施要領 (国空航第799号 H24..03.29制定) (国空安政第1155号 R5.09.20改正) (国空安政第3045号 R7.03.28改正) 3.3. 特定操縦技能審査の実施 (4)「自家用操縦士の技量維持方策に係る指針」(国空乗第2077

    号)による安全講習 会を受講した者は、受講日から2 年までの間に行われる特定操縦技能審査に おいて、「特定操縦技能審査実施細則」に定める口述審査のうち、「最近の変更 点」「一般知識」については免除とする。 3.5. 審査結果(要約) (2)操縦技能審査員は、特定操縦技能審査を行ったときは、実施細則に定めると ころにより、審査記録を作成しなければならない。 ・・被審査者に関する事項/審査に関する事項/審査結果に関する事項 チェックリストの書式が更新された (3)10日以内に報告書を地方航空局に提出、審査記録を保管 ただし、安全講習会受講後に変更した事項は当該免除の対象外とする。 参考資料P.1 5
  6. 特定操縦技能審査実施細則 (国空航第800号 H24.03.29制定) (国空安政第1155号 R5.09.20改正) (国空安政第3045号 R7.03.28改正) 2.審査の実施 審査は原則として口述審査の後に実技審査を実施する。ただし、天候等の 理由により、実技審査を先に実施するべき理由がある場合は実技審査を先に

    実施してもよい。また、被審査者が等級限定又は型式限定を複数有する場合 であって、審査に使用する航空機以外の航空機事項については口述審査に含 めてよいこととする。 3.審査終了後のブリーフィング 以下の事項について批評、解説、注意喚起を行い、安全運航のための助言を行う。 また、審査員は、特定操縦技能審査を通じて確認した被審査者の操縦技能に関 する課題やこれに対し行った助言等の内容を2.の規定により作成する審査記録に 記載すること。 5-3 審査記録の作成及び審査結果の報告 (略) 実施要領と同様の附則付 参考資料P.2~4 審査員は、原則として、別添1から別添4に定める「特定操縦技能審チェックリス ト」を使用し、特定操縦技能審査実施要領3.5.(2)の審査記録を作成すること。ただ し、当該チェックリストと同等以上の独自の様式を使用し、審査記録を作成するこ とを妨げない。 ※運航規程に基づく技能審査の確認を実施し合格した場合は必要事項の記入がなくとも当 該期間は有効とする。但し、直前に不合格となった場合を除く(国空航第3700号R3.03.31改正) 6
  7. 第1部 1.航空機の操縦に従事するのに必要な知識 1-1 最近の変更点 1.航空身体検査証明申請時の「自己申告確認書」提出 [2019.8.1] (1)航空身体検査証明申請において自己申告を 行うにあたっての確認事項や提出書類につ いて説明して下さい。 (2)航空身体検査証明の有効期限内であっても、

    身体検査基準への適合性が疑われる身体 状態となった場合の措置について説明してくだ さい。 航空業務を中止して、指定 航空身体検査医等の指示を 受ける 既往症、手術歴、医薬品の 使用状況等について自己申 告確認書を提出 航空身体検査証明申請シス テム、もしくは紙媒体で提出 参考資料 P5~ 特定操縦技能審査口述ガイダンス(滑空機) (改正国空安政第3045号 R7.03.28) 7
  8. (5)アルコールの分解に要する時間について 説明して下さい。 2.操縦士の飲酒に関する基準の制定について [2019.1.31] (1)航空法第70 条に定められた酒精飲料 (アルコール)又は麻酔剤その他の薬品 に関する規制について説明して下さい。 (2)航空機乗組員の飲酒による運航への影響 やルールについて説明してください。

    (3)航空機乗組員がアルコールの影響に よって正常な運航ができないおそれがある 状態について。 (4)アルコール検知器を正しく使用するための 注意点を説明して下さい。 体内アルコール保有 不可 血中 0.2g/ℓ 呼気 0.09mg/ℓ 影響がある場合 業務不可 4g/Hr うがい、アルコール成分を 含むものの 使用を控える 8 参考資料 P6~
  9. https://jtsb.mlit.go.jp/aircraft/rep-acci/AA2020-1-2-JA200G.pdf ぐんま県境稜線トレイルでの救助活動に備えた危険個所の調査・確認のため、群馬 県前橋市下阿内町の群馬ヘリポートから離陸し、10時01分ごろ、群馬県吾妻郡中之 条町横手山北東約2km付近の山の斜面に衝突した。同機には、機長、確認整備士、 航空隊長、航空隊員及び消防隊員5名の計9名が登場していたが、全員死亡した。 視界が悪化して地表を継続的に視認できなくなったことについては、有視界気象状 態を維持することが困難となる中で、引き返しの判断が遅れ、飛行を継続したことに よるものと考えられる。 本事故は、同機が登山道の調査のため山岳地域を飛行中、雲の多い空域に進入し て視界が悪化し地表を継続的に視認できなくなったことにより、機長が空間識失調

    に陥り機体の姿勢を維持するための適切な操縦を行えなくなったため、山の斜面に 衝突したものと考えらえる。 9 航空事故調査報告書(AA2020-1) 所属:群馬県防災航空隊 発生日時:平成30年8月10日 10時01分ごろ 型式:ベル式412EP型(回転翼航空機)発生場所:群馬県吾妻郡中之条町横手山 事故の種類:山の斜面への衝突 北東約2km付近 3.運輸安全委員会の勧告について (1)ベル式412EP型JA200Gの航空事故に係る勧告 (運委参第104号) [2020.2.27] 参考資料 P7
  10. 10 1) 有視界飛行方式による飛行において、悪気象条件が予測される場合または予期せ ぬ悪天候に遭遇した場合の対応はどのようにすべきですか。 答:① 最新の気象情報に基づき全経路で有視界気象状態を維持することが可能と判 断した場合のみ出発する。 ② 気象の変化が予想される場合の代替案を検討しておく。また、飛行中は継続的 に気象情報を収集する。

    ③ 予期せぬ天候悪化時は引き返しや着陸を早期に判断する。 2) 空間識失調の危険性について説明してください。 答:視界が悪化し地表を継続的に視認できなくなるなどで空間識失調に陥ると、視覚な どの感覚のずれにより錯覚がおこり、機体の姿勢を維持するための操縦を行えなく なるなどの危険性がある。 3)空間識失調に陥らないための具体的な予防策及び万一空間識失調に陥った場合 にその状況から離脱するための対処策について説明してください。 答:① 有視界飛行方式で飛行のための気象状態の評価には、十分に注意し飛行の可 否を判断すること。 ② 気象状況が変化しやすく、かつ局所的な気象の予測を行うことが困難な空域や、 視覚情報が限定される可能性の高い空域では、基本的な計器による飛行に切 り替えることにより速やかに当該状況から離脱すること。 ③ 万一意図せず計器気象状態や空間識失調に陥った場合には、自己の姿勢感 覚ではなく、飛行計器の指示に従い、使用可能な場合には錯覚から回復するま で自動操縦により飛行すること。
  11. 11 4)小型機が有視界飛行方式であるにもかかわらず、雲中飛行等により事故に至った 事例を確認したことはありますか。また、「小型航空機の運航の安全情報」について 確認していますか。 答:小型飛行機と回転翼航空機が有視界飛行方式による飛行にもかかわらず、雲中等 を飛行したため事故に遭遇した事案として以下が示されている。 ①平成19 年 岐阜県恵那山山頂付近 セスナ式404

    型 [2008.9.19 報告] ②平成20 年 青森県大間崎沖 エアロスパシアル式AS350B 型 [2009.6.26 報告] ③平成21 年 兵庫県但馬飛行場南東 ロビンソン式R44 型 [2011.2.25 報告] ④平成22 年 北海道岩部岳東方山中 セスナ式TU206G 型 [2012.7.27 報告] ⑤平成23 年 熊本空港から北東約14km の矢護山南南東斜面パイパー式PA-46- 350P型[2012.9.28 報告] これらの「航空事故調査報告書」は運輸安全委員会のウェブページで確認することが できる。 また、小型航空機における運航安全情報については、国土交通省のウェブページ「航 空安全情報ポータル:小型航空機の安全情報」で確認することができる。 [運輸安全委員会]http://www.mlit.go.jp/jtsb/kankokuiken_air.html [航空安全情報ポータル]https://safetyp.cab.mlit.go.jp/
  12. https://www.mlit.go.jp/jtsb/aircraft/p-pdf/AA2019-6-1-p.pdf レジャー飛行のため、11時57分、八尾空港を 計器飛行方式で出発し、福島空港へ向かう途 中で管制機関から指示された経路から逸脱し、 12時13分、同空港に引き返すとの交信を最後 に、奈良県山辺郡山添村の山林に墜落した。 同機には、機長ほか同乗者1名が搭乗してい たが、2名とも死亡した。同機は大破し、火災 が発生した。 同機は、急降下により同機の設計運動速度を

    大きく超過した状態となり、その状態で機長が 同機を立て直そうと急激な引き起こしを行った ため、同機の終極荷重倍数限界(5.7G)を超 えて空中分解に至った可能性が考えられる。 同機は、墜落するまでヨートリムを離陸位置 のまま飛行していたものと推定される。 離陸後、機体の速度が大きくプロペラの回転 速度が遅くなったとき、右ラダーの影響が過 大となり、機首を右に向けようとするとともに 機体を右に傾けようとする。 13
  13. 14

  14. (自力発航の場合) ・自力発航による離陸 ・自力発航による離陸上昇中の異常時及び緊急時の操作 ・離陸上昇形態による失速と回復操作 ・技量確認 なお、いずれの場合も、当該発航方法による10回以上の離陸を標準と して実施すること。 4)教育訓練を受けずとも学習を行う必要性がある場合及び学習内容を説明 してください。 答:上記(1)-2)に該当しない場合であっても、操縦経験のない

    型式の航空機を操縦する場合には、(1)-3)各項に係る知識を 習得する必要性があります。 (参考2)技能証明に付された限定と同一の種類及び等級であって、操縦経験 のない型式の航空機を操縦しようとする場合等の教育訓練に関する ガイドライン (国空航第1055号 R2.06.29) 15 参考資料P.26~
  15. 第2部 1.航空機の操縦に従事するのに必要な事項 1-2 一般知識 1.有視界飛行方式に関する諸規則 (1)操縦者の見張り義務及びその目的について説明せよ。 (2)区分航空図の判読 1)飛行場の諸元、NAV AIDS の周波数

    参考資料 P.11~14 2)空域関連(空域の分類及び飛行に係る制限) ア) 航空交通管制圏 オ) ターミナルコントロールエリア(TCA) イ) 航空交通情報圏 カ) 民間訓練試験空域 ウ) 特別管制空域 キ) 禁止、制限及び危険区域 エ) 航空交通管制区 ク) 飛行中に危険性のある情報について (* 進入管制区含む) (3)VFRで飛行しているとき、入域前に通信設定又は許可を受けなければ ならない 空域等について航空図を参照して答えさせる。 3)飛行位置を示して、最寄広域対空援助業務実施機関 周波数 答:AIP GEN 3.3 航空交通業務(広域対空援助業務) 16
  16. 参考資料P.11~14 (4)最低安全高度及びVMC気象条件について航空図で位置を想定して答え させる。 (5)「飛行援助用航空局」の活用について (Flight Service) (6)特別有視界飛行方式(Special VFR)について以下の質問の内1つを答えさせる。 1)特別有視界飛行方式(Special VFR)の許可を受けて飛行する場合の気象条件

    2)管制圏・情報圏の通過が許可される特別有視界飛行方式条件を述べよ。 17 (7)フライトプラン(航空法第97条及び第98条関連)について 1)あなたはフライトプランの通報をどのように行っていますか。 2)スルーフライトプランとはどのようなものか知っていますか。 3)地上において到着の通知を行うことが困難である場外離着陸場を目的地と し、引き続き当該場外離着陸場から離陸した後にその上空から広域対空 援助業務実施期間を経由して当該場外離着陸場への到着の通知を行うこ とを予定する飛行計画の記入要領と飛行時の注意事項について説明して ください。 4)あなたはフライトプランのクローズ(到着の通知)をどのように行っています か。また、フライトプランのクローズを怠ると「捜索救難が発動される」ことを 知っていすか。 東京/関西FAIB NOTE=CLS/CTC=TOKYO INFO HAKONE134.7 AIM-J304~308参照
  17. 2.航空交通管制方式 (1)TCA, RADAR, ACC など、VFR レーダーアドバイザリーとの交信要領について 説明せよ。 (2)VFR飛行中における気象情報の入手要領 気象情報が入手可能な機関のコールサインや周波数について確認する。 19

    (3)無線機故障時の飛行要領 野外航法の中間地点で無線機故障に陥った場合の処置について説明させる。 ⇒VFR 機の場合、コードを7600 に切り替え、VMC を維持して着陸可能 な最寄りの空港等に着陸しなければならない。 ⇒ライトガン 参考資料P.14
  18. 3.運航用飛行場予報気象通報式 (1)TAFの発表時刻はいつか? (2)TAFの有効期間は発表時刻から何時間か? 参考資料P.16, 17 5.捜索救難に関する規則 飛行計画上の到着予定時刻からの遅延と捜索救難 到着予定時刻からの大幅な遅延は、捜索救難の発動要件に該当する場合が あるので, 広域対空援助業務実施機関などの管制機関への通報を行わなけばな

    らない。特に場外離着陸場等、管制機関のない空港等からEOBTから大幅に遅 れて離陸した場合は、管制機関はフライトプランとして通報されたEOBT に飛行 時間を加えた時刻を到着予定時刻として想定するので、注意を要する。 4.航空保安施設の特性と利用法 普段使用する空港周辺の航空保安無線施設の改廃、一時休止等 EOBT=Estimated Off-Block Time (00,06,12,18 UTC) Ex. 0400/0506⇒(30時間) 4日00~5日06 UTC { 21 6.遭難/緊急の通報の要領について (1)遭難/緊急の通報の要領を述べよ。(例は参考資料参照) (2)遭難/緊急の通信の伝送要領を述べよ。
  19. 上記 1) 2) より、ガイダンスでは 「機内高度10,000ftを越える高度を飛行する場合には考慮すべき」という表現にされ たものと考えられます。 1)口述ガイダンスでは(参考)AIM-J962の注記があり,下記記載があります。 「普通の健康なパイロットであれば12,000フイート未満では気圧の減少に 伴う低酸素症による夜間視力以外の顕著な影響は表れないとされている。」 2)サーキュラー

    1-001 航空機及び装備品等の検査に関する一般方針では、与圧装置を 有しない航空機の場合以下の容量の酸素供給装置が規定されています。 1.3,000~4,000mで飛行する場合には飛行時間から30分を減じた時間 2.4,000mを超えて飛行する場合には当該飛行時間乗組員全員が必要とする量 口述ガイダンス 「7.(1)低酸素症」に関する参考事項 与圧 – Wikipedia 旅客機では与圧部の中は 少なくとも2,400 m (航空会社や機種によっ ては1,500 mほどになる) の高度に相当する0.8気圧 弱ほどに保たれる 参考1 参考2 23
  20. 5)パルスオキシメーターを指に装着して、酸素飽和度をモニターしながらより適切に酸素を 使用するべきでしょう。 3)ウェーブ等を利用したグライダーの高高度飛行では、EDS(Electronic Delivery System) を使用して酸素供給を受けます。 これにより肺の中の酸素分圧の低下を防ぎ、低酸素症に陥らないようにします。 4)最近では、航空法などの規定にかかわらず、より低い高度(5,000~7,000ft)から酸素供 給を始め、低酸素症の影響で頭が鈍ることを避けるべきである、と推奨されています。 口述ガイダンス

    「7.(1)低酸素症」に関する参考事項 つづき 24 1)滑空場や上空のソアリング中、長時間の直射日光にさらされた場合、体は発汗によって 体の熱を放出しようとするが、十分な水分が補給されないと脱水症や熱射病になる。 2)疲労感 → 虚脱感 → 吐き気 → 手足のチクチクする痛み → けいれん → のどの渇き 3)十分な量の水を持つ 4)喉が渇いたかどうかにかかわらず、頻繁に少量ずつ水を飲む 5)帽子をかぶる、コクピット内の通風を良くする 口述ガイダンス 「7.(5)脱水症と熱射病」に関する参考事項 (熱中症) WGBT等を参考にして、屋外での活動を制限する
  21. (3)航空安全情報自発報告制度(VOICES)について(AIC 2014.8.21) (ア)どのような制度ですか。 (イ)どのような内容をどこに報告するのですか。 (ウ)航空安全情報自発報告制度(VOICES)の運営機関がweb で公表して いる「共有情報:FEEDBACK」の小型機の運航に係る内容を閲覧し たことはありますか。 (4)無人航空機との衝突・接触に係る報告制度の制定 [2015.12.9]

    1) 運航中の航空機に無人航空機(ドローン等)が衝突・接触した場合や衝突し た場合の報告制度(報告の対象・報告の内容・報告の方法及び報告先)に ついて具体的に説明させる。 進路権主張ではなく、 回避すること。 衝突コースの回避等 TA⇒トラフィックアドバイザリー 25~48sec以内に衝突の恐れ RA⇒レゾリュ-ションアドバイザリー15~35秒以内に衝突の恐れ + 回避操作指示 25 参考資料P.17、18 8.その他運航に必要な事項 (1)後方乱気流の回避 後方乱気流の発生状況、影響、運航上の注意事項、回避要領など (2)空中衝突の予防 航空機衝突防止装置(TCAS)の概要 作動原理及び発出される2種類のアドバイザリーについて簡単に説明させる。
  22. 1-3 航空機事項等 審査に使用する航空機について次の事項を質問する。 ただし、審査に使用する航空機が自力発航の用に供することができる動力滑空機 である場合にあっては、3.(1)の離陸中止について質問し、被審査者の理解促進 に努めるとともに、審査にあっては回答例を参考にすること。 1.性能、諸元、運用限界等 (1)速度限界について (2)最良滑空速度、最小沈下速度について (3)最大滑空比について

    (4)重心位置および重量の限界 (5)離着陸時の横風・追い風制限 (6)燃料及び滑油(上級滑空機を除く。) (7)離陸性能・・・離陸性能に影響を与える要素について質問する。 ア 気温、気圧高度・・・エンジン出力が変化 イ 機体重量・・・加速性能、離陸速度が変化 ウ 風向風速・・・離陸距離が変化 2.通常操作の手順 特定操縦技能審査において実施しない手順で確認が必要と思われる通常手順 について質問する。 (1)機体組立や地上取扱時の注意事項 (2)曳航索の点検要領 参考資料P.19~ 26
  23. (3)曳航装置付き動力滑空機:上空におけるエンジン展開・始動及び停止・ 格納手順並びに各形態における限界事項 (4)曳航装置なし動力滑空機 上空におけるエンジン停止及び始動手順並びに各形態における限界事項 (5)離着陸時における飛行規程で定められている形態(動力装置の格納時 及び展開時を含む。) 3.その他必要な事項 (1)離陸中止 離陸中止すべき状況、手順と注意事項. なお、回答例は以下のとおり。

    (2)着陸復行(曳航装置なし動力滑空機) 着陸複行の操作及び注意事項 (3)失速等 使用機の失速の兆候と推奨される回復の手順 重心位置の違いによるスピン特性について又その回復要領 異常姿勢からの回復 【注意事項】 ・あわてて不必要にブレーキを使用しすぎて、タイヤをパンクさせない。 ・対空通信施設のある場合は当該施設に、無い場合は一方送信で 離陸を取りやめることを通報する。 参考資料P.19 27
  24. 6.ソアリング 6-1 ソアリング 各種ソアリングに関する操作について質問する。 (1)サーマル・ソアリング サーマル・ソアリングに適した気象や大気状態はどういうときか。 風向、風速や大気の安定度などにより注意すべきことは何か。 複数機がソアリングしている場合、衝突防止のため注意すべきことは何か。 (2)リッジ・アンド・スロープ・ソアリング スロープ・リフトはどういうとき、どういう場所に発生するか。

    リッジ・アンド・スロープ・ソアリング実施時に注意すべきことは何か。 (3)ウエーブ・ソアリング 山岳波のリフトはどういうとき、どういう場所に発生するか。 乱気流を回避するためにはどうすればいいか。 7.異常時及び緊急時に必要な知識 7-1 曳航中の異常時及び緊急時の操作(曳航装置なし動力滑空機を除く) 曳航中の異常時及び緊急時の操作手順等について質問する。 (1)曳航索切れ (2)ウインチ曳航中の索切れ等で発生する可能性のある低重力環境下では どのような危険性があるか。 (3)曳航速度の超過又は低下 (4)曳航機/ウインチの動力装置故障又は性能低下 (5)曳航索の離脱不能 参考資料P.20 28
  25. 7-2 動力装置の故障(上級滑空機を除く) 動力装置を使用して飛行中の異常時及び緊急時の操作手順等について質問する。 (1)動力装置の出力低下、動力装置故障及び空中始動不能 (2)火災又は発煙 (3)燃料圧力の低下 (4)滑油圧力の低下 (5) 諸系統又は装置の故障 7-3諸系統又は装置の故障

    次の系統又は装置の故障時の操作手順等について質問する。 (1)操縦系統(2)操縦計器、航法計器(3)着陸装置 (4)電気系統 (5)その他 ア 離陸直後においてエンジン故障等が発生した場合の対応について質問 する(不時着場の選定を含む。) なお「離陸直後においてエンジン故障等が発生した場合」には、離陸 した際、実際の速度が定められた速度より低速であったため、機体に 大きな抗力が作用し、離陸直後に飛行性能が低い状態に陥る場合が 含まれる。 イ 火災発生時の措置等について質問する。 7-4 場外着陸 (1)予期しない高度低下を想定し、場外着陸を実施する場合の操作や注意点 について質問する。 (2)状況により、背風着陸が必要になった場合の操作や注意点について質問 する。 29 参考資料P.20、21
  26. 2-1 航空法改正 R4年6月10日公布、12月5日施行 第1条 (この法律の目的) この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の附属書として採択され た標準、方式及び手続に準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行 に起因する障害の防止を図るための方法を定め、航空機を運航して営む事業 の適正かつ合理的な運営を確保して輸送の安全を確保するとともにその利用 者の利便の増進を図り、並びに航空の脱炭素化を推進するための措置を講じ、

    あわせて無人航空機の飛行における遵守事項等を定めてその飛行の安全の 確保を図ることにより、航空の発達を図り、もつて公共の福祉を増進することを 目的とする。 31 無人航空機(航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、 飛行船その他政令で定める機器であつて構造上人が乗ることができないもの のうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをい う。)により飛行させることができるもの)が航空法の対象となりました。機体認 証、操縦者技能証明、などが創設され、有人地帯上空における補助者なし目視 外飛行(レベル4)が可能になりました。
  27. 背景: 2024年1月に発生した羽田空港における航空機衝突事故を踏まえ、滑走路上に おける航空機の衝突防止に向けた措置を迅速に講じる必要があります。 また、同月に発生した能登半島地震による能登空港の被災を通じて、空港管 理者が被災自治体等である場合には、応急の災害復旧工事などが十分に実施 できないことがあるという課題が明らかになり、被災した空港の機能を適切に維 持できるようにするための措置を講じる必要があります 概要: (1)羽田空港航空機衝突事故を踏まえた航空の安全の確保に関する措置 ①

    空港設置者が遵守すべき空港等の機能の確保に関する基準に「滑走路誤 進入防止措置に関する事項」を追加し、空港における航空機や車両の滑走 路誤進入を防止するための安全対策を強化。 ② パイロットのヒューマンエラーの未然防止を図るため、頻繁に離着陸が行わ れる空港等において離着陸を行うパイロットに対し、事前にコミュニケーショ ン能力やタスク管理能力を向上させるための訓練(CRM訓練)の修了を義務 付け。 (2)地方管理空港等の工事代行・権限代行制度の創設 32 2-2 航空法改正 R7年6月6日公布、9月1日・12月1日施行 参考資料 P.22
  28. 航空法第71条の5 操縦技能証明を有する者は、航空機の航行中に管理技能を 確実に活用し、及び発揮することができるようにするための訓練(中略)(以下 「技能発揮訓練」)を修了していなければ、当該操縦技能証明について限定をさ れた範囲の航空機について次に掲げる行為を行つてはならない。 一 航空交通管制圏に係る空港等から航空機を離陸させ、又はその離陸の ために航空機を地上走行させる操縦 二 前号に規定する空港等へ航空機を着陸させ、又はその着陸のために降

    下飛行させる操縦 三 第一号に規定する空港等を使用して行う操縦の練習の監督 四 第一号に規定する空港等を使用して行う計器飛行等の練習の監督 2 前項の「管理技能」とは、航空機の操縦に従事するのに必要な知識及び能 力であつて、滑走路への誤進入その他の国土交通省令で定める危険な事態 の発生を防止するため航空機の操縦において必要となる複数の作業を適切 に管理するためのものをいう。 3 第一項の規定は、国土交通大臣がやむを得ない事由があると認めて許可し た場合には、適用しない。 33 技能発揮訓練(CRM 訓練)・・・規定の適用は3年以内 参考資料 P.22
  29. 航空法第99条の3 国土交通大臣は、前条の規定により登録の申請をした者が 次に掲げる要件に適合しているときは、その登録をしなければならない。この場 合において、登録に関して必要な手続は、国土交通省令で定める。 一 訓練の用に供する施設、設備又は教材が次に掲げる要件に適合すること。 イ~ハ 略 二 訓練を担当させる講師が次に掲げる要件に適合すること。

    イ 十八歳以上であること。 ロ 過去二年間に訓練の実施に関する事務に関し不正な行為を行つた者又は この法律若しくはこの法律に基づく命令に違反し、罰金以上の刑に処せられ、 その執行を終わり、若しくは執行を受けることがなくなつた日から二年を経過 しない者でないこと。 ハ 操縦技能証明を有する者であつて、国土交通省令で定める期間内に国土 交通省令で定める航空機の機長として国土交通省令で定める回数以上航 空交通管制圏に係る空港等から当該航空機を離陸させ、若しくは当該空港 等へ当該航空機を着陸させる操縦を行つた経験を有するもの又はこれと同 等以上の能力を有するものであること。 35 技能発揮訓練(CRM 訓練) つづき 参考資料 P.22
  30. 航空機が航空機移動区域又はその付近において航行不能となった場合に当該機 の撤去作業を的確に実施するため、かつ、空港の機能を早期に回復するため、航 空機の使用者は、各空港管理者(空港運営権者及び公共用ヘリポート管理者を含 む。以下、本サーキュラーにおいて同じ。) から、空港使用の届出の際に空港使用 にかかる同意書及び撤去作業の分類に応じた運航者撤去作業計画の提出を求め られる。 1. 定義 (1)

    「航行不能航空機」 とは、航空機移動区域又はその付近において航行不能 となった航空機をいう。 (2) 「航行不能航空機の撤去」 とは、航行不能航空機の状態に応じて、 以下の とおり分類する撤去作業をいう。 a. 航空機移動作業 (デボッグ: Aircraft debogging): 航空機の損傷が比較的軽微である場合又は損傷が全くない状態で、滑走路又 は誘導路等で航空機が動けなくなった状態や滑走路又は誘導路等から航空機 が逸脱した状態における航空機の移動作業。 b. 航空機回収作業 (リカバリー:Aircraft recovery): 航空機の損傷等により、牽引車及び牽引バーの使用による移動ができない状態 における航空機の回収作業。 参考資料 P.22~ 36 2-3 空港使用に係る同意書及び運航者 撤去作業計画の提出について (AIC 021/25)
  31. c. 航空機機体撤去作業 (サルベージ:Aircraft salvage): 航空事故等により航空機が重大な損傷を受け、機体が全損したとみなされる状 態における航空機の撤去作業。 (3) 「運航者撤去作業計画」 とは、航空機の型式に応じて、運航者等が航行不 能航空機を撤去するための準備及び撤去作業に係る具体的計画をいう。

    2. 適用空港及びヘリポート 日本のすべての空港及び公共用ヘリポート 3. 対象となる航空機の使用者 次の者を除く、外国運航者を含むすべての航空機の使用者 ・ 自衛隊 (自衛隊より新造機製造又は自衛隊が所有する航空機の整備作業等 を受託して当該航空機を運航する場合にあっては、当該受託者を含む。) ・軍 ・国の行政機関から便宜供与依頼があった航空機の使用者 (便宜供与依頼のあった飛行及び当該飛行に関する一連の飛行に限る。) 参考資料 P.22~ 37 2-3 空港使用に係る同意書及び運航者 撤去作業計画の提出について (AIC 021/25)
  32. 38 2-4 航空情報共有基盤(SWIM)運用開始 1.背景及び目的 航空局では航空情報共有基盤、SWIM(System-Wide Information Management) の運用を開始します。 ・世界中の航空関係者が「信用できる情報サービス」を「信頼できる環境」により、 利用できるようにシステム横断的に「情報管理する仕組み」

    ・航空機の運航に必要な情報のデジタル化を進め、品質保証された情報サービス を提供。 ・セキュリティを含めたシステム・ネットワーク環境を整備し、相互運用可能な共通 様式による情報交換。 ・情報管理に必要な運用コンセプトやルール等の仕組みを航空関係者とともに協 議して規約策定。 航空関係者の状況認識向上及び意思決定の迅速化を図り、さらには航空交通の 高度化・効率化を目指す。 β版の提供が開始されました。(10月17日~12月20日) SWIMの利用にはSWIMポータルへの登録が必要になります。 従来の航空情報閲覧サービス(AIS Japan)の運用は停止されます。 参考資料 P.23
  33. 39 2-4 航空情報共有基盤(SWIM)運用開始 2.SWIMは、小型機運航者向けにはWebブラウザによる情報提供 PC、タブレット、スマホから利用可能 提供される主なサービス 航空情報の確認 ① デジタルノータムリクエストサービス ②

    空港プロアイルサービス ③ 空域プロファイルサービス 気象情報の確認 ④ 空港プロファイルサービス ⑤ 空域プロファイルサービス ATIS の確認 ⑥ ATIS 情報リクエストサービス 飛行計画の通報 ⑦ フライトプラン登録サービス
  34. https://www.mlit.go.jp/koku/koku_tk10_000052.html 一連の操縦士による飲酒に係る不適切事案を受け、国土交通省では「航空従事 者の飲酒基準に関する検討会」において国による統一的な飲酒基準の検討を進 め、平成31年1月31日、当該検討会における中間とりまとめを踏まえ、航空運送 事業者の操縦士に対し乗務前後でのアルコール検知器による検査を義務付ける とともに、アルコールが検知された場合(酒気帯び状態)は乗務を禁止することとし ました。 また、あわせて、「航空機乗組員の飲酒による運航への影響について(航空法第 70条関係)」(平成31年1月31日 国空航第2278号)を制定し、自家用航空機の操

    縦士に対しても酒気を帯びた状態での航空業務を行わないよう周知・指導している ところですが、平成31年4月9日に同検討会における最終とりまとめが公表され、 自家用航空機の操縦士に対する基準を継続的に遵守するための取組として、「抜 き打ちでのアルコール検査を実施すること」とされたことを踏まえ、国が管理する空 港等においては、自家用航空機の操縦士による酒気帯び状態での空港等の使用 を防止するために、以下の通り必要な措置を講じることとしました。 なお、国が管理する空港等以外の空港等においても同様の対策を要請しており ます。 参考資料 P.24~ 42 2-5 自家用航空機の操縦士に対する酒気 帯びの有無の確認について
  35. 参考資料 P.25 試算すると ビール 500㎖ 1本 + 日本酒 2合で アルコールが消える推奨時間は15時間!!

    X1 X2 純粋アルコール量1トンで肝硬変になるといわれます。日本酒1合1 年で10kg、5 合で 50kg、つまり毎日5合呑むと20 年で肝硬変となるわけです。・・・ TAKE OFF 第6章 医学的知識 第2節心身の状態より転載 43
  36. (滑空機向け該当部分抜粋) 操縦士に係る技能証明(航空法第22 条)に付された限定(航空法第25 条第1 項及び同2 項) と同一の種類及び等級の航空機(型式限定を付さないものに限る。)であっても、当該型式機 を適切に運航するための知識や技術が相違するもの等があることから、操縦士が操縦経験 を有しない型式の航空機を操縦する場合や、経験を有しない発航方法により操縦する場合に 必要な教育訓練のガイドラインを下記のとおり定める。

    記 1 操縦士は、航空機の種類に応じて次の1-1~1-3に掲げる場合には、2~4に 定める教育訓練を受けること。ただし、認可を受けた運航規程や国際民間航空機関締 約国における訓練制度等に基づき、本ガイドラインに定める内容と同等以上の教育訓 練が実施され、その記録が確認できる場合にあっては、この限りではない。 1-3 滑空機 イ)経験のない発航方法(ウインチ曳航又は自動車曳航、航空機曳航、 自力発航)による操縦をする場合。 2-6 技能証明に付された限定と同一の種類及び等級であって、 操縦経験のない型式の航空機を操縦しようとする場合等の 教育訓練に関するガイドライン 令和2 年6 月29 日 制定(国空航第1055 号) 5 上記1の各項に該当しない場合であっても、操縦経験のない型式の航空機を 操縦する場合には,上記2-1(学科教育)各項に係る知識を習得し、航空機乗 組員飛行日誌に学習の記録を記載した上で操縦を行うものとする。 参考資料P.26~28 44
  37. 実技教育は、標準として次の内容を含めて実施するものとする。 ◦1-3 イ)滑空機 (ウインチ曳航又は自動車曳航、航空機曳航の場合) レ 発航準備、曳航による離陸、曳航による飛行、曳航索の離脱 レ 曳航中の異常時及び緊急時の操作 レ 技量確認

    (自力発航の場合) レ 自力発航による離陸 レ 自力発航による離陸上昇中の異常時及び緊急時の操作 レ 離陸上昇形態による失速と回復操作 レ 技量確認 いずれの場合も、当該発航方法による10回以上の離陸を標準として 実施すること。 2 教育訓練の内容(滑空機関連部分 抜粋・要約) 2-1 学科教育学科教育は、「滑空機にあっては」5時間を標準として次の 内容を含めて実施するものとする。 レ 機体概要及び構造 レ 運用限界及び性能 レ 諸系統及び取扱い レ 通常及び緊急操作の手順 2-2 実技教育 45
  38. 3 教育訓練の実施者等 教育訓練は、機長として当該型式航空機を操縦することができる技能証明及び航空 身体検査証明(航空身体検査証明にあっては、模擬飛行装置又は飛行訓練装置により実技 教育を行う場合を除く。)を有する者であって、当該型式航空機や発航方法に係る知識 及び操縦経験を有するものの監督の下で行うものとする。 なお、実技教育を開始する前に、教育訓練の実施者は次について確認すること。ま た、実機による同乗訓練を行う場合は、その操縦を交替することができる場所に位置 すること。 レ

    訓練計画の内容が適切であること。 レ 訓練を受ける操縦士が上記2-1の学科教育を修了し、実技教育に必要 な知識及び能力を有していること。 レ 実技教育に用いる実機、模擬飛行装置又は飛行訓練装置が当該実技教育 を行うのに必要な性能及び装備等を有していること。 4 教育訓練の実施記録 教育訓練の実施者が、訓練を受けた操縦士が操縦に必要な知識及び技量を有して いることを確認した場合は、訓練を受けた操縦士の滑空機乗組員飛行日誌の自由 記入頁に下記のとおり記載するものとする。 『国空航第1055号 1-1 イ)((注)上記1項中、実際に訓練を行った項番を記載。複 数の項番について実施した場合は、まとめて記載してもよい) の内容について以下 のとおり訓練を行い、操縦に必要な知識及び技量を有していることを確認した 46
  39. まとめ このガイドラインは: • ウインチ曳航を主体にしてライセンスを取得したパイロットが、航空機曳航で の単独飛行に出る場合 • 複座機だけでライセンスを取得したパイロットが他の型式のグライダー(単座 機等)を機長として操縦する場合 • 特に、引込脚、フラップ、水バラストなどの操作を初めて経験する場合

    などについて、飛行規程等を読んだり経験者に聞いたりして勉強した内容を「ロ グブックに記録して残す」という部分が重要です。 補足 日本滑空協会から航空局に確認しました。 • 「経験のない」は1回でも経験すれば対象外というわけではなく、 「機長とし て操縦するのに必要な知識・経験のない」という意味です。 • ガイドラインに記載されている回数・時間はあくまでも「標準」であり、十分な 知識・能力を有することが認定できればこだわる必要はなく、 逆に認定でき なければ「標準」より増やすべきです。 • 当該教育はライセンシーに対する教育ですので、教育を実施する人は操縦 教育証明を所有している必要はありません。ただし日本滑空協会としては、 各団体の主任教官もしくはその指名を受けた者が教育訓練を実施することを 推奨します。 • 飛行規程等を読んで自習した場合には自分でログブックに記載します。 参考資料P.28 47
  40. 新しい機種に搭乗することになった場合の学科教育: • 先輩やインストラクターに聞き、飛行規程等を読んで自習する • 学科教育の内容は レ 機体概要及び構造 レ 運用限界及び性能 レ

    諸系統及び取扱い レ 通常及び緊急操作の手順 • 高性能機への移行、新しい装備の使用には地上で習熟してからフライトを! レ 引込脚 レ フラップ レ 水バラスト レ 酸素供給システム 48
  41. 52

  42. 発生した事象及び関連情報(抜粋) 同機は、対気速度約100km/hで、滑走路10進入端から約150m付近 に設定してい る接地目標に接地したところ、バウンドして約1m浮揚してからハードランディン グし、 滑走路10進入端から約310mの位置まで滑走して停止した。 その後、操縦練習生 は、腰の痛みにより自力で機外に出ることができずにいたところ、機体移 動のために 同機周辺に集まってきた操縦教員や他の操縦練習生の助けを借りて降機し、救急車

    に より病院へ搬送され、脊椎骨折と診断された。 原因 本事故は、同機が接地の際にバウンドして浮揚したところ、リカバリー操作を行わず に、機首を引き起こしたままであったため、次第に迎え角が大きくなって高さ約1mか らハードランディングし、操縦練習生が負傷したものと推定される。 必要と考えられる再発防止策 単独飛行の技能認定を行う操縦教員は、指導した事項が安定して改善されているこ とを確認することが必要である。 63 AI2025-1-2 航空事故調査報告書 抜粋引用
  43. 発生した事象及び関連情報(抜粋) 同機は、場外離着陸場を離陸し、打ち合わせた経路に従い、北東の方向に曳航され た。曳航開始から曳航速度は徐々に上がり続け、南牧場を通過した頃に曳航速度は 同機の航空機曳航における対気速度限界である140km/hに達し、更に増速していっ た。(中略) 同機の機長は曳航機に対し「速度が速いので遅くしてください」と無線で連絡した。曳 航機の機長はこれを受けて自機の速度が150km/hくらいであったことを確認し、操縦 桿を引きピッチを上げて減速の操作をした。しかし、同機は更に増速して170km/hに 達し、曳航索が大きく緩み、左翼に絡まるように見えたため、機長は曳航索を離脱し た。

    その後機長は、同機の姿勢を整え、高度計を確認すると320m(同場外出発時に0m としていた。)を指しており、同場外までの距離が10km以上あることから、戻ることは 困難と考えた。地上を確認すると着陸できそうな牧草地があったので、そこに不時着 するしかないと考え、場周経路を描いて進入した。機長にとって初めての不時着の試 みであった。 牧草地に正対したところで、機長はこの牧草地が傾斜地であることに気付いた機長は 同機のダイブブレーキを開き、更に機体を横滑りさせて高度を処理して、この牧草地 に着陸を試みたものの、高度を落としきれず牧草地を飛び越してしまった。その後、 牧草地の端にあった樹木に主翼が接触し、その先の駐車場を飛び越し、再度樹木に 衝突して落下し、左へ90°回転して停止した。 同機は右翼端と左翼の中程から折損、機首は座屈し、右水平安定板は折損した。機 長については病院にて診断の結果、擦り傷程度の軽傷であった。 65 AI2025-4-2 航空事故調査報告書 抜粋引用
  44. 原因 事故は、同機が不時着を試みた際、不時着地に下り勾配があったため、高度を落とし きれず飛び越して、樹木に主翼が接触して落下し、機体を損傷させたことによるものと 推定される。 同機が不時着を試みることになったことについては、曳航機が過大な速度で曳航し、 上昇率が低下したことにより、追随が乱れて曳航索が緩み、危険を感じた同機の機 長は曳航索を離脱したが、離脱した高度が低く、同場外へ戻ることが困難であったた めと推定される。 同機が過大な速度かつ低い高度で曳航されたことについては、同機及び曳航機の機 長の間で、同機の航空機曳航における対気速度限界が飛行前の打合せで確認され

    なかったため、曳航機の機長が、同機の帰投高度、対気速度限界を考慮せずに曳航 したことによるものと考えられる。 66 AI2025-4-2 航空事故調査報告書 抜粋引用(つづき) 必要と考えられる再発防止策 航空機曳航で飛行する際、曳航機の機長は、 索切れなどの緊急事態が発生することも考慮し、 常に滑空場に帰投するための十分な高度を確 保しながら曳航する必要がある。また航空機曳 航する際の打合せにおいて、滑空機の機長は 曳航機の機長との間でお互いに航空機曳航に おける対気速度限界を確認し、この速度以下で 飛行する必要がある。
  45. 発生した事象及び関連情報(抜粋) 同機は、最終進入中、風にあおられ高度が下がったため、機長はエアーブレーキを 格納してエアーブレーキレバーをロックの位置にし、エンジン出力を上げて高度を戻し た。高度が機長の望む降下経路に戻ったため、機長はエアーブレーキレバーのロック を外し、 エアーブレーキを展開させ、進入を継続した。 機長は、滑走路14進入端を通過してエアーブレーキを全開とした。機長は、接地した ときの姿勢及び接地地点に関する記憶が曖昧であるが、機長がフレアー操作を行お うとしたときに、同機は風にあおられ、滑走路に強く接地した(接地1度目)後、大きく バウンドした。

    機長は、復行が必要とまでは考えておらず、機体が浮き上がらないように水平飛行し ようとしたが、同機は、風の影響でフワッと持ち上げられた。 同機は、滑走路中心線より左側に、接地(接地2度目)し、再度バウンドした。バウンド 後、同機は、滑走路中心線より左側に接地(接地3度目)した。 機長は、はっきりは覚えていないが、バウンド中、エアーブレーキは全開のままであっ たと述べている。 その後、同機は、小さなバウンドを繰り返しながら着陸滑走した。機長は、着陸滑走 中の小さなバウンドは収まってきたと感じたところ、機体が急に風であおられ、右翼側 が浮いて大きく左に振られた。 機体姿勢の制御ができなくなったと感じた機長は、右ラダーを使用して同機の進行方 向を修正しながら、同機を停止させようと、とっさに強くブレーキを踏み込んだ。 同機は、機体後部が持ち上って前傾し、プロペラブレードを滑走路に接触させた後、 プロペラスピナ及びエンジンカウル下部を滑走路に接触させて停止した。このとき、 エンジンも停止した。(後略) 68 AI2025-6-2 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用
  46. 発生した事象及び関連情報 (1)飛行の経過 機長及び機長と同じクラブに所属する整備士(以下「整備士A」という。)は、09時00 分頃、埼玉県羽生市内にある羽生滑空場近くの格納庫から同機を搬出し、分解整備 から戻ってきたキャブレターを機体に取り付けたあと、飛行前点検を行った。その後、 約15分間のエンジン試運転を行ったが不具合は確認されなかった。同機には機長1 名が搭乗し、11時20分頃、同滑空場から他の滑空機(アレキサン ダー・シュライ ハー式ASK21型JA21HB)をえい航するために磁方位330°方向へ1回目の離陸 を開始した。離陸滑走中、機長は、エンジンの回転数が低下したように感じ、離陸速

    度まで対気速度も上がらなかったため、離陸を中止した。同機が離陸を中止したので、 同機がえい航していた滑空機は、浮上した後、えい航索を切り離して着陸した。 その後、機長は、離陸位置まで戻り、同機のエンジンを最大回転数近くまで運転した が、エンジンに異変はなく、キャブレターも分解整備から戻ってきたばかりなので問題 ないと思い、エンジン整備マニュアルに従った点検(エンジンの出力低下の場合、機 体側の燃料フィルターの異物を点検する。)を行わず、同機のみで2回目の離陸をし た。 同機は、対地高度約10mに達したところで、エンジン音が突然変わり、エンジンの回 転数が低下した。機長は、滑走路に戻るために左旋回したが、進入中、対地高度が 低下したので不時着を決めたものの、不時着直前に左翼端が滑走路脇の地面と接 触し、機体が約180°左に旋転しながら不時着した。機長によれば、同機のプロペラ は、不時着直前まで回転しており、エンジンも停止していなかった。 (以下略) 71 AA2025-9-2 航空事故調査報告書 抜粋引用
  47. 原因 (1) 本事故は、同機が離陸後、エンジンの出力が低下 したため滑走路に戻ろうとして、不時着を試みた際、 不時着直前に左翼端が滑走路脇の地面と接触し、機 体が左旋転しながら接地したことにより、胴体尾部を 折損したものと考えられる。同機が1回目の飛行でエ ンジンに異変があったにもかかわらず、地上でエンジ ン整備マニュアルに従った点検を行わずに上空でエ ンジンの作動状況を確認しようと再度離陸したことが

    起因したと考えられる。 (2) 同機のエンジンは、オリフィスが外されており、そ の状態においてフィルターに目詰まりが生じたため、 燃料圧力が上がらず、離陸時に必要となる量の燃料 が供給されなかったことにより、出力が低下したもの と考えられる。フィルターの目詰まりについては、燃 料供給ノズル先端の不織布や燃料缶内の腐食によ る可能性が考えられ、フィルターの点検等を行わな かったため目詰まりが解消されなかったと推定される。 (3) なお、同機の燃料圧力警告灯は、燃料圧力セン サーが取り外されていたことにより作動しない状態で あったことから、機長は燃料圧力の低下を把握するこ とができなかったものと推定される。 72 AA2025-9-2 航空事故調査報告書 抜粋引用(つづき)
  48. 飛行の経過(抜粋) 同機は、訓練のため、機長のみが搭乗して長野市滑空場(標高 338ⅿ)をウインチえ い航により発航し、同滑空場に帰投する予定で あった。 09時30分頃、同協会による 飛行前のブリーフィングが行われ、機長 もこのブリーフィングに参加していた。当日の 運航全体の安全確認を担当 する同協会の当番教官は、事故当日の気象について、

    北西風が強く、 ウェーブ・コンディション(山岳波*1が発生する気象状態。長野の山岳 エリアでは広い範囲で気流が乱れることが多い)が予想されるため、飛行する際は気 を付けるように伝えていた。 同機は、12時00分頃同滑空場の滑走路04からウインチえい航により発航した。こ れは、同機及び機長にとって当日1回目の発航であった。 12時30分頃、機長は、「根子ねこ岳付近2,600mにいるが、調子が良い(上昇具合 良い)」と飛行中の同協会員Aに無線送信を行った。 12時44分頃、機長は、「四阿山あずまやさん付近にいるが、そっちの方が上がるか」 と飛行中の同協会員Bに尋ねた。同協会員Bは、「毛け無峠なしとうげと横手山の間 で(上昇気流により)上昇している」と答えたが、それ以降、同機からの連絡はなかっ た。 12時56分頃、同機は、県境の尾根を越えて群馬県側に入った。 13時19分頃、同機は、群馬県吾妻郡八ッ場あがつま湖の水面近くの岸壁法面(標 高約572m)に墜落した。 75 AA2025-6-1 航空事故調査報告書 抜粋引用
  49. 分析(抜粋) (3)墜落時の状況 事故現場付近まで飛行した同機は、事故現場付近の空き地に機首を向けて旋回して いることから、空き地を発見し、その空き地に場外着陸を試みた可能性が考えられる。 同機は、低高度で右旋回し、直線の最終進入経路を確保できないまま空き地に場外 着陸しようとしたが、場外着陸直前に障害物となる樹木を発見し、樹木を避けようとし た際に、過大な修正操作となり、失速してスピンに入り、高度が低かったため回復で きずに上下反転した状態で機首から岸壁法面に墜落した可能性が考えられる。 原因 本事故は、同機がリッジ・ソアリング中に、尾根の風下側の下降気流に入り高度が低

    下し、帰路経路上の尾根を越えることができなくなったため、場外着陸を試み、その際 に失速してスピンに入り、回復できずに墜落したものと考えられる。 同機が失速して スピンに入ったことについては、場外着陸の直前に障害物を避けようとして過大な 修 正操作となったことによるものと考えられる。 必要と考えられる再発防止策 (1) 滑空機で飛行する際は、不測の事態に備えて、場外着陸適地を事前に設定して おくことが推奨される。 (2) リッジ・ソアリングの尾根付近における旋回は、尾根の風下側の下降気流に入らな いように、尾根方向(風下側)への旋回は避け、尾根から離れる方向(風上側)に行う ことが重要である。 (3) 滑空機での飛行中、目的の着陸場所への到達が困難になった場合には、早めに 場外着陸を決心し、適切な手順で実施することが重要である。 78 AA2025-6-1 航空事故調査報告書 抜粋引用
  50. その他必要な事項 (抜粋) 尾根の風上側で流れが上向きに偏向される のと同様に、尾根の風下側では流れが下向 きに偏向される。この下降気流は、強風の急 峻な尾根の近くでは、2,000ft/min 以上の 驚くべき強さになることがある。中程度の風 であっても、尾根付近の下降気流は、尾根の 風上側への進出を不可能にするほど強いこ

    とがある。 全ての旋回は尾根から離れる方向に行う。 尾根から十分離れたところを滑空しているよ うに見えても、尾根に向かって旋回するのは 危険である。旋回の追い風部分での対地速 度を適切に判断するのは難しく、尾根に衝突 することは重大な脅威となる。たとえ尾根の 上空にいたとしても、風下への旋回は、容易 に滑空機が尾根の頂上を越える可能性があ る。これにより滑空機は、大きな沈下帯に 入ってしまう。 79 AA2025-6-1 航空事故調査報告書 抜粋引用
  51. 原因 • 本重大インシデントは、接地直前に同機の機首が下がり、その姿勢のまま沈下した ため、胴体前部下面が滑走路面に接触したものと考えられる。 • 同機の機首が下がったことについては、進入中に引起しが過大となり浮き上がってし まった後、再度沈下が始まる前にフレアー操作を開始したため速度が低下し、機体 の揺れを感じた機長が、失速する可能性を考え、とっさに操縦桿を前に押し、機首下 げ操作を行ったことによるものと考えられる。 再発防止策

    (1) 必要と考えられる再発防止策 グライダー操縦者は、着陸進入時に予定経路からずれるなど当初の想定と異なる状 況となった場合についても、事前に対応策をイメージして飛行に臨むことが望ましい。 また、接地前に引起しが過大となり、機体が浮き上がってしまった場合においても、無 理な機首下げ操作により着陸を試みずに、機体の沈みに応じたフレアー操作及びエ アブレーキ操作などの基本操作を徹底することが必要である。 (2) 本重大インシデント後に講じられた再発防止策 ① 同協会は、本重大インシデントの内容を同協会員へ周知した。また、同協会の操縦 教官は、飛行前の全体ブリーフィングにおいて、基本操作を確認することとした。 ② 同協会は、航空事故等発生時に使用する緊急連絡先一覧に、機体の損傷時は重 大インシデントに該当する可能性があるため、必要に応じて航空局へ問い合わせる ことを追記し、同協会員及び操縦教官へ周知した。 81 AI2024-1 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用
  52. 分析 (1)気象、(2)機体 省略 (3) 機長の健康状態について 機長は、事故後の司法解剖で、冠状動脈に硬化及び狭窄の症状が確認されており、 多発陳旧性心筋梗塞の痕跡も心臓に残っていたことから、虚血性心疾患を発症しや すい健康状態にあったものと考えられる。機長には、過去に心筋梗塞を患った痕跡が 残っていたが、毎年の航空身体検査では、自覚症状はないと申告されていた。これに ついては、機長は高齢かつ糖尿病を患っていたため、自覚症状に乏しかった可能性

    が考えられる。機長には、心筋の一部に急性心筋虚血を疑わせる所見があり、これ による意識消失発作を飛行中に起こした可能性が考えられる。 (4) 同機の墜落について 同機は、12時02分47秒の時点では、まだ墜落地点(事故現場)まで到達しておらず、 12時07分51秒の時点で位置情報が墜落地点と一致していることから、同機はこの 間に墜落したものと推定される。 機長は、飛行中に、意識消失発作を起こした可能性が考慮されうる程度の心筋虚血 を起こし、これによるインキャパシテーションに陥った可能性が考えられる。また、同 乗者は操縦資格を持っておらず、機長に代わって操縦することはできなかったため、 同機はコントロールが失われて墜落した可能性が考えられる。 83 AA2025-5-1 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用(つづき)
  53. 情報提供 (令和6年3月29日) 87 調査内容 • これまでの調査の結果、以下の事実が判明した。 A機にはドイツ連邦航空局の認可 を受けた巻取式滑空機曳航装置が装備され ており、同装置に設計荷重を超える荷 重がかかると、スタビライザー内の曳航索の先端に装着されているブレーキング・ポ

    イントが破断し、A機側に 残った曳航索を同装置で巻き取ることができる仕組みに なっていたが、A機 が使用していた日本製の曳航索1の先端には、ブレーキング・ポ イントが装着されておらず、曳航索1は、ストップ・エッグ内の結び目で破断していた。 • このため、曳航索1、及び同装置の設計・製造者が推奨する曳航索2、並び に同装 置の設計・製造国であるドイツ連邦航空局の認可を受けた作業指示書 (以下「同作 業指示書」という。)に記載されている型式のブレーキング・ポ イント(以下「ブレーキ ング・ポイント(白色)」という。公称引張強度50 0±50daN)の引張強度試験を行った ところ、別添表1及び表2(略)のとおりで あった。 • 試験結果は、ストップ・エッグ内に一重の結び目を作った運用状態における 曳航索の 引張強度が、ブレーキング・ポイント(白色)の引張強度の実測値 より弱くなることを 示していることから、ブレーキング・ポイント(白色) を正しく装着し、同装置の設計・製 造者が推奨する曳航索2を使用した場合 であっても、ブレーキング・ポイント(白色) が破断する前に、ストップ・ エッグ内に作った結び目で曳航索が破断する可能性があ ることが判明した。
  54. 飛行の経過 同機は、操縦練習のため、機長が左操縦席に、操縦練習生が右操縦席に着座して、 同空港を離陸し、滑走路18で連続離着陸訓練を行うため、操縦練習生の操縦で場周 経路に進入した。この際に同機が福井レディオから通報された風は、190°から4ktで、 操縦練習生はエンジン出力をアイドルとして、滑空により進入を開始した。同機が最 終進入コースに旋回したときに、同空港の風が350°から8kt程度とピストから連絡が あり、風向が背風であることから、機長は着陸復行するために操縦練習生と操縦を交 替した。機長が操縦を交替した直後に、福井レディオから風が270°から5ktと通報が あり、機長は、横風ならば着陸は可能と判断して滑空による進入を継続した。 機長は、対地高度約5mで僅かに右バンクを取ったウイングローを行いながらフレ

    アー操作を開始したところ、同機は降下角が浅くなって、滑走路上を低高度で飛行す るフローティング状態となり、対地高度約1mの時に突然沈みが大きくなって、13時05 分ごろ、右主輪から激しく滑走路に接地した。同機は、接地時にプロペラ・ブレード先 端部及び右主輪カカバーが滑走路面に接触した後、バウンドして浮揚し、2回目の接 地後に滑走路上で停止した。 原因 本重大インシデントは、同機が、接地直前に 風向風速が変化して背風成分が増加したた め、揚力が減少して滑走路に激しく接地し、 プロペラ・ブレード先端部及び右主輪カバー が滑走路面に接触した可能性が考えられる。 90 AI2023-2 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用
  55. AA2023-1 航空事故調査報告書 抜粋引用 93 しばらくして練習生は、滑走路に置かれた接地目標から左に進入経 路がずれていることに気付いた。練習生は、速度と進入経路の修正 に意識が集中し、接地目標を注視し続けていたところ、気付いた時 には機首の引起し操作の目安となる高度5mを過ぎていた。同機は、 降下率を減少させることなく接地目標の先に1回目の接地をしてバ ウンドした。練習生は、操縦教員からの「ダイブを閉じろ」という指示

    に従ってダイブブレーキを閉じた後、約34m先に2回目の接地をした。 練習生は、この時背中を強く打って痛みを感じた。同機は、もう一度 バウンドして2回目の接地位置から約31m先に3回目の接地後、地 上を滑走した。練習生は、ダイブブレーキを開いてブレーキをかけ、 同機は3回目の接地位置から約36m先で停止した。
  56. 飛行の経過(抜粋) 同機の当日6回目の飛行として、前席に練習生、後席に機長が搭乗し、新篠津滑空 場の発航開始位置において飛行前の準備を開始した。練習生が、同機に搭載された HF無線機でウインチ曳航者に索張り合わせ(機体を牽引する手前の状態まで曳航索 を張ること)の合図を送信したところ、ノイズがひどく聞き取りにくいとのウインチ曳航 者からの応答があった。その後もウインチ曳航者が同機の送信を聞き取れない状態 が続いたことから、発航を一旦中断した。ウインチ曳航者はウインチのHF無線機の 点検、調整を行い、同機の送信は聞こえるようになったが、聞き取りにくい状況はあま り変わらなかったので、ウインチ曳航者と問題なく交信できているピストの発航管理者 が無線を中継することとして発航を再開した。12時08分ごろ、練習生はウインチ曳

    航索張り合わせの合図を送信し、ウインチ曳航者は、この時は聞き取れたので復唱し た。練習生が「出発、出発」と送信して、同機は地上滑走を始め、発航管理者は練習 生の送信に続けて「出発、出発」、「出発、出発」と2回ウインチ曳航者に送信した。 発航管理者は、ふだんより地上滑走距離が長く加速が鈍いと感じるとともに、無線が 聞こえていない可能性を考えて、もう1回「出発、出発」と送信した。この時同機は離陸 していたが、これを聞いたウインチ曳航者は、ウインチで曳航索を巻いているのに同 機が動いていないように見えたこと及び出発の合図が何回も繰り返されたことから、 曳航索が切れたのかもしれないと考えて、ウインチを停止した。 95 AA2023-2-1 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用
  57. 原因 本事故は、同機がウインチ曳航による発航中、ウインチ曳航者が索切れしたと誤解し てウインチを停止したが、同機はそれを認識できないまま上昇姿勢を維持していたた め、失速速度を大きく下回ってハードランディングとなり、機体が損傷し、搭乗者が負 傷したものと推定される。 必要と考えられる再発防止策 (1) ウインチ操作手順の改訂 同協会のウインチ操作手順は、ウインチ曳航関連マニュアル及び確認事項として改 正し、これにウインチ曳航者の資格要件を定めた。また、ウインチ曳航の経験に1か

    月以上の期間が空いた場合は、先任オペレーターのチェックを受けなければならない ことを規定し、本マニュアルを会員に周知した。 (2) 無線感度不良時の発航の中止 無線感度の確認は、ウインチのエンジンが回転中に行い、機体との通信の感度不良 時は発航を中止する。また、発航時のピストによる無線の中継は行わないこととした。 (3) ウインチ停止の合図の統一 ウインチ停止の合図は、「札幌 赤」で統一した。 (4) 初期上昇開始に際しての状態確認の徹底 操縦者は常に索切れ、エンスト等曳航が中断されることを想定して操縦するなど、初 期上昇時に安全を確保するための状態確認を行うことを徹底 した。 (5) ウインチ側の出発合図の復唱 ウインチ操作中に被曳航機の「出発、出発」の合図を復唱することとした。 97 AA2023-2-1 航空重大インシデント調査報告書 抜粋引用(つづき)