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生成AIと創作に関する話題

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September 12, 2025

 生成AIと創作に関する話題

2025年9月12日、日本認知科学会第42回大会オーガナイズドセッション「生成AIと創作活動」にて使用したスライドです。

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September 12, 2025
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  1. About Me • 葦沢かもめ • 慶應義塾大学サイエンスフィクション研究開発・実装センター  AIグ ループ 研究員 •

    京大 博士(医科学) • 短編小説『あなたはそこにいますか?』第 9回日経「星新一賞」一般部 門優秀賞(図書カード賞) ◦ AIを利用して執筆した小説として世界で初めて文学賞に入選 • アニメーション作品『アスクイ』第 2回AIアートグランプリ佳作 • 著書「小説を書く人の AI活用術」 • 日本SF作家クラブ会員 X: @AshizawaKamome
  2. 小説執筆における活用事例
 • 「きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ」開始(2013)
 • 第3回日経「星新一賞」にて「作家ですのよ」プロジェクトの応募作品が一次選考を 通過(2016/3)
 • AIをあらすじに利用した葦沢の『水面の遺伝子』がBooks&Company社より電子出版 (2019/4)


    • GPT-2をアイディアに利用した葦沢の『壊れた用務員はシリコン野郎が爆発する夢 を見る』が第1回かぐやSFコンテスト最終候補(2020/7)
 • GPT-2を一部に利用した葦沢の『あなたはそこにいますか?』が第9回日経「星新 一賞」にて優秀賞(図書カード賞)に入選(2022/1)(AI利用小説が文学賞に入選し たのは世界初 )

  3. 小説執筆における活用事例
 • (2022/7 Midjourney公開, 2022/8 Stable Diffusion公開) 
 • AI

    BunChoを利用した葦沢の「心、ガラス壜の中の君へ」がKaguya BooksのSFアンソロジー『SFアンソロジー 新月/ 朧木果樹園の軌跡』に収録(2022/8) 
 • (2022/11/30 ChatGPT公開)
 • SFマガジンにてSF作家(柴田勝家氏、小川哲氏、草野原々氏、宮内悠介氏、松崎有理氏、池澤春菜氏)がAIのべりす とを用いて小説を執筆する企画が開始(2022/12) 
 • AI BunChoを利用した葦沢の『グータッチ』が第10回日経「星新一賞」最終候補(2023/2) 
 • 中国・清華大学の研究者がAI生成した文章を編集した作品が、中国の地方文学賞にて二等に入賞(2023/10) 
 • ChatGPTを活用した九段理江氏の『東京都同情塔』が 芥川賞を受賞(2024/1)
 • 『AIとSF2』(早川書房)にo1-previewとGPT-4oを利用した樋口恭介氏の『X-7329』が収録(2024/11) 
 • 生成AIを辞書やアシスタントとして利用した形霧燈氏の『最後の画家』が第12回日経『星新一賞』で一般部門優秀賞 (アマダ賞)を受賞(2025/2)
 • 約80%を生成AIで執筆した青野圭司氏の『アルゴリズムの檻』が第12回日経『星新一賞』最終候補(2025/2) 
 • 第16回創元SF短編賞にてo1とGPT-4oを約80%利用した葦沢の『演算の囁き』が一次選考通過(2025/2) 

  4. 創作分野での実践例
 • Vibe Writing
 ◦ Claude Code, Codexを用いた全自動執筆 
 •

    AIマンガ
 ◦ AIリメイク
 ◦ 野火城氏の『ゼロイチ、「ニ」』が第3回AIアートグランプリ優秀賞(2024/11) 
 ◦ 葦沢はAIマンガを制作・公開(2023/1, 2024/2) 
 • AIゲーム
 ◦ LLMベースのキャラクターを人間が尋問する『ドキドキAI尋問ゲーム』(2023/3) 
 ◦ Steamで生成AIの使用を公表しているゲームは全体の7%に当たる7818本、2025年 リリースのタイトルは最低でも約20%が生成AIを使用している 
 ▪ https://gigazine.net/news/20250717-steam-games-that-use-generative-ai/ 
 ◦ 葦沢はイラストにStable Diffusionなどを活用して製作したノベルゲームを公開 (2023/11)

  5. 創作分野での実践例
 • アート制作
 ◦ メディアアートの国際的コンペティション「Prix Ars Electronica」では、2024年の OpenAIのSoraを利用したMV「Washed Out “The

    Hardest Part”」をはじめとし て、生成AIを利用した作品が数多く受賞している。 
 ◦ 葦沢はアニメーション作品『アスクイ』が第2回AIアートグランプリにて佳作入 選。(2023/11)
 • 生成AIを利用した映画制作 
 ◦ 2024年アカデミー賞候補の映画「ブルータリスト」がハンガリー語の音声の編 集や建築デザインにAIを使用
 ◦ 安達寛高氏(作家の乙一氏)を含む3人の監督によるオムニバス映画『ジェネレ イドスコープ』が公開(2025/8/29)
 • AIコンパニオン・AI Tuber
 ◦ GrokのAniが話題に。(2025/7)
 ◦ AI彼女/AI彼氏サービスが多く展開
 ◦ 葦沢は、自身を模倣した作家AITuber「アシザワ・カモメ」を開発。(2023/3)