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カーネル密度推定を用いた侵入者のモデルの構成 / Construction of crimin...

konakalab
November 17, 2023

カーネル密度推定を用いた侵入者のモデルの構成 / Construction of criminal models using kernel density estimation

警備ロボットの警備パターンを覚えられる侵入者を想定した場合に,どのような警備計画設計方法が適切なのかを議論しました.

電子情報通信学会システム数理と応用研究会(2023年11月開催)で発表しました.

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November 17, 2023
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Transcript

  1. 目次 • はじめに • 本研究の目的 1.研究背景 • カーネル密度推定 • 侵入者のモデルの構成例

    2.侵入者のモデル化 • CPP(中国人郵便配達問題) • 複数の巡回経路の生成手法・利益の設定 3.警備計画 • 評価指標 • 実験条件・実験結果 4.数値実験 • まとめ・今後 5.結論 1
  2. 目次 • はじめに • 本研究の目的 1.研究背景 • カーネル密度推定 • 侵入者のモデルの構成例

    2.侵入者のモデル化 • CPP(中国人郵便配達問題) • 複数の巡回経路の生成手法・利益の設定 3.警備計画 • 評価指標 • 実験条件・実験結果 4.数値実験 • まとめ・今後 5.結論 2
  3. 目次 • はじめに • 本研究の目的 1.研究背景 • カーネル密度推定 • 侵入者のモデルの構成例

    2.侵入者のモデル化 • CPP(中国人郵便配達問題) • 複数の巡回経路の生成手法・利益の設定 3.警備計画 • 評価指標 • 実験条件・実験結果 4.数値実験 • まとめ・今後 5.結論 11
  4. 侵入者のモデル化 𝑖回目の警備ロボットの 訪問間隔時間を𝑡𝑖 侵入者は𝑡𝑖+1 を予測し 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 𝑇𝑐 |𝑡𝑖 )を算出

    • 𝑖回目の警備ロボットの訪問間隔時間が𝑡𝑖 の時𝑖 + 1回目の 訪問間隔時間𝑡𝑖+1 が𝑇𝑐 以下である確率 • 値が大きいほど侵入者はインシデントを発生しづらくなる ので警備側の視点では大きい方が望ましい 𝑃 𝑡𝑖+1 ≤ 𝑇𝑐 𝑡𝑖 13
  5. カーネル密度推定 ➢ カーネル密度推定 ⚫ 有限個のサンプルデータから全体の分布を推定する手法 ൯ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1

    = 1 𝑛ℎ2 ෍ 𝑘=1 𝑁 𝐾 𝑡𝑖 − 𝑡𝑖 𝑘 ℎ , 𝑡𝑖+1 − 𝑡𝑖+1 𝑘 ℎ ൯ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 :二次元のカーネル密度推定量 𝐾:カーネル関数 ℎ:バンド幅 𝑛:警備ロボットの訪問回数 𝑁:観測点の会得数 (𝑁 = 𝑛 − 1) 15
  6. カーネル密度推定 ➢ カーネル密度推定 ⚫ 有限個のサンプルデータから全体の分布を推定する手法 ൯ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1

    = 1 𝑛ℎ2 ෍ 𝑘=1 𝑁 𝐾 𝑡𝑖 − 𝑡𝑖 𝑘 ℎ , 𝑡𝑖+1 − 𝑡𝑖+1 𝑘 ℎ ൯ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 :二次元のカーネル密度推定量 𝐾:カーネル関数 ℎ:バンド幅 𝑛:警備ロボットの訪問回数 𝑁:観測点の会得数 (𝑁 = 𝑛 − 1) 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 𝑇𝑐 |𝑡𝑖 ) = න 0 𝑇𝑐 መ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 𝑑𝑡𝑖+1 መ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 を求める 16
  7. 侵入者のモデルの構成例 𝑓(𝑡𝑖 , 𝑡𝑖+1 ):カーネル密度推定量 𝑡𝑖 = 1000の時 መ 𝑓(𝑡𝑖

    , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 = 1000 :𝒕𝒊 = 𝟏𝟎𝟎𝟎で 切り取り正規化した確率密度分布 22
  8. 侵入者のモデルの構成例 መ 𝑓(𝑡𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 = 1000 :𝒕𝒊 =

    𝟏𝟎𝟎𝟎で 切り取り正規化した確率密度分布 23
  9. 侵入者のモデルの構成例 መ 𝑓(𝑡𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 = 1000 :𝒕𝒊 =

    𝟏𝟎𝟎𝟎で 切り取り正規化した確率密度分布 累積密度分布 ׬ 0 ∞ መ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 𝑑𝑡𝑖+1 に変形 24
  10. 侵入者のモデルの構成例 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000)を算出 𝑃 𝑡𝑖+1 ≤ 800

    𝑡𝑖 = 1000 = න 0 800 መ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 = 1000 𝑑𝑡𝑖+1 25
  11. 侵入者のモデルの構成例 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000)を算出 𝑇𝑐 = 800の時 𝑃

    𝑡𝑖+1 ≤ 800 𝑡𝑖 = 1000 = න 0 800 መ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 = 1000 𝑑𝑡𝑖+1 26
  12. 侵入者のモデルの構成例 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000)を算出 𝑇𝑐 = 800の時 𝑃

    𝑡𝑖+1 ≤ 800 𝑡𝑖 = 1000 = න 0 800 መ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 = 1000 𝑑𝑡𝑖+1 交点の縦軸の値が𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000) 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000) =0.2534 27
  13. 侵入者のモデルの構成例 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000)を算出 𝑇𝑐 = 800の時 𝑃

    𝑡𝑖+1 ≤ 800 𝑡𝑖 = 1000 = න 0 800 መ 𝑓(𝑡 𝑖 , 𝑡𝑖+1 𝑡𝑖 = 1000 𝑑𝑡𝑖+1 交点の縦軸の値が𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000) 𝑃(𝑡𝑖+1 ≤ 800|𝑡𝑖 = 1000) =0.2534 𝑖回目の警備ロボットの訪問間隔時間が 1000の時𝑖 + 1回目の訪問間隔時間𝑡𝑖+1 が 800以下である確率 28
  14. 目次 • はじめに • 本研究の目的 1.研究背景 • カーネル密度推定 • 侵入者のモデルの構成例

    2.侵入者のモデル化 • CPP(中国人郵便配達問題) • 複数の巡回経路の生成手法・利益の設定 3.警備計画 • 評価指標 • 実験条件・実験結果 4.数値実験 • まとめ・今後 5.結論 29
  15. CPP(中国人郵便配達問題) CPPによる巡回経路の問題点 • 単一の経路(規則的な経路)のため 侵入者に巡回経路を予測される 訪問間隔時間を警備の一周毎 に変化させる手法が必要 • 本研究の提案手法 •

    梶田の手法[1] [1] 梶田和輝, 小中英嗣. 侵入者から予測されにくい屋内警 備ロボットの巡回経路の生成. 第 31 回回路とシステム ワークショップ講演論文集, pp.158-163, 2017. 37
  16. 複数の巡回経路の生成手法 警備の手厚さ(巡回効率) • CPP(中国人郵便配達問題) > 本研究の提案手法 > 梶田の手法 経路の予測されずらさ(不規則性) •

    梶田の手法 > 本研究の提案手法 > CPP(中国人郵便配達問題) それぞれの生成手法は目的によって使い分けられる 警備の手厚さ(巡回効率)と経路の予測されずらさ(不規則性) はトレードオフの関係 41
  17. 目次 • はじめに • 本研究の目的 1.研究背景 • カーネル密度推定 • 侵入者のモデルの構成例

    2.侵入者のモデル化 • CPP(中国人郵便配達問題) • 複数の巡回経路の生成手法・利益の設定 3.警備計画 • 評価指標 • 実験条件・実験結果 4.数値実験 • まとめ・今後 5.結論 44
  18. 評価指標 𝐽(𝑅) = ෍ 𝑒∈𝐸 𝑃𝑒 𝑡𝑖+1 ≤ 𝑇𝑐 𝑡𝑖

    𝑏 𝑒 𝑅: 巡回経路 𝐸: 辺集合 𝑃𝑒 𝑡𝑖+1 ≤ 𝑇𝑐 𝑡𝑖 :辺𝑒での𝑡𝑖 の時𝑡𝑖+1 が𝑇𝑐 以下の確率 𝑏(𝑒):辺𝑒に設定された利益の値 (0 ≤ 𝑏(𝑒) ≤ 1) 45
  19. 評価指標 𝐽(𝑅) = ෍ 𝑒∈𝐸 𝑃𝑒 𝑡𝑖+1 ≤ 𝑇𝑐 𝑡𝑖

    𝑏 𝑒 𝑅: 巡回経路 𝐸: 辺集合 𝑃𝑒 𝑡𝑖+1 ≤ 𝑇𝑐 𝑡𝑖 :辺𝑒での𝑡𝑖 の時𝑡𝑖+1 が𝑇𝑐 以下の確率 𝑏(𝑒):辺𝑒に設定された利益の値 (0 ≤ 𝑏(𝑒) ≤ 1) 𝐽(𝑅)の値が大きいほど利益の大き い辺でインシデントの発生を抑制 できている 警備側の視点では大きい方が望ま しい 46
  20. 実験条件 実験条件 • 警備ロボット一台で巡回 • 警備ロボットの速度1m/s • 侵入者は各辺の300回分の訪問間隔時間を観測し予測モデルを構成 • 𝐽(𝑅)

    = σ𝑒∈𝐸 𝑃𝑒 𝑡301 ≤ 𝑇𝑐 𝑡300 𝑏 𝑒 の値を𝑇𝑐 の値を変えて各巡回経路 100回算出し、それぞれの平均値を求める 47
  21. 実験条件 評価する巡回経路 • Proposed Method:本研究の提案手法によって生成される複数の巡回経路 • Kajita's Method:梶田の手法によって生成される複数の巡回経路 • 追加する辺の数1:Kajita's

    Method (1) • 追加する辺の数3:Kajita's Method (3) • 追加する辺の数5:Kajita's Method (5) • 追加する辺の数7:Kajita's Method (7) • 追加する辺の数9:Kajita's Method (9) • Method by CPP:CPPのアルゴリズムによって生成される単一の巡回経路 48
  22. 実験結果 CPP 本研究の提案手法 梶田の手法(1) 梶田の手法(3) 梶田の手法(5) 梶田の手法(7) 梶田の手法(9) 𝑇𝑐 の値が大きい時

    𝑇𝑐 の値が小さい時 巡回効率を重視 不規則性を重視 侵入者のタイプ(𝑇𝑐 の値)によって巡回経路 の生成手法を使い分けることができる 53
  23. 目次 • はじめに • 本研究の目的 1.研究背景 • カーネル密度推定 • 侵入者のモデルの構成例

    2.侵入者のモデル化 • CPP(中国人郵便配達問題) • 複数の巡回経路の生成手法・利益の設定 3.警備計画 • 評価指標 • 実験条件・実験結果 4.数値実験 • まとめ・今後 5.結論 54
  24. 目次 • はじめに • 本研究の目的 1.研究背景 • カーネル密度推定 • 侵入者のモデルの構成例

    2.侵入者のモデル化 • CPP(中国人郵便配達問題) • 複数の巡回経路の生成手法・利益の設定 3.警備計画 • 評価指標 • 実験条件・実験結果 4.数値実験 • まとめ・今後 5.結論 56