$30 off During Our Annual Pro Sale. View Details »
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
一休.comレストランにおけるRustの活用
Search
Kōhei Yamamoto (山本浩平)
October 31, 2024
Technology
3
750
一休.comレストランにおけるRustの活用
2024-10-31 Findy Job LTで使用した資料です。
Kōhei Yamamoto (山本浩平)
October 31, 2024
Tweet
Share
More Decks by Kōhei Yamamoto (山本浩平)
See All by Kōhei Yamamoto (山本浩平)
総会員数1,500万人のレストランWeb予約サービスにおけるRustの活用
kymmt90
3
2.8k
一休.comレストランのRustバックエンド開発の様子
kymmt90
15
11k
レガシーWebアプリケーションの性能とコードの健全性をインクリメンタルに改善する / pepabotech-20211209
kymmt90
1
2.2k
コードレビュー座学 / About code reviews
kymmt90
0
6.5k
ペパボのWebサービス 開発スタイル / Web services development at GMO Pepabo
kymmt90
2
550
GraphQL and Schema-First Development
kymmt90
4
3.8k
EC新サービスにおけるスキーマファースト開発 / Schema First Development in the New EC Service
kymmt90
1
2.1k
rails new --api してからやったこと 〜2017年・夏〜 / EC Tech MTG 3
kymmt90
0
720
カテゴリ階層の拡張を目的とした階層的トピックモデル / A hierarchical topic model for expanding category hierarchies
kymmt90
0
420
Other Decks in Technology
See All in Technology
Oracle Cloud Infrastructure:2024年11月度サービス・アップデート
oracle4engineer
PRO
0
190
GeminiとUnityで実現するインタラクティブアート
hokkey621
0
570
Atelier BlueHats : Migration de l’application COBOL MedocDB de GCOS à GnuCOBOL sur GNU/Linux
bluehats
0
110
Kubernetesを知る
logica0419
17
4.7k
ARRが3年で10倍になったプロダクト開発とAI活用の軌跡
akiroom
0
220
開発者向けツールを魔改造してセキュリティ診断ツールを作っている話 - 第1回 セキュリティ若手の会 LT
pizzacat83
0
360
プロダクトマネージャーは 事業責任者の夢をみるのか pmconf2024
gimupop
1
7.5k
Engineer Recruting Deck
siva_official
PRO
1
3.3k
GDGoC開発体験談 - Gemini生成AI活用ハッカソン / GASとFirebaseで挑むパン屋のフードロス解決 -
hotekagi
1
690
Ruby on Browser - RubyWorld Conference 2024
tmtms
1
110
MediaPipe と ML Kit ってどう ちがうの? / What is the difference between MediaPipe and ML Kit?
yanzm
0
470
プロセス改善とE2E自動テストによる、プロダクトの品質向上事例
tomasagi
1
3.2k
Featured
See All Featured
It's Worth the Effort
3n
183
27k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
How To Stay Up To Date on Web Technology
chriscoyier
789
250k
The Invisible Side of Design
smashingmag
298
50k
Visualization
eitanlees
145
15k
Docker and Python
trallard
40
3.1k
What's in a price? How to price your products and services
michaelherold
243
12k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
PRO
28
8.3k
Rebuilding a faster, lazier Slack
samanthasiow
79
8.7k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
51
7.3k
Bash Introduction
62gerente
608
210k
Done Done
chrislema
181
16k
Transcript
0 一休.comレストランにおける Rustの活用 2024-10-31 山本浩平 @ Findy Job LT
1 自己紹介 • 山本浩平 @kymmt90 • 2023年9月入社 • 一休.comレストランのプロダクト開発 兼
技術広報 • Rustバックエンド開発に途中から参画 • Rust歴は1年程度
2 本発表で話すこと • 一休.comレストランのRust移行の概要 • Rustバックエンドの技術的な詳細 • 今後の課題や求人中のポジションにおけるチャレンジ
3 一休.comレストラン | サービス概要 • 上質なレストランを対象 に、店舗や食事コースの 検索、詳細情報の閲覧、 Web予約を提供 •
2006年ローンチの長い 歴史を持つサービス
4 一休.comレストラン | Rustに移行中 • スマートフォンビューのバックエンドはRustに移行済み ◦ スマートフォンからの利用が多く、後述する 高速/省リソース化が狙いの1つ ◦
検索と詳細情報取得のためのGraphQL API ◦ 予約コアロジック (後述) へのリクエスト委譲
5 一休.comレストラン | Rustに移行中 • デスクトップビューのバックエンドもRustに移行中 • Solr (全文検索エンジン)のインデクサーもRustに移行中 •
Fastly ComputeでRustを用いたキャッシュロジックも 運用中 • 本日はバックエンドの技術的詳細に絞って説明します🙏
6 一休.comレストラン | 移行途中の旧システム • Python/Flask (現行デスクトップビューのバックエンド) • C# (一部APIサーバーやSolrのインデクサー)
• 運用面の課題や技術選定方針からRust移行へ
7 一休.comレストラン | 移行途中の旧システム • VBScript ◦ Windows Serverで動く、予約作成、変更、キャンセル などを担うシステムで、当初からある古いコード
◦ 後述する課題を抱えており、遅くとも2027年までに リプレースが必要
8 一休.comレストラン | 2024年現在は過渡期 • 最終的にはRustへの移行完了を目指している • 現状は複数の言語をまたいだ開発も ◦ Rustも書く
◦ プロジェクトの状況やビジネス要求に応じて Python/VBScript側を改修することもある
9 Rustバックエンド | 選定理由 • 社内技術選定方針「シンプル、かつすばやく、それでいて 堅牢に作れる」を意識しつつ、以下を狙った ◦ 表現力の高い型システムでドメインモデルをコード化 ◦
高速/省リソースなバックエンドサーバを実現し、 サービス運用コストを中長期的に改善
10 Rustバックエンド | 設計 • オニオンアーキテクチャ ◦ モデルはデータストアや 設定の詳細に非依存、 I/Fだけに依存
◦ 実際のデータストアや 設定値はサーバ起動時に 注入
11 Rustバックエンド | 設計 async fn fetch_restaurants<C: Config>( &self, database:
&crate::Database<C>, keys: &[RestaurantId], ) -> Result<HashMap<RestaurantId, Result<Restaurant>>> { let query = format!( // クエリ ); // レコードフェッチ、DTOからクエリモデルへ let restaurant_models = database .query_as::<dto::Restaurant>(&query, params) .await .context("failed to query restaurants")? .into_iter() .map(|d| (d.id, Restaurant::try_from(d))) .collect(); Ok(restaurant_models) } データアクセス層のコードのイメージ データストアや設定は外から注入 上位層→モデルの依存方向で モデルは外界に依存しない
12 Rustバックエンド | Cargo Workspace • Cargoを活用して1つのリポジトリの中をモジュラーに ◦ 各層(実際はもう少し細粒度)をworkspace crateで表現
◦ 各crateのCargo.tomlでcrate間の依存の向きを強制 # ルートディレクトリのCargo.toml [workspace] resolver = "2" members = [ "backend/*", ] [workspace.dependencies] backend-query-model = { path = "./backend/query-model" } # ...
13 Rustバックエンド | Cargo Workspace • workspace.dependenciesで設定した特定のcrateへの 依存をCargo.tomlに明記 # データアクセス層のCargo.toml
[package] name = "backend-data-access" version.workspace = true authors.workspace = true edition.workspace = true publish.workspace = true [dependencies] backend-query-model = { workspace = true }
14 Rustバックエンド | API • GraphQLとREST ◦ ユーザー向けフロントエンドはGraphQL ▪ フロントエンドでも型生成に利用
◦ 社内の他システムとの連携用エンドポイントはREST ◦ フレームワークはAxum、GraphQLはasync-graphqlを 利用
15 Rustバックエンド | ライブラリ • サービスの業務に直接関連しないロジックはライブラリ として分離 ◦ SQL ServerやRedis、クラウドサービスの
クライアントなど
16 Rustバックエンド | ライブラリ • 24時以降を表現できる時間型 のcrateもここに実装 ◦ 飲食店予約業務では必要 ◦
サービスに直接関係する ロジックではないので分離 /// 31:59:59 まで表現できる時刻型 #[derive(Clone, Copy, …))] pub struct Time24 { /// 00:00:00 からの経過秒数 secs: u32, } impl Time24 { ... } impl chrono::Timelike for Time24 { ... }
17 Rustバックエンド | デプロイ/運用 • GitHub Actionsでイメージ作成からデプロイまで自動化 • Google Cloud
Runで運用 ◦ トラフィックは最大1,000req/sほど(夕方〜夜が多い)
18 技術課題 | 中長期 • 予約コアロジックの移行 ◦ VBScriptは2027年ごろデフォルト無効化予定 https://techcommunity.microsoft.com/t5/windows-it-pro-blog/vbscript-deprecation-timelines-and-next-steps/ba-p/4148301
19 技術課題 | 中長期 • 予約コアロジックの移行 ◦ 新規予約、変更、キャンセル、割引やポイント付与を 含む既存のVBScriptからRustへの移行 ◦
Rustのコードとして、どうデータモデルを表現するか から取り組むことが求められる
20 エンジニアを募集しています • 本ポジションにおける技術的チャレンジ ◦ レガシーと向き合いつつ、予約コアロジックなどの Rustへの移行をスムーズに進めること ◦ 今後サービスを支えるRustコードベースを設計から コードまで健全な状態に保つこと
• Rust自体は未経験でも問題ありません
21 エンジニアを募集しています https://findy-code.io/companies/830