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フリーランス保護新法 (フリーランス・事業者間取引適正化等法) に関する実態調査

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August 02, 2024

フリーランス保護新法 (フリーランス・事業者間取引適正化等法) に関する実態調査

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August 02, 2024
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  1. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 2 目次 調査概要 ◼

    調査概要 ◼ 本調査におけるフリーランスの定義 ◼ 調査サマリー 「フリーランス保護新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」について ◼ フリーランス保護新法の認知度 ◼ フリーランス保護新法に期待していること ◼ 取引契約の形式 ◼ 過去に経験したことがある発注トラブル フリーランスのハラスメント問題 ◼ 業務中におけるハラスメント被害の経験 ◼ ハラスメント被害にあった際の対処方法 ◼ 「フリーランス・トラブル110番」の認知度 フリーランスの育児 ◼ 育児休業の取得 ◼ 【男女別】育児休業の取得 ◼ フリーランスの働き方は子育てに向いているか フリーランスのライフスタイル ◼ 働きながら家族に助けられていると感じること ◼ フリーランスの働き方について今後期待する社会の変化 ◼ 働きながら生活する上で大切にしていること 考察 ◼ 今回の調査の考察 P4 P5 P6 P8 P9 P10 P11 P13 P14 P15 P17 P18 P19 P21 P22 P23 P25
  2. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 調査時期 2024年07月10日 調査対象 フリーランス(個人事業主・副業含む)として働く20~69歳の男女

    未婚・既婚問わず、子どもの有無問わず 有効回答数 400人 男女比 3:1(男性297名・女性103名) 調査方法 セルフ型アンケートツール「Freeasy」によるオンライン調査 調査概要 2024年11月に「フリーランス保護新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」が施行されるにあた り、フリーランスを対象に新法に関連する実態調査を行った。 ※調査結果を引用・転載される際は、出典元として『ランサーズ株式会社』の明記をお願いいたします。 4
  3. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 本調査におけるフリーランスの定義 ◼ 「フリーランス(個人事業主含む)」または「副業をしている方(1社以上の企業に所属しながら個人で受託)」 ◼

    副業は、「個人受注での業務委託を受けている」または「クラウドソーシングなどを利用したオンライン業務をしている」を 対象とし、パート・アルバイト・ポイントアプリや懸賞といった副業は含まないものとする。 本調査回答者の割合 副業をしている方 31.0% フリーランス 69.0% 職種 13.0% 14.3% 10.3% 9.0% 2.5% 10.3% 4.3% 2.5% 3.5% 11.5% 8.3% 1.0% 9.8% 5 本調査における「フリーランス」の定義は以下のものとする
  4. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 調査サマリー 約8割のフリーランスがフリーランス保護新法を認知 新法の認知度は高かったが、内容まで理解しているフリーランスは34.3%に留まった。過半数のフリーランスは、 納品や支払いなど何かしらの発注トラブルにあった経験があり、新法施行による今後のトラブル軽減が期待される。

    ハラスメント被害にあったことがあるフリーランスは48.7% 約半数のフリーランスがハラスメント被害にあった経験がある。最も多いハラスメントは「パワーハラスメント」で26.5%だった。 ハラスメント被害にあったことがあるフリーランスのうち8割以上は、家族や公式窓口といった外部に相談して対処している。 フリーランス男性の育児休業取得率は41.8%で、一般雇用者の男性よりも取得率が高い フリーランスの育児休業取得率を厚生労働省のデータと男女別で比較すると、男性はフリーランスが41.8%、一般雇用者が 17.1%で男性はフリーランスの方が取得率が高い。女性はフリーランスが62.2%、一般雇用者が80.2%で女性はフリーランスの 方が取得率が低い。(参考)厚生労働省:「令和4年度雇用均等基本調査」 https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001155644.pdf 今後期待されるフリーランスの社会的な変化は「賃金の見直し」がTOPに フリーランスの働き方について社会的な変化を期待することは、「賃金の見直し」45.5%、「報酬支払期日の明確化」30.8%、 「取引条件の明確化」27.8%と、報酬に関連する項目がTOP3にあがった。 6
  5. Copyright © Lancers All Rights Reserved. フリーランス保護新法の認知度 内容まで理解している 34.3% 名前は知っているが

    詳しくは知らない 42.0% 知らない 23.8% 8 フリーランス保護新法を「理解している」または「知っている」と回答した方は全体の76.3%で、約8割が新法を認識しているとい う結果であった。ただし、「内容まで理解している」と回答したのは34.3%に留まり、全体として新法の内容までは認知されていな いことがうかがえる。
  6. Copyright © Lancers All Rights Reserved. フリーランス保護新法に期待していること ※複数回答可 特になし 育児介護等と業務の両立に対する配慮

    ハラスメント対策に係る体制整備 中途解除等の事前予告・理由開示 募集情報の的確表示 報酬支払期日の設定・期日内の支払い 書面等による取引条件の明示 禁止行為の義務化※ 19.8% 17.0% 18.0% 22.8% 23.0% 42.8% 43.0% 50.8% 9 ※禁止行為とは、「受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更・やり直し」のことを指す。 フリーランス保護新法で義務となる項目から選択してもらった結果、最も期待されていることは「禁止行為」の義務化で50.8%だ った。次いで、「書面等による取引条件の明示」「報酬支払期日の設定・期日内の支払」が上位となり、取引条件や報酬に関す る改善が求められていることがうかがえる。
  7. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 過去に経験したことがある発注トラブル ※複数回答可 特になし その他

    中途解除等の事前予告・理由開示 育児介護等と業務の両立に対する配慮 ハラスメント対策に係る体制整備 書面等による取引条件の明示 募集情報の的確表示 報酬支払期日の設定・期日内の支払 禁止行為の義務化※ 30.5% 23.5% 16.3% 15.5% 12.8% 12.5% 11.8% 0.3% 41.0% ※禁止行為とは、「受領拒否、報酬の減額、返品、買いたたき、購入・利用強制、不当な経済上の利益の提供要請、不当な給付内容の変更・やり直し」のことを指す。 10 「特になし」という回答が4割を超えたが、過半数のフリーランスは何かしら発注トラブルの経験があることがわかった。上位とな ったトラブルは「禁止行為」や「報酬支払期日の設定・期日内の支払」で、納品・支払い等の業務完了時のタイミングにトラブル が起きやすいことがうかがえる。
  8. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 取引契約の形式 ※複数回答可 その他 口頭契約

    オンラインプラットフォームを利用 電子メール 書面契約 46.3% 35.0% 43.3% 36.3% 1.8% 11 「書面契約」が46.3%、「電子メール」が43.3%と現状で取引条件を明示して契約を組んでいるフリーランスが多いことがわかった。 しかし、「口頭契約」も35%と少ないとは言えず、フリーランス保護新法によって「書面等による取引条件の明示」が義務となるた め、今後の取引契約の形式の見直しが必要であると考えられる。
  9. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 業務中におけるハラスメント被害の経験 ※複数回答可 その他 カスタマーハラスメント

    マタニティハラスメント セクシャルハラスメント パワーハラスメント ハラスメント被害にあったことはない 26.5% 19.5% 15.8% 15.0% 0.5% 51.3% 13 「ハラスメント被害にあったことはない」という回答が51.3%なことから、残り約半数のフリーランスがハラスメント被害にあった経 験があることがわかった。最も多いハラスメントは「パワーハラスメント」で26.5%という結果だった。 具体的なハラスメント内容は「罵声を浴びせられた」「結婚や妊娠に関する発言」「性的な発言や接触」などが挙げられた。
  10. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 「フリーランス・トラブル110番」の認知度 「利用したことがある」を回答した方が実際に相談したトラブル内容 ※複数回答可 知っている

    (利用したことがある) 21.5% 知っている (利用したことがない) 18.8% 名前だけは知っているが 詳しくは知らない 14.3% 知らない 45.5% 62.8% 48.8% 45.4% 43.0% 33.7% 25.6% 22.1% 16.3% 0.0% 15 契約や業務トラブルを弁護士に相談できる「フリーランス・トラブル110番」は、半数以上のフリーランスに認知されていることが わかった。 「利用したことがある」と回答した方は、「報酬関連(支払い遅延・報酬の減額等)」の回答が最も多く62.8%という結果だった。
  11. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 17 育児休業の取得 ある(1ヶ月未満) 7.9%

    ある(1~3ヶ月) 12.8% ある(4~6ヶ月) 12.8% ある(7~12ヶ月) 7.4% ある(1年以上) 5.3% 取得したことがない 54.2% 取得経験 (n=190) 育児休業を取得したことがない方の取得予定(n=270) これから取得する予定 3.0% 明確な予定はないが 機会があれば取得したい 18.9% 取得する予定はない 78.1% ※本調査の回答者は男女比が3:1で男性の割合が多いため、この点も結果に影響を与えている可能性があると考えられる。 ※育児休業の取得は労働基準法に基づき、「雇用されている労働者」が対象となる。そのため、企業に所属しながら副業としてフリーランスをしている方は対象となるが、 企業などに所属していないフリーランスは対象外となる。本調査におけるフリーランスの育児休業の取得率は、フリーランスが個々で産後に休業することを含むものとする。 ※左グラフ「取得経験」は子どもがいるフリーランスを対象にデータを抽出。(n=190) ※右グラフ「取得したことがない方の取得予定」は、育児休業を取得したことがないすべてのフリーランス(未婚・既婚問わず、子どもの有無問わず)を対象にデータを抽出。(n=270) 17 子どもがいるフリーランスへ育児休業の取得経験を尋ねたところ、取得したことがあるフリーランスは45.8%という結果だった。 育児休業を取得していないフリーランスは54.2%で、取得予定を尋ねたところ「取得予定はない」という回答が約8割に上り、今 後もフリーランスの育児休業の取得が急増する見込みはないと考えられる。
  12. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 男性 (n=153) 女性 (n=37)

    【男女別】育児休業の取得 ある(1ヶ月未満) 8.5% ある(1~3ヶ月) 12.4% ある(4~6ヶ月) 13.1% ある(7~12ヶ月) 3.9% ある(1年以上) 3.9% 取得したことがない 58.2% ある(1~3ヶ月) 12.4% ある(4~6ヶ月) 13.1% ある(7~12ヶ月) 3.9% ある(1年以上) 3.9% 取得したことがない 37.8% 18 ※下記グラフは子どもがいるフリーランスを対象に、男女別にデータをわけて抽出。(男性:n=153、女性:n=37) ※参考:厚生労働省「令和4年度雇用均等基本調査」 https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001155644.pdf 厚生労働省のデータと比較すると、フリーランス男性は41.8%、一般男性が17.1%のため男性はフリーランスの方が取得率が高 く、対してフリーランス女性は62.2%、一般女性が80.2%のため女性はフリーランスの方が取得率が低いことがわかった。育児休 業の取得期間は、6か月以上取得しているフリーランス男性が7.8%と少ないことに対してフリーランス女性は32.4%と多めである。 ある(1ヶ月未満) 8.5%
  13. Copyright © Lancers All Rights Reserved. フリーランスの働き方は子育てに向いているか 向いていると思う 21.0% どちらかと言えば向いていると思う

    45.5% 向いていないと思う 14.3% どちらかと言えば向いていないと思う 19.3% 19 「どちらかというば向いている」という回答が45.5%で最も多く、「向いている」「どちらかといえば向いている」という回答をあわせ ると6割を超えた。子育てに向いている理由としては、「自分のペースで業務ができるため」「時間を比較的自由に裁量できるた め」など、時間の融通がつけやすいという理由が多く挙げられた。 「どちらかといえば向いていないと思う」「向いていないと思う」と回答したフリーランスからは、「フリーランスは給与が不安定な ため」「休むと仕事がなくなるため」などの理由が挙がった。
  14. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 特になし その他 介護の分担 ひとりで過ごす自由時間を持つ

    育児の分担 悩みや日常の話を聞いてもらう 家事の分担 「家事の分担」が41.3%で最も多い結果となった。次いで、「悩みや日常の話を聞いてもらう」が32.4%。 家庭内のことを分担したり会話をしたりすることが、仕事をする上で支えになっていることがうかがえる。 41.3% 23% 働きながら家族に助けられていると感じること ※既婚者のみ回答(n=213) ※複数回答可 19.3% 32.4% 19.3% 0.5% 26.3% 21
  15. Copyright © Lancers All Rights Reserved. その他 相談窓口の増加 スキルアップできる場の増加 出産・子育て・介護の支援制度の改善

    受注プラットフォームの改善 保険の加入がしやすくなる 申請(請求書・確定申告等)の簡易化 クレジットカードやローン申請の容易化 業務委託契約の煩雑さの改善 22 フリーランスのイメージの変化 ハラスメント対策・改善 福利厚生の充実 法律の整備・強化 仕事の募集情報の的確表示 急な発注解除に対する対策 発注者との関係の改善 取引条件の明確化 報酬支払期日の明確化 賃金の見直し 「一般的なフリーランス賃金の見直し」が45.5%で郡を抜いての1位という結果になった。 その他では、「報酬支払期日の明確化」「取引条件の明確化」と支払いや発注に関連する項目が上位にあがった。 フリーランスの働き方について今後期待する社会の変化 ※複数回答可 30.8% 27.8% 25.8% 24.3% 23.8% 20.3% 19.5% 19.5% 45.5% 18.8% 17.3% 16.3% 15.5% 15.0% 15.0% 13.0% 12.0% 2.3% 17.5%
  16. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 働きながら生活する上で大切にしていること ※3つまで選択可 「自分の時間」が50.3%で1位という結果になった。 次いで、「お金(安定した収入・収入アップ)」39%、「家族との時間」31.3%と続いた。

    その他 社会貢献への取組み 新しい事への興味関心 食事・グルメ 友人との時間 趣味 自己成長・自己実現 ワークライフバランス 健康・予防 家族との時間 お金(安定した収入・収入アップ) 自分の時間 50.3% 39.0% 31.3% 25.8% 19.0% 11.0% 10.5% 10.3% 9.8% 5.0% 3.5% 0.5% 23
  17. Copyright © Lancers All Rights Reserved. 「フリーランス保護新法(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」に関する実態調査では、新法に関する認識、 ハラスメント問題、フリーランスが求める働き方について以下の傾向があることがわかった。 今回の調査の考察 発注トラブルは納品や支払いのタイミングで発生することが多く、契約の段階で明確な取り決めを行うことが重要と言える。フリーラン

    スは、知り合いや長期で付き合いのある取引先からの発注を口頭契約で済ませてしまうこともあるが、発注トラブルのリスクを減らすた めにも、デジタルを利用した電子メールや書面による契約の推進が求められる。 厚生労働省が令和5年7月に発表したデータによると、育児休業を取得した男性は17.1%で、フリーランス男性の取得率41.8%と比較す ると24.7%の差があった。自分の裁量で働き方を選ぶことができるフリーランスの特性から、企業に所属している男性よりも育児休業 が比較的取得しやすいと考えられる。 (参考)厚生労働省:「令和4年度雇用均等基本調査」 https://www.mhlw.go.jp/content/11901000/001155644.pdf 報酬の減額や支払期日に関連する発注トラブルを経験したことがあるフリーランスが多く、働きながら生活する上で大切にしていること でも「お金(安定した収入・収入アップ)」が39%と上位にあがるなど、フリーランスの収入に対する課題意識が高いことが伺える。 新法施行にあたり、発注者側にも、フリーランスと対等に働くために必要な意識変化が求められる。 01 02 03 01 59%のフリーランスに発注トラブ ルの経験があり、フリーランス保 護新法の施行により今後の改善 が期待される 02 03 子どものいるフリーランス男性の うち41.8%が育児休業の取得経 験があり、フリーランスは男性に とって育児休業を取得しやすい 環境である 45.5%のフリーランスが「賃金の 見直し」を求めており、フリーラン スにとって収入が大きな課題だと 感じられている 25