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エンジニアが挑む、限界までの越境

Nealle
April 23, 2025

 エンジニアが挑む、限界までの越境

2025/4/23
Product Engineering Night #8 〜他領域への越境〜
https://product-engineer.connpass.com/event/349157/

Nealle

April 23, 2025
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Transcript

  1. 2 自己紹介 三宅 克英(Katsuhide Miyake) 株式会社ニーリー 執行役員 CTO 2017年にニーリーに2人目で参画。 CTOとしてプロダクト組織を統括。 PdM,

    toB/toCのカスタマーサクセス, BizOps, マーケティング, Enterprise CS, など営業組織以外の責任者は一通り経験。 以前は、シンプレクス株式会社で 証券会社/FX会社向けのFXシステムやメガバンク向けの ディーリングシステムやリスク管理システムの開発やPMを担当。 @katzhide 越境しまくり😎
  2. 企画 プランニング 5 今日のテーマ 越境のメリットは理解できるけど、どこに越境したらいいんだろう? カスタマーサクセス (toC CS) クライアントサクセス (toB

    CS) マーケティング 事業開発 営業 オペレーション ディスカバリー デザイン QA 現場(toB CS)への越境をテーマに、 どんなことをやったのか、その功罪(メリデメ)を話します
  3. 越境の成果は? • 高速開発 • カスタマイズを最小限に • オンボもちゃんと対応 • 4ヶ月でサービスイン どういう状況?

    • 基幹システム連携が必要 • カスタマイズ要望が多い • 対応の要求レベルが高い • 短期でオンボ完了したい • やれるメンバーは不足気味 8 事例1:エンプラクライアントへのオンボーディングに越境
  4. 成功の肝となるエンジニアだからこその越境とは? • 高速要件定義 ◦ エンジニアが直接、ユーザーや開発担当とコミュニケーション ◦ エンジニアだからこそできる進め方 ▪ AsIsヒアリングを飛ばし、ToBeを伝えつつFit&Gap把握 ▪

    Gapについては即時、要望の深掘り〜開発有無や代替案提案など調整 ▪ 議論のオーナーシップを握り続けて、 ユーザー要望と開発スコープの最適化(極力、持ち帰らない) ▪ 後工程での追加要望などにも即対応 (リスクが高いものは前工程でしっかり議論、メリハリつける) • 高速オンボーディング ◦ 基幹システムのデータ解析・分析し、業務論点の把握 ◦ データセットアップ・データ移行も代行 9 事例1:エンプラクライアントへのオンボーディングに越境
  5. 越境の成果は? • KPI達成 • 難しいと思われていた業務 もプロダクトで圧倒的効率 化 どういう状況? • ”紙”データをスキャンし

    て、デジタル化が必要 • 大量の“郵送”業務が必要 • システム化が難しく、成長 するにつれて業務逼迫 • 追い込み時期に集中 • KPI達成にも影響 11 事例2:”スキャン”・”郵送”という物理業務への越境
  6. 成功の肝となるエンジニアだからこその越境とは? • プロダクトに高速にフィードバック ◦ 要件定義などをすっ飛ばして、高速開発 ◦ 効果と開発規模のバランスをとった いい塩梅の機能開発を実行 ◦ 業務フローの見直しや導入支援も実行

    ◦ 脱却が難しいと思われていたスプシ運用も NocoDBを利用して効率化 (エンジニアならではの提案) 12 事例2:”スキャン”・”郵送”という物理業務への越境
  7. 14 プロダクト開発への功(メリット) • ユーザーや業務解像度が上がる ◦ ドメイン知識獲得 ◦ メンタルモデル理解 • デリバリースピードが上がる

    ◦ ディスカバリーやPRDからエンジニアが一気通貫でやれるように ◦ 業務への組み込みまで支援、使われるまでを高速化 ◦ 品質向上・手戻りリスク軽減に • 開発の要否やいい落とし所が判断できるようになる ◦ ”業務を変える”、”機能を作らない”という選択肢 ◦ 本当に必要なモノがわかるようになる 功(メリット)のまとめ
  8. プロダクト開発以外での功(メリット) • 業務を「楽にする」ではなく、「無くす」ことがしやすくなる ◦ Opsを含めて抱え込むことでコントローラブルな世界に • KPI計上のスピードを落とさない・上げられる ◦ 開発スピードが上がるため ◦

    リソース戦略の選択肢が増える • 事業成長へのコミットメントカルチャーの醸成 ◦ 追い込み時期に役割・組織を超えてKPI達成にコミット ◦ プロダクト組織だけではなく、会社全体のカルチャー醸成にいい影響 15 功(メリット)のまとめ
  9. 16 罪(デメリット)のまとめ 開発生産性に悪影響 • ”開発”する時間が減る ◦ 当然だが、開発以外の業務をすることになるので ◦ 損得勘定が成り立っているか? •

    常態化しやすく、複利で厳しくなる ◦ いつかは開発するの「いつか」は来ない • 簡単には現場から抜け出せない ◦ 難易度が高い業務ができやすい ◦ リソース観点だけではなく、CLとの関係性などの観点でも
  10. 17 罪(デメリット)への対策 全体最適を意識した計画的な出口戦略 • 越境は計画的に ◦ 継続重力が強いし、引き継ぐ側も大変、先に期間限定であることを宣言 • 卒業後に備えた取り組み ◦

    卒業を意識しながら業務をやる(属人化させない) ◦ 作業記録、マニュアルなどドキュメントを書いたり、 PRDを書いておいたり、準備や開発しながら業務をする • 本当に越境が悪なのかを考える ◦ 開発できない状況が続くのは辛い でも、価値を創っていることには変わりはない ◦ 事業視座での全体最適を考えられるカルチャー醸成が重要