Google Cloudとo11yで実現するアプリケーション開発者主体のDB改善

2025年3月7日に開催されたJagu'e'r オブザーバビリティ分科会 Meetup#1の登壇資料です。

https://jaguer-o11y-sre.connpass.com/event/343531/

Cloud TraceとOpenTelemetryを中心に、開発者をデータベース改善と、よりミッションにフォーカスしたデータベース改善のアプローチを紹介します。

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1. Google Cloudとo11yで実現する アプリケーション開発者主体のDB改善 株式会社スリーシェイク nnaka2992
2. \du 2 株式会社スリーシェイク Sreake事業部 Alias - nnaka2992 - nkDATE - 中楯直希 業務内容 - DBRE兼SRE見習い - 全人類にデータベースを好きになってもらうために 活動しています - 自称データ雑用係 - DBAでもDBREでもデータエンジニアでも 興味あること - DBをKubernetesにのせること - SREっぽいこと - データベース関連ならなんでも Google Cloud Partner Top Engineer 2025 DataManagementになりました nnaka2992 @nnaka2992
3. アジェンダ 3 • 従来のデータベース監視が抱える課題 • データベースオブザーバビリティのレベル分け • 実際に取得されたトレース（画像） • まとめ
4. 従来のデータベース監視が抱える課題 4 • 従来データベースのパフォーマンス監視はメトリクス監視と スロークエリログでの監視がメイン ◦ データベースはステートフルなため、パフォーマンスが 予測しずらい ◦ パフォーマンス影響が大きくなりやすい
5. 従来のデータベース監視が抱える課題 5 • 従来データベースのパフォーマンス監視はメトリクス監視と スロークエリログでの監視がメイン ◦ データベースはステートフルなため、パフォーマンスが 予測しずらい ◦ パフォーマンス影響が大きくなりやすい 本当にやりたい監視ってそれなの？
6. 従来のデータベース監視が抱える課題 6 • メトリクス監視では偽陽性が発生しやすい ◦ CPU100%・メモリ100%＝悪ではない • スロークエリログでは偽陰性が発生しやすい ◦ 軽いクエリの大量実行を見逃しやすい • 開発リソースは限られている ◦ 問題が発生したもの全てを改善する時間はない※ ※とはいえDBはスケールアウトが苦手なものが多いので、改善し続ける必要はあります
7. 従来のデータベース監視が抱える課題 7 • オブザーバビリティの技術(主にトレース)を用いることでよ りよい改善が可能に ◦ メトリクスやスロークエリに引っかかるものではなくE2E で課題が発生しているものを改善対象にできる ◦ スロークエリによる偽陰性も検知しやすい ◦ データベースが主体じゃなくなることで、開発者の目に 止まる機会が増える
8. データベースオブザーバビリティのレベル分け 8 • 大きく分けると2通り 1. トレースのスパンでデータベースに問い合わせしている ことを表現する 2. 1に加えて、SQLの実行の詳細※も取得する ※実行計画ライクなもの
9. データベースオブザーバビリティのレベル分け 9 1. トレースのスパンでデータベースに問い合わせしていること を表現する • ここまでできれば十分 • OpenTelemetryのライブラリだけで実装可能 ◦ ORMが自動計装をサポートしている場合も ※実行計画ライクなもの
10. データベースオブザーバビリティのレベル分け 10 2. 1に加えて、SQLの実行の詳細も取得する • ここまでできるとほとんどのパフォーマンス改善が可能に • OpenTelemetryのライブラリだけでは実装が難しい ◦ ORMや他ライブラリの支援が必要 ▪ google/sqlcommenter ▪ XSAM/otelsql ▪ ほかにもあれば教えてください • Cloud SQLのSampling Rateで上限があるため、実装してもこのパターン にならない場合もある
11. 実際に取得されたトレース（画像） 11 • よく見てみると全体で2秒かかる処理が見つかる
12. 実際に取得されたトレース（画像） 12 • 詳細に深堀るとN+1のようなクエリを発行していることがわ かる ◦ スロークエリログ ではわからない ◦ ここまで分かれば 誰でも直せる
13. 実際に取得されたトレース（画像） 13 • Cloud SQLのQuery Insightと連携させることもできる ◦ 実行計画のような スパンが出るため、 SQLレベルの改善 も可能 ◦ どこがボトルネック なのか一発でわかる
14. まとめ 14 • o11yを取り入れることでより重要な課題に集中できる ◦ クエリ単位のパフォーマンスで一喜一憂する状態からの卒業 • 開発者がデータベースのボトルネックを改善できる ◦ データベースエンジニアが開発のボトルネックになることも減る • 従来のデータベース監視の方法も引き続き重要