各国が独自の法律や規制を持つ欧州では、国境を越えて情報を共有する際の問題を解決する必要があるため、Catena-X(カテナ-X)やMARKET4.0、Smart Connected Supplier Networkなどデータスペースの構成要素の整備、データの相互運用性に向けたデータ基盤の整備、集約が非常に進んでいる状況にある。これらのデータスペースにはデータ品質やデータマチュリティの向上が欠かせない。
さらに、欧州の製造企業では、オントロジーのような体系的な知識モデルを積極的に採用する傾向が比較的強い。一方、日本の製造企業では、現場の具体的な実務や成果に直結する技術が優先され、オントロジーのような抽象的で長期的な視点を必要とする考え方の導入が欧州ほど進んでいないケースがある。しかしながら、製造業のデジタル化が進むにつれて、オントロジーの重要性は今後、地域を問わず、更に高まるものと考えられる。そのため、デジタル基盤の整備が必要である。
ここでは、独立行政法人 情報処理推進機構 デジタル基盤センター デジタルエンジニアリング部 データスペースグループのデジタル基盤の整備や取組について紹介する。