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新卒でも即戦力になりたい! ~新卒エンジニアがAIを使ってElectronアプリの改善をやって...

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July 23, 2025

新卒でも即戦力になりたい! ~新卒エンジニアがAIを使ってElectronアプリの改善をやってみた~/20250723-ai-endo

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July 23, 2025
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  1. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 2 自己紹介 

    名前 ◼ 遠藤 (25新卒)  所属 ◼ 技術統括本部 プラットフォームサービス開発部 CorporateDX開発第一ユニット OPTiMサスマネ開発チーム  担当業務 ◼ フロントエンド ◼ 最近はElectronを使ったアプリケーション開発業務を担当しています  これまでの開発歴 ◼ 主にC#を使ったゲーム開発・アプリケーション開発 ◼ Webアプリケーションの開発はほぼ初心者 ◼ TypeScriptは書いたことがない!
  2. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 3 製品紹介:OPTiM サスマネ

     SaaS、オンプレミス、ITデバイスを統合的に可視化  管理工数・セキュリティリスク削減ができる国内初のSaaS管理サービスです!
  3. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 6 願いは叶えられたか? ◼

    commit数で言えば先輩メンバーと並ぶことができた! (125 commit) ◼ 調査・実装タスクも(ある程度は)自走できた ◼ 期日にも大きな遅れはなし! 願いは叶っていそう! TL;DR: チームメンバーとのコミット数の比較 (赤枠が遠藤)
  4. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 7 サスマネアプリの技術負債を解消したい(マイグレーションをしたい) ◼コードの全体的なリファクタリングをかけたい

    ◼依存するツールをElectron BuilderからElectron Forgeに変更したい マイグレーション対応での課題 ◼ 修正範囲が大規模 ◼ 情報がかなり不足している技術を扱うため調査が必要なタスクが多い ◼ 知見のあるメンバーが少ない ◼ とにかく人手が必要 自分の動きの方針 ◼ 調査タスクでは、実装例を含む情報を満遍なく拾う ◼ 実装と設計の部分は先輩のフォローを少なくする(チームメンバーの時間をなるべく奪わない) ◼ 実装は人間の手だと工数がかかりそうなのでなるべくAIに走らせる 背景:与えられたタスクと自分の方針
  5. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 8 タスクの課題点 ◼Maker系のビルダーでの署名方法の情報が公式リファレンスを含め殆どない

    ⇨Electron ForgeリポジトリのIssueやElectron Forgeの実装まで調査しに行く必要があった AIをどのように活用したか ◼Perplexity ⚫「広く浅い」情報収集で使用した ⚫ 詳細を確認したいときは提示された引用元のページを確認 ⚫ Deep Research機能はGeminiにお任せした ◼Gemini ⚫ Deep Research機能を使うことで、Perplexityでも拾いきれない情報を調査させる ⚫ Electron Forgeのリポジトリを読みに行かせたりElectronコミュニティのQ&Aなどを調査させて 質の高い回答をさせる 調査タスク:実践!AIと一緒にマイグレーション
  6. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 9 良かった点と悪かった点 ◼

    Perplexityで一通り調べてもらえるので情報収集が短時間で済む ◼ 提示された情報の引用元を見に行くことでファクトチェック ◼ Deep Researchで詳しい情報を幅広く深くまとめてくれる ⚫公式リファレンスで全く説明がなかったことも補足してくれる ◼ ハルシネーションはどうしても起きてしまう ⚫ 情報ソースが少ないせいか結構な頻度で発生した(特にPerplexity) 気をつけた点 ◼入力内容が学習される可能性があるので、社外秘の情報は入力しないようにした ◼Deep Researchを使うときは、調査の対象と期待する結果を明確にして質問した ⚫ 曖昧なゴールを設定した聞き方をすると、Geminiが不必要な情報まで拾いに行ってしまう 調査タスク:実践!AIと一緒にマイグレーション 存在しないオプション
  7. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 10 タスクの概要: Layered

    Architecture によるソフトウェアの再設計・再実装 ◼責任の分離、依存関係を明確にしたい ◼テストの容易性を高めたい ◼可読性と保守性を高めたい 使ったAIツール ◼ Cline (model: Claude Sonnet 4, 3.7) ◼ Claude Code (model: Claude Sonnet 4, 3.7) AIの活用事例 ◼ 依存関係が複雑な既存アプリケーションコードの解説 ◼ Layered Architectureに準拠したコードへのリファクタリング ◼ 自分の設計・実装方針に問題がないかをAIと相談する ◼ 先輩社員にコードレビューをお願いする前にAIに一次レビューをさせる(PR Agent等) 実装タスク:実践!AIと一緒にマイグレーション UI層 アプリケーション層 ドメイン層 インフラ層
  8. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 11 工夫した点 ◼

    実装例を示すことで、AIに方針を理解させる ⇨人間側は例となるケースを1つ実装するだけ。あとはAIが同じ方針で自走してくれる 実装タスク:実践!AIと一緒にマイグレーション 入力したプロンプト(抜粋) : 実装例のファイルを読み込ませる (背景緑:AIが生成したファイル) 人間が書いたのは 5ファイルのみ AIに4倍近くのファイル を書かせて工数削減
  9. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 12 良かった点と悪かった点 ◼

    少量の実装のみで実装タスクが済んだ ⚫ 実装例を見せると概ね方向性が同じ実装をしてくれる ◼ 設計・実装の相談を壁打ちして疑問点や改善点を解消しつつ作業ができた ⚫ 先輩社員には相談ではなく、なるべく壁打ちの結果の最終レビューしてもらう形で作業を進められた ⇨ チームメンバーの時間を奪わない! ◼ 与えたプロンプトの記憶が飛んでしまう ⚫ 実装例とは全然違うコードを書き始めてしまうことがあった ◼ AIが生成した大量のコードのレビュー(承認)作業が大変 ⚫ 実装作業とはまた別の能力が必要そう。コードレビューの筋力を養う必要あり ◼ トークン消費量・利用料金が結構かかってしまった ⚫ 3週間弱で1万4000円分!! ⚫ 曖昧な指示をしてしまい、AIとの無駄なやり取りが発生することがあった 実践!AIと一緒にマイグレーション:実装タスク編
  10. © 2019-2025 OPTiM Corp. All rights reserved. 13 叶えたい願い :

    AIを使うことで新卒でも即戦力になりたい! ◼ AIと協力して実装を進められた(作業量も先輩メンバーと並ぶことができた!) ◼ なるべく他のメンバーの時間を奪わないような工夫 ⇨ ある程度叶えられた! 今後の課題点 ◼ AIにどこまで任せて、どこからを自分が受け持つかを明確にする ◼ プロンプトやツールの使い方にもっと工夫が必要 ⚫ タスクをもっと細かい粒度で分割する ⚫ 絶対に忘れないでほしい指示をタスクの途中で復唱させる ⚫ プロンプトに曖昧性を持たせない。解空間を絞るようなプロンプトを入力する まとめ