ホラクラシーは、従来の階層構造を排除し、より流動的で応答性の高い構造に置き換えることを目指す自己組織化システムです。
yamanecoは昨年5月にホラクラシーの憲法をラティファイし、実践を始めました。
当時は様々な組織課題を抱えておりましたが、特に以下の事象を解消しようとしていました:
- 意思決定が遅い:トップダウンではなくフラットな組織を独自で作っていこうとしてきたが、何を決めるにも全員の合意を取らなければならない(コンセンサス)文化になってしまい、結果として話すことばかりに何も決められないチームになりかけていた。
- 責任権限の範囲が不明瞭:この仕事はどこまで決めていいのかわからないのでやること自体が負担とリスクと感じてしまう。よってやらない選択が優位になり、モチベーションが低下する。
- 会社の運営が属人化且つブラックボックス化している:一人から始まった会社だが、多少の運営業務を移譲したものの、組織全体からして見えてこない重要な部分はまだ多く残っていた。そういった部分が新しい挑戦やイノベーションなどを阻害する結果につながっていた。
まさにホラクラシーが解決しようとしているような課題ですので我々としては大いに期待していましたし、ちょうど仕事が少ない時期だったので、「今ガチで変わらなければいつ変わるのだ!」というスタンスで取り込みました。
1年経過してふりかえってみると、途中でいくつかの試練があって大変なみちのりでしたが、上記の課題がだいぶ解消されてきたので、やってよかったと思います。
ただそれだけではなかった!
自分たちの採用プロセスを2年ぶりに回そうとしたら、「このままではいけない!」と気づきました。
ホラクラシーをやっているので、自由度が高い分、会社やチームに求められる行動や貢献も大きくなりました。そしてかなり明確になりました。
それをきっかけに採用プロセスの見直しに挑みました。
今回のセッションでは採用プロセスの見直しで我々が(再)発見した大事なこととそれらをどうやって取り込んだかについて紹介します。
- 求めるものよりも求めないもの明瞭化を ー> 「The Scare Them Away Letter」(応募者を追い返す勢いで接すする)
- コンピテンシーやソフトスキルよりも文化と価値観の共有を ー> 「Culture fit and expectation alignment first」(コンピテンシー面接は一番最後にやる)
- プロセスや評価基準よりも実際に業務で関わる人々の判断を ー> 「If one says No, it's No」(面接に参加したメンバーの一人の判断でも中止させることができる)
- 応募者の適正検査よりも相互的な未来探索を ー> 「Create opportunities for mutual evaluation」(素の自分たちの仕事の姿と社風を見せて応募者にもたくさんの判断材料を渡す)
https://confengine.com/conferences/scrum-fest-osaka-2024/proposal/20194