はじめての開発全体会議 ～まずは４回やってみた～

『経験は宝の山！失敗から学ぶ持続可能な組織作り【EM Oasis #6】』（2024年10月31日）の登壇資料です。
当社で2024年6月より開催を始めた『開発全体会議』の運営を通して得た反省、学びについて発表しました。

Transcript

1. はじめての開発全体会議 ～まずは４回やってみた～ かねこ さい 金子 冴 株式会社Faber Company
2. ５ はじめての開発全体会議 ～まずは４回やってみた～ かねこ さい 金子 冴 株式会社Faber Company 数え直したら …
3. 自己紹介 おなまえ： 金子 冴（かねこ さい） やくわり： 自称ＥＭ すきなことば： 組織効力感 3/38
4. この登壇発表の反省 ① 運営の方との連携はちゃんと取りましょう 発表内容の共有が遅れてすみません󰢙 ② スライドの枚数が多すぎる １０分で３８枚 4/38
5. 概要 当社では２０２４年６月から、全開発者に向けた 『ハンズオンMTG』を始めてみました。 これまで５回実施した反省と工夫、その顛末を紹介します。 お悩み相談会のネタ（あわよくばお悩み解決のヒント）になれば幸いです。 5/38
6. 前提① 開発メンバーの構成 当社にはベトナム支社（100%子会社）があり、メインプロダクトの実装作業は 主にベトナムメンバーが担当。 6/38
7. 前提① 開発メンバーの構成 ４ 当社にはベトナム支社（100%子会社）があり、メインプロダクトの実装作業は 主にベトナムメンバーが担当しています。 7/38
8. 前提① 開発メンバーの構成 ２５ ４ 当社にはベトナム支社（100%子会社）があり、メインプロダクトの実装作業は 主にベトナムメンバーが担当しています。 8/38
9. 前提② コミュニケーション ブリッジエンジニア不在のため、 すべてのコミュニケーションは英語で。 （英語のレベルは人それぞれ） 9/38
10. いままで：『スピード』を重視した開発 10/38
11. これから：『質』と『スピード』を両立した開発 11/38
12. 全員の目線を同じ方向に向けるために 開発全体会議をしよう！！！！ 12/38
13. 第１回（２０２４年６月１７日） 13/38
14. 第１回：目標 主体的/自発的に事業に貢献できる開発組織になるため、 『会社の理念』と『新しい決まり事』をインプットしよう！ 14/38
15. 第１回：ミッションとステートメント PURPOSE：会社の経営理念 MISSION：開発組織が生み出すべき貢献 STATEMENT：開発組織の一員としてあるべき行動 （GW） 明日から心がける行動を３つ挙げて、みんなに宣言しよう 15/38
16. 第１回：工夫 ① 英語だと伝わらないかもしれない ⇒ ベトナム語で説明 ② こちらから話すだけだと浸透しなさそう... ⇒ グループワークをやってみよう 16/38
17. 第１回：結果 イマイチ 伝わらず 17/38
18. 第１回：反省 ① 意義の欠落 そもそも『今、なぜこれを考えるのか』をしっかり伝えていなかった ② 情報量が多すぎる ２０分で４５枚のスライド（？？？？） 題材が抽象的なのに、急いで話して「はい、グループワークして」は厳しい 18/38
19. 第２回（２０２４年７月８日） 19/38
20. 第２回：目標 （反省）意義を説明したうえで、 （目標）『開発生産性』を測定・評価する方針を共有 20/38
21. 第２回：開発生産性の測定・評価 我々の開発が安定しているかの監視指標として、変更リードタイムを測定する 定義は『初回コミットからブランチのマージまで』 全チーム統一の指標とするため、ブランチ戦略をGitflowに統一 （ＧＷ） 現在の変更リードタイムを確認し、 数字を安定させるために今日からできる行動例を話し合おう 21/38
22. 第２回：結果 いい感じ 22/38
23. 第２回：反省 意義を伝えることが大事 グループワークの議題を具体化したことで、 そこで出てくる意見も具体度が高まった（以下、一例） - レビュー待ち状態で長時間経過するPRがあるので、優先順位を『チーム』or 『実装者とレビュワー間』で事前に調整しておく - ChatGPTなどを用いてテストケースの漏れがないか事前に確認する - ペアプログラミングを導入する 23/38
24. 第３回（２０２４年８月７日） 第４回（２０２４年９月１１日） 24/38
25. 第３/４回：目標 （継続）意義を説明したうえで、 （目標）開発３ヵ年目標を共有（第３回）＋議論（第４回） 25/38
26. 第３回：開発３ヵ年目標の共有 短期プロジェクトの遂行は素早くこなせる組織になっている 中長期（～３年）で、その良さを伸ばしつつ、『質』も上げていこう そのために４つの目標を定義したので、まずは全員の理解を合わせよう （ＧＷ） ４つの目標のうち、自分が貢献したいと思う１つを選んで、 同じ目標を選んだ人と一緒に『どういう指標を追えばいいか』を考えよう 26/38
27. 第４回：開発３ヵ年目標の議論 前回のＧＷの結果から、各目標の『３/６ヵ月、１/２/３年』の指標を選定した 自発的な活動を習慣化していくために、具体的なアクションプランは各チームに お任せする方針である、ということを伝える （ＧＷ） 改めて貢献したい目標を自分で選んで、 チームのメンバーと一緒にリーダーを選出し、 指標の達成に向けたロードマップを全員で描こう 27/38
28. 第４回：工夫 ① （継続）ベトナム語のスライドを準備 ② （継続）情報量を減らす＆グループワークの議題を具体的に ③ 貢献する目標・アクションプランを『自分で』選んでもらう ⇒ 自発的な決定は、自発的な行動の基盤になる 28/38
29. 第３/４回：結果 いい感じ part 2 29/38
30. 第３/４回：反省 意義を伝える＋抽象的な話は十分な時間を確保する 焦って伝えたことで生まれた『他人ゴト感』を払拭するのは難しい 本当に伝えたい、理解してほしいときは『事前準備』と『時間』を確保する 自分で決めてもらう 主体的/自主的になるかどうかは、裁量の大きさに依る（諸説あり） リーダーは『定量指標』だけを決め、メンバーに『戦略』を決めてもらう （＋責任の所在を明らかにする：指標の未達はリーダーの責任、行動の未達はメンバーの責任） 30/38
31. 第５回（２０２４年１０月２８日） 31/38
32. 第５回：目標 ① 『お金』を事業部側との共通言語にする方針を共有 ② 中長期目標の達成状況を、各リーダーから報告 32/38
33. 第５回：『お金』を共通言語に＋３ヵ年目標 進捗 開発組織が事業に貢献できているか、どのくらい貢献しているかを示すため、 ビジネス側との共通言語として『お金』で語れる組織を目指す そのために『誰が』『どのプロジェクトに』『どのくらい時間を使ったか』の 測定をより精密に実施していきたい、協力してほしい 具体的な方法についてはＰＯ（プロダクトオーナー）から説明します 33/38
34. 第５回：『お金』を共通言語に＋３ヵ年目標 進捗 前回定めた開発３ヵ年目標の進捗について、 各チームのリーダーから全メンバーに報告をしてもらいます - 現在の達成状況（進み/遅れ） - 実施した行動、次の会議までに実施する予定の行動 - 進み/遅れの要因と、継続/改善に向けたアクションプラン 34/38
35. 第５回：工夫 ① 他のメンバーにも参加を促し、発表してもらう ② 自分（のチーム）の成果を全体に報告する場を設ける ⇒ 測定されるものは管理される --Peter Drucker– 注：遅れを非難する場にならないよう、事前に一言添える 35/38
36. 第５回：結果 いい感じ だけど発表者は … 36/38
37. 第５回：反省 協力してくれる発表者への動機づけが足りていなかった 発表者『ハンズオンでこれを話す意義はわかる、でもなぜ自分が...？』 『なぜこれを話してほしいのか』だけではなく、 『なぜ今回、これを[[あなたから]]話してほしいのか』を伝える • よりメンバーと密接に関わっている、あなたから伝えてほしい • このプロジェクトを主導するリーダーの言葉として、全員に伝えてほしい • 今後、他のメンバーにも発表してもらうため、あなたに先陣を切ってほしい 37/38
38. 今後の展望 メンバーが自主的に『発表したい』と思える会議づくり ↓ より幅広いトピック（技術、興味関心など）への展開 ↓ （発表者が増えてきたら）ＬＴ会/勉強会に派生 38/38
39. まとめ ① 意義を伝える ② 抽象的な話題には時間を使う（適宜、グループワークを導入） ③ 仲間（発表者）を増やすための仕組みを導入する 39/38
40. https://herp.careers/v1/fabercompany/ 404Cvn4bIVdO