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KMP導⼊において、マネジャーとして考えた事

 KMP導⼊において、マネジャーとして考えた事

■ イベント
食べログ x ANDPAD x Sansan モバイル勉強会 #3
https://andpad.connpass.com/event/350366/

■ 発表者
技術本部 Sansan Engineering Unit Mobile Applicationグループ
赤城 史哉

■ iOS エンジニア 採用情報
https://media.sansan-engineering.com/ios-engineer

■ Android エンジニア 採用情報
https://media.sansan-engineering.com/android-engineer

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SansanTech

May 29, 2025
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  1. ⾚城 史哉(Fumiya Akagi) Sansan株式会社 技術本部 Sansan Engineering Unit/Mobile Application Group

    前職ではAndroidアプリの受託開発に従事。 2019年にSansanに中途⼊社し、Sansan Androidアプリの開発・ 運⽤を担当。 直近数年は、Sansan Mobileアプリ開発チームのマネジメントを ⾏っている。 X: @ginyolith_tech
  2. © Sansan, Inc. Sansan株式会社 会社概要 「Sansan」に込めた想い “San”(〜さん)は、英語の“Mr.”や“Ms.”にあたる 「⼈」を象徴する⾔葉です。 Sansanは、⼈と⼈、そして出会いを表します。 “世界を変える出会い”を⽣み出したい。

    ⾚いラインには、そんな想いがこめられています。 Sansan Bill One Contract One Eight 主な提供サービス 2007年6⽉11⽇ 71億30百万円(2025年2⽉28⽇時点) Sansan神⼭ラボ Sansan Innovation Lab Sansan⻑岡ラボ Sansan Global Pte. Ltd. (シンガポール) Sansan Global Development Center, Inc. (フィリピン) Sansan Global (Thailand) Co., Ltd.(タイ) ログミー株式会社 株式会社ダイヤモンド企業情報編集社 クリエイティブサーベイ株式会社 株式会社⾔語理解研究所 設⽴ 資本⾦ 本社 関⻄⽀店 福岡⽀店 中部⽀店 拠点 サテライト オフィス グループ会社 東京証券取引所 プライム市場 上場証券取引所 働き⽅を変えるDXサービスの企画・開発・販売 事業 寺⽥親弘 代表者
  3. © Sansan, Inc. 出会いから イノベーションを⽣み出す いつの時代も、世界を動かしてきたのは出会いです。 ⼈と⼈、企業と企業、 その出会いの連鎖が社会を前進させます。 私たちは出会いが持つ可能性を再発⾒し、 未来につなげることでビジネスを変えていきます。

    イノベーションにつながる新しい出会いを⽣み出す。 出会いの⼒でビジネスの課題にイノベーションを起こす。 そして、ビジネスの出会い、そのもののあり⽅を変えていきます。 Mission 会社概要
  4. 働き⽅を変えるDXサービス サービス 請求 ⼈や企業との出会いをビジネスチャンスにつなげる「働き⽅を変えるDXサービス」を提供 ビジネスフローにおけるさまざまな分野でサービスを展開 営業 営業DX 契約 契約DX 経理DX

    法⼈向けDX 必要な情報を すぐに⾒つけられる 情報の管理がしやすく すぐに共有できる 情報を分析・活⽤しやすく データに基づいた判断ができる SansanのDXサービスの活⽤で変わる働き⽅ 名刺管理 名刺DX 個⼈向けDX
  5. - 2023年10⽉: ⽣産性向上を⽬的とした、KMP導⼊の検討開始 - 2023年11⽉: KMP導⼊の決定 - 2023年12⽉〜2024年4⽉: 基盤開発および設計 -

    2024年4⽉〜5⽉: トレーニング期間 - 2024年6⽉: プロダクション環境での開発開始 - 2024年8⽉: KMPを使⽤した機能が初リリース - 2025年3⽉: Polyrepo構成からMonorepo構成に移⾏ Kotlin Multiplatform導⼊のタイムライン
  6. - SansanアプリにおけるKotlin Multiplatform導⼊の効果と アーキテクチャ紹介 - Sansan Mobile iOS/Androidエンジニア全13名でKotlin Multiplatform導⼊ に向けた開発演習を実施しました

    - 【Sansan Tech Talk】モバイル開発の技術的挑戦 〜KMP導⼊で⽬指す開 発⽣産性の向上〜 SansanのKMP導⼊に関するTech Blog
  7. - 2023年10⽉: ⽣産性向上を⽬的とした、KMP導⼊の検討開始 - 2023年11⽉: KMP導⼊の決定 - 2023年12⽉〜2024年4⽉: 基盤開発および設計 -

    2024年4⽉〜5⽉: トレーニング期間 - 2024年6⽉: プロダクション環境での開発開始 - 2024年8⽉: KMPを使⽤した機能が初リリース - 2025年3⽉: Polyrepo構成からMonorepo構成に移⾏ 今⽇話す内容
  8. KMP導⼊のリターン/リスク(組織観点) リターン(期待される効果) - 採⽤広報での訴求⼒向上(モダン技術への挑戦) - エンジニアの成⻑機会の創出(新技術の習得) - iOS/Android エンジニア間のナレッジ共有 リスク(想定された問題)

    - 知⾒の属⼈化(特定メンバーへの集中) - ボトルネック化(KMP担当者に負荷集中) - 技術選定の背景が⾵化し、陳腐化時に対応困難 - 学習不⾜で導⼊後に⾼いキャッチアップコストが発⽣
  9. リターンの損失 / リスクの顕在化 シナリオ を防ぐために 1. 導⼊準備が⻑引く中で、熱が冷めていく a. OKRとして組織の重要⽬標に位置付け、開発リソースの投下を⾏う 2.

    ⾃然に偏りが⽣まれ、挑戦と共有の場が閉じていく 3. 設計と技術選定の背景が失われ、“柔軟に⼿を加えられない状態”に
  10. OKRの威⼒ 1. 優先事項を決め、有限なリソースを今注⼒すべき事に フォーカスさせる事で、成果を最⼤化させる 2. 事業⽬標・隣接組織・上位組織と⼀定同じ⽅向性の⽬標を設定する事 で、部署間での連携を⽣む 3. ⽬標に対しての進捗をトラッキングする事で、 責任を明確にし推進させる

    4. 組織としてコンフォートゾーンを抜け出し、120%の成果を出す。その事 により、コンフォートゾーンにとどまっている競合を追い抜き、突き放 す 出典: ジョン・ドーア; ラリー・ペイジ. Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功⼿法 OKR (⽇本経済新聞出版)
  11. OKRの威⼒ 1. 優先事項を決め、有限なリソースを今注⼒すべき事に フォーカスさせる事で、成果を最⼤化させる 2. 事業⽬標・隣接組織・上位組織と⼀定同じ⽅向性の⽬標を設定する事 で、部署間での連携を⽣む 3. ⽬標に対しての進捗をトラッキングする事で、 責任を明確にし推進させる

    4. 組織としてコンフォートゾーンを抜け出し、120%の成果を出す。その事 により、コンフォートゾーンにとどまっている競合を追い抜き、突き放 す 出典: ジョン・ドーア; ラリー・ペイジ. Measure What Matters 伝説のベンチャー投資家がGoogleに教えた成功⼿法 OKR (⽇本経済新聞出版)
  12. As-Is - 各OS担当のエンジニアはそれぞれの OSのみが関⼼毎となっている - 他OSの仕様について分からない事が あったら、 他OS担当のエンジニアに聞く To-Beとのギャップを考える To-Be

    - モバイルエンジニアは、それぞれ に軸⾜を置くOSがありつつも、 当たり前にiOS/Android/KMP の コードを読み・開発できる ギャップ - KMPの開発スキルと⾃信の獲得 - iOS/Android/KMP のコードを読み・開発する機会
  13. KMP キャッチアップを実施(開発演習) - オフラインでのキャッチアップ会を実施 - 「Kotlin Multiplatformを使って仕事として開 発していく事に、⾃信を持っている状態と なる。」を⽬指した。 -

    擬似的なPBIを書き、 2⽇間での開発を実施 - “進捗感” を全員で共有し、KMPを プロダクションに導⼊できる⾃信を チーム全員で得た
  14. ⽬指す組織像から逆算して、チームを設計する Team Topologiesを参考に、 各チームがKMP/iOS/Android全ての開発を責務となるように Before iOS Team Android Team After

    Product Growth Dev Product Growth Dev Android App iOS App 開発 開発 Mobile App(iOS/Android/KMP) 開発 開発 Architecture Team ⽀援
  15. ⽬指す組織像から逆算して、チームを設計する Product Growth Devチーム - 機能開発を⾏う - ≒ ストリームアラインドチーム -

    チームの裁量で、どのエンジニアが どのOSの開発を⾏ってもOKとした - 設計/コードレビューで品質は引き続き担保 Architecture & OPS チーム - 設計や運⽤観点で統制を取る - Product Growth Devチームの⽀援を⾏う - ≒ プラットフォームチーム、 イネイブリングチーム Product Growth Dev Product Growth Dev Mobile App(iOS/Android/KMP) 開発 開発 Architecture&Ops ⽀援
  16. ▪ 書籍・出版物 - マシュー・スケルトン、マニュエル・パイス(2021)『チームトポロジー:チームトポロジー 価値あ るソフトウェアをすばやく届ける適応型組織設計』⽇本能率協会マネジメントセンター - ⻑村 禎庸(2021)『急成⻑を導くマネージャーの型』技術評論社 -

    ジョン・ドーア(著)、ラリー・ペイジ(序⽂)(2018)『Measure What Matters:伝説のベンチャ ー投資家がGoogleに教えた成功⼿法 OKR』⽇本経済新聞出版 - P.F.ドラッカー(2001)『マネジメント[エッセンシャル版]』ダイヤモンド社 - マイケル・キーナン(原著)『Design It! ソフトウェアアーキテクトのための問題解決ガイド』オライ リー・ジャパン ▪ ウェブ・オンライン情報 - Wikipedia contributors. (n.d.). Conway's law. Wikipedia. https://en.wikipedia.org/wiki/Conway%27s_law 参考資料 References