Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
新ラボ生向けチュートリアル:文献調査(サーベイ)の仕方
Search
S.Shota
April 13, 2018
Research
0
1.1k
新ラボ生向けチュートリアル:文献調査(サーベイ)の仕方
2018年4月13日の新ラボ生向けチュートリアルで使用した資料です.
S.Shota
April 13, 2018
Tweet
Share
More Decks by S.Shota
See All by S.Shota
[ICLR/ICML2019読み会] Adaptive Stochastic Natural Gradient Method for One-Shot Neural Architecture Search
satuma777
2
3.1k
論文紹介:Neural Architecture Search with Bayesian Optimisation and Optimal Transport [Kandasamy et al., NIPS 2018]
satuma777
0
1.1k
Path-Level Network Transformation for Efficient Architecture Search (ICML2018読み会)
satuma777
5
1.2k
論文紹介:Efficient Architecture Search by Network Transformation [Cai et al., AAAI-2018]
satuma777
0
1k
編入試験への準備と編入後の生活 (Ver.2018)
satuma777
0
780
The beautiful world of evolutionary computation made by probability and statistics
satuma777
0
1.2k
論文紹介:Gradient Boosted Feature Selection
satuma777
0
1.1k
論文紹介:Neural Architecture Search with Reinforcement Learning
satuma777
0
1.6k
論文紹介:Speeding up Automatic Hyperparameter Optimization of Deep Neural Networks by Extrapolation of Learning Curves
satuma777
0
1.1k
Other Decks in Research
See All in Research
Embers of Autoregression: Understanding Large Language Models Through the Problem They are Trained to Solve
eumesy
PRO
7
1.2k
Composed image retrieval for remote sensing
satai
2
130
ダイナミックプライシング とその実例
skmr2348
3
480
日本語医療LLM評価ベンチマークの構築と性能分析
fta98
3
790
国際会議ACL2024参加報告
chemical_tree
1
360
文書画像のデータ化における VLM活用 / Use of VLM in document image data conversion
sansan_randd
2
320
新規のC言語処理系を実装することによる 組込みシステム研究にもたらす価値 についての考察
zacky1972
1
270
The Relevance of UX for Conversion and Monetisation
itasohaakhib1
0
120
ニュースメディアにおける事前学習済みモデルの可能性と課題 / IBIS2024
upura
3
680
RSJ2024「基盤モデルの実ロボット応用」チュートリアルA(河原塚)
haraduka
3
700
研究の進め方 ランダムネスとの付き合い方について
joisino
PRO
56
20k
Weekly AI Agents News! 9月号 プロダクト/ニュースのアーカイブ
masatoto
2
170
Featured
See All Featured
Designing on Purpose - Digital PM Summit 2013
jponch
116
7k
The Invisible Side of Design
smashingmag
298
50k
The Cost Of JavaScript in 2023
addyosmani
45
7k
We Have a Design System, Now What?
morganepeng
51
7.3k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
335
57k
The Language of Interfaces
destraynor
154
24k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
410
22k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
305
110k
Fontdeck: Realign not Redesign
paulrobertlloyd
82
5.3k
The Art of Delivering Value - GDevCon NA Keynote
reverentgeek
8
1.2k
Building an army of robots
kneath
302
44k
RailsConf 2023
tenderlove
29
940
Transcript
横浜国立大学 環境情報学府 情報メディア環境学専攻 情報メディア学コース 白川研究室 修士2年 斉藤 翔汰 2018年4月13日 新人研修
文献調査(サーベイ)の仕方
本研修の目的 2 「文献」の性質や種類を把握し, その入手方法・探し方・読み方を理解する
文献/文献調査とは 3
文献とは 4 • 研究資料となる筆録または印刷された文書・ 書物 [広辞苑第六版「文献」②より] • 現在ではWeb経由での配布が主流 • 書籍,学術論文,学位論文など(後述)
文献調査(サーベイ; Survey)の意義 5 何がどこまで実現されている のかを明確にし,自分の研究 の新規性を見出すため 「車輪の再発明」 をしないために 「巨人の 肩の上に立つ」
研究テーマの関連分野や 興味のある領域の動向を把握し, 貢献できる部分を探すため
文献の種類 6 • 一般的には査読がある文献のほうが高信頼 • 信頼のおける文献を調べ,適切に引用する ことで自身の研究における土台を構築 学会誌・論文誌(査読あり) 国際会議予稿集(査読あり/なし) 国内全国大会・研究会技術(研究)報告
(査読なしが多い) 信頼度 低 高
査読 (Peer Review) とは 7 • 論文を公表する際に行う事前審査のこと • 誤りの訂正や質の向上が目的 •
同じ分野の研究者が評価 • 論文誌・国際会議ごとに査読の厳しさは異なる • 特に論文誌は査読が2回以上行われるため, 一般的に高信頼な文献として扱われる • 国際会議の予稿はたいてい1回
論文誌 (Journal, Transaction) 8 • テーマに沿った論文が中心 • 信頼のおけるサーベイ論文なども掲載 • ページ数制限が緩い
• 学会や出版社が出版元となる
国際会議予稿集 (Proceedings) 9 • 国際会議ごとの予稿をまとめたもの • レベルの高いものから低いものまで様々 • ページ数制限がある(大半は8ページ程度) •
基本的には査読ありだが,形態は様々
国内全国大会・研究会技術(研究)報告 10 • 全国大会・研究会ごとに研究内容をまとめた もの • 研究報告の例: • 情報処理学会研究報告 •
電子情報通信学会研究報告
テクニカルレポート/学会誌 11 • 学会誌: • 学会が発行する雑誌・解説記事などが主体 • Communications of the
ACM, 情報処理学会誌 など • テクニカルレポート: • 組織や個人がまとめたレポート • 通常は査読なし
arXiv(プレプリントサーバ)について 12 • 査読前や出版前の論文を公開するのが目的 • 研究動向を知るのには有益 • 有名国際会議(ICMLやNIPSなど)に 投稿中の論文も数多く登録される •
その後採択されたかはチェックする必要あり • arXivのコメント欄を確認(Accepted to ICML などと書かれていたりする) • 筆者の個人サイトや学会のサイトを確認
arXiv(プレプリントサーバ)について 13 • 査読なしで登録 • 信頼性が低い論文も存在するということ • arXivの文献をなかったことにはできない • 必要があれば適切に引用する必要がある
文献の探し方 14
文献探しのフローチャート 15 文献の詳細がわかる 研究室にある or インターネットで手に入る 文献GET!! 図書館で取り寄せる 購入してもらう 先輩・教員に聞いてみる
キーワード検索 関連しそうな学会・論文誌を調べる 英語文献も調べる yes no yes 分からない 見つかった 見つからない no
まずはインターネットで検索 16 • Google Scholar,Elsevier ScienceDirect, Springer Link,IEEE Xplore, ACM
Digital Library,CiteseerX, CiNii,J-STAGE,… • 基本はGoogle Scholar,国内ならJ-STAGE • 学会員でないとダウンロードできない場合も
他の探し方 17 • 研究室で探す • 書棚(学位論文,専門書など) • 図書館で借りる・コピーする • OPAC(蔵書検索)を使って調べる
• ILLによる文献の取り寄せ
主要な論文誌・国際会議から探す 18 • 論文誌の指標:インパクトファクター(Impact Factor; IF) • IFはその論文誌に乗った論文が平均的にどの 程度引用されているかの指標 •
国際会議の指標:CORE Conference ranking • IFや会議のランクが高いからといって,論文のレ ベル・完成度が必ず高いとは限らない • あくまでレベル・完成度の高い論文の「割合」が高くな るイメージ
継続的な文献調査の勧め 19 • 人工知能をはじめとする情報処理技術分野 は,研究スピードが年々加速 • 継続的に文献調査をする癖を付けておく • 主要な国際会議(自分の研究に関連する国際 会議)の予稿集が出たら,網羅的にチェック
• 国際会議は年に1回などで追いやすい • 論文誌のサイトをRSSリーダに登録しておく
文献の読み方 20
一般的な(工学系)論文の構成 21 1. 要約,概要,アブストラクト (Abstract) 2. 導入,はじめに (Introduction) • 研究背景や研究目的,モチベーションを記述
3. 関連研究 (Related Works) • これまでに行われてきた様々な研究を記述 4. 提案手法 ,提案システム (Proposed Method) • 自身の研究によって得られた新しい手法, アプローチ,その新規性を記述
一般的な(工学系)論文の構成 22 5. 評価実験,考察 (Experimental Results) • 提案手法の性能評価,従来手法との比較, 統計的有意性の検証および考察を記述 6.
まとめ,今後の課題 (Conclusion) 7. 参考文献 8. 付録 要点をつかむだけなら 全て精読する必要はない
サーベイ時の論文の読み方 23 • アブストラクト・結論で新規性・実用性・貢献 は概ね把握できる • ここまで読んでまったく関係ないと思えば, 読むのをやめて次の論文へ • 実験結果は,図表とキャプション
→ 文章の 順で読むと把握しやすい アブ スト 評価 実験 提案 手法 導入 関連 研究 まとめ
関連が深い論文の読み方 24 • 使用したアルゴリズムや理論を把握できる まで深く読む • 提案手法の前提条件,問題点を考察 • 提案手法の対象は? 改良できる点はどこ?
• 重要な参考文献,関連研究を調査 • 特に理論に関する参考文献は重要 • 参考文献の参考文献まで見れるとよい • 同じ著者,著者と同じ研究室の人まで掘り下げる
読んだ論文は整理しておくこと 25 • 基本的に読んだ論文は全て保存しておく • 紙媒体あるいはPDFファイル等で • 文献管理ソフト(Mendeleyなど)を活用 • Mendeley
Web Importer (ブラウザアドオン) を使うとすぐにダウンロード&登録ができる • 良く見る(=コア技術)は紙媒体, それ以外はPDFで保存しておくのが高効率
卒業研究に向けて 26 • 自分のやりたい研究テーマの論文を探す • 検索キーワードがわからないときは, 先輩・教員にオススメの論文を聞いてみる • 数本読んだらまとめ・考察をしてみる: •
そのテーマで今まで行われてきたことは? (その分野が解こうとしている問題はなに?) • 従来手法における問題点はなに? • 自分だったらどういうアプローチで解決する?
参考文献 27 • 工学系大学4年生のための論文の読み方, https://www.slideshare.net/ychtanaka/ 4-89034938 (2018/04/12 アクセス), 田中雄一(東京農工大学) •
研究分野をサーベイする, https://www.slideshare.net/iToooooooo ooooT/itolab-how-to-survey-2017 (2018/4/12 アクセス),伊藤研究室(お茶 の水女子大学)