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伝わる「壁面グラフィック」の構成方法/展示会ブースの壁面デザイン手法

 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法/展示会ブースの壁面デザイン手法

展示会ブースにおける壁面デザインには独自の考え方があります。
それは、2次元の紙媒体とは異なり、3次元、つまり空間デザインであること。
どの位置から見るか、どんな状況下で見るか、などその場所・状況によってデザインは変わってきます。そんな展示会のグラフィック構成のポイントを解説。

NAOHISA TAKEMURA

October 10, 2024
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Transcript

  1. SUPER PENGUIN EXHIBITION BOOTH DESIGN 伝わる「壁面グラフィック」 の構成方法 「伝える」を目的にする SUPER PENGUIN株式会社

    代表取締役/展示会デザイナー 竹村尚久 EXHIBITION BOOTH DESIGN www.superpenguin.jp 展示会ブース
  2. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    7 壁面グラフィック検討時の「前提条件」 来場者は、基本、「読んでくれない」 01 POINT 読んでも数秒から数十秒。その後は「出展者が声がけ」をする つまり、「読めない」と言っても過言ではない
  3. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    8 壁面グラフィック検討時の「前提条件」 「書き込む」ことが目的になってしまっている 多くの出展社が、A1パネルや壁面のデザインを検討する際に、「その場所」に書き込むことが目的になってしまっている、と感じていま す。そして、何を書きこみ、何を書かないかに悩み、結果として詰め込み過ぎ、という状況になってしまっています。しかし、そのように詰 め込めるだけ詰め込んだところで実際に展示会場ではどのくらいの方は読んでいるのでしょうか。これまで展示会のご経験が多い方 ほど共感していただけるかと思いますが、ほとんどの出展社は読んでいても10秒から数十秒程度です。もし、1分以上も読んでいる方 はいれば、大抵の場合出展者スタッフがお声がけしています。つまり、多くを壁面に書き込んだところで、読んでくれない、というより 「読めない」というのが実際のところ、というべきかもしれません。では、壁面グラフィックをどのように構成するべきなのでしょうか。
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    9 「伝える」を目的にする 02 POINT 「壁面に書く」ことを目的にせず、来場者に「伝える」ことを目的に、と考える 「伝える」ことを目的にすると、壁面だけに頼る必要がないことに気が付く 壁面グラフィック検討時の「前提条件」
  5. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    12 壁面グラフィック検討時の「前提条件」 「伝えること」を目的にすると、別の手法が見えてくる 壁面に「書き込むこと」を目的にせず、「伝えること」が目的、と考え直すと、なにも壁面への書き込みだけで考える必要がないことに 気が付きます。例えば、みなさんが、営業の方は日頃使用されているパワーポイントなどの営業用資料。これを使ってももちろんかま わないわけです。また、頻繁に使う図や写真は、手で持つパネルにしておいて来場者に説明する際に手で持って指し示す、という方法 もあります。また、複雑な図や難解な文章は、後でじっくりと読んでいただくために、事前にコピーをしておいて興味を持った来場者に お渡しする、という方法もあります。このように、ただ壁面に書き込むだけよりも、伝えることを目的として考え直すと様々な方法を併用 すればよいことに気が付きます。大切なことは「伝えること」。是非、様々な方法を試してみてください。
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    13 「設え」全体で、伝える 03 POINT 壁面はシンプルに要点のみ記載でもOK 日頃の営業用資料を持参したり、要点を「手持ちパネル」にするのも効果的 壁面グラフィックの構成方針
  7. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    14 壁面グラフィックの構成方針 出展社がいる前提で、指し示すように「最小限」のみ書き込んだ壁面 日頃のパワーポイント資料(営業資料)をファイル化して設置 頻繁に使用する図はパネル化して「手持ちパネル」として活用 壁面の書き込みだけでなく、様々なものを活用して「伝える」
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    15 壁面グラフィックの構成事例 展示会ブースはまず「引き寄せる」ことを考える 通路際の展示台を「引き付ける機能」、奥を「詳細説明の場所」として計画 引き寄せることを目的にした壁面構成 プレゼンテーション キャッチの言葉 キャッチの言葉 詳細説明 導入説明
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    16 壁面は「引き寄せる」ことと、概要のみを説明するようにデザイン 詳細の説明は、展示台上に日頃活用している「営業資料」をバインダーに閉じて広げておいておく 引き寄せることを目的にした最小限の書き込み A5サイズカード(引き寄せ目的) A5サイズカード(引き寄せ目的) 手持ちパネル 手元バインダー 手元バインダー A5サイズカード(引き寄せ目的) 壁面グラフィックの構成事例
  10. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    18 壁面グラフィックの 構成を考える際の 3つの方針 壁面グラフィック「3つの構成方針」 1.来場者に「読んでもらう」ための「読みもの」として 2.出展社が説明する際の「補足説明資料」として 3.ブースの「印象」をつくる「デザイン要素」として 一般的なデザイン方法です。しかし、いろいろと書き込んでも読んでもらえないこともしばしば。このよう な「読んでもらう」まとめ方は、出展社スタッフが立っていない「無人の場所」に設けると効果的です。 敢えてスタッフが立たないようにし、気兼ねなくじっくり読んでもらうような場所をつくるのもお勧めです。 出展社スタッフが常にいる環境の場合、「来場者に読んでもらう」のではなく、スタッフが説明する時に 使用する「説明資料」を壁面に掲げておく、という方法もあります。この場合、細かな記載は必要なく、 スタッフが説明時にあってほしい便利な図やキーワードを並べておくので十分活用可能です。 ブース全体の印象を整えることは、集客にも重要な影響を及ぼします。この「印象をつくる」ために、 ブース内にはシンプルに「デザイン性」をつくるために設けるグラフィック要素もあります。余白に1点だ け言葉を入れるなど。内容的には意味がないけど、あれば印象が良くなる。こんな要素も必要です。
  11. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    19 壁面グラフィックの構成事例 デザイン的なイメージのみを優先し、最小限の言葉のみにした事例。蛍光レッドの壁紙を使用して存在感を強調。 最小限のキャッチコピーのみを掲示し、その他はブースの印象 をつくるデザイン要素のみにした事例。
  12. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    20 壁面グラフィックの構成事例 壁面には、商談の初期段階に使用する最小限の事項のみを記載。パネルの下端に記載している文章は、ス タッフが対応できない時に読んでいただくための基本説明の文章。目線に近い読みやすい高さに掲示。 手元には、詳細説明用の手元バインダーと手持ちパネルを設置。説明の補助資料として活用。
  13. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    22 壁面グラフィックの構成方針 「掲げる位置」・「高さ」に配慮する 04 POINT 壁面の手前では、高い位置のグラフィックは読めない 壁面の高さと壁面からの距離に応じて、表記する内容・文字サイズ等を検討する
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    23 「空間系グラフィックデザイン」の特徴とは? 同じ「グラフィックデザイン」でも、いわゆる紙媒体など2次元系のグラフィックデザインと3次元のグラフィッ クデザインとでは、その考え方が若干異なります。空間系のグラフィックデザインのポイントは、そのグラ フィックを見る「人」は常に動き、空間そのものは動かないこと。つまり、構成しようとする壁面グラフィックと それを見る「人」つまり来場者との距離は常に変化する、ということになります。このことを理解し、距離と 高さによって表記する内容や壁面構成、フォントのサイズ等を変えなければいけません。 壁面グラフィックの構成方針
  15. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    24 高さと距離による壁面の構成方針 900 2000 2700 壁面パネルのタイトル等 目の前で読むことを想定した文字サイズ ブースの入口から読めるサイズの文字 あまり読まれることを想定しない文字 キャッチの言葉 何を扱っているかの表記 印象をつくる画像 目の前で説明する資料 デザイン的な記号等 H2700 3600 H3600 2300 キャッチの言葉 何を扱っているかの表記 前面通路の腰離れた位置から読めるサイズ 会場入口からでも読める大きなサイズ 900 2000 2700 3600 2300
  16. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    26 壁面グラフィックの構成事例 壁面に最小限のことを記載。写真掲載部分は、壁面の前だと高さ的に読みにくいため、ブース前面から興 味を引くための写真を大きく掲載。その下に最小限の説明を記載しています。詳細説明は、展示台の上に 置いている手持ちパネルと営業用資料で対応。 高さによって記載項目を変えた事例。一番上には「何を書いているか」を表示し、ブース前面から見えるように。
  17. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    28 著書の紹介 PENGUIN METHOD 出版社:PHPエディターズ・グループ 発売日:2023年4月12日 Amazonで試し読み可能 執筆に6年 ページ数「528」ページ 分厚い 3850円(税込) 集客できる展示会ブースづくり PENGUIN METHODと店舗への活用
  18. SUPER PENGUIN Inc. | EXHIBITION BOOTH DESIGN | www.superpenguin.jp 伝わる「壁面グラフィック」の構成方法

    29 第1部:展示会初心者向け知識 展示会ブースの基本/構造から仕上げ材、ブースデザインの依頼先と それぞれの特徴など。 読んでもらいたい箇所 第2部:展示会ブースデザインの具体的な手法 本書の中心的部分。集客できるブースをどのように考えるか、見映えの 良いブースにする方法などを具体的に記載。 第3部:業界別の展示会ブースの違いについて 業界によってブースの考え方に違いはあるのか。いくつかの業界・種別 に分けて解説。 第4部:展示会業界関係者向け 展示会の開催に成功するためには、どうすればいいのか。会場構成の 際のポイントなど。ブースデザインをしている立場だからこそ気が付く、 これまでの当たり前、でないことを記載。 第5部:店舗関係者向け 展示会ブースの集客ノウハウをどのように店舗に活用するのか、その きっかけと可能性を解説。 展示会デザイナー・設営会社・代理店 出展社 主催者 店舗関係者 PENGUIN METHOD/読んでいただきたい箇所