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20240725異文化融合研究セミナーiSeminar

 20240725異文化融合研究セミナーiSeminar

2024年7月25日の異文化融合研究セミナーiSeminarで実施した内容です。Confidential Slidesは除いています。

Tadao Ooka

July 25, 2024
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  1. AIとオミックス情報を融合した Systems Epidemiologyの推進 ~⽇本における先制医療の社会実装に向けた取り組み~ ⼤岡 忠⽣ Tadao Ooka, MD, PhD

    ⼭梨⼤学⼤学院総合研究部 社会医学講座 ハーバード⼤学医学部・マサチューセッツ総合病院 株式会社 Taomics 異⽂化融合研究セミナー iSeminar 2024年7⽉25⽇ 1
  2. 2015 医学部 卒業 (MD) 初期臨床研修 開始 大学院博士課程 入学 2017 初期臨床研修

    修了 公衆衛生系の講座に 助教として入局 統計数理研究所と共同研究開始 (疫学/統計/機械学習を学び始める) 2019 大学院博士課程 修了 (PhD) (人工知能・機械学習による 2型糖尿病発症予測モデル構築) 科研費 若手研究1 (将来の健康状態を予測するAI開発) 2021 環境省エコチル研究、 米国小児喘息コホートに参画 (小児コホートデータ・オミックス データへの機械学習適用) 科研費 若手研究2 (医療施設へのAIモデル 実装RCT) 2023 ハーバード大学医学部 (オミックスデータ/AI/疫学の融合 によるアレルギー疾患の病態解明) JST創発/AMED予防/基盤B (オミックスデータとAIによる 先制医療の社会実装) 今までのキャリア 特定の臨床科に入局せず 研究医としての キャリアをスタート
  3. Systems Epidemiologyとは? 従来のEpidemiology = 単一要因アプローチ Systems Epidemiology = 多階層・多要因・多時点のアプローチ Lifestyle

    Environment Asthma Diabetes Lifestyle Environment 例:糖尿病を防ぐため炭水化物を減らす 喘息を防ぐため化学物質暴露を減らす Pre-Diabetes Healthy Diabetes Genome Proteome Metabolome HealthCheck EHR/EMR Microbiome Heart Rate Respiratory Rate Body Temperature Oxygen Saturation Proteome Metabolome Microbiome 例:糖尿病リスク遺伝子があるから特定のタンパク質を控える。 個人の腸内細菌に併せた食品を接種し、疾患の進行を防ぐ 健康状態・疾患をシミュレーションし、先んじて制御する
  4. ! " # $ % & $ 維持 破綻 逸脱

    【現代の医療】 ホメオスタシス破綻後の 症状の進行抑制を 中心とした対症療法 【理想の医療】 ホメオスタシス破綻前に 正常状態へ戻す先行的な介入 正常 疾患 発症 発症 前 先制医療の概念 ⇒ 先制医療 井村裕夫先生 (元京大総長)
  5. AI健康予測を使用した人間ドック受診者の反応とニーズ(n=1030) とても 有用だ 57% 少しは 有用だ 41% どちらでも ない 2%

    AIによる健康予測は、 健康促進に有用だと思う か 98% とても明確 になった 56% いくらか明確 になった 41% どちらでも ない 3% AI健康予測結果で健康に関して 自分がやるべき事が明確になったか 97% 指導者と受診者の要望・ニーズ - 日常の生活習慣・行動を加味して、 より自分に合わせた提案がほしい - もっと予測できることを増やして 自分でAIを使った健康管理がしたい - 遺伝子・体質を加味した上で、自 分にあった食事や運動が知りたい
  6. 情 報 # 足 % & ' ( ) *

    + 健 康 . / 見 1 2 化 4 # 5 6 & ' 7 ?
  7. オミックス情報で表される人間のホメオスタシスの変化(糖尿病などの代謝疾患) Kawata et al. iScience 2018 基底状態 (健康な状態) 過渡状態 (疾患発症前)

    適応状態 (疾患発症後) 疾患発症前の健常者を見つけ出し、健康な状態に戻すことで代謝疾患が予防可能になる 代謝疾患: 2型糖尿病・メタボリックシンドローム・がん・炎症性疾患 等
  8. オミックスデータから疾患予測・病態解明を行うアプローチ 例)細気管支炎の重症化を決める プロテオーム発現部位を特定 Ooka et al. Pediatr Allergy Immunol. 2021

    Prof. Carlos Camargo ハーバード大学 Prof. Camargo/Hasegawa Lab (オミックス解析×一次予防戦略のトップ研究室) 1200種類のプロテインに機械学習・因果推論を適用。 アレルギー疾患の重症化を予測・予防するために、 IL-17とVSIGというプロテインを確認する必要があること、 またこれらのプロテインを制御するpathwayを明らかにした。 → 全てのオミックスでこれらのアプローチを実現したい Prof. Kohei Hasegawa
  9. “Bronchiolitis” is a significant problem • Clinical syndrome with multiple

    definitions worldwide • Acute lower respiratory infection with inflammation, caused by respiratory virus(es) – e.g., RSV, RV • Acute morbidity: #1 cause of infant hospitalizations in the US (~130,000 each year); 2%-3% of all infants • Chronic morbidity: Among hospitalized infants with bronchiolitis (“severe bronchiolitis”), 30%-40% will develop childhood asthma Camargo/Hasegawa研究室の中⼼テーマ (急性)細気管⽀炎 全⽶の乳児⼊院の原因No.1 RSウイルス等によって引き起こされる 30-40%が⼩児喘息に移⾏する
  10. Major assumption Bronchiolitis is a homogenous disease with a similar

    mechanism… But… Hasegawa, Hartert et al. Exp Rev Respir Med 2017 細気管⽀炎は今まで同じメカニズムを持つ単⼀の疾患だとされてきた
  11. Microbiome Host (eg, DNA, epigenome) Response (eg, transcriptome, proteome, metabolome)

    Endotype A Endotype B Endotype C “Bronchiolitis” Endotype A Endotype B Endotype C “Asthma” Internal Environment External Environment Incl. viruses Theoretical model 体内のオミックス情報で 細気管⽀炎のタイプが 決定される タイプを決定して、 治療戦略を変える事で、 先制・精密医療を実現 細気管⽀炎 には様々なタイプがある
  12. MARC infant cohorts MARC-30 USA MARC-30 Finland MARC-35 MARC-43 U01

    Unfunded U01, R01s, UG3 UG3/UH3 16-center prospective 3-center prospective 17-center prospective 5-center prospective n=2,207 n=408 n=1,016 n=720 Bronchiolitis (age <2yr) Bronchiolitis (age <2yr) Bronchiolitis (age <1 yr) Healthy control (age <1yr) Acute severity Acute severity Asthma Acute severity Asthma (& phenotypes) Asthma (& phenotypes) Ongoing Ongoing Ongoing 世界最⼤の 乳児細気管⽀炎 オミックスコホート
  13. タイプA タイプB タイプC 細気管支炎によって入院した赤ちゃんのプロテオームを 血液から網羅的に測定、教師なし機械学習でタイプ分け 53% 44% 22% 6歳時までに 小児喘息発症

    タイプAに分類されると 喘息発症しやすいと判明 更にプロテオーム分析から NF-kB related pathways の関与が示唆された プロテオームを用いる事で、喘息になりやすい児とその原因を推測できた。 ⇒ プロテオームを用いて小児喘息を早期に予測/予防できる可能性 6 年 間 追 跡 Endotype A Asthma onset Odds Ratio 4.04 (ref. Endotype C) Ooka et al. Allergy. 2022
  14. A: glycerophosphocholine-high (n=79) B: amino acid-high, polyunsaturated fatty acid-low (n=72)

    C: amino acid-high, glycerophospholipid-low (n=363) D: glycerophospholipid-high (n=177) E: mixed (n=227) Derived metabotypes Nasopharyngeal airway metabolome endotyping of severe bronchiolitis in infancy and risk of childhood asthma Zhu et al. JACI, 2022b Recurrent wheeze by age 3 years with asthma at age 5 years Asthma at age 5 years Adjusted odds ratio=2.18 (95% CI, 1.03-4.71) Adjusted hazards ratio=2.52 (95% CI, 1.16-5.47)
  15. Raita et al. Nat Comm, 2022 Endotype B Asthma onset

    Odds Ratio 6.00 (ref. Endotype A) Endotype A Endotype B Endotype C Endotype D
  16. 28 Genetics Phenotypes (Outcome) GWAS Outcome ~ Gene (SNP) +

    Age + sex + PC1 + PC2 +… × 1000万SNPs (i.e., for each SNP on each chromosome) e.g., childhood asthma (Yes/No) Plot P-values for all SNPs Adjusting for ancestry difference GWAS (genome-wide association study) 解析 Manhattan plot 二値アウトカムと全ての塩基多型との関連を 網羅的にロジスティック回帰分析を用いて調べる解析 遺伝子(gene)と疾患(phenotypes)との関連 が分かる →遺伝子がどのように、何を通して疾患と 関わるかについてはわからない。
  17. 29 遺伝子データと他のオミックスデータの融合 Genetics Transcriptome (mRNA) Epigenome Protein Metabolite eQTL analysis

    mtQTL analysis (metabolite quantitative trait loci): Metabolite ~ Gene (SNP) + Age + sex + PC1 + PC2 × 1000万SNPs (i.e., for each SNP on each chromosome) Plot P-values for all SNPs mQTL analysis mtQTL analysis pQTL analysis microRNA miR-QTL analysis Manhattan plot 代謝物(metabolites)に関連する遺伝子(gene) と、既知の疾患遺伝子が一致していたら… →遺伝子がどのように疾患に関わるのかを推 論することができる。 各オミックスデータの発現量(連続変数) をアウトカムにして、同じregressionをする
  18. 31 Metabolite quantitative trait loci (mtQTL) 解析 28 candidate metabolites

    28 candidate metabolites 28 candidate metabolites mtQTL analysis × 28 times 10,852,874 SNPs 10,852,874 SNPs 10,852,874 SNPs mtQTL analysis × 28 times mtQTL analysis × 28 times 喘息発症に関わる28個の代謝物を特定 28代謝物に関わる遺伝子を特定 →既存の喘息関連遺伝子と比較
  19. 33 How to implement multi-omics/environmental data into deep learning methodologies?

    We need to convert the data into an easier format for AI to learn from Images Networks
  20. New analytic proposal: オミックス情報の画像への変換 34 Host Transcriptome Metabolome Transcriptome- metabolome

    Interaction Feature selection tPCA/ tSNE Ooka et al. npj syst. biol. appl. 2024 in press
  21. 画像のどの部分が判定に寄与しているのか? (DeepFeature method using Grad-CAM) 38 The previous slide Based

    on Sharma et al. Brief Bioinformatics 2021 画像のどの部分が疾患重症度に関 わっているかを確認できる。 → 疾患関連オミックス群を同定 Grad-CAM
  22. 国立研究開発法人科学技術振興機構 AIとオミックス情報の融合による先制医療の社会実装への挑戦 おおおか ただお ⽒名︓⼤岡 忠⽣ 所属︓⼭梨⼤学 役職︓助教 〜 あらゆる病気を未然に防ぐ医療システムの実現へ

    〜 <研究概要> 遺伝⼦やたんぱく質、代謝物といった⼈間の⽣体情報を網羅的に収集し、⼈⼯知能を⽤いた統 合的な解析を⾏う事で、がんや⽣活習慣病の発症をいち早く検知し、病気の発症⾃体を予防出 来る可能性があります。本研究では、実際の健康診断施設を活⽤して健康な⼈々から網羅的に ⽣体情報を収集し解析する事で、様々な病気を発症前に検知・治療する新たな⼿法を開発し、 更にそれらを社会実装する事で未来の医療システムの実現を⽬指します。 第2期採択 (2024-2031年度実施予定) 43 <略歴> 2015年⼭梨⼤学医学部卒業(MD)、2017年⼭梨⼤学附属病院初期臨床研修修了、2019年同⼤学にてPhD取得。 2020年社会医学系専⾨医・労働衛⽣コンサルタント取得。2017年より⼭梨⼤学医学部社会医学講座特任助教。 2021年よりハーバード⼤学医学部・マサチューセッツ総合病院救急部 リサーチフェロー(現在、⽶国留学中) ⼈間ドック受診者35,000名(年間)の中から 約200名の2型糖尿病 発症直前群を同定 2型糖尿病 発症直前群 発症前後でオミックス・ウェアラブル情報を収集 疾患発症直前 疾患発症直後 ① 代謝疾患における発症前病態の解明 ② 超早期診断/治療を実現する⼿法の開発 人間ドック・受診データ ウェアラブルデー タ ホ メ オ ス タ シ ス の 破 綻 プ ロ セ ス を 可 視 化 変 化 部 位 の 同 定 同定した発現部位のみ 他集団(1000⼈)で再検証 35,000名 200名 試験的 社会実装
  23. 大規模健診施設の人間ドック受診者の 直近2年分の健診データから 2型糖尿病 発症直前群を同定 35,000人/年 2型糖尿病 発症直前群 約215人 血液・唾液・尿・便検体を3ヶ月毎に収集 全員にウェアラブルデバイスを配布

    ゲノム・エピゲノム トランスクリプトーム解析 プロテオーム解析 メタボローム解析 マイクロアレイ解析・質量分析装置等 人工知能・機械学習を用いた トランスオミクス解析の実践 HbA1c, FBS Fib4 index を用いた抽出 研究方法 ウェアラブルデータ + 人間ドック結果 次世代DNSシークエンサー
  24. 疾患発症前 (基底状態) 疾患発症直後 (過渡状態) 2型糖尿病発症の前後において小集団のオミックス情報を収集 状 態 変 化 オミックス情報の状態変化を同定する事で、代謝疾患の過渡状態を特定

    ⇒ 代謝関連疾患の発症前の共通病態の解明・ 代謝状態を表現する動的ネットワークバイオマーカー同定 提案研究 の目的① 250名 BBJ 松田浩一先生 東大医科研 糖尿病チーム 鈴木顕先生
  25. 問診票・血液データ (人間ドック・コホート) ウェアラブルデータ (Fitbit Inspire3) 疾患発症前 (基底状態) 疾患発症直後 (過渡状態) ①ウェアラブルデバイスでは充分な生活習慣と環境曝露情報を収集することが出来ない

    ②オミックス検査の結果を患者に還元する手段や継続的に検査を行うメリットがない 提案研究の目的② 生 活 習 慣 と 環 境 曝 露 を 同 定 オ ミ ッ ク ス 推 移 の 要 因 と な る
  26. "*ΞϓϦέʔγϣϯɾΫϥ΢υγεςϜ։ൃମ੍ <研究分野> 人工知能/機械学習 網羅的オミックス解析 先制医療の社会実装 <専門>システム開発 神谷を中心とする プロジェクトチーム (経営/営業/開発部門合同) 山梨大学

    社会医学講座 大岡 忠生 株式会社ネオシステム 神谷 和孝 iOS/Androidアプリ機能開発 Azureデータサーバー構築 健診施設内でのシステム構築 AIモデル・オミックス代謝モデルの開発 山梨大学発ベンチャー Taomics(アプリ開発主体) CEO and co-founder Tadao Ooka COO and co-founder Hiroshi Takatoh Chief-designer (UI/UX) Yui Komatsu Lundqvist Chief-engineer Shintaro Abe 支 援 技術 アプリ仕様決定、API連携、UI/UXデザイン開発
  27. 個人用 総合健康管理アプリ 「Taohealth」(主要5機能) 保健スタッフ用 管理アプリ (タブレット 主要2機能) 3. 健康スコア (体重変動・睡眠)

    4. AIフィードバック (生成AIによる健康提案) 5. オミックス機能 (令和7年度下半期-予定) 1. 健康記録画面 (受診者のIoT情報/問診記録を閲覧) 2. AIフィードバック・健診予測 (当日結果から将来予測+健康提案) ヘルスケアアプリの基本仕様 1. 問診画面 (行動変容問診スーパー20) 2. 健康記録画面 (毎日のIoT情報/問診記録)
  28. AMED大平班(行動変容を評価する社会心理行動指標の策定)との共同開発 アプリ上で手間なく行動変容指標20項目を記録できる問診機能 行動変容問診「スーパー20」 1.食事 朝・昼・夕食の食事内容 間食内容 お菓子の量 最終食事時間 2. 運動

    歩数/歩行時間 座位時間 有酸素運動(アクティブ)時間 筋トレ実施の有無・種類 3. 睡眠 就寝時刻-起床時刻 入眠困難感 中途覚醒回数 睡眠休養感・日中の眠気 4. 嗜好 1日のカフェイン量 カフェイン最終摂取時刻 1日の飲酒量 喫煙種類・1日の喫煙本数 5. ストレス ポジティブ・ネガティブ(1−5) 落ち着き・イライラ(1−5) ストレスコーピング実施 1日の会話時間 朝15秒・夜1分の問診だけで 記録出来る行動変容問診を開発
  29. 問診画面 (行動変容問診 スーパー20) 実際の画面(開発中) 睡眠 (Fitbit連携有) 食事・嗜好 (簡易版 食事バランスガイド) 運動

    (Fitbit連携有) ストレス (アイコンによる直感的選択) 【就寝前】 残り16項目 約1分で 入力完了 【起床時】 4項目 約15秒で 入力完了 最低限の想起でテンポよく、 快適に回答できる問診UI/UXの実現 入力完了 (問診のデフォルト値は最適化されるように設定)
  30. Fitbit無し → 各項目のタップが必要 Fitbit有り → 睡眠/運動は自動的に入力 Fitbitとの連携により自動的/網羅的に日々の健康問診記録が可能に なぜFitbitなのか? - 電池が長く持つ(1回充電で10日間使用)

    - 安価である(7000円〜) - 初期設定や情報抽出が容易 - スマートバンド(右手)として利用可能 - 対象年代のAndroid端末の使用率の高さ → 受診者の年齢層が最も使いやすい端末である (勿論、Fitbitを持ってなくてもアプリ使用は可能) - Fitbit Japanとの連携によりアプリ機能開発中 - 健診施設・病院グループ内での販売体制構築中 - ドクター/保健師がアプリとFitbitの併用を推奨
  31. 4. パーソナライズドされたAIフィードバック 1. 睡眠 - 就寝・起床時刻 - 入眠困難感 - 中途覚醒

    - 睡眠休養感(朝)・日中の眠気(夕) 2. 食事 - 朝/昼/夕食の食事バランス(SV) - 間食 - お菓子・ジュース - 最終食事時間 3. 嗜好/生理現象 - カフェイン量・最終摂取時刻 - 飲酒量 - 喫煙(電子・加熱式たばこ)有無・本数 - 排便の有無・便の硬さ(Bristol scale) 4. 運動 - 歩数 - 座位時間 - 有酸素運動(アクティブ)時間 - 筋トレ実施の有無・種類 5. ストレス - ネガティブ ⇔ ポジティブ(肯定的感情) - 落ち着き ⇔ イライラ(怒り・焦り) - 1日の会話時間 - ストレスコーピングの有無 1週間分の縦断問診データ 1週間分の問診から 1.今週の行動目標 2.先週のサマリー を表示 フィードバック・レポート例(開発中) [AIモデル 開発方法] ハルシネーションを防ぎつつ、LLM(生成AI)の柔軟性を活か す(完全なルールベースにはしない)方針で、専用AIモデルの 開発を進めている。 [AIモデル 検証方法] 仮データを用いて1,000例程度のレポートを出力させたのち、 医師/看護師による内容チェックを行い、出力内容の妥当性を 検証 ⇔ 問題があれば、モデルを修正。これを繰り返す。 AIモデル・ハルシネーションチェック
  32. 個人用 総合健康管理アプリ 「Taohealth」(主要5機能) 保健スタッフ用 管理アプリ (タブレット 主要2機能) 3. 健康スコア (体重変動・睡眠)

    4. AIフィードバック (生成AIによる健康提案) 5. オミックス機能 (令和7年度下半期-予定) 1. 健康記録画面 (受診者のIoT情報/問診記録を閲覧) 2. AIフィードバック・健診予測 (当日結果から将来予測+健康提案) ヘルスケアアプリの基本仕様 1. 問診画面 (行動変容問診スーパー20) 2. 健康記録画面 (毎日のIoT情報/問診記録)
  33. Yamanashi Multi-omics Cohort (YMoC) :山梨マルチオミクスコホート 【収集検体・情報の種類】 (血液)gDNA・RNA・ 血清・血漿 (その他)尿・唾液・便[採取キット] (糖尿病関連)75gOGTT(0分/30分/120分値)

    3ヶ月毎に検体収集 → -80℃で冷凍保管 (生活情報) TaohealthとFitbitによる情報収集 (食事情報) FFQを用いた食事記録 (人間ドック結果)2024年10月・2025年10月 2024年10月 2025年1月 2025年4月 ハイリスク前糖尿病患者 215名 (健診施設での募集→山梨大へ訪問) 検体採取1回目・冷凍保管 検体採取3回目・冷凍保管 検体採取2回目・冷凍保管 倫理審査申請済み (8月許可予定) Olink Explore HT (5300+ proteins) ゲノム(マイクロアレイ) プロテオーム (脱落率 20% → 172名確保を想定) 残余検体は冷凍保管 → 別資金確保次第、他オミックス検査を実施 (現状では優先度の高い2項目のみを先行実施。状況により、腸内細菌検査も追加。)
  34. ゲノム解析による糖尿病・代謝クラスター分類と健康指導の層別化 Lancet Diabetes Endocrinol 2018; 6: 361–69 糖尿病の5分類 (Swedish All

    New Diabetics in Scania cohort) Polygenic Risk Scoreによる 分類・スコアリング → 代謝機構や予防/治療アプローチが異なる コホート参加者 グループA グループB グループC グループD グループE 福島医大グループ(島袋先生)が 国内でのValidation studyを実施 グループ毎に各行動変容問診の健康影響度を分析 ↓ グループ毎に層別化された行動変容指標を提示 遺伝子を用いた健康指導の層別化
  35. プロテオーム解析による動的ネットワークバイオマーカーの同定とキット開発 「動的ネットワークバイオマーカー」は、 未病から重症化までを連続的に表現する指標であり、 発症自体を予防する行動変容や予防薬の開発が可能になる。 https://www.jst.go.jp/chizai/news/doc/cphijapan2023_15jp.pdf 1. 本縦断オミックスコホートへのネットワークAI解析より、 24のタンパク質からなるタンパク質ネットワークを同定 2. Olink

    FocusサービスによりリアルタイムPCR装置で測定可能かつ 安価に測定可能な24プロテオーム検査キット ($80程度) を開発 動的ネットワークバイオマーカーの開発を計画 バイオマーカー開発 5300+種類のタンパク質の縦断的変化(ヒト3時点) + インスリン抵抗性(HOMA-R)の縦断的変化
  36. ゲノム(gen-ome) 遺伝子 プロテオーム (prote-ome) 生来の環境・習慣 デジタルオーム(digital-ome) 日常生活 3つの「オーム -ome」による個別化された健康行動処方箋の提示 生活習慣病の共通基盤となる

    タンパク質ネットワーク 糖尿病クラスター分類を用いた 遺伝子による健康指導の層別化 オミックス検査 + IoT情報 + LMMによる個別化された健康行動処方箋の提示 行動変容問診とウェアラブル データによる日常センサリング 代謝スコア オミックス健康診断 結果 73 20 90 30 40 50 60 70 80 (AIフィードバック) オミックス検査から算出された代謝スコ アは良好です。生活習慣病や心血管系疾 患が発症する見込みは低いですが、体内 の代謝を更に向上させるため、各検査値 を以下から確認しましょう。 プロテオーム結果(***項目) プロテオーム検査 結果 AAA BBB CCC TTT UUU ・・・ ・・・ (フィードバックコメント) 代謝に関わるタンパク質(プロテオーム)のうち、 BBB、EEE、FFF、JJJ、KKKは高値となっており、 DDD、III、PPP、UUUは低値となっていました。 代謝を向上させるために補う事が望ましい栄養 素として、***、***、***、***があります。ま た、動物性タンパク質の割合が食事から不足し ている可能性がありますので、積極的な摂取が 望まれます。 ! 詳 細 ・ 分 布 は タ ッ プ で 確 認 " タ ン パ ク 質 の 種 類 生成AI(LMM)を用いた 個別化健康行動処方箋の提示
  37. オミックス情報を用いた代謝状態の可視化による個別健康提案機能(R7,4Q予定) 代謝スコア オミックス健康診断 結果 73 20 90 30 40 50

    60 70 80 (AIフィードバック) オミックス検査から算出された代謝スコ アは良好です。生活習慣病や心血管系疾 患が発症する見込みは低いですが、体内 の代謝を更に向上させるため、各検査値 を以下から確認しましょう。 プロテオーム結果(***項目) プロテオーム検査 結果 AAA BBB CCC TTT UUU ・・・ ・・・ (フィードバックコメント) 代謝に関わるタンパク質(プロテオーム)のうち、 BBB、EEE、FFF、JJJ、KKKは高値となっており、 DDD、III、PPP、UUUは低値となっていました。 代謝を向上させるために補う事が望ましい栄養 素として、***、***、***、***があります。ま た、動物性タンパク質の割合が食事から不足し ている可能性がありますので、積極的な摂取が 望まれます。 ! 詳 細 ・ 分 布 は タ ッ プ で 確 認 " タ ン パ ク 質 の 種 類 代謝スコアとオミックス検査キットの開発 YMoCデータを用いた 代謝ネットワーク バイオマーカー開発 Olink社との共同による 安価な検査キットの開発 人間ドック オプション検査への導入 安価なネットワークバイオマーカー + 生成AI + アプリによる オミックス検査の社会実装へ
  38. AI予報 問診 IoT オミックス 健診 マイナ 展望:包括的なオミックス・IoT縦断コホートによるデジタルツイン実現 (スマホ版 アプリメニュー) ①

    人間ドックへのオミックス検査・IoTアプリ導入 日本でしか出来ない包括的縦断ビッグデータの蓄積 ② オミックス/IoT/疫学情報とLMMを融合した 大規模マルチモーダルAIモデルの構築 バイオデジタルツイン*の実現 生活習慣病の超早期予測と治療最適化 オーダーメイド治療薬の研究開発 IoT・健診・オミックス・行政 包括的縦断ビッグデータ 参加者が自らお金を出して健康情報の収集・管理を行い、管理するエコシステムの実現 糖尿病チーム AIモデル実装チーム オミックス解析チーム オミックス/IoTコホート *Wilcox et al. Nature Computational Science, 2024
  39. Heart Rate Respiratory Rate Oxygen Saturation HealthCheck Environment Lifestyle オミクス情報

    (変化前) オミクス情報 (変化後) IoT 情報 疫学情報 EHR/EMR Body Temperature ウェアラブルデバイス等 スマホアプリ・医療施設等 健康状態の時系列変化 医療汎用デジタルツイン開発に必要な情報とはなにか?