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スマート風土産業研究グループ ジオ展2022発表ファイル
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wata909
April 22, 2022
Science
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スマート風土産業研究グループ ジオ展2022発表ファイル
スマート風土産業研究グループ ワイン専用品種の栽培適地評価による適地適作の実現
wata909
April 22, 2022
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Transcript
NARO ジオ展2022 2022年4月22日 スマート風土産業研究グループ ワイン専用品種の栽培適地評価による適地適作の実現 岩崎亘典*・林 和則**・田中聡久***・鹿取みゆき****・小野原彩香****・小口 高****** * :農研機構農業環境研究部門
** :京都大学国際高等教育院 *** :東京農工大学大学院工学研究院 **** :信州大学法経学部 ***** :立教大学社会情報教育研究センター ****** :東京大学空間情報科学研究センター
1 • 研究の背景と目的 • 「日本ワイン」の評価の上昇 • 適地適作の必要性,風土産業 • GISを活用した栽培適地評価→「スマート 風土産業」の推進
• ワイン用ブドウ栽培適地評価システム • 適地評価に用いたデータ • データタイルマップについて • WebGL を用いたデータタイルマップの演 算機能 • DEMO • 今後の開発 • エキスパートシステムから、データドリ ブンな評価へ 本日の発表内容
2 • 「日本ワイン」の評価の上昇 • 55カ所のワイン特区の設置 • 出典:国税庁構造改革特別区域法による酒税法の 特例措置の認定状況一覧(令和3年7月認定分ま で) •
新規のワイン用ブドウ栽培農家およびワイ ナリーの増加 • 栽培適地評価が必要 • 気温,日射,降水量,地質,土壌,土壌水分, etc… • 風土産業 • 長野県出身の地理学者,三澤勝衞により提唱。 地域の気候や地形等の条件に適した産業 • 特に農業において推奨された 背景と目的 https://www.winery.or.jp/basic/knowledge/
3 • スマート風土産業 • GIS 等を活用した適地適作の推進,すなわち データドリブンな風土産業の確立 • 現在は「エキスパートシステム」(演繹的) •
科研費「スマート風土産業:ワイン専用品種の栽 培適地評価による適地適作の実現」で実施中 • GIS活用の可能性 • 有効ではあるが,技術的障壁も • データの整備,評価方法etc… • 一般の農業者には困難 • 特殊な技能,機器がなくても,栽培適地 分析が可能なことが重要 • 簡便なWebGIS構築の必要性 スマート風土産業 三澤勝衞先生 https://www.nagano-c.ed.jp/seiryohs/_src/sc1807/misawabunko12th.pdf
4 • WebGISの普及 • Web上で分析等を行う→クラウドサービス(GEE等)も基本的には同じ • 計算資源がWeb上に存在 • データはローカルとWeb上を併用。Web上データの横断利用は困難。出力もWeb地図が普及 •
技能取得等の障壁は残る • GISの技能取得は必要。サーバの運用にコスト等も必要。 Webの一般化とGISの進化 WebGIS GIS 分析結果 分析 紙地図 PC プリンタ ローカル Web デジタルデータ 分析 Web地図 分析結果 地図 タイル
5 • 参考:Cloud Optimized Geo • Cloud環境に最適された地理空間情報 • Cloud Nativeだったりもしてちょと混乱
• 主にデータフォーマットについて議論が進む Webの一般化とGISの進化 https://observablehq.com/@kylebarron/geoparquet-on-the-web https://na.eventscloud.com/website/36829/ • Webは地理空間の未来である • Webアプリは誰もが使え、簡単に共有できる • デスクトップアプリのようにインストール問題が無い • WebAssemblyやWebGL等によりネイティブに近いパ フォーマンスが出せる
6 • 目的 新規ワイン用ブドウ栽培者向けに、適地適作を実現する情報を提供する • 目指す成果 • 専門知識が無くても利用できるクライアント側WebGIS • UIとサーバ管理の両面で「使いやすい」を目指す
• クライアントのソフトウェアのインストールを必要としない • サーバにミドルウェアの導入を必要としない • サーバレスサービスで運用可能とする • WebGLを用いてローカル環境にて演算 • Webブラウザのみにて利用可能 • ユーザにデータ整備を要求しない • データをWeb上で公開。特定サーバでなく,横断的なデータ利用を可能とする 本研究グループの取り組み
7 • 長野県を対象にデータを整備 • ワイン特区が11。新規就農者も多い。環境も多様。 • 千曲川ワインバレー(東地区)特区を対象に現地データも収集 システム試作対象地域 信州ワインバレー構想(上図)と, ワイン特区の分布(右)
https://www.nagano-wine.jp/winery/ 千曲川ワインバレー(東地区)特区での 現地調査対象
8 • 以下の3つの要素より構成 1. 栽培適地評価のためのグ リッド PNG タイル 2. WebGL
を用いたグリッド PNG タイルの演算機能 3. ワイン用ブドウ栽培適地評 価システムのWebGIS イン ターフェイス • Live Demo • https://wata909.github.io/web- map-algebra/v02/ ワイン用ブドウ栽培適地評価システム
9 • グリッド PNG タイルとは? • グリッドPNGの地図タイル • グリッドPNGはデータPNGの一つ •
画像ファイルフォーマットである PNGを使ってデータを表現したもの。 画像としての色ではなく,生データ としての数値を格納(産総研) • 下表のデータについて整備 • DDマップとして閲覧可能 • https://wata909.github.io/web-map- algebra/datatilelayer.html 栽培適地評価のためのグリッド PNG タイル 地質 土壌 地形(傾斜方位) 気象(平均気温)
11 • WebGL • グラフィックを描画するためのライブラリ • 描画のためにGPU を使用。この演算機能を地図間演 算に利用 •
浸水シミュレーション,CS立体図描画等の例 • https://frogcat.github.io/flood/#15/35.6723/139.7017 • https://frogcat.github.io/csmap-gl/#12/35.3538/138.8279 • 実装した計算機能 • グリッド PNG タイルを対象とした,四則計算, 括弧による演算順序の指定,論理演算式による 分類 • 生成されたレイヤ間での,四則計算,括弧によ る演算順序の指定,論理演算式による分類 WebGL を用いたグリッド PNG タイル演算機能 浸水シミュレーション CS立体図描画
12 • UIはLeafletを使用 • 背景選択 • 地理院地図標準,淡色,空中写真 を選択可能 • 評価条件
• レイヤ毎の個別評価 • 適地評価 • 各レイヤを統合した総合評価 • ドラッグ&ドロップマップ (西岡,2019)に対応 • 各種データの重ね合わせ可能 • 評価結果は画像として保存 • バッファ分析も可能 ワイン用ブドウ栽培適地評価システム試作版V02 背景選択 評価条件 (個別評価・表示) 適地評価 (総合評価) オーバーレイ情報 結果保存
13 • 地質評価式 if ( geol == 16777170 ) 1
:汽水成層ないし海成・非海成混合層 if ( geol == 16775900 ) 1 :火山岩 火山麓扇状地堆積物 if ( geol == 14483420 ) 1 :非海成層 if ( geol == 14873058 ) 1 :海成層 砂岩泥岩互層 if ( geol == 16775065 ) 1 :海成層 砂岩 if ( geol == 15138815 ) 0.5 :谷底平野・山間盆地・河川・海岸平野堆積物 0 • 傾斜量 if ( grad < 5 ) 1 if ( grad < 10 ) 0.7 if ( grad < 20 ) 0.5 if ( grad < 30 ) 0.3 0 • 傾斜方位 if ( dire < 60 ) 0.2 if ( dire > 300 ) 0.2 if ( dire < 120 ) 0.5 if ( dire > 240 ) 0.5 1 • 最低気温評価式 if ( tMin < -17 ) 0 1 • 評価基準式 geol * tMax * tMax • 結果判定式 value DEMO DEMO
14 • 評価モデルの開発 • 現在の評価はエキスパートシステム • 専門家の知見を活用 • ワイン用ブドウほ場の位置等から機械学 習で栽培適地評価モデルを構築
• 位置特定の現地調査には,Mapillary等も活用 (右写真) • エキスパートシステムとデータドリブン モデルを補完的に用いた適地評価の実現 • 評価モデルの組み込み • 上記モデルを,WebGLにて実装,評価シ ステムの更新 • 謝辞 • 小諸市役所農林課長佐藤工氏には,調査にあ たって多大な協力を頂いた.本研究は科研費 20H03121の助成を受けたものである.記し て感謝する 今後の研究 https://sustainability-gis.readthedocs.io/en/latest/_images/course-idea.png