Upgrade to Pro — share decks privately, control downloads, hide ads and more …

【Gen-AX】20250514開催_Findyオンラインイベント_技術選定を突き詰める

 【Gen-AX】20250514開催_Findyオンラインイベント_技術選定を突き詰める

2025.05.14に開催された、Findyオンラインイベント「技術選定を突き詰める」のGen-AX株式会社の登壇資料です。

Avatar for Gen-AX株式会社

Gen-AX株式会社

May 14, 2025
Tweet

More Decks by Gen-AX株式会社

Other Decks in Technology

Transcript

  1. 1 # 恐 れ の 無 い 技 術 選

    定 へ ⾶ び だ そ う @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk / 2025-05-14
  2. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 3 ⾃⼰紹介 / Speaker Note 松⽥⼀樹, Gen-AX 株式会社 ⽣成AIを活⽤したSaaSプロダクトの開発・提供や、 企業のAXを⽀援するコンサルティングサービスを提供 Backend (Server Side) Software Engineer. (Non AI/ML/LLM) 個⼈的に、サブミリ秒を切り詰めるような純粋なソフトウェアエンジニアリングも好 き(1)な⼀⽅で、技術選定を含めた開発のプロセスやそこでの⼈間や⼼の⼒学にも興 味があります (2)。 最近の社内の会話で(3) 『技術選定における恐れ』に⾃覚的になれば、技術選定が もっと⾃由に・精度をあげれるんじゃないかと思い。イベント参加・LTをさせてい ただくことにしました。 切っ掛けは社内の雑談ですが、 内容は Personal Opinion & 事例は仮想です! 名前 所属 サービス Role 発表背景 @kazuki_matsuda on X.com (1) Kotlin sealed class を⽤いた、ユーザーターゲティング DSL(専⽤⾔語)と実環境で秒 間 1,000 万評価を⾏う処理系の事例紹介,Kotlin Fest 2024,2024-06-22, https://bit.ly/4b9KDN6 (2) Development Process Refactoring Case Study,LINE DEVELOPER DAY 2020, 2020-11-26,https://linedevday.linecorp.com/2020/ja/sessions/6992/ (3) 最先端だけど等⾝⼤。⽣成AI SaaSに集まった“普通”のエンジニアたち, Gen-AX 株式 会社 Note, 2025-04-15, https://bit.ly/4j3tWaa
  3. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 4 本⽇の発表内容: “恐れの無い技術選定” 技術選定に伴う “恐れ” …… ⾮技術的な “不安” を客観的に理解し、 より合理的な意思決定につなげる切っ掛けに 恐れに対応する 恐れを客観的に理解する 恐れの例 ⾃分の中の恐れを(あれば)認識する Not 恐れが無い ≠ 常に新しい技術を選ぶ勇気を持つ
  4. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 5 理解:技術選定に潜む “恐れ” とは何か? 無知や無能だと思われる恐れ 「こんな発⾔をしたら、知識不⾜や無能さを露呈するかもしれない」という不安。 失敗やミスへの恐れ 技術選定が失敗したときに批判や責任追及を受けるのではないかという不安。 否定されることへの恐れ ⾃分の意⾒や提案が拒否・否定されることに対する不安。 否定を通じて⾃⼰評価や⾃⼰肯定感が傷つくことへの不安。 孤⽴への恐れ(沈黙の螺旋)・権威や同調圧⼒への恐れ(裸の王様現象) 技術選定において、上司や同僚、業界の主流意⾒に逆らうことで、 ⾃分の評価が下がったり、居場所がなくなる不安。
  5. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 6 恐れ = バイアス Q) なぜ恐れを認識することが重要か︖ A) 恐れ(=⾮技術的)を放置すると、 “技術選定を技術的に⾏えない” ⼼理的なバイアスがかかる • 『技術的なもの』の例 = 要件/状況(不確実・フルスタック・現実的な・創業直後・クラウド・絶対落とさない etc) • 『⼼理的なバイアス』の例 = 新しいものが怖い あるいは 新しいものを選ばないとダサイ(と思われるのが怖い) バイアス(偏り)の例) • 技術選定をあとから振りかえれば、オーバーエンジニアリング・アンダーエンジニアリングがそれぞれある。 • 個々の技術選定の外し具合 ← これは技術⼒・想像⼒・整理⼒を鍛えていくしかない • 全部の技術選定を平均してもオーバー・アンダーエンジニアリング気味であれば、それが『バイアス』 • (あの⼈の/チームの)技術選定はいつもオーバーエンジニアリング気味 / なかなか根本解決に踏み出してくれない(アンダーエンジニアリング) / 運⽤性・拡張性が⾼すぎ・低過ぎ etc
  6. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 8 冷静に考えれば 現在の考え⽅ Episode X: 特定技術(例:Java)への “恐れ”(個⼈) 条件づけられた回避 (体験的回避、とも) = ⼈間には、不快な感情や記憶と結び付いた刺激を恐れて、 意図的に避ける仕組みが備わっている ⾔語以外によく話題に上る例:特定 DBや開発⼿法、フレームワークなど 技術選定で無意識に “Java/JVM 除外フィルタ” 『Java? いや、 うちは “モダン” で⾏きましょう』 『絶対例外が管理できません』 『Kotlin? 数年前に Scala が流⾏ったの もう忘れたんですか?』 『ラムダ式最⾼!』※今は書けます 過去の経験 / First Impression - レガシー Java Application 保守 で毎⽇アラート地獄 - 3 年でWeb 業界へ 転職 - Java は⿊歴史 IT業界の First Impression ⾔語は悪くない、 悪いのはそのコードベース 経験があるのに、⾟い場合は、 選定⾃体を避けてしまう その技術を選定した場合の、 重要なポイントを知っている にもかかわらず
  7. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 9 Episode Y: マイクロサービスで盛り上がる現場の技術選定(組織) Service In 技術選定 マイクロサービスを導⼊前提で 技術選定が進む 「今⾟いのはモノリスのせいなん だっけ?」「むしろメンテナンス が⼤変になるのでは?」「モジュ ラー化されてないことが問題で は?」という懸念を持っていても、 「最近のトレンド知らないの?」 と返される不安から発⾔できない。 新コンポーネント担当の チームの雰囲気 マネージャーから新⼊社員まで、 「次はマイクロサービスにするの がイケてる」「モノリスはもう古 いよね」といった空気感が⾃然に 醸成されている。 マイクロサービスありき マイクロサービスを選択! しかし、本番導⼊後すぐに 「サービス間の連携が複雑 化」「問題発⽣時の原因究明 が困難」といった課題に直⾯ そして運⽤と改善へ マイクロサービスの失敗例は、『解っていても⾔い出せない』恐れが⼀定数あった・継続中。(個⼈の観測⾒解です) (モノリスのままモジュラー化してモジュラモノリスへ、が⾔いにくい)
  8. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 12 ⾔語化例)『その技術初めて聞いてちょっと不安なんだけど、良さそうだね。』 → ⾃分の中で考えて、書いたり、声に出していってみる。 コンパッション例)「新卒のときの Java 案件の苦い記憶」 →「当時は⾃分が未熟だっただけ」「途中から⼊ったらどうにもならない現場もある」 「技術⾃体は悪くない」「今の⾃分なら・チームなら技術を率いてうまくやれる」 etc ⾃分の経験を客観視し、セルフ・コンパッション(⾃分への思いやり) それができたら:⾃分が本当に恐れていることは何か? 技術的負債が怖いのか? あるいは技術的負債を⽣み出す意志決定をした⼈になるのが怖いのか? 前者は技。後者は⼼。技術選定も⼈の⼼が介在する領域は多い。 組織で:恐れの無い技術選定ができる組織になる ⼼理的安全性、恐れの⾔語化、プリモータム etc… おすすめ:恐れの⾔語化、プリモータム → 次にまとめ。 個⼈で:感情の⾔語化、セルフコンパッション 恐れへの対応策 Image generated by ChatGPT /DALL-E (OpenAI)
  9. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 13 #恐れの無い技術選定 まとめとおすすめ まとめ:技術選定 = 技術と恐れを理解して克服しよう 技術情報やアーキテクチャと共に、恐れも意識して情報を取りに⾏かないと、理解して克服はできない。 個⼈の恐れ、チームの恐れ、会社の恐れ。 おすすめ①:『社会的承認の恐れ』の⾔語化 社会的承認の恐れ (Fear of Social Disapproval) = ⾃分(個⼈/チーム/会社)が周りからどう⾒られるかという社会的評価に意識が集中しすぎている状態 e.g. この技術を採⽤しないと周りからイケテナイと思われるんじゃ無いか? 素直に⾔語化して周りに聞いて⾒る。 『王道的には(素直に踏襲すると) xx だと思うけど、やっぱ負債になるかな…? それともダサイだけでアリ?』 おすすめ②:プリモータム(事前ポストモータム;振り返り) 技術選定が失敗したと仮定して、その理由を書き出してみる。(個⼈で少し間を置いて or チームで Workshop 的に) やる前から『難しい』『怖い』『意味が無かった』という⾔いづらさを、やった前提で書き出す。とマイルド?(諸説あり 『チームで技術選定した体験』と『技術選定した後にケアすべきポイント』が両⽅⼿に⼊る。
  10. #恐れの無い技術選定へ⾶びだそう @ 【技術選定を突き詰める】Online Conference 2025 Lightning Talk, 2025-05-14 / opinions

    are my own 14 Aknowledgement & We are Hiring スライド⽂責は個⼈にありますが、スライドに意⾒を頂いたり、 王道がフィットする場合は王道を選んでもダサくない! と⽇々励ましを頂き、 今回の発表の切っ掛けを作って下さった同僚の皆様のおかげでなんとか発表をまとめる事ができました。 今回の LT の切っ掛けとなった社内対談のリンクとなります。(再掲) 興味があれば是⾮ご覧下さい。 最先端だけど等⾝⼤。⽣成AI SaaSに集まった“普通”のエンジニアたち https://note.com/gen_ax/n/nf539a306a16d#6eec5884-a1a3-4831-a793-6eb4f31098ae ご視聴ありがとうございました。