Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
プロ野球をデータモデリングしてみたら沼だった件 / Baseball ERD Modeling...
Search
YUMOTO Michitaka
March 29, 2023
Technology
2
780
プロ野球をデータモデリングしてみたら沼だった件 / Baseball ERD Modeling to be obsessed
Baseball Play Study mini〜野球でデータモデリング(BPStudy#187)
https://bpstudy.connpass.com/event/277381/
YUMOTO Michitaka
March 29, 2023
Tweet
Share
More Decks by YUMOTO Michitaka
See All by YUMOTO Michitaka
Short Introduction for Kysely
gothedistance
1
200
Dive Into Single Fetch
gothedistance
1
200
クラフトマンシップ(職人魂)を湾岸MIDNIGHTから学ぼう / Learn Craftsmanship from Wangan Midnight
gothedistance
0
260
フロントエンド開発スタイルの変遷と、私がFlutterにハマったわけ
gothedistance
8
12k
ITプロジェクトのはじめ方 / How to work around software project
gothedistance
27
150k
私がITプランナーを志すようになった理由、そして、目指していること / bpstudy142_why_i_wanna_be_a_it_plannner
gothedistance
1
870
ITプランナーの必要性を小一時間問い詰めたい / Why We need IT-Planner.
gothedistance
0
14k
IT企画をちゃんとやりたい#01 ガイダンス資料 / IT Planning do well_01
gothedistance
0
6.5k
bpstudy_127
gothedistance
0
530
Other Decks in Technology
See All in Technology
なぜSaaSがMCPサーバーをサービス提供するのか?
sansantech
PRO
7
2.3k
LLM翻訳ツールの開発と海外のお客様対応等への社内導入事例
gree_tech
PRO
0
500
Bye-Bye Query Spaghetti: Write Queries You'll Actually Understand Using Pipelined SQL Syntax
tobiaslampertlotum
0
130
バッチ処理で悩むバックエンドエンジニアに捧げるAWS Glue入門
diggymo
3
110
ヘブンバーンズレッドのレンダリングパイプライン刷新
gree_tech
PRO
0
510
Agile PBL at New Grads Trainings
kawaguti
PRO
1
210
2025年にHCP Vaultを学び直して見えた景色 / Lessons and New Perspectives from Relearning HCP Vault in 2025
aeonpeople
0
170
落ちる 落ちるよ サーバーは落ちる
suehiromasatoshi
0
120
コスト削減の基本の「キ」~ コスト消費3大リソースへの対策 ~
smt7174
2
340
LLMを搭載したプロダクトの品質保証の模索と学び
qa
0
120
AIエージェントの活用に重要な「MCP (Model Context Protocol)」とは何か
masayamoriofficial
0
280
BPaaSにおける人と協働する前提のAIエージェント-AWS登壇資料
kentarofujii
0
110
Featured
See All Featured
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
252
21k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
9
580
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
8
910
How GitHub (no longer) Works
holman
315
140k
Improving Core Web Vitals using Speculation Rules API
sergeychernyshev
18
1.1k
Done Done
chrislema
185
16k
RailsConf 2023
tenderlove
30
1.2k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
131
19k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
23
1.4k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
302
21k
Designing for Performance
lara
610
69k
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
42
2.8k
Transcript
プロ野球を”データモデリング”したら沼に ハマってしまった件 gothedistance a.k.a ござパイセン https://twitter.com/gothedistance BPStudy#187 at 2023.03.29
YUMOTO Michitaka Hello! 2 • ゆもと みちたか(ござパイセンというHNで生きてます) • 1979年生まれです。松坂世代。 •
GoTheDistanceというブログを書いてます。たまに。 • 新卒SIer→雑貨製造業で内製→独立してもうすぐ7年。 • Flutter/React/T3 Stack等のフロントエンド好き • やきうを愛する東京ヤクルトスワローズのファン!
BPStudy History • BPStudy#79(野球) • BPStudy#91(野球) • BPStudy#92 • BPStudy#100(野球)
• BPStudy#103(野球) • BPStudy#108 • BPStudy#112(野球) 3 • BPStudy#115(野球) • BPStudy#122 • BPStudy#124(野球) • BPStudy#127(野球) • BPStudy#140(登板回避) • BPStudy#142 • BPStudy#185(Flutter) • BPStudy#187(NEW)
お話させて頂くこと 4 ➔ プロ野球をデータモデリングしたら沼だった ➔ 2023年シーズンの抱負 ➔ 謝辞
RDBデータモデリング 現実をデータベースの世界に落とし込め 1 5
データモデリングはエンティティの抽出が9割 6 目に見えないソフトウエアは概念を明文化して共有するのだ ➔ データモデリングのコアは「エンティティ」の抽出。 ➔ 自分たちが作ろうとしているソフトウエアで取り扱うデータに名前をつけ、実態として認識 できるように命名付けた概念=エンティティ。 名称 内容
例(ホテルの予約システム ) ヒト そのシステムを利用する人達 社員(役職・部門等)、取引先、得意先、ア ルバイト。 モノ システムで取り扱う資産・サービス プラン・予約・お部屋・設備・カレンダー コト システムを通じて行われる行動・イベント 予約受付・問い合わせ・オンライン決済・ キャンセル・空き状況を確認する
正規化 is 何 7 ライフサイクルが違うものは別のテーブルに切り出せ ➔ 一番良くわからなかった概念が、正規化だった。今でもちょっとあやしい。 ➔ 正規化における「重複を排除せよ」は 「ライフサイクル」の違うエンティティは必ず分離しろ
でよくない?よくなく なくなく なくなく ない? ➔ それを進めていけば、イミュータブル・データモデリングへと繋がるのでは? ➔ 予約のデータを作るのにプランが予約の中に入ってし まったら、新しい予約を作る時に必ず新しいプランが作ら れてしまう。 ➔ 予約とプランは別々のライフサイクルを持っているので、 エンティティ分けよう。 ➔ こう考えれば勝手に第3正規形までいくだろ多分
ペナントレースで必要な エンティティを出そう 2 8
9 この1枚からすべてが始まる。さぁモデリングをしようじゃないか!
ざっとこんだけのエンティティが必要だな 10 試合 開催日時、場所、経過時間、予告先発、勝利投手、敗戦投手、セーブ等 チームと選手 チーム変わったりするよね。うん。それと選手は全員要るよね 打順 ラインアップですね。選手は当然交代するので。 ポジション 1〜9、及びDH。Enumでアプリ側で持っても良さげ。増減がないので。
スコアボード イニング毎の得点、ヒット数等を掲載する必要がある。 1球速報 1球ごとにカウント変わり得るので。球数も出す必要がある。 交代履歴 投手及び野手の交代の履歴。 試合毎の成績 打者成績(打率とHRはマスト)と投手成績 開催日程 ペナントレースの開催日程に応じて成績表を出す必要があるため。
試合エンティティを考える 11 - - 開催日時 - 開催球場 - ホームチームID -
ビジターチームID - ホーム予告先発 - ビジター予告先発 - ホーム得点数 - ビジター得点数 - 勝利投手 - 敗戦投手 - セーブ - 観客数 - 試合時間 試合エンティティ - ID - 名称 球場 - ID - チーム名 - 所属リーグ チーム - ID - 登録名 - ポジション - 背番号 プレイヤー ➔ 正規化を崩すべきか悩む所 ◆ 球場名はネーミングライツで同じ場所でも呼 称が変わる為。チーム名も同様。 ◆ シーズン年度と名称だけを持つエンティティ 作って、シーズン年度でWHERE? ➔ チーム・プレイヤー・球場はマスタから参照すべき だ。固定値を埋めることは考えにくい。 ➔ セーブは NULL許容カラムしかない? ➔ 審判も球審・塁審 x 3 が必要だ。1 : 1 の別エンティ ティ? カラム追加? ➔ リクエストの残り回数も管理が必要だとすると、どこ に保管すべきデータ?
スコアボードエンティティを考える 12 - 試合ID - イニング数 - チームID - 得点
- 四球 - 安打数 - エラー イニング ➔ スコアボードはテーブルで表現できない気がしている。イニングの集合体がスコアボードな ので、SQLでデータ取得→アプリ側でスコアボードのUIに沿ったデータを作るしかないので は? ➔ 仮にスコアボードテーブルを作る場合、どういう設計にしていくのか??? ➔ イニング毎に記録する数字が多いので、縦に持つしかない。 ➔ ノーゲーム・雨天コールド・延長戦等、消化するイニング数が試合によって異 なる。その点を踏まえても、イニングを積むしかなさそう。 ➔ 裏の攻撃がなく試合が終わることが結構ある。 9回表で試合終了する ケースには「X」がスコアボードにつくけど、まさか DB側にXを保存するわ けにもいかんだろ・・・
カウントとランナー表示を考える 13 ➔ カウントは1球毎に異なる場合もあれば、4球投げても同じこともある。 ➔ ストライクとボールカウントは0になり、アウトカウントも3つ目で0になる。 ➔ 最大要素数が決まっているので単純に配列で持てば良さそう。 ➔ 状況によってリセットされる性質があるので、
SQLでカウント表示を表現するのは出来ない ように思うけど、まさか方法があるんだろうか・・・? ➔ ランナーもリセットされる。塁とランナー存在フラグを持つオブジェクトを作り、 1塁2塁3塁の 3つのフィールドを持たせるだけで良さそうだが、改良の余地はあるか???
成績表示を考える 14 ➔ 横持ちが簡単そうでいいけど、UPDATEの嵐になるデータ操作は正しいのか? - 試合ID - プレイヤーID - 球数
- 奪三振 - 与四球 - 与死球 - 失点 - 自責点 - アウトカウント 投球履歴 ➔ 横に持った場合、1球投げる毎に投球数や被安打を更新することにな る。すげーミュータブルなデータになってしまう。 ➔ 1球投げる毎にレコードを追加して縦に持った場合、歯抜けなデータの 持ち方になるけど、GroupByで頑張ればできそう。 ➔ 横持ちした場合、被安打や打者等はただインクリメントするだけだけど、 縦持ちした場合、三振とかヒットのような結果はどこで保存すべきなんだ ・・・?!
野手成績表示を考える 15 ➔ このUI作るの大変じゃないか・・・? ➔ 打数と打席数が一致しない。四死球は打数にカウントされない。 ◆ 第1打席は三振、第2打席は四球等の履歴は、別テーブルで保持する必要があります。 ➔ 代走・守備固めでの出場があるので、代走の場合は盗塁だけ、守備固めの場合は失策のみが計
上されるケースがありえます。打席が与えられないケースもあるので、打席の履歴は別。 ➔ 選手が起用される毎に 1レコード増やし、初期値は打率以外は全部 0。打率はこのテーブルの最後 の1件を取り、プレイが完結したら UPDATEしていく以外、ちょっと思いつかなかった。
野球データモデリングは沼 100テーブル前後の業務システムよりも設計が難しい(当社比) ペナントレースを表現できるER図とSQL書ければ上級者だろ・・・ スポナビの野球担当エンジニアの方、3時間34分この話をしませんか・・?! 16
The die is cast. Let’s go for October! Thanks! 17
あかん、優勝してしまう ◉ @gothedistance ◉
[email protected]