Bedrockエージェントにおける MCP利用ケースについて考えてみる

JAWS-UG 朝会 #69での登壇資料です

Transcript

1. Bedrockエージェントにおける MCP利用ケースについて考えてみる 2025/05/13 (火) JAWS-UG 朝会 #69 福地開
2. Who am I ? 福地 開 (ふくち はるき) @har1101mony 所属：NECソリューションイノベータ株式会社 年次：3年目 業務：インフラエンジニア(AWS) 活動：ITなんでも勉強会「つながりテック」 運営 表彰：AWS Community Builders(AI Engineering)
3. ◆AWS×MCPで、より拡張性のあるLLMアプリを作成可能 ◆ただ、エージェントとAWSサービスだけを連携する場合であれば、 MCPは不要なケースもある ◆ユースケースに合わせて最適なツール実装方法を選ぶのが重要 いきなりですがまとめ
4. MCPが流行っている！！
5. MCPとは？ ◆MCP: Model Context Protocol ◆LLMアプリと外部サービスを連携しやすくするもの →「こうやって接続してね、よそのサービスも同じ感じだよ」な 感じの統一されたインターフェース
6. 色んな企業がMCPの波に乗っている ◆SaaS用のMCPサーバーを公式で用意してくれている • コミュニケーション：Slack • データベース：Supabase, PostgreSQL • 検索：Tavily, Brave, Perplexity • 開発：GitHub, Backlog • デザイン：Figma ◆用意されていない場合は、自作して使用&公開もできる ※第三者が作成したMCPサーバーを使う際は、セキュリティ面で注意が必要 参考： https://modelcontextprotocol.io/quickstart/server
7. AWSとMCP ◆AWSも多くのMCPサーバーを提供している • Core MCP Server • AWS Documentation MCP Server • Amazon Bedrock Knowledge Bases Retrieval MCP Server • AWS CDK MCP Server • Cost Analysis MCP Server • Amazon Nova Canvas MCP Server • AWS Diagram MCP Server • AWS Lambda MCP Server • AWS Terraform MCP Server • AWS Location Service MCP Server • Git Repo Research MCP Server • Postgres MCP Server • Use Cases for the Servers
8. AWSとMCP ◆AWSも多くのMCPサーバーを提供している • Core MCP Server • AWS Documentation MCP Server • Amazon Bedrock Knowledge Bases Retrieval MCP Server • AWS CDK MCP Server • Cost Analysis MCP Server • Amazon Nova Canvas MCP Server • AWS Diagram MCP Server • AWS Lambda MCP Server • AWS Terraform MCP Server • AWS Location Service MCP Server • Git Repo Research MCP Server • Postgres MCP Server • Use Cases for the Servers
9. Lambda MCP サーバー ◆AWS公式が提供しているMCPサーバー • MCPクライアントとAWS Lambda関数間のブリッジとして機能し、 生成AIモデルがLambda関数をツールとしてアクセスして実行できるようになる • パブリックに公開することなく、モデルがツールを利用できる 参考：https://github.com/awslabs/mcp/blob/main/src/lambda-mcp-server/README.md
10. Lambda MCP サーバーのセキュリティ ◆MCPサーバーとツール(Lambda関数)を分離する • MCPクライアントにはツールを呼び出すためのAWS認証情報のみ付与する →クライアントからの他AWSサービスの操作・ネットワークへのアクセスを根本的に防止 • ツールは関数ロールを使用して、リソース操作を行う →ツール側に認証情報などを持たせることで、さらにセキュリティ向上が見込める
11. なぜこんなに流行っているのか？
12. ◆作成したMCPサーバーを公開することで、 多くのユーザー(が利用するLLM)がそのサーバーを利用可能 • アプリ開発者としては、車輪の再発明をせずに済む • これまではツールを独自実装するしかなかった ◆ツールの与え方を統一化することで楽にツールを与えられるように →色んな企業が乗ることで、大流行 MCPのメリットをおさらい ウチのも 使って！
13. Bedrockエージェントに ツールを与えてみる
14. ◆簡単に言うと、エージェントが使うツールを定義できる機能 • 他の文脈ではTooluseやFunctionCallingと言われるもの ◆実態としては、Lambda関数を作成する形になる • ツールごとにLambda関数を作成する必要がある • ユーザーからの入力を元に情報検索したり、何かを操作したり… Bedrockエージェントのアクショングループ
15. ◆簡単に言うと、エージェントが使うツールを定義できる機能 • 他の文脈ではTooluseやFunctionCallingと言われるもの ◆実態としては、Lambda関数を作成する形になる • ツールごとにLambda関数を作成する必要がある • ユーザーからの入力を元に情報検索したり、何かを操作したり… ◆ただし、MCPには対応していない(2025/05/13時点) Bedrockエージェントのアクショングループ
16. ◆Inline Agents: 事前にエージェントのリソースを作成しなくても、 コードで定義したエージェントを呼び出し可能な機能 • コード実行時にエージェントの設定を変更できる(検証に最適) • ローカル環境での使用が前提となっている ◆ツールの付与方法として、アクショングループとMCPが利用できる Bedrock Inline Agentsとツール
17. ◆Bedrockエージェントの良い部分：AWSサービスと連携できる点 • ツール利用により、AWSサービスの参照・操作が可能 • つまり、アクショングループを用いることで連携可能になる →Lambda関数でAWSサービスのAPIをコールする、など BedrockエージェントとアクショングループとMCP
18. ◆Bedrockエージェントの良い部分：AWSサービスと連携できる点 • ツール利用により、AWSサービスの参照・操作が可能 • つまり、アクショングループを用いることで連携可能になる →Lambda関数でAWSサービスのAPIをコールする、など ◆MCPでもAWSサービスとの連携は可能 • 自身でMCPサーバーを開発する、Lambda MCPサーバーを利用するなど →どちらにせよツールは自分で開発、AWSサービスのAPIをコールする形 • アクショングループとやりたいこと/実装はほぼ同じ…？ BedrockエージェントとアクショングループとMCP
19. ◆Bedrockエージェントの良い部分：AWSサービスと連携できる点 • ツール利用により、AWSサービスの参照・操作が可能 • つまり、アクショングループを用いることで連携可能になる →Lambda関数でAWSサービスのAPIをコールする、など ◆MCPでもAWSサービスとの連携は可能 • 自身でMCPサーバーを開発する、Lambda MCPサーバーを利用するなど →どちらにせよツールは自分で開発、AWSサービスのAPIをコールする形 • アクショングループとやりたいこと/実装はほぼ同じ…？ ◆AWSサービスと連携することを目的にしたMCPにおいては、 MCPとして享受できるメリットがほとんどないのでは？ BedrockエージェントとアクショングループとMCP
21. アクショングループで良いケースと MCPを使うべきケースを考える
22. ◆Bedrockエージェント+アクショングループ • エージェントとAWSサービスを連携することが目的のケース • (本番のワークロードで外部サービスとも連携する時) ◆Bedrock Inline Agents + MCP • 外部サービスと連携したい時 • 加えてAWSサービスとも連携したい時は、MCPで統一する方が管理が楽 →特に、エージェントが利用できるツールを細かく権限分離したい時は それぞれのユースケースを考える
23. ◆Bedrockエージェント+アクショングループ • エージェントとAWSサービスを連携することが目的のケース • (本番のワークロードで外部サービスとも連携する時) ◆Bedrock Inline Agents + MCP • 外部サービスと連携したい時 • 加えてAWSサービスとも連携したい時は、MCPで統一する方が管理が楽 →特に、エージェントが利用できるツールを細かく権限分離したい時は Lambda MCPサーバーを用いる それぞれのユースケースを考える
24. ユースケースを具体的に噛み砕く
25. ◆社員/生徒の取り組み記録を参照し、AIで業績/成績評価の たたき台を作成するような社内向けLLMアプリを考えてみる ◆AWS上に保存した社員/生徒の取り組み記録を Bedrockエージェントが参照し、それを元に評価・根拠を生成する • 社員/生徒は日々の取り組みをDBに記録。フィードバックを貰うことも可能 • 管理職/教師はエージェントが作成した評価を元にして修正していく 基本実装
26. ◆DBのデータに加えて、Slack・GitHub・Backlogなどとも連携 • より多角的な評価を行い、さらに今後の目標設定や指導方針作成にも活かす ◆Lambda MCPサーバーを使うことで、エージェントを1つにできる • 社員/生徒用IAMロールと管理職/教師用ロールを作成し、それぞれに対して 呼び出し可能なLambda関数を設定する 追加実装
27. ◆DBのデータに加えて、Slack・GitHub・Backlogなどとも連携 • より多角的な評価を行い、さらに今後の目標設定や指導方針作成にも活かす ◆Lambda MCPサーバーを使うことで、エージェントを1つにできる • 社員/生徒用IAMロールと管理職/教師用ロールを作成し、それぞれに対して 呼び出し可能なLambda関数を設定する 追加実装 他のクライアント から使いたい！
28. ◆AWS×MCPで、より拡張性のあるLLMアプリを作成可能 ◆ただ、エージェントとAWSサービスだけを連携する場合であれば、 MCPは不要なケースもある ◆ユースケースに合わせて最適なツール実装方法を選ぶのが重要 ◆BedrockエージェントでもMCP対応してください！！！！ まとめ