Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
感触を損なわずに弾性柔軟素材を触覚センサにする技術
Search
Hisashi Ishihara
April 08, 2022
Technology
0
290k
感触を損なわずに弾性柔軟素材を触覚センサにする技術
2019年12月のJST新技術説明会で知財紹介に使用した資料(一部改変)です.
Hisashi Ishihara
April 08, 2022
Tweet
Share
More Decks by Hisashi Ishihara
See All by Hisashi Ishihara
完璧なアンドロイドをつくるのはなぜ難しいのか?
hisashiishihara
0
310
研究発表用パワポスライドテンプレートv2022
hisashiishihara
2
300k
研究発表のためのパワポスライド作成例(桃太郎の村会議でのプレゼン)
hisashiishihara
1
290k
パワポ及びポスター発表資料で共通する作成のコツ - 配置・配色・文字サイズ -
hisashiishihara
1
680
論文の読み方 -骨子の読み取りからプロジェクト背景の深読みまで-
hisashiishihara
2
1.8k
「執筆の三重苦」を乗り越えるためのパラグラフライティング
hisashiishihara
3
4.5k
Other Decks in Technology
See All in Technology
Postman と API セキュリティ / Postman and API Security
yokawasa
0
200
日本版とグローバル版のモバイルアプリ統合の開発の裏側と今後の展望
miichan
1
130
2024年にチャレンジしたことを振り返るぞ
mitchan
0
140
第3回Snowflake女子会_LT登壇資料(合成データ)_Taro_CCCMK
tarotaro0129
0
190
サービスでLLMを採用したばっかりに振り回され続けたこの一年のあれやこれや
segavvy
2
450
Storage Browser for Amazon S3
miu_crescent
1
170
MLOps の現場から
asei
6
640
多領域インシデントマネジメントへの挑戦:ハードウェアとソフトウェアの融合が生む課題/Challenge to multidisciplinary incident management: Issues created by the fusion of hardware and software
bitkey
PRO
2
110
【re:Invent 2024 アプデ】 Prompt Routing の紹介
champ
0
140
Snykで始めるセキュリティ担当者とSREと開発者が楽になる脆弱性対応 / Getting started with Snyk Vulnerability Response
yamaguchitk333
2
180
KnowledgeBaseDocuments APIでベクトルインデックス管理を自動化する
iidaxs
1
260
バクラクのドキュメント解析技術と実データにおける課題 / layerx-ccc-winter-2024
shimacos
2
1.1k
Featured
See All Featured
How to Create Impact in a Changing Tech Landscape [PerfNow 2023]
tammyeverts
48
2.2k
How GitHub (no longer) Works
holman
311
140k
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
298
20k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
280
13k
Fashionably flexible responsive web design (full day workshop)
malarkey
405
66k
CSS Pre-Processors: Stylus, Less & Sass
bermonpainter
356
29k
Practical Tips for Bootstrapping Information Extraction Pipelines
honnibal
PRO
10
810
Dealing with People You Can't Stand - Big Design 2015
cassininazir
365
25k
Bootstrapping a Software Product
garrettdimon
PRO
305
110k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
29
2.3k
A better future with KSS
kneath
238
17k
Practical Orchestrator
shlominoach
186
10k
Transcript
感触を損なわずに 弾性柔軟素材を触覚センサにする技術 石原 尚 大阪大学 工学研究科 機械工学専攻 講師 川節拓実 共同研究者
大阪大学 基礎工学研究科 助教 堀井隆斗 大阪大学 基礎工学研究科 講師 この写真は技術の活用イメージであり、 実際の開発物ではありません
2 何かが触れる、全ての柔軟部分に触覚を。 ビジョン
3 柔軟部分の素材や構造は多彩。そのまま触覚センサにしたい。 課題➀ 最適素材の活用
4 表面は汚れや傷がつきやすい。痛んだらそこだけ取り換えたい。 課題② 表面交換の容易さ Renewal
5 柔軟素材が肉厚でも、表面近くの接触状態を知りたい。 課題③ 表面感度
6 全ての課題を解決できる方式がない 従来の触覚センサ 方式 最適素材の活用 表面交換の容易さ 表面感度 センサ下敷 薄膜センサに柔軟素材を載せる 〇
〇 × 圧電柔軟材料 力を電気に変える感圧ゴム等 × △ 〇 電子部品・配線埋込 柔軟素材内にひずみゲージ等配線 △ × △ 光学 表面からの光線を底面で捉える × 〇 〇 気体液体封入 内圧の変化を計測 × × 〇 磁石埋込 素材中磁石による磁場の変化を計測 × 〇 〇 専用素材への置き換えが必要 素材が柔らかいほど感度低下 配線も含めた交換で煩雑 光透過性が必須 本来の触感が損なわれる 専用素材が高額 表面に部品を置くと異物感 配線が困難 密閉性が必須 漏れ対策が困難
7 素材特性を活かせる単純な方法で高感度センサにする 新技術の特長 方式 最適素材の活用 表面交換の容易さ 表面感度 新技術 〇 〇
〇
8 強磁性微粒子の空間位置を複数コイルで推定 新技術のセンサ方式の構成と特長 平面コイルとコンデンサが 配線された回路基板 1 2 微粒子なので柔軟素材の触感が損なわれない 複雑な配線もなく回路部とも 分離しているので交換が容易
3 表面の微粒子部の位置推定 なので高感度(3次元) メリット メリット メリット 半透明ゴム+鉄微粒子 コイル基板の製作例 柔軟素材保持面(樹脂,ガラス,木等) 載せるだけ 発明の名称:触覚センサ 国際出願番号:PCT/JP2018/032870 公開番号:WO2019/049888A1 出願人:大阪大学 発明者:川節拓美、石原尚、堀井隆斗
9 柔らかいゴムの触感のまま押込・横ずれを測るセンサに 新技術によるシリコンゴムのセンサ化の例 押し込み方向の力成分 画面右方向の力成分 画面奥方向の力成分 載せるだけ シリコンゴム 鉄粉配合 プラスチック面
コイル基板
10 平均1N前後の誤差はあるが入力パタンは良好に推定 精度要求が厳しくなく、ざっくりと入力パタンが分かれば良い用途に向いている 力の推定精度 押し込み方向の力の真値と推定値(+推定誤差) 横ずれの力の真値と推定値(+推定誤差) ※ここでの真値は市販の高精度力センサの値 真値 推定値 推定誤差
真値 推定値 推定誤差 ⒸIEEE
11 高難度手術手技の技能評価デバイスとしての利用 シリコンゴム+触覚機能の応用例 千葉大学フロンティア医工学センター及び自治医科大学メディカルシミュレーションセンターとの共同研究 1 弾力や硬さを調整可能 2 縫った表面だけ交換 3 掴み損ないも検知
メリット メリット メリット
12 接触情報に価値がある、感触・質感が重要な部分 想定される用途 寝具や椅子が人を見守る 手術・介護・作業ロボットに グリップが入力装置に ペットロボットに皮膚を IoTデバイスや家具に触覚を 人の代わりに負荷を受ける
13 単純なものなら簡単に実現できる。 ただし、構成自由度が高い分、最適構成ノウハウ蓄積が重要 コイルに流す電流はどの程度にするか? コイルのサイズはどうするか? 強磁性粒子として何をどれほど使うか?
強磁性粒子をどのようにして配置するか 実用化に向けた課題