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研究テーマのデザインと研究遂行の方法論
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Hisashi Ishihara
April 23, 2025
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研究テーマのデザインと研究遂行の方法論
Hisashi Ishihara
April 23, 2025
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Transcript
研究テーマのデザインと 研究遂行の方法論 石原尚 大阪大学 大学院工学研究科 機械工学専攻 准教授(感情アンドロイドダイナミクス研究室) 20250423抜粋版 良いお供を得た状態で研究を進めるための
2/60 「テーマ」そのものの理解を深めて研究スキルを高める 研究テーマは,研究を始めて,進めて,終わらせるまでずっと 共にあり,逃れられない重要なもの 研究テーマを高い解像度で理解できていれば,研究の1サイクル の全体像を掴みやすくなる 全体像をうまく掴めると,目論見を持って見通し良く研究に
取り組めるようになる この講義の目的 課題解決型の 仕事全般
3/60 3部構成で意識の持ち方から実践技術までを網羅します 1. テーマ概論 なぜテーマが大切? テーマはどんなもの? テーマが果たす役割?
2. テーマの始め方と進め方 テーマのデザイン テーマからの旅立ち テーマへの帰還 3. テーマの終わらせ方 テーマ挑戦のストーリー化 ストーリーの論文化 ストーリーのプレゼン化 本日のセミナーの内容 15分程度 最後に質疑応答の時間を予定 40分程度 30分程度
4/60 テーマ概論 第1部 なぜテーマが大切? テーマはどんなもの? テーマが果たす役割? 「研究テーマに呪われる」
15分程度 40分程度 30分程度
5/60 研究の最初から最後まで着いてくる「お供」だから 研究を始めるときも 「テーマ」という言葉が飛び交う テーマを決めましょう.テーマをもっと練りましょう. そのテーマは面白いね!など.
研究を進める道中でも 「テーマ」を踏まえて数々の重要な選択をする どんな方法を採用して,実際に何をするのか? 結果からどんな知見を抜き出すのか? どんな考察をして,どんな結論にするか. 研究を終わらせようとするときも 論文やプレゼンのイントロダクションで「テーマ」を 解説する なぜテーマは大切?
6/60 大事なお供ではあるものの,実はとって怖いもの テーマの正体をよく知らずに進めると,い つのまにかテーマに呪われた状態に陥る 研究を助けてくれるはずが,かえって混乱 のもとになる.逃れようにも逃れられない 足かせになり,その呪縛で進むのも戻るの もつらくなる.
「テーマ」自体の理解をないがしろにする 怖さを知ったうえでよく理解して,しっか り味方につける方法を学ぶことが大切. テーマはどんなもの?➀ この講義の狙い!
7/60 研究を進める本人が「デザイン」するもの テーマを探したり,見つけたりするのは 一つの大切なきっかけではあるが, 自分の味方になるように「デザイン」し ないといけない 研究のお供としてのテーマには機能的役 割がある.その機能が果たされるように
デザインしておかないと,呪われる. テーマはどんなもの?② このセミナーで解説! 必要な機能が果たされるように 要素と構造を練る
8/60 研究の最初から最後まで付き添うお供として テーマに持たせる機能? 役割① 役割② 案内役になってくれる 基地になってくれる 役割③ 防御壁になってくれる 無限の判断の選択肢から
良いもの(手法など)を選ぶと きの指針や根拠を提供する 続々増える成果をうまく整理 整頓するためのベースとなる 成果発表や論文に対する 辛辣なコメント(研究の必要 性や取り組み方への攻撃) から守ってくれる 研究を始めようとするときの 研究を進めるときの 研究を終わらせようとするときの
9/60 テーマにこれらの機能が備わっていないと… テーマ(案内役)が頼りにならずに迷走する 何をすればよいかが分からなくなってもやもやする なんでそれを選んだの?こっちの方がいいでしょ?と言われる テーマ(基地)が崩壊して成果が散らかる
1本の論文としてまとめにくくなる なんでそんな考察をしているの?と言われる テーマ(防御壁)が攻撃に負けて努力の意義を認めて もらえなくなる そもそも別の課題の方がよかったんじゃない? そもそももう誰かがやっていたんじゃない? 逆にいえば
10/60 お供機能を発揮させる「テーマデザイン」が大切 探して見つけてくるだけではテーマの質が保障されない 質の悪いテーマをお供にすると,研究の最初から最後まで その呪縛を受けて足かせとなる(呪い状態) しっかりデザインをすると,良い案内役・基地・防御壁を得た 状態で研究に取り組める(ブースト状態)
自分のためにしっかりデザインしよう! テーマ概論のまとめ
11/60 テーマの始め方と進め方 第2部 テーマのデザイン(テーマの決め方) テーマからの旅立ち(結果の得方) テーマへの帰還(議論の仕方) 「研究テーマの呪いを解く方法」
15分程度 40分程度 30分程度
12/60 基本のポイントは5つ 1. どんな要素をどう組むかを理解してから始めよう 2. 研究を終わらせたことのある経験者の助けを得よう 3. 審査での反論に耐えられるように練り上げよう 4. 自分たちの手に負えるものに収束させよう
5. 失敗しても何らかの教訓が得られるものにしておこう テーマをうまくデザインするために これらのポイントを守りつつデザインする方法をこれから解説
13/60 5つの要素で構成するのがおすすめ 現状:研究対象の何が今不十分なのか 理想:研究対象が将来的にどうなるのがよいと考えているのか 課題:今回の研究で何が達成出来たらゴールなのか 問題:課題の達成の何が難しいのか
アプローチ:その問題をどんな作戦で解こうとするのか テーマの構成要素 これらの捉え方があいまいだとデザインに失敗するのでしっかり理解する
14/60 冒険の地図のように俯瞰的に5要素を図で整理する どこ(現状) からどんなところ(理想) を目指 してどこまで(課題) 行こうとするのか.何 が立ちはだかっていて(問題) ,それにどん
な作戦(アプローチ) で挑むのか. 俯瞰的に捉えることで,デザインの不具 合に気づきやすくなり,また経験者に相 談もしやすくなる 研究フィールドマップと呼んでいます テーマのデザイン方法➀ 現状 理想 問題 課題 アプローチ スタート地点 ゴール地点 障害 経路
15/60 7つのルールが守られるように穴埋め式で埋めていく これらのルールはテー マ設定の説得力を高め る論理 ルールが守られていな いと攻撃によって容易 に破綻する
テーマのデザイン法② 現状 理想 問題 課題 アプローチ ルール2 納得させやすいこと ルール1 同意してもらいやすいこと ルール3 現状より理想に近いこと ルール4 期限内の達成が見込めること ルール5 課題達成を難しくしていること ルール6 解決困難な理由を説明できること ルール7 現実的で着実で効果的であること
16/60 各要素は端的かつ具体的な表現にする 研究テーマのデザイン法➂ 現状 理想 問題 課題 ルール2 納得させやすいこと ルール1
同意してもらいやすいこと ルール3 現状より理想に近いこと ルール4 期限内の達成が見込めること ルール5 課題達成を難しくしていること ルール6 解決が困難な理由を説明できること 村が平和に発展している 連日の鬼の襲来で村が衰退している 村人全員でも勝ち目 がないほど鬼は強い 鬼の襲来の抑制 短く書こうとすることで 大事な部分が見えてくる 道中で集めた仲間との奇襲作戦 ルール7 現実的で着実で効果的であること アプローチ
17/60 研究フィールドマップを活用して俯瞰的に作っていく 5つの要素の定義とその違いをしっかり理解する 理想,現状,課題,問題,アプローチ 冒険RPGの世界観のように5要素の関係を俯瞰的に捉える ルールが守られるように各要素を穴埋め式で考える
各要素はなるべく端的かつ具体的な表現にする テーマのデザイン法のまとめ
18/60 まずは研究対象をしっかり定める 物体であれ,概念であれ,理想や現状あるいは課題や問題について 考えたり調べたりする対象を明確にすることから始める 大変なので,なるべく興味の持てるものがよい 「の」を繋げて対象の範囲を絞れるとなおよい デザインのコツ➀
「ペットロボット」 の 「人に対する反応」 の 「個別最適化方策」
19/60 早い段階で理想を「大胆かつ具体的に」定める 何を理想とするかで現状の不足についての認識は変わる(コップ の水の例) デザインのコツ② 現状 理想 問題 課題
人とロボットが豊かな 感情交流する未来 今のヒューマノイドには 表情のバリエーションが「足りない」 人の生活道路を ロボットが走りまわる未来 今のヒューマノイドが実績を積みつつあるので あまり「足りない」とはいいづらい
20/60 理想に照らして「足りない」現状を調査する 研究対象の全てを調査するのは大変.「理想に照らして足りない ところがどこか」に絞って調査をするのが効率的.調査範囲が広 すぎる場合は理想を絞る. デザインのコツ➂ アンドロイドの表情が 確実に向上していく未来 表情が確実には
向上していないこと を示すための現状調査をする 「アンドロイドの表情」という題材だけ 決めて調べ始めると調査が終わらない 理想に照らして 足りないことの確認に絞る 調査範囲が広すぎる場合 理想が広すぎるので 理想をさらに絞る
21/60 理想と現実の間の「現実的なライン」に課題を配置 課題(ゴール)をどこに据えるかは, 締切までの時間的余裕と,個人の技術, あるいはラボの設備やノウハウに依存. これが達成できたらクリア, というゴールラインをある程度 できそうなところに引けると
具体的な実施プランを立てやすくなる ラボの設備やノウハウに詳しい教員の助言 を受けつつ,現状からの距離を随時調整 デザインのコツ④ アンドロイドの表情が 確実に向上していく未来 表情が 確実には向上していない 表現力の定量化! ~および表情改善! ~に向けた既存 指標のサーベイ 現実的な ライン or
22/60 「問題」は暫定版として研究を進める中で見直す 新しい課題の難しさはやってみないとわからない 一方で,しっかり研究を進めるには問題を設定す る必要がある. なので,研究序盤では「いったい何が難しいの か」を確認することを重視するのが良い
本格的に取り組んだ後で問題を差し替えるのは大 変なので,試作や予備検討でできるだけ手早く問 題を見出す 暫定的な問題解決に取り組む中で新しい問題が発 見できたら、それ自体を重要な成果としてアピー ルする デザインのコツ➄ アンドロイドの表情が 確実に向上していく未来 表情が確実には向上していない 表現力の定量化! ??
23/60 アプローチは実施前から期待感のあるものにする 期待の持てるアプローチであれば,失敗したと しても失敗の原因を探ればそれが教訓となる 期待感の持てないアプローチでもし成果が あがらないと,「そりゃうまくいかないよね」 だけで教訓が得られない(論文にしづらい)
期待感を持たせるには「問題は確かにやっかいで 解きにくいが,おそらくこうなっているのでは ないか」という仮説と,「そうなっているなら, こういう作戦で解けるはずだ」というアイデアが 大切になる. デザインのコツ➅ 村人全員でも勝ち目がない ほど鬼は強い 奇襲には弱いのでは? 連携攻撃には慣れていないのでは?
24/60 テーマを定めていくおすすめの手順 1. まずは研究対象をなるべく絞って決める 2. 研究対象の理想を大胆かつ具体的に描く 3. 理想に照らして足りない現状を調査する 4. 理想と現実の間の現実的な到達ラインに課題を据える
5. 課題達成を妨げる問題は暫定版として研究を進めながら見直す 6. 仮説を立てて期待感を持てるアプローチを選ぶ テーマデザインのコツのまとめ
25/60 テーマの始め方と進め方 第2部 テーマのデザイン(テーマの決め方) テーマからの旅立ち(結果の得方) テーマへの帰還(議論の仕方) 「研究テーマの呪いを解こう」
15分程度 40分程度 30分程度
26/60 テーマが決まればそこを基地として冒険に出発 テーマに基づいて実際にやるべきことを定める テーマに関して成果を集めていく 成果をもとに作戦に微調整を加えながらどんどん進む テーマからの旅立ち(結果の得方)
27/60 アプローチを目標と手段にブレイクダウン アプローチに沿って課題を複数目標に細分化 目標:課題達成のためのマイルストーン 要件 達成度合いが測れること
達成できたときに課題達成に近づけること まだ見ぬ困難が含まれるもの 目標毎に効果的な手段を選ぶ 手段:目標達成に使える実施可能な手立て 要件 実施自体はほぼ確実にできること 実施の時間的目途が立つこと 結果の得方➀ アプローチ ブレイク ダウン 目標 手段 目標 手段 目標 手段
28/60 手段へのブレイクダウンは「手順と合理性」が大切 ブレイクダウンの方法 課題 これが達成 出来たらゴール! 課題 現状 ここがスタート! 現状
問題 こんな 障害がある 課題 現状 問題 全体としては こんなアプローチをとる 課題 現状 問題 目標は こことここと ここ 課題 現状 問題 それぞれに 試す手段 はこれ! まずは課題と現状の 位置関係を明確に 課題と現状の隔たりを 踏まえて問題を定義 問題の構造に合わせて アプローチを選ぶ アプローチの途中の 攻略ポイントを設定 攻略ポイントに 合った手段を用意 目標 目標 目標 でも… だから… 分割して… そのために…
29/60 各手段実施の記録を取りながら実施結果を集める どんな結果になったとしても,「何をしたらどうなったか」の記録 は次の行動決定に役に立つ 結果の得方②
30/60 集めた結果は「目標達成度」を測るつもりで見る ただ漠然と結果を眺めても研究は進まない 大切なのは目標の達成 目標達成に近づいたのか否かを調べるという観点で結果を見ることが大事 もし目標が達成できていたらこんな結果になるはず,という予想
と比較することも有効 結果の得方➂
31/60 各目標の達成度が高まらないようなら作戦を微調整 ブレイクダウンの手順を遡るように修正する まずは目標は変えずに手段を変える.それでだめなら目標を変える.それ でもだめならアプローチを変える. いきなり作戦の上流を変えるとやり直しのコストがかさむので厳禁! 結果の得方④
32/60 テーマから出発してどんどん結果を集めましょう アプローチを目標と手段にブレイクダウン 記録を取りながら手段を実施して結果を集める 結果は単に眺めるのではなくて目標達成度を測るようにみる 達成度が高まらないならブレイクダウンを遡るように修正
結果の得方のまとめ
33/60 テーマの始め方と進め方 第2部 テーマのデザイン(テーマの決め方) テーマからの旅立ち(結果の得方) テーマへの帰還(議論の仕方) 「研究テーマの呪いを解こう」
15分程度 40分程度 30分程度
34/60 結果が集まってきたら基地にしっかり戻ることを考える 考察・議論は難しい やれることが多すぎて何を議論したらよいか分から なくなったり,果てしなく感じてつらくなる 基地(テーマ)から離れる方にはどこにでも 行けてしまうので途方に暮れる.基地に帰る
向きに行き先を絞れば迷いにくい. テーマと紐づけながら結果を料理していく. つまり,結果に基づくテーマに照らした議論 によって,テーマに対して結論づけをする. テーマへの帰還(議論の仕方)
35/60 目標達成度を確認しやすい形式に結果をまとめる 結果は量より質.「目標がどれだけ達成で きたか」が一目でわかるほど良い.どんな 結果をまとめてどんなグラフや表で可視化 するか.どんな処理と特徴量化を施すか. もっとも質の高い結果をメインリザルトと して各目標毎に揃えていく
議論の方法➀ 手段 手段実施で得られた 結果群 目標達成度が 分かりやすい 形式の結果に 統合・抽象 達成度評価 の意識
36/60 問題がどのように解けたかを結果から議論する 仮説が正しければ,採用したアプローチを ブレイクダウンして決めた手段で問題が解 消されて目標は達成できるはず.ただし, 立てた仮説が正しくなくても,目標が達成 できることはある. なので,結果に基づいて,問題がどこまで
解けたのか,またなぜ解けたのかを議論す る 議論の方法② 手段 問題解決に ついての議論
37/60 課題はどこまで達成できたかを結果から議論する 問題は課題達成を難しくする要因ではあ るが,問題が解けたからといって必ずし も課題が達成されるとは限らない. 結果をもとに,課題がどこまで達成でき たのか(あるいはできなかったのか), なぜそうなったのかを議論する
議論の方法➂ 手段 課題達成についての 議論 到達点
38/60 残された課題への挑み方を結果から議論する 課題が完全には達成できなかった場合, その残差は「今後の課題」あるいは 「今回の研究の限界」として扱う. 結果をもとに,どうすれば今後の課題が 達成できそうか,あるいは限界を突破で きそうかを議論しよう.
議論の方法④ 手段 今後の課題や限界 についての議論 今後の課題 到達点
39/60 課題の先に見えた将来展望を結果から議論する 問題解決の冒険に実際に挑んでみたことで, 課題が達成できた先のさらに理想に近い状 況をより具体的にイメージできるように なっているはず. 結果をもとに,課題の先に見えた可能性を 「将来展望」として議論しよう
議論の方法➄ 手段 将来展望 についての議論 将来展望 到達点
40/60 テーマを意識すると議論すべきことが明確になる 目標達成度を確認しやすい形式に結果をまとめる そのうえで,結果からテーマの各要素について議論する 問題がなぜどのように解けたのか 課題はなぜどこまで達成できたか
残された課題への挑み方 課題の先に見えた将来展望 結果に基づいて議論することが大事.結果を得る前から 言えることは言っても意味がない. 議論の方法のまとめ
41/60 テーマの終わらせ方 第3部 テーマ挑戦のストーリー化(アウトライン作成) ストーリーの論文化(論文執筆) ストーリーのプレゼン化(発表資料作成) 「研究テーマにまつわる挑戦を伝え残そう」
20分程度 40分程度 30分程度
42/60 いきなり原稿に書き始めずに企画から始めるのが大事 論文執筆とプレゼン作成における重要な知識➀ アウトライン作成 構成の企画 仕上げ(推敲) 原稿の下書き あらすじを論文や スライドに書き起こす 品質が高まるように
無駄や間違いを無くす この段階で話の順序や 端的な表現をあれこれ検討する 手間はかかるが やってやりすぎる ことはない そもそも何をどう載せるかの構成がよくないと よい論文・スライドはできようもない ここから始めてしまう学生さんが多いが いきなりは難しい Step 1 Step 2 Step 3 Step 4 隙や無駄がないように 全体の論成を検討 わかりやすい あらすじを決める
43/60 研究には基本的なストーリー展開のパターンがある 論文執筆とプレゼン作成における重要な知識②
44/60 バランスのよい「結論」を導き出すことが大事 論文執筆とプレゼン作成における重要な知識➂
45/60 ストーリー展開に応じて原稿を区分けして書く 論文執筆とプレゼン作成における重要な知識➃ の区分
46/60 企画用テンプレートを利用して俯瞰的に練るのが有効 論文執筆とプレゼン作成における重要な知識➄ Research Canvas
47/60 成果に至る論理的道筋を「記録」するか「売り込むか」 論文と発表資料の違い ストーリー重視:背景から結論に至る大きな論理の流れを強調 直感性重視:瞬時に理解できるように一般用語と口語調表現で 図表主体:図表の補足として文章を利用 論文 = 後世に残す記録資料 詳細重視:成果を再現できるように詳しく書く
厳密性重視:曖昧さを排除した専門用語と文語調表現で 文章主体:文章の補足として図表を利用 発表資料 = その場で売り込む宣伝資料 目的が違うので 適した表現も大きく違う!
48/60 「新奇難解」な論理を「正確に分かりやすく」説く 両立が難しい 「新奇難解」でなければ既に誰かが研究成果を出していたはず しかし,成果に至る論理的道筋を「簡潔に」説明できなければ認められない 例えるなら,「深い森の奥で見つけた秘宝への道案内」
論文&発表 = 秘宝のある森の奥への道案内 聴衆&読者 = 道案内への参加者.秘宝の存在は半分信じていない.すぐ疲れ, すぐ迷う.そうなれば途中でさっさと帰る(読んだり聴いたりをやめる). 適当な道案内は成果を台無しにする 案内を成功させなければ,成果は世に埋もれるか,他人の手に渡る 論文執筆&発表技術と専門技術は研究の両輪 論文や研究発表で求められること
49/60 「話題・メッセージ・補足情報」の説明のユニット 簡潔な説明のための基本ユニット 話題 メッセージ 補足 補足 補足 「ここではこの話題について 説明しますよ」という見出し
役に立ちそうで,その時点で聞くに 相応しい,分かりやすい情報 へえ~と感じてもらえるような, 思考と努力の結晶として伝えたい 具体的文言 話題に留まって納得感とインパクトを高めるおまけ情報(根拠・解説・具体例) ほんとうに? なんで? つまり? もっとくわしく? たとえば? などの深掘り疑問に答えるようにつける
50/60 鎖のようにブロックを繋ぐのが説明の基本構造 良い説明の基本構造 話題 メッセージ 根拠 解説 具体 例 話題
メッセージ 根拠 解説 話題 メッセージ 根拠 解説 これについては… こうです! 話を進めます 念のためのおまけ情報です 話題発展 話題発展 具体 例 具体 例
51/60 1つのユニットがパラグラフもしくはスライドになる 基本構造と論文or発表資料の関係 話題 メッセージ 話題 メッセージ 話題 メッセージ 話題発展
話題発展 これがひとつのパラグラフ もしくはスライドのページ 根拠 解説 具体 例 根拠 解説 根拠 解説 具体 例 具体 例 これがひとつのパラグラフ もしくはスライドのページ これがひとつのパラグラフ もしくはスライドのページ 説明のユニット 説明のユニット 説明のユニット
52/60 配置をそのままに1パラグラフに変換できる 説明のユニットの活用法 話題 メッセージ 根拠 解説 具体例 基本的に 4要素の組み合わせ
である 納得感が乏しいから 4要素の詳細を説明しよう 述べなくても 十分伝わるだろう 述べなくても 十分伝わるだろう アンドロイドの 顔の仕組み アンドロイドの顔を動作させる仕組み は,基本的に4要素の組み合わせで実現 される.内側から順に,駆動力を生成す るアクチュエータ,駆動力を外側へ伝達 するトランスミッション,頭蓋に相当す るシェル,そして柔軟皮膚マスクである スキンである.アクチュエータには,通 常電気モータやエアシリンダが採用され, トランスミッションとしてはプーリ等を 用いたワイヤ牽引あるいはリンク機構が 併用される.シェルはスキンの土台とし て適した形状に加工され,スキンは表面 が所望の変形を生じるように数mm厚程 度で調整される.このように,素材や構 造には選択肢があるものの,これらの4 要素を組み合わせたうえで、スキンに力 を与えて生じる変形として表情を作る点 は共通である. 話題文 =話題+メッセージ 補助文=補足 今回は「解説」
53/60 配置をそのままに1スライドに変換できる 説明のユニットの活用法 話題 メッセージ 根拠 解説 具体例 述べなくても 十分伝わるだろう
述べなくても 十分伝わるだろう 基本的に 4要素の組み合わせ である 納得感が乏しいから 4要素の詳細を説明しよう アンドロイドの 顔の仕組み
54/60 説明のユニットを組めば論文にも発表資料にも化ける つまり 話題発展 メッセージ メッセージ メッセージ 話題発展 解説 根拠
具体例 解説 根拠 具体例 解説 根拠 具体例 話題 話題 話題
55/60 説明のユニットは骨子だけで仮組するのが早い 説明のユニットの組み方 話題発展 メッセージ メッセージ メッセージ 話題発展 解説 根拠
具体例 解説 根拠 具体例 解説 根拠 具体例 仮組された連結ユニットの骨子 = いわゆるアウトライン 話題 話題 話題
56/60 話題とメッセージのペアを接続詞で繋いでストーリー展開 アウトラインの例 対して そこで しかし 理想 現状 課題 問題
大気成分のみで活動 可能な次世代型 アンドロイドの実現 現在のアンドロイドは 人と同じものを 食料としている 大気成分を エネルギーに 変換する人工胃の 変換効率を 20%以上にする 従来の変換胃は 壊れやすい 研究フィールドマップを用いたテーマデザインがここでも活きる!
57/60 アウトライン作成は箇条書きアプリが便利 理想 大気成分のみで活動可能な次世代型アンドロイドの実現 現状 現在のアンドロイドは人と同じものを食料としている
課題 エネルギー変換胃の効率を20%以上にする 問題 従来の変換胃は壊れやすい 実際の工程
58/60 話題とメッセージだけを上部に書き込んで仮組します スライドの場合の工程 アウトラインスライド作成 補足書き込み 補足の図解
59/60 細部の作りこみは後回し.大枠から組んでいく. 原稿に向かう前に基本のストーリー展開に沿って企画を練る 企画書に書いた話題とメッセージのペアでアウトラインを組む アウトラインの各メッセージ毎に補足の方針を決める アウトラインだけで論文のパラグラフ先頭文とスライドの
上部の記載を一旦済ませる(ラフ原稿・ラフスライド) 補足を論文では文章主体で,発表資料では図解主体で 充実させていく テーマの終わらせ方のまとめ
60/60 テーマ理解を深めて研究を実施する方法を解説しました. 研究には様々なノウハウがあります.ぜひ学んでおきま しょう. おわりに 石原尚(著/文)森北出版 研究・執筆・発表の基礎を しっかり学ぶ note テーマ決め・仮説検証・
スケジュール管理なども @hisashi_is