スクラム祭り 2025 沖縄トラック
豊田佐吉からアジャイルをたどる
三河遠江ものづくり巡礼記
https://confengine.com/conferences/scrummatsuri/proposal/23143/5dna
豊田佐吉からアジャイルをたどる三河遠江ものづくり巡礼記
~明治の包摂的制度から現代アジャイルまで、5つの産業遺産が語るイノベーションのDNA~
川口恭伸 / 藤村新
セッションの核心メッセージ
日本人だからこそ発見できた知識循環
アジャイル・スクラムの源流は日本の製造業にあり
その原点は英国産業革命と米国の産業躍進
現地資料と証言者へのアクセスで全体像を解明
知識循環の全体像
英国産業革命
↓ 『自助論』
明治日本の包摂的制度
↓
三河遠江の製造業イノベーション
↓ 野中論文
アジャイル・スクラム
↓
世界標準化
5つの産業遺産巡礼
1. 豊田佐吉記念館
自助論と包摂的制度の奇跡
母の手間を減らす利他的動機
観音堂での『西国立志篇』勉強会
明治維新による起業家の所有権保護
2. トヨタ産業記念館
技術継承とグローバル視点
織機技術の動態展示
豊田喜一郎のニューヨーク体験
特許のグローバル展開戦略
3. スズキ歴史館
後発による差別化戦略
自動シャトル交換技術での差別化
若手への権限委譲
軽自動車特化とコスト意識
4. ヤマハコミュニケーションプラザ
多角化と競争
楽器からの分社化
ホンダとのマン島TTレース競争
浜名湖立地活用のマリン事業
5. 本田宗一郎ものづくり記念館
技術者文化の継承
マン島TTレースの「無謀な高い目標」
技術者社長への継承文化
「すぐれたアイデアはすぐれた人間から」
なぜ今この旅なのか
2009年からスクラム実践、3年で自動車産業との関わり深化
スクラムフェス三河5年の歩み
製造業参加者の劇的増加
アジャイルの源流のさらなる源流を探る
理論的統合①:包摂的制度
なぜこの地域でイノベーションが生まれたのか
明治維新により日本は包摂的政治経済制度へ移行
藩主による搾取・規制の撤廃
自由な事業環境の整備
起業家の努力が報われる制度設計
豊田佐吉の勉強熱心さが開花できた歴史的背景
理論的統合②:文化的影響
『自助論』からの学び
名誉革命後のイギリス文化
「自助・自立・自律」の精神
包摂的制度を持つアメリカからの技術学習
豊田父子二代にわたる国際的学習
スクラムの源流発見
野中論文『The New New Product Development Game』
この地域の製造業現場から生まれた「ラグビー型」開発
ホンダ本間日義氏の「全員同時にスクラム」比喩
現代アジャイル手法の原点
製造業からソフトウェア開発への知識循環
本間氏の証言:ワイガヤの本質
初代ホンダシティ開発での発見
判定基準:「ワクワクドキドキするかどうか」
共感周波数が生む創造のスパイラル
全社を巻き込む人間的知性
AI時代だからこそ必要な人間性の復権
まとめ:知的冒険の示唆
現代アジャイル実践への学び
包摂的制度が個人の創造性を解放する
グローバルな学習サイクルの重要性
「無謀な高い目標」が革新を生む
人間的共感がイノベーションの核心
知識は循環し、文化を超えて進化する
日本発→世界→日本へ──知識循環は続く