Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
リハビリmruby
Search
Katsuhiko Kageyama
July 04, 2024
Programming
1
240
リハビリmruby
最近のmrubyの実装について少し調べてみましたので、その内容を共有したいと思います。
Katsuhiko Kageyama
July 04, 2024
Tweet
Share
More Decks by Katsuhiko Kageyama
See All by Katsuhiko Kageyama
思い出の技術書 F-BASICの世界
kishima
0
12
Rubyistに贈る ラーメン作りの技法
kishima
2
220
Now is the time to create your own (m)Ruby computer
kishima
0
38
Other Decks in Programming
See All in Programming
テストコード書いてみませんか?
onopon
2
340
Swiftコンパイラ超入門+async関数の仕組み
shiz
0
170
EC2からECSへ 念願のコンテナ移行と巨大レガシーPHPアプリケーションの再構築
sumiyae
3
590
Stackless и stackful? Корутины и асинхронность в Go
lamodatech
0
1.3k
DevinとCursorから学ぶAIエージェントメモリーの設計とMoatの考え方
itarutomy
0
140
PicoRubyと暮らす、シェアハウスハック
ryosk7
0
220
PHPで学ぶプログラミングの教訓 / Lessons in Programming Learned through PHP
nrslib
4
1.1k
Package Traits
ikesyo
1
210
毎日13時間もかかるバッチ処理をたった3日で60%短縮するためにやったこと
sho_ssk_
1
550
Amazon Nova Reelの可能性
hideg
0
200
php-conference-japan-2024
tasuku43
0
430
どうして手を動かすよりもチーム内のコードレビューを優先するべきなのか
okashoi
3
870
Featured
See All Featured
Distributed Sagas: A Protocol for Coordinating Microservices
caitiem20
330
21k
YesSQL, Process and Tooling at Scale
rocio
170
14k
I Don’t Have Time: Getting Over the Fear to Launch Your Podcast
jcasabona
30
2.1k
Music & Morning Musume
bryan
46
6.3k
Being A Developer After 40
akosma
89
590k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
127
18k
Facilitating Awesome Meetings
lara
51
6.2k
Measuring & Analyzing Core Web Vitals
bluesmoon
5
210
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
182
22k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
54
9.1k
Optimizing for Happiness
mojombo
376
70k
Evolution of real-time – Irina Nazarova, EuRuKo, 2024
irinanazarova
6
500
Transcript
リハビリ mruby @kishima 2024/07/04 Omotesando.rb
自己紹介 @kishimaといいます IoT系の会社で組み込み関係のお仕事をしています 普段はROS/C++/Rust/Pythonにふれる機会が多いです TokyuRuby会議のスタッフとかしてます
以前作っていたもの mrubyの言語実装に関する同人誌や mrubyのための自作ハードウェアなど https://silentworlds.booth.pm/
最新のmrubyに追いつきたい ここ数年のアップデートをブログにまとめたり https://silentworlds.info/2023/12/23/post-1066/ このあたりで知識が止まっている
ここ数年の主なアップデート • 省メモリ化(100kB程度のメモリでも動くように) • バイトコードの見直し • ビルド方法の変更(rake) • 記法や言語仕様の更新(よりcRubyに近く) など
サンプルコードで v2.0.0とv3.3.0を比較 test.rb
こんな作業をしたいときのための Docker https://hub.docker.com/r/kishima/mruby debianベースで全タグのmrubyのソースとビルド済みバイナリが入ったイメージを公開してます amd64/arm64 対応
前知識:mrubyの構造 mrbcがrbをバイトコードに変換して、それをVMが実行する形になっている 最新はちょっと違うかも
メモリは減ったのか? mruby 2.0.0 mruby 3.3.0 トータルの使用量に加えて、 Allocateの数も減っているので、高速化もできていそう
前知識:バイトコード mrbファイルの構造 バイトコードは所定のフォーマットで出力され、バイナリ データとして管理される IREP(internal representation?)単位で入れ子の形で格 納される 関数やクラス単位でまとまっていると思えばOK
前知識:Header mrubyバイトコードハンドブックより引用
バイトコードの変化 2.0.0 3.3.0
2.0.0 3.3.0
バイトコードの変化 • HelloWorldで見て取れる範囲 ◦ バイトコードバージョンの更新 0005 > 0300 ◦ OP_CODEが簡略化された模様
バイトコード読んでみる( v2.0.0) OP_LOADSELF : R1レジスタに selfオブジェクト(=main)を入れる OP_STRING : R2レジスタにリテラル[0]のデータ(=”hello world”)をコピー
OP_SEND : R1をレシーバとした :puts をシンボルとして持つメソッドを実行する。引数は R[1+1] OP_RETURN : R1を戻り値としてReturnする OP_STOP : VMの停止
バイトコード読んでみる( v3.3.0) OP_STRING : R2レジスタにリテラル[0]のデータ(=”hello world”)をコピー OP_SSEND : ※オペランド名が変わってる。実装まだ読んでないので変化の理由は不明 OP_RETURN
: R1を戻り値としてReturnする OP_STOP : VMの停止 LOADSELFってなくなったわけではない? >定義(https://github.com/mruby/mruby/blob/master/include/mruby/ops.h)を参照すると残ってる R1にはselfがセットされので、省略された?
最新の定義のヘッダーファイルを見ると理由が推測できた SSEND は Self SENDの略で、Selfをレシーバとしてメソッドコールすることを表しているっぽい なので、R1にselfをセットしてSENDを呼ぶ必要がなかった バイトコード読んでみる( v3.3.0)
まとめ • 思ったよりもいろいろ基本的な部分から変化がありそう ◦ メモリ使用量の削減はデカい • バイトコードハンドブック改訂したいな・・・