Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
Hardening II SU Softening Day - Team カムイ Presen...
Search
Yuichiro SAITO
PRO
July 05, 2019
Technology
0
3.7k
Hardening II SU Softening Day - Team カムイ Presentation
Hardening II SU @ 北海道・札幌
2019.07.04-05
チームカムイ プレゼンテーション
Yuichiro SAITO
PRO
July 05, 2019
Tweet
Share
More Decks by Yuichiro SAITO
See All by Yuichiro SAITO
FinTech スタートアップのセキュリティチェックシートとの向き合い方 / AWS FinTech Bootcamp! Compliance
koemu
PRO
0
540
クラウドを積極活用したサービスの開発のために / AWS FinTech Bootcamp! Basic
koemu
PRO
0
230
ワークショップFinTech アーキテクチャ / AWS FinTech Bootcamp! Workshop
koemu
PRO
0
220
正しい理解で作る安心安全な FinTech の IT インフラ / tech play aws 2022 2
koemu
PRO
1
270
AWSの「今」 -PHPのコードを素早く動かすためのサービスのご紹介 / PHPCon2022 AWS Japan Session
koemu
PRO
2
2k
PdMとエンジニアのより良いコミュニケーションに向けて / Improve communication between Product Manager and Software Engineer
koemu
PRO
1
520
フェイズ別・スタートアップ企業への技術選定 シード編 #AWS #AWSStartup / Startup Tech 101 for Seed
koemu
PRO
0
480
AWSを使って送金機能を実装してみよう - 「sunabar-GMOあおぞらネット銀行API実験場-」コミュニティイベント第6弾
koemu
PRO
0
1k
Software Development at Mercari #ioi2018
koemu
PRO
0
1.1k
Other Decks in Technology
See All in Technology
7日間でハッキングをはじめる本をはじめてみませんか?_ITエンジニア本大賞2025
nomizone
2
1.8k
エンジニアの育成を支える爆速フィードバック文化
sansantech
PRO
3
1.1k
リーダブルテストコード 〜メンテナンスしやすい テストコードを作成する方法を考える〜 #DevSumi #DevSumiB / Readable test code
nihonbuson
11
7.3k
偶然 × 行動で人生の可能性を広げよう / Serendipity × Action: Discover Your Possibilities
ar_tama
1
1.1k
Classmethod AI Talks(CATs) #17 司会進行スライド(2025.02.19) / classmethod-ai-talks-aka-cats_moderator-slides_vol17_2025-02-19
shinyaa31
0
120
ビジネスモデリング道場 目的と背景
masuda220
PRO
9
540
2.5Dモデルのすべて
yu4u
2
870
データマネジメントのトレードオフに立ち向かう
ikkimiyazaki
6
990
技術的負債解消の取り組みと専門チームのお話 #技術的負債_Findy
bengo4com
1
1.3k
Nekko Cloud、 これまでとこれから ~学生サークルが作る、 小さなクラウド
logica0419
2
970
株式会社EventHub・エンジニア採用資料
eventhub
0
4.3k
白金鉱業Meetup Vol.17_あるデータサイエンティストのデータマネジメントとの向き合い方
brainpadpr
6
760
Featured
See All Featured
Chrome DevTools: State of the Union 2024 - Debugging React & Beyond
addyosmani
4
330
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
270
27k
Fireside Chat
paigeccino
34
3.2k
Agile that works and the tools we love
rasmusluckow
328
21k
Keith and Marios Guide to Fast Websites
keithpitt
411
22k
How to Think Like a Performance Engineer
csswizardry
22
1.3k
Writing Fast Ruby
sferik
628
61k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
PRO
656
59k
Docker and Python
trallard
44
3.3k
Responsive Adventures: Dirty Tricks From The Dark Corners of Front-End
smashingmag
251
21k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
40
2k
For a Future-Friendly Web
brad_frost
176
9.5k
Transcript
Hardening II SU チームカムイ (11) 報告書 2019/07/05 斎藤 祐一郎 (@koemu)
TL;DR 私達は一人ひとりが専門家として、最善を尽くせるた めの準備をし、スピード感を持って戦い抜きました。 ➔ ロールの明確化 誰が何をしているかお互いが理解し、素早い 意思決定が行えるチームでした。 ➔ Hardening OSSの開発と実戦運用
今回の為に開発した監視・運用ツールを投入 しスピード感ある対処ができました。 ➔ マーケットプレイスの活用 特に人的リソースにはROIが高いと判断し、 惜しみなく投資を行いました。 2
チームの自己紹介 3
メンバー一覧 (左から) • 曽谷 祐一 (@sotani) ((株)メルカリ セキュリティ) • 杉江
彩(@rougelecca) (ネットワークエンジニア) • 斎藤 祐一郎 (@koemu) ((株)メルカリ バックエンドエンジニア) • 伊佐 大佑(@dajo) (琉球大学) • 澤田 一樹 (@sekai67) ((株)メルカリ SRE) • 戸谷 洋介 (@ytotti) ((株)ラック) 4
準備 僕らは… この日のために2ヶ月間準 備してきました 5
3つのキーポイント • 過去の出題内容を振り返る • ロールの明確化 • 準備と定例MTG 6
過去の出題内容を振り返る 出場経験者である@rougeleccaさんから共有を受けた。 • 過去の出題内容 • その際に誰がどのように動いたのか • 事前準備の重要さ • マーケットプレイスの重要さと活用方法
• 遅刻しない!!!!! 7
ロールの明確化 距離もあり、本職の業務をよく知らない者同士が札幌に集結 して戦うにあたって、備えたこと。 • 過去の大会を通じて必要なロールの定義。 • 本職の業務を踏まえたロールの割り当て。 • 決まったロールをもとに、事前に情報収集。 8
準備と定例MTG 1週間に1回 30分、Zoomを使ってオンライン定例MTG。 それ以外はSlackでコミュニケーション。 資料はGoogle Driveで共有。 • まずはお互いを知る • 事前準備の進捗
◦ 調査レポート (脆弱性など) ◦ テンプレ整備 (CS, 法務, 労務, etc…) • 資料の読み合わせ 9
体制・情報共有など 組織運営に関すること みんなは 上下関係のない、 プロフェッショナル 集団として。 10
3つのポイント • ロール • チーム内でのコミュニケーション • 対外コミュニケーション 11
ロール • @sekai67: SRE • @sotani: レポーター, 渉外 • @ytotti:
脆弱性切り分け • @rougelecca: CS, HCA連絡 • @dajo: 販売管理 • @koemu: インシデントコマンダー (対外的にはリーダー) 12
チーム内でのコミュニケーション • レポーターにレポートを集約。作業をタイムラインで振り返られる。 • ロールの近い者同士が近くに座って、スッと寄って話せる。 • テキストベースのものはすぐにSlackで共有。 • インシデントコマンダーが決断に責任を負う。 ◦
複数の攻撃を受けたときの優先度を決める。 ◦ 経済条件の意思決定を行う。 ◦ 時間制限を決める。 ◦ 基本、作業は行わない。 • 意見の対立はなかった。皆が背景を理解し、納得して仕事した。 13
対外コミュニケーション 連合間のコミュニケーション • 定例MTG (2時間おき) ◦ チーム間で困っていることを言い合い、スポットで情報を融通。 ◦ 前日に呼びかけて決めた。 全体のコミュニケーション
• HCA: 提供された情報を逐次共有できる体制 • JPCERT: 情報漏えいが確認された際の通報 14
インシデントレスポンス 15
flos: 本大会向け 運用・監視OSS @sekai67さんが夜なべして作った、 Linux/Windowsサーバ 監視・運用OSS • 死活監視 • ログ・プロセスビュー
• コマンド一括送信 • 自動バックアップ リポジトリ: https://github.com/kaz/flos 16
事象への向き合い方 想定とはどうか • 売上に直結する障害から、順次対処していく。 • 事前に調べていた脆弱性、特にRCEはだいたい来ていた。 • 一番の想定外はWindowsの「花」→MPのツールで対策(後述) 渉外対応 •
隠さない、すぐに言う。 • 関係各所への報告は迅速にできたと考えている。 17
ビジネス価値向上の 取り組み ビジネス GMVがあがってなんぼの もの 18
GMVのグロースに向けて • まずは商品名・商品画像を差し替えるところからスタート。 • 人気のある商品を中心に、値上げを実施。GMVにインパ クトがあったことを確認。 ◦ ただし、初動が遅かったのが悔やまれる。 19
公式サイトの整備 • WIPページの整備 ◦ NECさんに委託(後述) ◦ テンプレの準備が功を奏した ◦ メールフォームも動いた 20
事故発生時への向き合い方 • 売上に直結する障害から順に潰す。 ◦ サービス停止は最優先。 ◦ 「疑い」レベルは、すでに施した対策でカバーできるの であれば一旦置いておく。 21
マーケットプレイス 活用の試み GO BOLDに お金で解決できることは、 お金で解決する。 22
購入した製品/サービス • NEC様 勝つための助っ人派遣ソリューション 2時間 2,000万円 • Cisco 様 シスコなまらセキュアセット
2,000万円 • トレンドマイクロ様 IRどうでしょう 500万円 購入の方針 • 買えない後悔より、高くても買って後悔。 • ROIは高いはずとチームで決断したものをGO BOLDに買いに行った。 23
NEC様 勝つための助っ人派遣 • Linuxサーバ全てにiptablesの設定を依頼。 ◦ 初期段階に設定できたため、マルウェアの通信やバインドシェルの実行 がかなり遮断できた。 • 公式サイトの整備を依頼。 ◦
手が回っていないところだったので、大変助かりました。 ◦ テンプレはこちらで用意していたので、連絡もスムーズでした。 お世話になりました! めっちゃROIが高かったです。2,000万出してよかった。 24
Cisco 様 シスコなまらセキュアセット • シグネチャレベルで防げる通信の遮断には軒並み成功。 ◦ より高度な攻撃への対処に集中することができた。 • レポーティングを通じて、どのような攻撃が到達しているか理解を深めること ができた。
• 設定等がうまく行っていないと、声をかけてくださったのはありがたかった。 どうもありがとうございました! 25
トレンドマイクロ様 IRどうでしょう • Cisco様のIPSソリューションとかぶっている部分があったので、使わない部分 を値下げいただけた。 • Windows端末のマルウェア・ウィルスに対する防御を施すことができた。 • インストールに手間取った際、お声がけいただきサポートいただけた。 どうもありがとうございました!
26
総括 27
Hardening参加のメリット • @koemu: 意思決定者は常に知見を高め、周りを見回し、よく話を聞き、そし て心の健康を保ち決断する大切さを理解した。 • @sekai67: 本物の攻撃とその防御の難しさを、身を以て知った。 • @sotani:
インシデント対応の筋トレ。事前の準備の大切さとその必要性の ジャスティフィケーションを身を持って知る。 • @ytotti: 自社の考え方に縛られずに、いろいろな経営的観点、技術的観点、 人材的観点に触れることができる。 • @rougelecca: 自分の力量が可視化されるので、今後どう活かすかを明確化 できた。 • @dajo: 技術だけじゃない総合力の必要性を知った。 28
明日以降どう活かすか • @koemu: 本番障害でも笑顔でいる、それが仲間の救いになるはず。 • @sekai67: 当たり前を見直す、疑う。障害に対する心構え。 • @sotani: 自社のインシデントの準備
• @ytotti: オフライン状態でのセキュリティ対策は、非常に技術力がつくという 知見を得たので明日以降普段から考慮しながらすごす。 • @rougelecca: 身近にある攻撃がビジネスに響くことを社内で布教していく。 攻撃と防御を棚卸する。 • @dajo: 問題の早期対応を意識する。 29
今後のイベントに向けての提案 • @koemu: 運営のみなさまがもっと煽っていくスタイルが良いです。 • @sekai67: もっと絶望感を。 • @sotani: 社長=チームリーダーなのか?あたりのたてつけがわかりにくかっ
た。そしてわかりにくいまま始まっちゃった。のはいまいちだったが、それ以外 は、いろんな意味でちょうどよかった。 • @ytotti: 攻撃のタイミングでモニターや音声を用いた演出がもっとあってもい いと思った。 • @rougelecca: 役員会議や記者会見がモニターで流し見状態だったので本格 的に危機感が感じられるともっと良い。 • @dajo: 競技中の飲酒許可 30
おわりに 31
改めて TL;DR 私達は一人ひとりが専門家として、最善を尽くせるた めの準備をし、スピード感を持って戦い抜きました。 ➔ ロールの明確化 誰が何をしているかお互いが理解し、素早い 意思決定が行えるチームでした。 ➔ Hardening
OSSの開発と実戦運用 今回の為に開発した監視・運用ツールを投入 しスピード感ある対処ができました。 ➔ マーケットプレイスの活用 特に人的リソースにはROIが高いと判断し、 惜しみなく投資を行いました。 32
謝辞 チームメンバー一同、このような機会に恵まれ、大変 感謝し、そして学びがありました。 ➔ 運営のみなさま 素晴らしい大会を用意いただきありがとうござ いました。 ➔ スポンサー・MPのみなさま 素晴らしい機材・サービス・環境の提供をあり
がとうございました。 ➔ 参加者のみなさま たのしかったですね!またお会いしましょ う!! 33
おわり 34