Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
人のせい? 仕組みのせい? - People or Process
Search
Koichi Yoshida
October 03, 2025
Technology
0
58
人のせい? 仕組みのせい? - People or Process
Koichi Yoshida
October 03, 2025
Tweet
Share
More Decks by Koichi Yoshida
See All by Koichi Yoshida
チームビルディングは"感性"で向き合おう / Team Building with Awareness
kohzas
1
1.6k
RPGで理解する “目的”と“目標”
kohzas
3
1.2k
"スクラムっぽい"でも成果を出すチームづくり
kohzas
0
330
チームビルディングは感性で向き合おう
kohzas
1
120
Other Decks in Technology
See All in Technology
空間を設計する力を考える / 20251004 Naoki Takahashi
shift_evolve
PRO
3
400
20250929_QaaS_vol20
mura_shin
0
130
OCI Network Firewall 概要
oracle4engineer
PRO
1
7.8k
o11yで育てる、強い内製開発組織
_awache
3
120
後進育成のしくじり〜任せるスキルとリーダーシップの両立〜
matsu0228
7
2.8k
GC25 Recap+: Advancing Go Garbage Collection with Green Tea
logica0419
1
430
スタートアップにおけるこれからの「データ整備」
shomaekawa
1
240
実装で解き明かす並行処理の歴史
zozotech
PRO
1
530
OpenAI gpt-oss ファインチューニング入門
kmotohas
2
1k
いま注目しているデータエンジニアリングの論点
ikkimiyazaki
0
610
【Oracle Cloud ウェビナー】クラウド導入に「専用クラウド」という選択肢、Oracle AlloyとOCI Dedicated Region とは
oracle4engineer
PRO
3
120
ACA でMAGI システムを社内で展開しようとした話
mappie_kochi
1
280
Featured
See All Featured
Learning to Love Humans: Emotional Interface Design
aarron
274
40k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
26
3.1k
Producing Creativity
orderedlist
PRO
347
40k
個人開発の失敗を避けるイケてる考え方 / tips for indie hackers
panda_program
114
20k
Balancing Empowerment & Direction
lara
4
680
Thoughts on Productivity
jonyablonski
70
4.9k
KATA
mclloyd
32
15k
How STYLIGHT went responsive
nonsquared
100
5.8k
Design and Strategy: How to Deal with People Who Don’t "Get" Design
morganepeng
132
19k
A better future with KSS
kneath
239
17k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
140
34k
The Language of Interfaces
destraynor
162
25k
Transcript
人のせい? 仕組みのせい? 再現性を持ったチームづくりの取り組みのために スクラム祭り 2025/10/4 吉田 浩一
1 「再現性」という悩み 2 なぜその方法は 失敗するのか 3 思考のプロセスを 再現する 4 構造で捉える
「再現性」という悩み 1
あのチームではうまくいったのに ここではダメなのは どうしてなんだろう?
家具の組み立て: 説明書通りにやれば、誰で も同じものが作れる チームづくり: 同じ「説明書」でも結果はい つもバラバラ ⚙
🤝 🧑
特定の条件下で同じ実験やプロセスを繰り返した際 に、同様の結果が得られること 再現性
なぜその方法は 失敗するのか 2
1on1やKPTなど具体的な「型」か ら始めるが、なかなかうまくいか ない ❌
なにか問題が起これば 「あの人がもっとちゃんとやってく れれば」 と思ってしまう なぜなら「型」が正解だから ❌
人のせい? 仕組みのせい? 本当に人のせいなのか?問題が起きた時に私たちが問 うべき、根本的な問いかけです
Clear 明確 Complecated 煩雑 Complex 複雑 Chaotic 混沌 Disorder 無秩序
人間に関する 問題は この領域 クネビンフレームワークは、人間に関 する問題が「複雑」「混沌」な領域にあ り、明確で再現可能な答えがないこと を示してくれます
なぜ人は複雑なのか? • 人は生きているシステムである • それぞれ異なる感情や価値観を持つ • 状況や変数は常に変化し続ける • 画一的なアプローチは失敗する
思考のプロセスを 再現する 3
手段から始めない これが再現性のカギに なります
ステップ思考 1.課題 何が課題で、なぜそれが問 題なのか? 2.ゴール どのような状態が望ましいの か? 3.手段 ゴールに近づくための複数 の選択肢は何か?
課題とゴールを先に定義するこ とで、「手段」は固定されたルー ルではなく状況に応じて選べる 柔軟なツールに変わります
再現性とは、同じ手段を繰 り返すことではなく、思考プ ロセスそのものを再現でき る力のことです “
構造で捉える 4
失敗の条件は“or”、成功の条件は“and” 条件1: 目的がある 条件2: 士気が高い 条件3: 適正なキャパ AND AND
成功の条件 成功の「AND」条件: 成功にはすべての条件が満たされる必要があ り、非常に脆いものです
ドベネックの桶(リービッヒの最小律) 桶に入れた水は最も低い板から流れ出す 「ドベネックの桶」というメタファー これが「失敗は”or”」という考え方です 失敗の「OR」条件:
桶から溢れる水のように、失敗はたったひとつの 問題で起こります
この絵の真ん中の人に注目
解釈: 会議中に不機嫌そうな人が いる 事実: 会議中に腕を組んで眉間 にシワを寄せている人がい る
「解釈」は事実と勘違いして認識さ れることがあります 「空気を読む」「文脈を読む」も大 事ですが、事実を見ているのでは なく解釈していると認識する必要 があります ❌
思考にはバイアスがあり、見た もの以上の解釈を含めて理解す るものです それを踏まえてよく「観察」するこ とで事実と解釈を認識します
正確に事象を捉えるために は、事実と解釈を切り分け て認識します “
結論 同じ行動は同じ結果を保証しません 条件が異なっている場所で同じ手段を講じても結果は異なります 複雑な問題領域であることを念頭に、観察することで現状を正しく把握します 課題とゴールが明らかな状態で手段を考えます 行動ではなく、思考のプロセスを再現することで あのチームもこのチームも機能するようになります
疑問や悩みを持つことが 考えるきっかけになります もし違和感を感じたら 観察してみるのはいかがでしょう