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プロダクトを次々にPMFさせるためのPlayBook - pmconf2024 落選セッション...

kubotaku
January 19, 2025

プロダクトを次々にPMFさせるためのPlayBook - pmconf2024 落選セッションお披露目会

- pmconf2024 落選セッションお披露目会で発表した資料です

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January 19, 2025
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Transcript

  1. © 2025 estie Inc. 2025/1/19 #落選お披露目 株式会社estie 執行役員 VP of

    Products Takuya Kubo (@takuya__kubo) プロダクトを次々にPMFさせるためのPlayBook
  2. © 2025 estie Inc. 自己紹介 久保 拓也 株式会社estie 執行役員 VP

    of Products マーケットリサーチ事業本部 事業責任者 リクルートにてエンタープライズ領域のセールスマネージャー、SMB領域の 戦略構築、九州拠点長等を担当。 その後ユアマイスター株式会社に参画し、社長室 兼 VP of Productsとして 同社事業とプロダクト全般の戦略立案と実行をリード。 2022年8月にestieへ入社し、同年11月VP of Productsに就任。Whole Product構想の実現に向けプロダクト戦略と遂行を担う。24年4月より現職。 ▼趣味 読書(紙派。無限の積読) / フットサル(estieではフットサル部の部長) / 麻雀(自宅に自動卓あり)/ 旅行(24年は東南アジアの都市を視察)/ ポー カー(数年ぶりに再開。GTO勉強中)/ アニメ / Live参戦など
  3. © 2025 estie Inc. Overview:会社概要 2 会社名 株式会社estie(エスティ) 所在地 東京都港区西新橋1-1-1

    日比谷フォートタワー 設立 2018年12月 資本金 1億円 代表取締役 平井 瑛 主要株主 経営陣 東京大学エッジキャピタルパートナーズ(UTEC) グロービス・キャピタル・パートナーズ(GCP) グローバルブレイン 日本政策投資銀行 Vertex Growth 技術顧問 渡辺 努(東京大学大学院経済学研究科教授)
  4. © 2025 estie Inc. Issue and Product:産業課題とプロダクトラインナップ 5 Whole Product構想

    商業用不動産領域の課題をWhole Productで解決する コンパウンドスタートアップ
  5. © 2025 estie Inc. History: estieのマルチプロダクト挑戦の歴史 7 創業初期から顧客の課題解決に向け、マルチプロダクトに挑戦し続けた estie pro

    2019年9月 2020年7月 ポートフォリオ管理 プロダクト 2021年7月 PM向けプロダクト 2022年7月 館銘板収集 プロダクト 2022年8月 ・仲介向けプロダクト ・オーナー向けプロダクト 2023年3月 2023年10月 2023年6月 新アセットプロダクト 2023年6月 売買事例プロダクト 2023年11月 新アセットプロダクト 2023年12月
  6. © 2025 estie Inc. Message : 本セッションでお伝えしたいこと 9 コンパウンドスタートアップの宿命ともいえる 「プロダクトの連続的PMF」を実現する

    ひとつのPlay Bookを共有 ※本セッションはestieのチーム全員で取り組んだものであり、代表して久保が共有させていただきます
  7. © 2025 estie Inc. Premise : 本セッションの前提① プロダクトマネージャーは役割 10 「プロダクトマネジメントをする」

    という職種 「プロダクトマネージャー」を職種的にではなく、役割的に捉えた内容 「プロダクトマネジメントを 成立させる」という役割
  8. © 2025 estie Inc. Premise : 本セッションの前提② ストーリーの舞台はtoBスタートアップ 11 バーティカル領域のtoBスタートアップでの話が前提であり、

    一部それらに限定的な内容は存在 #toB #スタートアップ #PMFストラテジー #バーティカル #PMが自ら売る #Go To Market #戦略ガイドライン #組織=プロダクト
  9. © 2025 estie Inc. Agenda: お話する内容 • 連続的なPMFの壁と自社ならではのPMFプロセスの型化 • Go

    To Marketにおけるひとつの方法論 • PMFを生み出し続けるための「学習する組織」の構築 12
  10. © 2025 estie Inc. Agenda: お話する内容 • 連続的なPMFの壁と自社ならではのPMFプロセスの型化 • Go

    To Marketにおけるひとつの方法論 • PMFを生み出し続けるための「学習する組織」の構築 13
  11. © 2025 estie Inc. estieのマルチプロダクト挑戦と失敗の歴史 16 クローズやPivotしたプロダクトは数多く存在しながらも 創業初期から諦めることなくマルチプロダクトに挑戦し続けている estie pro

    2019年9月 2020年7月 ポートフォリオ管理 プロダクト 2021年7月 PM向けプロダクト 2022年7月 館銘板収集 プロダクト 2022年8月 ・仲介向けプロダクト ・オーナー向けプロダクト 2023年3月 2023年10月 2023年7月 新アセットプロダクト 2023年6月 売買事例プロダクト 2023年11月 新アセットプロダクト 2023年12月
  12. © 2025 estie Inc. セグメント拡大によりプロダクトの磨きこみが散発化 21 売上拡大を狙うことで、様々な顧客の獲得に動く セグメントが増えた結果、PMFが遠のく PMFに向けたあるべき姿 予算達成⇪が目的になると…

    セグメントA プロダクトフィードバック プロダクト フィードバックがシンプル&シャープ セグメントA セグメントB セグメントC プロダクト プロダクトフィードバック フィードバックが雑多になり、複雑化
  13. © 2025 estie Inc. PMF成功ケースと失敗ケースとの比較 23 それぞれのケースを紐解くと様々な観点で違いが存在した 投資人数 説明責任 目標

    時間軸 リソース 観点 PMF成功ケース 失敗ケース 初期は少ない(3名) 初期から多い(8名) 他組織への説明責任がない 他組織への説明責任がある 都度自由に設定 ARR(予算) 期限なし 予算計画に従い期限あり アサインメンバーは固定 事業状況に応じて変動在り
  14. © 2025 estie Inc. estieならではのPMFフレームワークへと型化 25 プロダクトのフェーズごとに起きていた問題を整理し、 フレームワークへと昇華 ユニット 立ち上げ

    プレ セールス プロダクト 開発 PoC GTM フェーズ 問題 ✓他事業との優先順位や説明責任が 発生し前に進めない ✓初期のチームアサインの理想形が 見えずスピードが上がらない ✓PMの役割変化を適切に捉えられずプロダクト マネジメントトライアングルの維持ができなくなる ✓フェーズが変わったことに気づけず、適切な 投資判断ができない
  15. © 2025 estie Inc. estieにおけるPMFの方法論 26 ユニット 立ち上げ プレセールス プロダクト

    開発 PoC GTM フェーズ チーム投資 PMの役割 実施事項 ✓ユーザー課題特定 ✓マーケットサイズ の見立て ✓プロダクト開発 ✓課題解決に必要な パートナーはじめリ ソース獲得 ✓特定セグメントへ のセールス ✓売れるプロダクト にするためのプロダ クトマネジメント ✓獲得した顧客との PoC ✓CS支援を通じたプ ロダクト品質の向上 ✓事業計画の作成 ✓セールスが販売可 能にするためのイ ネーブル ✓新たなセグメント への提供と検証 BizDev BizDev+PM Sales+PM CS+PM 営業企画+PM 兼務協力者 エンジニア/デザ イナー1名ずつ CSが営業機会創出 に協力 開発チームの強化 SWE 2名追加 CSを専属チームに 移管、PMまたは セールスアサイン 重要なこと ✓直属のレポートライン以外への説明責任 は発生させない ✓事業計画に組み込まない ✓PM以外のセールスを認めない ✓開発チーム強化を躊躇しない ✓GTMはPoCフェーズから整備 ✓チーム投資を月1以上の頻度 で検討する
  16. © 2025 estie Inc. プロダクトのマッピングとNext Stepの確認などで活用 27 ユニット 立ち上げ プレセールス

    プロダクト 開発 PoC GTM プロダクトA プロダクトB プロダクトC プロダクトD プロダクトE プロダクトF プロダクトG SAMの 大きさ フレームワークを活用したプロダクト・マッピング プロダクトをマッピングし、PMFに向けたステップの可視化、 戦略設計などに活用可能
  17. © 2025 estie Inc. プレセールスの卒業試験におけるポイント 29 プロダクトの価値を最も知るプロダクトチームが自ら販売し、 エコノミクスを証明していく プロダクトチームが売る 特定セグメント(30社以上)

    期間 指標 対象 卒業ラインを決定し実施 ①成約単価 ②成約率 ③リードタイム 例: 単価30万円×成約率40%×LT3か月 3か月~6カ月 (〇)プロダクトチームが売る (×)セールスに売ってもらう プロダクトの価値やロードマップを知る PMが売れなかったら、 セールスは再現性高く売れない 卒業試験の内容
  18. © 2025 estie Inc. PoC(リテンション)の卒業試験 30 プロダクトの価値を最も知るプロダクトチームが自ら販売し、 エコノミクスを証明していく 1年後の契約更新前に計測を行う 卒業試験のラインナップ

    (〇)先行指標で検証をすすめる (×)一年後の更新で検証 先行指標で如何に継続を測れる ようにするかが重要 ✓3か月PoC→本導入のファネルプロセス ✓ショーン・エリステストの実施 ✓6カ月時点での継続以降アンケート プロダクトごとに適したテストを 都度選定し実行
  19. © 2025 estie Inc. Agenda: お話する内容 • 連続的なPMFの壁と自社ならではのPMFプロセスの型化 • Go

    To Marketにおけるひとつの方法論 • PMFを生み出し続けるための「学習する組織」の構築 32
  20. © 2025 estie Inc. Go To Marketの基本的な考え方 33 セグメントごとに プロダクトをフィットさせ

    SAMをUNLOCKする UNLOCKしたSAMの 市場浸透率を高める 大きく2つの考え方でGo To Marketはすすむ
  21. © 2025 estie Inc. セグメントとSAMのUNLOCK: セグメントごとにPMFを実現 34 Product Market Fitとは「単一の大きなMarketにFitさせること」ではなく、

    セグメントごとにFitさせることを指す Product Market Fitの在り方 Market 大きなMarketにFitするのではなく Marketの中のセグメントにFitさせる Market
  22. © 2025 estie Inc. セグメントとSAMのUNLOCK: セグメントごとにエコノミクスを設計 35 セールスオペレーションを除いたプロダクトとしての因子を定め エコノミクスの成立がPMF セールスエコノミクスを成立させる

    プロダクト起点の因子 最終アウトプットが一緒であれば、 セグメントとしては同等の水準と言える ①成約単価×②成約率÷③リードタイム →上記から算出された値を比較し、 狙うべきエコノミクスを設定 ※あくまでPMがセールスする基準 1. エンプラ向けへのPMF: スコア60 ACV600万円×成約率40%÷LT4か月 2. Mid向けへのPMF : スコア60 ACV360万円×成約率25%÷LT1.5か月 3. Small向けへのPMF : スコア54 ACV180万円×成約率25%÷LT1か月
  23. © 2025 estie Inc. UNLOCKしたセグメントへの市場浸透: 顧客単価と市場浸透度 36 UNLOCKしたセグメントのSAMに対する市場浸透は ①顧客単価×②市場浸透度で考えていく ①顧客単価

    ②市場浸透度 獲得シェア UNLOCKした セグメントのSAM 市場浸透の考え方 ①顧客単価 目標とするARPAと現在のARPA を示す ②市場浸透度 顧客数の最大値に対するペネト レーション割合を示す
  24. © 2025 estie Inc. UNLOCKしたセグメントへの市場浸透: UNLOCK状況の可視化 37 セグメントA セグメントB セグメントC

    セグメントD プロダクトA プロダクトB プロダクトC プロダクトD 開拓済 セグメント ペネトレーション 状況 開拓中 セグメント 未開拓 セグメント 対象外 セグメント セグメントの状況を可視化し、チームでコミュニケーションを」行う セグメント×プロダクトのUNLOCK状況を可視化
  25. © 2025 estie Inc. 既存顧客と新規顧客のルールの違い: 啓蒙的セールスの実行 39 初期のPMFからグロースフェーズに至るにあたり、 新規顧客への導入ブロッカーを早期に特定・解消する必要がある 初期は既存顧客に展開しPMFを図る

    新規顧客へ展開するフェーズでは 導入ブロッカーを解消する必要がある プロダクトA プロダクトB 既存プロダクトの品質を知っているため 導入速度・確度が高い 既存プロダクトのユーザーではないこと からセールスが啓蒙的になる プライ シング 機能 強化 営業 資料 デモ 品質 リード 獲得手 法
  26. © 2025 estie Inc. プライシングは「提示価格」がドライバー: セグメントごとのスイートスポットの発見 40 定価の設定は大切だが、商談進捗では「提示価格」がドライバーであり、 セグメントごとのスイートスポットを早期に見つけることが重要 提示価格によって

    商談進捗速度は劇的に変わる セグメントごとに異なる価格の スイートスポットを見定める 定価 初期提示価格 提供価格 初期提示価格が 商談進捗速度の ドライバー セグメントA セグメントB セグメントC 初期提示価格
  27. © 2025 estie Inc. セールスが売れるためのイネイブリング: PMからセールスチームへの伝播 41 PMが一番売れる状態からスタートし、セールスが売れるための イネイブリングを多面的に実行 売るという体験を早期に積んでもらう

    様々な後方支援を プロダクトチームが推進 自分ひとりで売る ↓ 同席して売る ↓ 同席して売ってもらう ↓ セールスひとりで売れる 勉強会 顧客 質問会 営業 資料 デモ 動画 セール ス動画 開発者 同席
  28. © 2025 estie Inc. Agenda: お話する内容 • 連続的なPMFの壁と自社ならではのPMFプロセスの型化 • Go

    To Marketにおけるひとつの方法論 • PMFを生み出し続けるための「学習する組織」の構築 42
  29. © 2025 estie Inc. プロダクト組織のPMFに向けた取り組み 46 estieのプロダクト組織の変更の歴史(簡易版) 23年4月~ 23年12月~ 24年1月~

    データ組織の プラットフォーム化 新規立ち上げ組織を 矢継ぎ早に構築 チームトポロジーの 組織導入 開発ユニットの アサイン手法見直し 組織全体のアーキテ クチャの再定義 22年11月~ ミドルウェア 開発組織の強化 24年4月~ 24年10月~ 開発組織の 基本設計の変更 25年1月~ 逆コンウェイの法則を応用しながら、最適な組織に進む様に 毎Q試行錯誤を実施&1-2個の変化を作っていく
  30. © 2025 estie Inc. 失敗を糧にするための「戦略原則」のすゝめ: 学びを「戦略原則」として残し続ける 47 戦略原則を定め、チーム全員が参照可能とすることで コンテクストマネジメントを強く推進する estieに存在する戦略原則

    Go To Market 戦略 PMFおよび戦略商品化の流れ PMの役割とPMFに至る各フェーズにおける変化 開発ユニットの適正人数の原則 事業計画と投資原則について これまでの失敗と学習から積み重ね た自社の原理原則を形にし、ドキュ メントにまとめたもの (ADR的な位置づけ)
  31. © 2025 estie Inc. Summary : 本日のまとめ 50 ✓ 経営Disciplineを設定し、自社ならではのPMF定義やその道のりを構造化する

    ✓ セグメントごとへのPMFを徹底し、Go To Marketを遂行する ✓ PMFを連続的に実現する「プロダクト組織」のPMFを実行していく コンパウンドスタートアップの宿命ともいえる 「プロダクトの連続的PMF」を実現する ひとつのPlay Bookを共有