Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと(何故,協調活動が創出するのか?)
Search
MinchiMinchi
August 23, 2023
Technology
1
92
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと(何故,協調活動が創出するのか?)
2017バレーボールミーティング,日本バレーボール学会,(2017.7.29)
三村泰成の説明スライドの一部分.
宇宙船のランデブーと比較することで,戦術が成り立つのスゲーを説明してます.
MinchiMinchi
August 23, 2023
Tweet
Share
More Decks by MinchiMinchi
See All by MinchiMinchi
何故,協調活動が創出するのか?
minchiminchi
0
35
大円距離の式の導出
minchiminchi
0
27
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと(何故,協調活動が創出するのか?)
minchiminchi
0
64
オフ・ザ・ボールの選手位置に関するデータ記録方法の検討
minchiminchi
0
43
ジャンプ動作時の床反力発生に関する力学的考察
minchiminchi
0
920
力学の基本原理を用いたオーバハンドパスにおける合理的ルール構築の検討
minchiminchi
1
600
ラインジャッジにおける人間の認知限界の検討
minchiminchi
0
530
身体を用いたボールヒットにおける撃心についての検討
minchiminchi
1
420
バレーボールにおけるスパイク練習のための ブロックマシンの機構設計
minchiminchi
0
69
Other Decks in Technology
See All in Technology
OSSコントリビュートをphp-srcメンテナの立場から語る / OSS Contribute
sakitakamachi
0
1.4k
開発視点でAWS Signerを考えてみよう!! ~コード署名のその先へ~
masakiokuda
3
160
ここはMCPの夜明けまえ
nwiizo
2
1.7k
Стильный код: натуральный поиск редких атрибутов по картинке. Юлия Антохина, Data Scientist, Lamoda Tech
lamodatech
0
700
От ручной разметки к LLM: как мы создавали облако тегов в Lamoda. Анастасия Ангелова, Data Scientist, Lamoda Tech
lamodatech
0
710
ソフトウェア開発現代史: "LeanとDevOpsの科学"の「科学」とは何か? - DORA Report 10年の変遷を追って - #DevOpsDaysTokyo
takabow
0
370
バックオフィス向け toB SaaS バクラクにおけるレコメンド技術活用 / recommender-systems-in-layerx-bakuraku
yuya4
5
530
[2025年4月版] Databricks Academy ラボ環境 利用開始手順 / Databricks Academy Labs Onboarding
databricksjapan
0
130
Ops-JAWS_Organizations小ネタ3選.pdf
chunkof
2
160
SnowflakeとDatabricks両方でRAGを構築してみた
kameitomohiro
1
260
彩の国で始めよう。おっさんエンジニアから共有したい、当たり前のことを当たり前にする技術
otsuki
0
140
OpenSearchでレガシーな検索処理の大幅改善をやってやろう
dznbk
2
170
Featured
See All Featured
XXLCSS - How to scale CSS and keep your sanity
sugarenia
248
1.3M
Rails Girls Zürich Keynote
gr2m
94
13k
Principles of Awesome APIs and How to Build Them.
keavy
126
17k
Being A Developer After 40
akosma
91
590k
Creating an realtime collaboration tool: Agile Flush - .NET Oxford
marcduiker
30
2k
Why You Should Never Use an ORM
jnunemaker
PRO
55
9.3k
It's Worth the Effort
3n
184
28k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
41
2.2k
A Tale of Four Properties
chriscoyier
158
23k
Typedesign – Prime Four
hannesfritz
41
2.6k
Git: the NoSQL Database
bkeepers
PRO
430
65k
Optimising Largest Contentful Paint
csswizardry
36
3.2k
Transcript
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと (何故,協調活動が創出するのか?) 鶴岡高専 三村泰成 1
宇宙船のランデブー 2 著作者:Vector Open Stock 著作者: Freepik.com 二つの宇宙船が同じ軌道に入り, 接近した状態でともに飛行すること ・合流場所
・合流時間 ・速度(相対速度ゼロ) ・軌道 を一致させる!
ケース1 3 事前に全ての計画を策定 し,お互いに知識(イメー ジ)を共有する. ランデブー成功!
ケース2 4 障害が発生. 無線で計画を連絡し, お互いに計画(イメージ) を共有する. ランデブー成功!
ケース3 5 障害が発生. 無線が通じない... レーダーで,お互いの状 況は把握できるが... ランデブー中止 イメージが共有できない!! 事前に策定した簡単な代替案を採用する.
ケース4 6 ランデブー成功! 障害が発生. 無線が通じない... レーダーで,お互いの状 況は把握できるが... 「ヤツなら(彼なら),こうするはずだ!!」 という計画(共有イメージ)に 合わせてランデブーを実施.
共有イメージを リアルタイムで 創出する 操船技法,操船計画法,相手 の性格,...,などをお互いに 知り尽くしている.
バレーボールとの比較(従来の分類?) 7 • ケース1: 高速バレー,サインプレー,... • ケース2: なし.バレーボールにおいて,ゲームが始まったら, 通信している暇はない.まともな通信手段は存在しない. •
ケース3: フリーボールを返す.とりあえず,ハイセットあげて スパイクを打ってもらう. • ケース4: 今,世界で行われているようなバレー? in-system offense out of system offense
バレーボールにおける「ケース4」の例 8 時間 レシーブが上がる 全員が状況把握 共有イメージを作る 協調してオフェンス! 最終的なプランの策定は,その場で行われ ており,意思決定は常に選手の側にある. スロット,テンポ,ブロックシステム,オ
フェンス戦術,ディフェンス戦術,... メタ知識 メタ概念 常に共通イメージを創出できる ように「脳」を鍛えないとだめ! 共通概念の雛形? デザインパターン?
ロボカップ 9 ロボット工学と人工知能の融合、発展のために自律移動ロボットによるサッカー を題材として日本の研究者らによって提唱されました。西暦2050年「サッカーの 世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」という夢に向 かって人工知能やロボット工学などの研究を推進し、様々な分野の基礎技術とし て波及させることを目的としたランドマーク・プロジェクトです。 パスの出し手 パスの受け手 パスの受け手
共有イメージがあるからこそ 協調活動が実現できる http://www.robocup.or.jp/original/index.html
チームワークとは? 10 チームの共同作業,複数の人間が協調して行う作業 ⚫ Static system(仮): プレーヤーが,事前に策定された共有イメージを守る ことで協調活動が生まれる. ⚫ Dynamic
system(仮): プレーヤーが,常に共有イメージを創出しながら, 協調活動を生み出す. 多くの日本人は, Dynamic system を認識していないのでは? どうやったら経験できるのか? どうやったら脳を鍛えられるのか? in-system out of system
選手自身が「試行錯誤」,「思考錯誤」 できる環境? 11 • ゲームを理解する,ゲームを体感する. • 状況把握 • 状況判断 •
決断 • 実行 ,...の経験 選手自身でゲームを創出する経験. そのような「脳」を自分自身で鍛える経験. • いろいろなゲームのルールの設定 • 戦術(約束事,雛形,,...)の設定 ,...脳が育つ環境の設定? コーチが思考錯誤,試行錯誤 する必要あり!
「ゲームライク」で感じてほしいこと 12 • 状況把握,判断,決断の感覚 • イメージを共有する感覚 • お互いのイメージを確認する感覚 • 自分達のプレーが機能しているか評価する.
最終的には,最適な状態は,「選手の側」にしか分かりません. それらを,自分達自身で評価できる環境,それを楽しめる環境 が大切です.