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ラインジャッジにおける人間の認知限界の検討
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MinchiMinchi
October 21, 2021
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ラインジャッジにおける人間の認知限界の検討
MinchiMinchi
October 21, 2021
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Transcript
ラインジャッジにおける人間の認知限界の検討 Discussion of the human's recognition limit in the line
judge 三村泰成 鶴岡高専 日本バレーボール学会第24回大会 一般研究発表 2019年3月3日(日) 演題番号 15
【背景】 イン,アウトの判定 2 IN ライン 着床点 離床点 チャレンジ 画像 •
球速100km/h 以上 • 接地時間 10ms 程度 目視で判定が可能か?
【Facebook 上でのアンケート】 3 • 変形したボールは明確に見えない 109名 • 変形したボールが明確に見える 2名 本当に見えるのか?
【本研究の目的】 4 • 「ボールがバウンドする」という力学現象を明らかにする. • 認知限界を見極める方法を検討する 2枚の床反力計を用いた反応テスト 動画を用いた認知テスト 提案1 提案2
【力学現象】 ルール上のジャストイン 5 離床 最大変形 着床 (b) ジャストインの画像(着床点) (c) 着床の直後の画像
ライン (a) 着床の直前の画像 ボールがラインに触れたか?
【床反力計を用いた反応テスト】 6 - 測定方法 - 0.04秒 ボールのバウンド タップ 0.01秒 床半力計1
床半力計2 1mくらいの高さからボールを 落下させ,バウンドする瞬間に, 人間が鋼球でタップする.
【床反力計を用いた反応テスト】 7 - 測定結果 - 被験者1 被験者2 被験者3 min. 0.0013
0.0035 0.0020 max. 0.0341 0.0869 0.0621 ave. 0.0157 0.0407 0.0234 【単位: 秒】 人間の反応時間: 0.1 ~ 0.2秒 ボールのバウンドの瞬間を捉えるのは簡単ではないが, 反応時間よりも,精度良くタップできる. 認識は出来ている 見えてるかは?
1. 2. 3.分からない 【動画を用いた認知テスト】 8 -実験方法- ボールがライン近傍でバウンドする 60fps の動画を見せて, 問いに答えてもらう.
問1 インアウトの判定 1.イン 2.アウト 3.分からない 問2 ボールのバウンド時の状態 被験者: 鶴岡高専男子バレーボール部員10名
【動画を用いた認知テスト】 9 -結果 1 - イン アウト 分からない 球 変形
分からない 1 2 3 4 5 6
【動画を用いた認知テスト】 10 -結果 2 - 7 8 9 10 •
ギリギリのボール以外は,イン,アウ トの判定は認知できてそうである. • ボールの形状は,答えが分かれた. 形状は認知できてない?
【動画を用いた認知テスト】 • 民生用カメラの600fps,240fpsの動画を60fps に変換して利用してるので,画像が荒い. • ハイスピードカメラを用いて,問題と設問を工 夫する必要がある. • 本テストを洗練すれば,「審判のトレーニング 用認知テスト」を実現できる可能性もある.
11 - 考察 -
【ルールの提案】 -下死点で判定- 12 バウンドの下死点における中心がライン に触れているかを判定基準にする. 鉛直方向速度がゼロになる. 最大変形
【今後の予定】 • 業務用ハイスピードカメラによる撮影する. • 認知テストに適した動画の検討する. • 多数の被験者によるテストを実施する. • より詳細な変形挙動について確認する. •
個人の認知能力テストの検討する. 13
【まとめ】 • バレーボールがバウンドするという力学現 象を明らかとした. • 床半力計を用いて,人間の反応時間以下 の現象を認識できることを示した. • 60fpsの動画を用いてバウンド時の変形挙 動を認知しているかを確認できた.
• ボールのイン,アウトについてのルールを 提案した. 14
本研究はVolleyball Labのグループ研究の一環として行われたものです Volleyball Labとは バレーボールを客観的な根拠に基づき理解すること(Evidence-based Volleyball:EBV) を目的とするグループです. Volleyball Labメンバー ・浅野
暢介 ・大沢 仁 ・小田部 剛 ・垣花 実樹 ・川村 貴彦 ・北口 剛一 ・後藤 浩史 ・午坊 健司 ・佐藤彰太 ・佐藤 文彦 ・住田 達二 ・角力山 淳 ・高住翔 ・高橋 佑典 ・辻村 茉莉江 ・手川 勝太朗 ・中村 環 ・縄田 亮太 ・原 まなみ ・三上 岳 ・三村 泰成 ・百生 剣太 ・渡辺 寿規