Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと(何故,協調活動が創出するのか?)
Search
MinchiMinchi
September 15, 2023
Education
0
64
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと(何故,協調活動が創出するのか?)
日本バレーボール学会
2017バレーボールミーティング
エンジニアリング・アプローチによるバレーボールの技術・戦術指導
~工学の立場から指導法の再構築を図る~
MinchiMinchi
September 15, 2023
Tweet
Share
More Decks by MinchiMinchi
See All by MinchiMinchi
何故,協調活動が創出するのか?
minchiminchi
0
56
大円距離の式の導出
minchiminchi
0
29
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと(何故,協調活動が創出するのか?)
minchiminchi
1
95
オフ・ザ・ボールの選手位置に関するデータ記録方法の検討
minchiminchi
0
44
ジャンプ動作時の床反力発生に関する力学的考察
minchiminchi
0
970
力学の基本原理を用いたオーバハンドパスにおける合理的ルール構築の検討
minchiminchi
1
650
ラインジャッジにおける人間の認知限界の検討
minchiminchi
0
560
身体を用いたボールヒットにおける撃心についての検討
minchiminchi
1
430
バレーボールにおけるスパイク練習のための ブロックマシンの機構設計
minchiminchi
0
75
Other Decks in Education
See All in Education
Analysis and Validation - Lecture 4 - Information Visualisation (4019538FNR)
signer
PRO
0
2k
ThingLink
matleenalaakso
28
4.1k
2025年度春学期 統計学 第2回 統計資料の収集と読み方(講義前配付用) (2025. 4. 17)
akiraasano
PRO
0
130
Implicit and Cross-Device Interaction - Lecture 10 - Next Generation User Interfaces (4018166FNR)
signer
PRO
2
1.7k
OJTに夢を見すぎていませんか? ロールプレイ研修の試行錯誤/tryanderror-in-roleplaying-training
takipone
1
120
女子商アプリ開発の軌跡
asial_edu
0
380
ビジネスモデル理解
takenawa
0
460
Pythonパッケージ管理 [uv] 完全入門
mickey_kubo
19
11k
ANS-C01_2回不合格から合格までの道程
amarelo_n24
1
210
OpenSourceSummitJapanを運営してみた話
kujiraitakahiro
0
380
演習問題
takenawa
0
450
Data Processing and Visualisation Frameworks - Lecture 6 - Information Visualisation (4019538FNR)
signer
PRO
1
2.4k
Featured
See All Featured
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
Adopting Sorbet at Scale
ufuk
76
9.4k
Stop Working from a Prison Cell
hatefulcrawdad
269
20k
The Cult of Friendly URLs
andyhume
78
6.4k
jQuery: Nuts, Bolts and Bling
dougneiner
63
7.8k
A Modern Web Designer's Workflow
chriscoyier
693
190k
Helping Users Find Their Own Way: Creating Modern Search Experiences
danielanewman
29
2.6k
4 Signs Your Business is Dying
shpigford
183
22k
Docker and Python
trallard
44
3.4k
Cheating the UX When There Is Nothing More to Optimize - PixelPioneers
stephaniewalter
280
13k
Sharpening the Axe: The Primacy of Toolmaking
bcantrill
42
2.3k
Into the Great Unknown - MozCon
thekraken
39
1.8k
Transcript
戦術面のトレーニングで感じてほしいこと (何故,協調活動が創出するのか?) 鶴岡高専 三村泰成 1
宇宙船のランデブー 2 著作者:Vector Open Stock 著作者: Freepik.com 二つの宇宙船が同じ軌道に入り, 接近した状態でともに飛行すること ・合流場所
・合流時間 ・速度(相対速度ゼロ) ・軌道 を一致させる!
ケース1 3 事前に全ての計画を策定 し,お互いに知識(イメー ジ)を共有する. ランデブー成功!
ケース2 4 障害が発生. 無線で計画を連絡し, お互いに計画(イメージ) を共有する. ランデブー成功!
ケース3 5 障害が発生. 無線が通じない... レーダーで,お互いの状 況は把握できるが... ランデブー中止 イメージが共有できない!! 事前に策定した簡単な代替案を採用する.
ケース4 6 ランデブー成功! 障害が発生. 無線が通じない... レーダーで,お互いの状 況は把握できるが... 「ヤツなら(彼なら),こうするはずだ!!」 という計画(共有イメージ)に 合わせてランデブーを実施.
共有イメージを リアルタイムで 創出する 操船技法,操船計画法,相手 の性格,...,などをお互いに 知り尽くしている.
バレーボールとの比較(従来の分類?) 7 • ケース1: 高速バレー,サインプレー,... • ケース2: なし.バレーボールにおいて,ゲームが始まったら, 通信している暇はない.まともな通信手段は存在しない. •
ケース3: フリーボールを返す.とりあえず,ハイセットあげて スパイクを打ってもらう. • ケース4: 今,世界で行われているようなバレー? in-system offense out of system offense
バレーボールにおける「ケース4」の例 8 時間 レシーブが上がる 全員が状況把握 共有イメージを作る 協調してオフェンス! 最終的なプランの策定は,その場で行われ ており,意思決定は常に選手の側にある. スロット,テンポ,ブロックシステム,オ
フェンス戦術,ディフェンス戦術,... メタ知識 メタ概念 常に共通イメージを創出できる ように「脳」を鍛えないとだめ! 共通概念の雛形? デザインパターン?
ロボカップ 9 ロボット工学と人工知能の融合、発展のために自律移動ロボットによるサッカー を題材として日本の研究者らによって提唱されました。西暦2050年「サッカーの 世界チャンピオンチームに勝てる、自律型ロボットのチームを作る」という夢に向 かって人工知能やロボット工学などの研究を推進し、様々な分野の基礎技術とし て波及させることを目的としたランドマーク・プロジェクトです。 パスの出し手 パスの受け手 パスの受け手
共有イメージがあるからこそ 協調活動が実現できる http://www.robocup.or.jp/original/index.html
チームワークとは? 10 チームの共同作業,複数の人間が協調して行う作業 ⚫ Static system(仮): プレーヤーが,事前に策定された共有イメージを守る ことで協調活動が生まれる. ⚫ Dynamic
system(仮): プレーヤーが,常に共有イメージを創出しながら, 協調活動を生み出す. 多くの日本人は, Dynamic system を認識していないのでは? どうやったら経験できるのか? どうやったら脳を鍛えられるのか? in-system out of system
選手自身が「試行錯誤」,「思考錯誤」 できる環境? 11 • ゲームを理解する,ゲームを体感する. • 状況把握 • 状況判断 •
決断 • 実行 ,...の経験 選手自身でゲームを創出する経験. そのような「脳」を自分自身で鍛える経験. • いろいろなゲームのルールの設定 • 戦術(約束事,雛形,,...)の設定 ,...脳が育つ環境の設定? コーチが思考錯誤,試行錯誤 する必要あり!
「ゲームライク」で感じてほしいこと 12 • 状況把握,判断,決断の感覚 • イメージを共有する感覚 • お互いのイメージを確認する感覚 • 自分達のプレーが機能しているか評価する.
最終的には,最適な状態は,「選手の側」にしか分かりません. それらを,自分達自身で評価できる環境,それを楽しめる環境 が大切です.