Upgrade to Pro
— share decks privately, control downloads, hide ads and more …
Speaker Deck
Features
Speaker Deck
PRO
Sign in
Sign up for free
Search
Search
入社後SREチームのミッションや課題の整理をした話
Search
Morix
April 04, 2025
Technology
1
290
入社後SREチームのミッションや課題の整理をした話
株式会社tacomsにSREチームとして入社後、課題の進め方に関する課題があった。
課題をどう整理していったかを紹介していく。
Morix
April 04, 2025
Tweet
Share
More Decks by Morix
See All by Morix
[EC2からKubernetes]楽天ラクマのコンテナ化の歩み
morix1500
10
4.6k
AWS EKSでClusterAutoscalerを使うときはNodeGroupの分け方に気をつけろ!
morix1500
0
820
FirebaseとNetlifyを使ってサーバーレスでサービスを作った話
morix1500
2
2.8k
オーバーロードで学んだチームマネジメント / Team management learned through overlord
morix1500
1
2k
転職をする前にやっておきたいこと / What you want to do before you change your career
morix1500
0
3.9k
自分を強くするためにやってきたこと
morix1500
7
2.5k
個人事業主になりたい!どうやって?調べてみよう!
morix1500
1
410
負荷試験入門
morix1500
0
1.3k
PWAを使ったら嫁に怒られなくなった話
morix1500
1
1.7k
Other Decks in Technology
See All in Technology
Docker Compose で手軽に手元環境を実現する / Simplifying Local Environments with Docker Compose #CinemaDeLT
nabeo
0
280
SRE本出版からまもなく10年!〜これまでに何が起こり、これから何が起こるのか〜
katsuhisa91
PRO
0
350
Developer 以外にこそ使って欲しい Amazon Q Developer
mita
0
190
Lakehouse в Лемана Тех. От архитектуры до оптимизации
emeremyanina1234
0
420
NAB Show 2025 動画技術関連レポート / NAB Show 2025 Report
cyberagentdevelopers
PRO
0
130
SONiCで構築・運用する生成AI向けパブリッククラウドネットワーク
sonic
1
490
【Gen-AX】20250514開催_Findyオンラインイベント_技術選定を突き詰める
genax
0
120
CARTA HOLDINGS エンジニア向け 採用ピッチ資料 / CARTA-GUIDE-for-Engineers
carta_engineering
0
28k
さくらのクラウド開発の裏側
metakoma
PRO
18
5.9k
猫でもわかるS3 Tables【Apache Iceberg編】
kentapapa
2
270
非同期処理でも分散トレーシングしたい!- OpenTelemetry × Pub/Sub -
phaya72
1
110
KubeCon EU 2025 Recap - Kubernetes CRD Design for the Long Haul: Tips, Tricks, and Lessons Learned / Kubernetes Meetup Tokyo #70 / k8sjp70-crd-long-haul-recap
everpeace
0
110
Featured
See All Featured
Balancing Empowerment & Direction
lara
0
49
Art, The Web, and Tiny UX
lynnandtonic
298
21k
The World Runs on Bad Software
bkeepers
PRO
68
11k
RailsConf & Balkan Ruby 2019: The Past, Present, and Future of Rails at GitHub
eileencodes
137
33k
GraphQLの誤解/rethinking-graphql
sonatard
71
11k
10 Git Anti Patterns You Should be Aware of
lemiorhan
PRO
656
60k
Java REST API Framework Comparison - PWX 2021
mraible
31
8.6k
The Myth of the Modular Monolith - Day 2 Keynote - Rails World 2024
eileencodes
24
2.8k
Intergalactic Javascript Robots from Outer Space
tanoku
271
27k
Imperfection Machines: The Place of Print at Facebook
scottboms
267
13k
Why Our Code Smells
bkeepers
PRO
336
57k
Put a Button on it: Removing Barriers to Going Fast.
kastner
60
3.8k
Transcript
⼊社後SREチームのミッションや課題 の整理をした話 株式会社tacoms SREチーム Morix 2025/04/04 ゆるSRE勉強会 #10
⾃⼰紹介 • 2024年11⽉に株式会社tacomsに⼊社 • SREチーム テックリード兼マネージャー • 1児(3歳)のパパ • 最近の趣味はランニング
• SRE NEXT 2025のコアスタッフ ⻄野翔太 ( Morix )
01 tacomsについて About tacoms
None
None
6 あらゆるサービスとAPIで連携 店舗の課題を解決するSaaS「Camel」 注⽂サイト POS‧基幹システム
7 店外注⽂への、店舗オペレーションが 1台のタブレットで全て完結 タブレットが乱⽴ 1台のタブレットで完結
02 本題 Main Theme
アジェンダ • tacomsのSREチームの当時の課題感の共有 • 課題の整理をどう進めたかの紹介
tacomsのSREチームの構成 • 4名(2025/04現在) • 参画時期 ◦ 1⼈⽬: 2022/03 ◦ 2⼈⽬:
2024/07 ◦ 3⼈⽬: 2024/10 ◦ 4⼈⽬: 2024/11 ← 私 • できたてのチーム!!
私が⼊った当時のSREチームの課題 • 今後やりたいことは⾊々あったがどう進めていくか整理できてない • 課題がたくさんあったがどう進めていくか整理できてない • ⾒えてない課題もいろいろありそう
課題整理のゴール • 半年先くらいまでの開発計画を⽴てられるようにすること • CTOやSREメンバーが納得感のある計画を⽴てるための優先度の考え⽅ を決めること
課題整理の進め⽅ 課題の内容理解 課題からミッションを抽出 ミッションをもとに⾒えない課題の洗い出し ミッションからプロジェクトへの落とし込み 課題を再整理しプロジェクトに分類 開発計画の作成‧プロジェクトにメンバーアサイン
1.課題の内容理解 • GitHub issuesにSREの課題や今後やりたいことを挙げてくれていた • それらをCTOやSREメンバーに説明してもらい内容の理解 • SRE全員で内容理解を進めたのでチームビルディングにもなった
2.課題からミッションの抽出 • 課題や今後やりたいことを整理すると以下の4つのカテゴリに分類できた • これらをSREの「ミッション」として定義した
3.ミッションをもとに⾒えない課題の洗い出し • まだ⾒えてない課題を洗い出すためにISO/IEC 25010:2011を参考にした • この規格はソフトウェアの品質に関する国際標準規格 • これらの品質特性を向上させることが我々のミッションと⾔えそう ISO/IEC 25010:2011について:https://www.iso.org/standard/35733.html
3.ミッションをもとに⾒えない課題の洗い出し • 直近1年で注⼒すべき品質特性を定めた • 今まで挙がっていた課題を品質副特性に当てはめていくと、課題が少ない or挙がっていない品質副特性があった • その特性で課題がなさそうかを⾃分で調べたり周りにヒアリングし新たな 課題を⾒つけられた
4.ミッションからプロジェクトへの落とし込み • 課題が⼀通り洗い出せたので、どうやって進めるかを考えた • 課題の他にも今後やりたいこともある。しかし、やりたいこと=プロジェ クトとはならない • 例えば「この時期までに〇〇というイベント時のアクセススパイクに耐え られるようにしたい」というやりたいことがあった場合 ◦
アプリケーションのあの部分のパフォーマンスをあげたほうがいい ◦ インフラのこの部分のスケーラビリティをあげたい ◦ 過度なアクセスは待機画⾯にしたい • これらはひとつのプロジェクトとして進めるには重い • そのため「やりたいこと」をストラテジーと命名
4.ミッションからプロジェクトへの落とし込み • 次のような3層構造でプロジェクトを管理するようにした • プロジェクトの⽬的がわかりやすく、納得感を持って仕事ができる! ミッション ストラテジー プロジェクト
5.課題を再整理しプロジェクトに分類 • 課題やストラテジーを1つ1つ⾒ていき次のように分類 ◦ ストラテジーまたは重要な課題で注⼒品質副特性に当てはまるもの ▪ -> ストラテジープロジェクト ◦ 重要な課題だが注⼒品質副特性に当てはまらないもの
▪ -> バックログプロジェクト ◦ 軽い課題 ▪ -> バックログタスク • 基本的にストラテジープロジェクトを優先し、プロジェクトの切れ⽬や⼿ が空いたときにバックログプロジェクトやバックログタスクをやる
6.開発計画の作成‧プロジェクトにメンバーアサイン • 今回整理した結果をもとに開発計画(ロードマップ)を作成しプロジェク トにメンバーをアサインした • SREのメンバーはプロジェクトロードマップを⾒れば今後⾃分たちがやる ことがわかるようになった • 私とCTOはストラテジーロードマップをもとにコミュニケーションをすれ ばよくなった
• みんなが納得感のある計画を作れるようになった!!
まとめ • 新しいチームにジョイン後に課題整理をするのはチームの責任範囲やシス テムの把握に役⽴つ • チームのミッションを定義することで、そこから⾒える課題をカテゴライ ズしたり、システムの品質特性をもとに⾒えてない課題を洗い出せた • ミッションをもとにストラテジーが⽣まれ、そこからプロジェクトに落と し込み、プロジェクトの⽬的を忘れないようにできた
• 課題をプロジェクト化し、ロードマップにまとめ、納得感のある計画を作 れた