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NaraAILab_OpenSemi_202101

myasu
January 22, 2021

 NaraAILab_OpenSemi_202101

myasu

January 22, 2021
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  1. 自己紹介
 • 本業:岡山県内の農機具メーカー の生産技術 ◦ 自動化設備・生産治具の設計・製作、現場カイゼン          (ラダー、 Python、C++) ◦ 社内向け業務ソフト開発(

    C#, SQL Server) • コミュニティ ◦ 瀬戸内ROS勉強会 (設立&岡山主催) ◦ NervesJP (設立メンバ) ◦ IoTALGYAN (岡山支部長) myasu
 @etcinitd @trihome 2 @myasu
  2. 製造現場のカイゼン 作例1:部品の取り間違いを防止する「ポカよけ」装置 • ”ポカ” ◦ 組立作業での部品の取り間違い(微妙な仕様違いなど) • 作業者の慣れに期待したいが・・・ ◦ 農機具:生産数少ない

    ◦ 生産する期間は、短いときで1日~長くても2週間。 ◦ 次の生産は来年。作業者の入れ替わり • 製品の生産期間が短く・・・ ◦ 作業手順書、チェックシートの作り込みがしにくい ◦ 設備投資の費用回収も難しい 11 (写真:いらすとや)
  3. 製造現場のカイゼン 作例2:生産中の作業時間を計測 • 限られた生産スペースでの、“多品種少量生産” ◦ 毎週のように生産ラインを立ち上げ・解体を繰り返し • 作業者の慣れに期待したいが・・・ ◦ 農機具:生産数少ない

    ◦ 生産する期間は、短いときで1日~長くても2週間。 ◦ 次の生産は来年。作業者の入れ替わり • 作業に”慣れ”にくい。生産のペースが掴みにくい 14 (写真:いらすとや)
  4. 製造現場のカイゼン 15 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル

    生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 各々ストップウォッチを持って、時間を測定
  5. 製造現場のカイゼン 16 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル

    生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 ボトルネックを”見える化”→作業カイゼン ボトルネック
  6. 製造現場のカイゼン 17 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル

    生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 作業中にいちいちストップウォッチで 計っていられない!
  7. 製造現場のカイゼン 18 多品種少量に対応:セル生産 工程1 工程2 工程3 工程4 完成品 セ ル

    生 産 部 品 ス ト ア 出 荷 • 各工程の作業が 1サイクル終わるたびに ボタンを押す • 作業時間が自動的に 履歴に残る
  8. 産業用途で使われる機器 • FA機器 (Factory Automation) • スイッチ、ランプ、センサーなど ◦ 誘導電動機、空圧・油圧機器、ガス、液体・・・ • 頑丈!

    ◦ 少々荒い使い方をしても、壊れない • 電源、基本はDC24V ◦ あるいはAC100V, 200V, 三相・・・ ◦ マイコンなど電子機器と繋げるには、一工夫必要 27 (写真:Panasonic, IDEC, PATLITE)
  9. 産業用途で使われる制御機器 • PLC (プログラマブル ロジック コントローラ) ◦ 安いものだと1万円程度から ◦ 入出力10点くらいから ◦

    20年くらいは販売が継続 ◦ ネットワーク無し。オプションで+ 2万円くらい ◦ オプション付けると色々出来る。けどあっという間にン十万円(!) • タッチパネル ◦ モノクロ3インチで2万円弱から ◦ カラー15インチで30万円以上(!) (耐障害性、安定性、長期供給は保証) 28 (写真:Siemens, DIGITAL)
  10. RaspberryPi を PLCっぽく使う PLCの考え方を取り込んでみよう!     モジュールを追加して機能拡張する概念→ • RaspberryPiにFA用機器を直接接続する ◦ 電圧の違い(3.3V ~

    24V)を相互変換する機能 • 機能拡張しやすい仕組み ◦ Seeed社のGROVE System 30 CPU IO AD Ether ・・・
 (写真:Siemens, Seeed Studio)
  11. センサの信号
 FA機器とRaspberryPiの接続 32 (写真:Siemens, DIGITAL) 用センサなど
 用表示灯など
 で動作する機器
 
 Vで動作する部品


    フォトカプラで
 電気的に絶縁
 フォトカプラで
 電気的に絶縁
 トランジスタ
 アレイで
 電流増幅
 表示灯の信号
 表示灯を点灯
 センサの信号

  12. いきなり自作は難しい・・・ 市販の拡張ユニットを活用 • ビット・トレード・ワン ◦ リレー制御拡張基板 ◦ https://bit-trade-one.co.jp/product/module/adrsru/ • ラトックシステム

    ◦ 入出力(デジタル・アナログ) ◦ https://www.ratocsystems.com/products/rasppi.html 39 (写真:ビット・トレード・ワン、ラトックシ ステム)
  13. 機能比較 40 PLC Raspberry Pi 記述言語 ラダー Python, Ruby, C,

    C++ ... ”RUN中書き込み” できる できない デジタル入出力の電圧 24V 3.3V→別途24V変換必要 操作者に対する 入出力機器 FA用タッチパネル 液晶モニタ マウス、キーボード 電源の操作 いきなり入・切OK シャットダウンの操作必要
  14. 「PLC x “Raspberry Pi”」 • 横河電機・e-RT3 Plus ◦ Ubuntu Linuxがそのまま動作

    ◦ 横河電機PLC機器と連携容易 • ハーティング・RevPiシリーズ ◦ 産業向けRaspberry Piを搭載 ◦ PLCと同じようにIO拡張可能 41 (写真:横河電機、ハーティングページ) https://www.yokogawa.co.jp/solutions/products-platforms/ control-system/real-time-os-controller/
  15. その他の機器 • M5Stack ◦ マイコンボード+画面+ボタン+ IO+・・・ ◦ Grove System並の豊富なセンサー類 ◦

    FA向けの拡張オプションも徐々に充実 • Degu Degu Project (open-degu.com) ◦ Grove Systemを直結できる(主にセンサー) ◦ AWS、Microsoft Azure(クラウド)のデータ連携 42 (写真:SwitchScience、アットマークテクノ)
  16. Raspberry Piの言語 RaspberryPiのOS → Linux (UNIX)ベース • ソフトウェアPLC ◦ CODESYS ◦ OpenPLC

    • プログラミング言語 ◦ Python (圧倒的なWebの情報量) ◦ C/C++言語 ◦ Elixir、Rust、・・・(その他多数) 45
  17. Pythonライブラリ • GPIO端子の制御 ◦ Rpi.GPIO、pigpio ◦ 入力イベント取得:GPIO.add_event_detect が便利! • I2C

    ◦ smbus • Grove ◦ 公式のライブラリ:Grove.py • 見える化 ◦ Kivy(GUIの作成)、OpenPyXl(Excelシートに出力) ◦ plotly(グラフの作成) 46 (写真:Seeed Studio、Plotly Webpage)
  18. 仕様:作例1 • 次に使う部品を作業者に教える ◦ 部品箱そばのランプを点滅 • 部品を取ったことを検知 ◦ 人がボタンを押す ◦

    間違ったボタンを押したら警告 ▪ (高速に点滅して「押して欲しい」アピール) • RaspberryPiの電源管理、RTC時刻保持 49
  19. 全体構成(ハード) 50 ランプ付きボタン
 操作盤
 (押しボタン&ランプ)
 Grove Base Hat for Raspberry

    Pi
 UPS&電源
 監視ユニット
 作
 業
 者
 入出力数拡張ユニット
 (8ch x4)
 Raspberry Pi
 GPIO24V~3.3Vレベル変換
 本装置のステータス表示
 測定対象
 赤:通信異常など
 青:正常運転
 GROVE
 I2C
 GROVE
 DIGITAL
 GROVE
 I2C
 RTCユニット

  20. 全体構成(ソフト) 51 Python3
 プログラム
 systemd
 電源監視 sh
 RTC/NTP管理 sh
 Picking.service


    時刻合わせ:起動時だけ
 (例:Qiita)
 UPS&電源監視ユニットからの 信号監視 (例:Qiita)
 (起動システム)

  21. 仕様:作例3 • シグナルタワーの点灯状態の検知 ◦ 点灯・点滅・消灯の判定(フォト Tr) • 生産設備の電源の電流値測定(CT) • 作業者による設備ステータスの入力受付

    ◦ 自動検知できない事象は人手でボタンを押す • 測定データをSQL Serverに転送 ◦ LAN接続異常時は、ローカルの SQLiteに保存 • RaspberryPiの電源管理、RTC時刻保持 56
  22. 全体構成(ハード) 57 他(押しボタン&ランプ)
 Grove Base Hat for Raspberry Pi
 UPS&電源


    監視ユニット
 設 備
 Raspberry Pi
 GPIO24V~3.3Vレベル変換
 本装置のステータス表示
 測定対象
 赤:通信異常など
 青:正常運転
 GROVE
 AD変換
 GROVE
 DIGITAL
 GROVE
 I2C
 RTCユニット
 設備の元電源
 フォトトラン ジスタ
 GROVE
 AD変換
 フィルタ・アンプ
 CT

  23. 実際に取り組んでみた感想 • Pythonで手軽に作成! ◦ (豊富なライブラリと Web情報が有り難い! • 単純な事を見えるようにしただけで・・・ ◦ 現場も自分もチョットした気付き 

    → 改良ネタも出てきた ◦ 作例1:時間の長すぎ・短すぎの警告 ▪ (作業自体の誤り検知) ◦ 作例3:日報の自動入力へ展開 ▪ (作業時間、作業内容) • 使ってもらえる! → 自身のモチベーションアップ 64 !  !

  24. 電源 • RaspberryPiは”パソコン” ◦ 必ずシャットダウンが必要 • 工場現場で”電源のぶち切り” ◦ SDカードが壊れて、起動しなくなる可能性大 ◦

    自動シャットダウンユニット、 UPSなど必要 ▪ 市販品の例:ADRSZUP ゼロワン 電源保持基板 | Bit Trade One, LTD (bit-trade-one.co.jp) ◦ SDカードを”読み込み専用”化 ▪ 設定例 :Raspberry Pi OSのrootfs ROM 化 67
  25. 盤のなかみ FA部品を活用して制御盤に仕上げる 69 •サーキットプロテクタ
  (IDEC、富士電機)
 •端子台
  (東洋技研、WAGO)
 RaspberryPi
 GROVE Hat


    •プラボックス
  (日東工業、タカチ)
 •アルミフレーム
  (NICオートテック)
 •ゴム足
  (タキゲン)
 •コンセント
  (パナソニック)
 •ランプ、スイッチ
  (IDEC、オムロン)
 •タワー表示灯
 (日恵製作所、
  シュナイダーエレクトリック) 
 •DINレール、配線ダクト
 (篠原電気)
 300mm
 500mm

  26. ”覚悟”しておくこと 「オープンソース」 ≠ 安価に作れる RaspberryPi本体は安価だけど・・・ • 周辺機材を購入 → 費用増加 • Webを調べて得られる情報 → 学習コスト •

    〃得られない情報 → 試行錯誤の工数 • 全体のシステム設計 → ハード、ソフト、運用の幅広い経験 70 (自分で勉強→スキルアップの一環)学習しながら開発すること!
  27. 次のステップへ 初回は、まずは投資効果の見極めのための試作と考える • 効果を見極めて ◦ 今の仕様を見直して、次の改良へ繋げる ▪ 現場要望の機能を追加、不要な機能の削除 ▪ より作りやすい設計に更新

    • いざ水平展開となったとき・・・全部自作は大変 ◦ 内作する場合・・・応援者の獲得 ◦ 投資効果が十分なら、市販品への置き換え。外注で作り直すなども検討。 ▪ (自分で学んだ部分  → より洗練された仕様) 71
  28. Webの情報を活用 • Qiita https://qiita.com/ IT技術が中心、電気系も豊富 • elchika https://elchika.com/ • hackster.io

    https://www.hackster.io/ • instructables https://www.instructables.com/ (英語です)いろいろな作例豊富 74 (写真:Qiita、hackster.ioページ)
  29. コミュニティの活用 • CONNPASS https://connpass.com/ ◦ コミュニティ活動のポータルサイト ◦ IT系が多いが、モノ作り系も多数あり ◦ 有志・企業のグループ

    ◦ 2020年以前は現地に行って参加するものが多数 ◦ コロナ事情もあって最近はオンライン開催に・・・ ◦ (2020年以降、大変参加しやすくなりました・・・) 75 (写真:CONNPASSページ)
  30. コミュニティ • IoT縛りの勉強会! IoTLT ※ https://iotlt.connpass.com/ IoT系の製作事例を多数紹介 • IoT ALGYAN

    https://algyan.connpass.com/ IoT技術の講演(日本MS他) ハンズオン→手を動かして作ってみる ※LT:LightningTalk・・・持ち時間5~10程度で多人数が発表する形式 76
  31. コミュニティ • FA設備技術勉強会 ◦ https://fa-study.connpass.com/ ◦ 産業向け技術のLT形式発表 • NervesJP ◦

    https://nerves-jp.connpass.com/ ◦ Elixir言語(電話交換機制御 Erlangの派生) ◦ 産業応用、長期安定運用のトライ、情報交換 77
  32. コミュニティ • OSPN(Open Source People Network) https://ospn.connpass.com/ オープン技術全般の発表・情報交換 • ROS

    Japan Users Group https://rosjp.connpass.com/ ロボット制御技術ROSの発表・情報交換 78
  33. Maker Faire 最大のDIYの展示発表会 家族で楽しめる、発明と創造と機知に富む人々が集う Makerムーブメントのお祭り • 第1回 2005年 アメリカ・サンフランシスコ •

    日本 第1回 2008年 東京 海外(主要):ローマ、パリ、デトロイト、オスロ、バルセロナ、        深圳、台北、モスクワ、シンガポール、タイ・・・ 国内    :東京、大垣、京都、つくば、仙台、浜松 82 (写真:MakerFaireTokyo公式ページ)
  34. 日本国内のモノ作りイベント 83 (独自調べ) :開催継続中
  (これから開催)
 
 :過去実績
 奈良近郊の開催例
 • MakerFaire京都2021


    • 浜松MicroMakerFaire2021
 • 伊勢ギークフェア
 • NT京都
 • NT名古屋
 • NT鯖江
 • NT金沢
 • メイカーズバザール大阪

  35. 学んだことは発信しよう! • Qiita https://qiita.com/ IT技術が中心、電気系も豊富 • elchika https://elchika.com/ • その他

    ブログ、Twitter、Facebook、instagram ・・・ 85 (写真:Qiitaページ) はじめはやりにくい・・・でも、是非チャレンジを!
  36. まとめ • 身の回りのちょっとした”カイゼン”に当てはめる ◦ やりたいことの断片が分かれば → Tips(やり方)が探せる • 自分で使う、誰かに使って貰う → 次を作るモチベーション  •

    「作りきる」こと! ◦ ”Done is better than perfect.” 「多分動くと思うからリリースしようぜ」 ◦ 妥協と納得の範囲内での ”品質”を目指そう • まずは効果を見極め  → 改良の繰り返し、水平展開へ • モチベーションの向上 → 出展、コンテスト応募 • 情報を得る側から、発信する側へ →(登壇者Qiita) 86