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AIエージェントによる業務効率化への飽くなき挑戦 -AWS上の実開発事例から学んだ効果、現実そ...

AIエージェントによる業務効率化への飽くなき挑戦 -AWS上の実開発事例から学んだ効果、現実そしてギャップ-

2025/10/27 Findy様イベント
「AIエージェント進化の鍵 音声・動画 によって拓かれた未来を知る」
https://findy.connpass.com/event/371950/

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Kiminori Yokoi

October 27, 2025
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  1. 3 <事例> プロモーション動画生成エージェント • 「台本作成」 「音声生成」 「動画生成」 「動画編集」 の4つの ツールを持たせたAIエージェント

    • AIエージェントに自然言語で指示を出すと、これらのツールを 自律的に組み合わせて、動画を生成する • 従来、これらのタスクは別々な人が行ったものを切り貼りする ような形で実施していたため、 コミュニケーションも含めて、 完成までに多大な時間を要したが、AIエージェント化したこと で、作業速度が向上し、リトライ検証も容易になったため、 完成までの時間が90%近く削減 (但し質はそれなりの物)
  2. 7 • 生成AIの進化により、AIは文章や画像を生成するだけでなく、業務支援にも 広く使われるようになった • しかし、実際のビジネス現場では、単発の応答ではなく、文脈を理解し、継 続的に判断し、他システムと連携して動く能力が求められる • この課題を解決する Agentic

    AI という考え方とその実装が登場した • ただ出力するだけであった生成AIの能力に、記憶・推論・計画・行動の要素 を加え、AIが自ら目的を理解して行動する仕組みを実現する • このサービス実装が Amazon Bedrock AgentCore • AIが企業全体のプロセスを横断的に担うことが期待されている Agentic AI とは
  3. 8 単なる業務効率化にとどまらず 企業全体の働き方や価値創出の仕組みを根本から変革する 生産性の向上 プロセスの最適化 研究と革新の加速 • 社員の知的活動を支 援する機能 •

    日常の定型業務を自 動化し、情報収集や 意思決定を補助 • 既存の業務フロー全 体を再構築して、AI に最適化 • 部門間のタスクをつ なぎ、ポリシー順守 と作業効率UPを両立 • 膨大なデータから新 たな知見を導き出し、 研究開発の速度と質 を同時に向上 • 未知のパターンの発 見、新たな解決策の 提案 Agentic AI の期待効果
  4. 9 エージェントの協調パターン パターン1 直列実行型 パターン2 並列実行型 パターン3 監督型 在庫 決済

    配送 調査1 調査2 調査3 結果1 結果2 結果3 監督者 検索 作文 変更 結果 結果 パターン3だけに夢を見がちだが、それだけで何とかしようとすると失敗しやすい エージェント
  5. 11 エージェントの協調パターン パターン1 直列実行型 パターン2 並列実行型 パターン3 監督型 在庫 決済

    配送 調査1 調査2 調査3 結果1 結果2 結果3 監督者 検索 作文 変更 結果 結果 以下のイラストをイメージして、Agentic AI全体の設計の解像度を高めておく エージェント ツール 外部入力プロンプト システムプロンプト 文脈の記憶 文脈の記憶 文脈の記憶
  6. 12 何も考えずに開発するとどうなるか • 成果の質が悪いのに処理を終えようとする • (その逆で) 何度も同じツールを呼び出そうとする • かなり大きなお金がかかるAPIを何回も呼び出してしまう •

    Agentic Loopが振り出しに戻ろうとする • AIエージェントは最終成果のみを返すため、やり直す間に蓄積された生成物 (通称: ゴミ) は無駄になってしまう エージェント間の協調以前の問題に直面する Agentic Loopとは、制御し難いものである 一見うまく行っているように見えても、次はうまくいかないかもしれない
  7. 13 使う人は結果さえ良ければそれで良いのだが 引用: https://aws.amazon.com/jp/blogs/news/introducing-strands-agents-an-open-source-ai-agents-sdk/ • 推論が高額なモデルに繰り 返し指示 (破産リスク) • リクエスト上限への到達

    • APIリクエスト課金の上昇 (破産リスク) • リクエスト上限への到達 • ツールは1回呼び出して終わることもあれ ば、10回以上の時もある (不確実性高) • 途中の生成物は破棄されて無駄になる サービス運営者はそうもいかない • 実行機会あたりの処理時間 の上昇による課金の高額化 • 無駄な生成物が蓄積される ことによるストレージ課金
  8. 15 人間による監督 (Human-In-The-Loop, Return Of Control) 実行前に、人が重要な意思決定を確認し承認する → 無駄なAPIの実行を減らす クラウド側のReturn

    Of Control機能や、エージェントコード内の接頭辞で実装 システムプロンプトでも擬似的に実現 (不確実性高) あなたは、外部データソースから情報を抽出し、動画の台本を生成する エージェントです。 情報の抽出または分類が完了し、台本の文案を生成した後、その結果を 確定する前に、必ずユーザーによる検証(Human-In-The-Loop)を 要求してください。 介入を求める際は、「[検証リクエスト]」という接頭辞を使用し、以下 の情報を含めてください。 1.抽出された元データ(ソース) 2.あなたが生成した台本の文章 3.ユーザーが結果を承認または修正するための明確な指示 ユーザーの承認が得られるまで、次の処理に進まないでください。次の 処理は (以下略
  9. 21 まとめ • 最初に「動画生成エージェント」というテーマに挑んだことで、 AIエージェントで出来ること、よく考えないといけないことが 高い解像度を持って、見えてきました。 • これが「文書生成エージェント」というテーマだったら、お そらく見えなかったであろう知見が多くあります。 •

    結果良ければ全て良しと断言し切れない世界があります。 • これが、パターンを突き詰め、工夫を重ねる理由です。 • 自身や周囲の業務によく目を向け、ChatGPTができないことを、 オリジナルのAIエージェントで実現しましょう!