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採用難時代を乗り越える!組織でPM育成を成功に導く方法

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April 16, 2025

 採用難時代を乗り越える!組織でPM育成を成功に導く方法

プロジェクトを推進する上で欠かせないプロジェクトマネジメントですが、特にIT領域においては、高いプロジェクト管理能力やコミュニケーション力、リーダーシップはもちろん、技術面への知識や理解、ビジネス視点と求められるものが多いため、優秀なプロジェクトマネージャーが不足しがちです。
経験豊富なシニアPMに仕事が集中し、若手や経験の浅いPMが十分に経験を積む機会がないため、後続の育成が進まないという課題を抱える企業は多いのではないでしょうか。

本セミナーでは、NCDCが提供する本音を可視化するマネジメントツール「PJ Insight」(https://pj-insight.net/) をご紹介しつつ、具体的な育成の成功事例も交えながらPM育成におけるポイントをわかりやすく解説します。
特にITプロジェクトにおけるPMの育成に課題をお持ちの方におすすめの内容です。

主な内容
・PM不足、若手や経験の浅いPMの育成における問題点の整理
・PM育成の具体的な事例のご紹介
・PM育成におけるポイント
・PMO(プロジェクトマネジメントオフィス)の役割とPM支援体制の構築方法

こんな方におすすめ
・若手や経験の浅いPMへプロジェクトの引き継ぎを考えているシニアPMの方
・若手や経験の浅いPMの育成に課題を抱えている方
・シニアPMの採用に困難を感じている管理職の方
・組織全体のプロジェクトマネジメント能力向上を目指すPMO担当者・管理職の方

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April 16, 2025
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Transcript

  1. 本日の流れ 1. PM不足・若手育成の現状整理 l なぜ難しいのか 2. PM育成を成功させる3つの要点 l 任せる・フォローする・共有する 3.

    実践での課題 4. 課題の解決策 l 現場での事例 5. PM育成に便利なツール l PJ Insightのご紹介 6. 質疑応答 3
  2. プレゼンター紹介 l 所属 l NCDC株式会社 l 経歴 l SE・PMとして顧客・自社のプロジェクトに参画 l

    いまやっていること l プロジェクト支援ツール PJ Insightのプロダクトマネージャー l 登壇 l Developer Summit 2024, ProductZine Day 2024 Winter 4 プロダクトマネージャー / シニアエンジニア 武方順平
  3. PMの不足、求人倍率の高騰 l 起きていること l 2023年12月にPMの有効求人率は29.5 倍[1]ITエンジニア・クリエイター転職/フリーランス市場レポート(2023年12月) l どうしてそうなる? l PMに求められるスキルセットが複雑かつ広範囲

    l 高度なスキルを持つ人材自体が少ない l PMを育成する環境整備・人材育成が追いついていない 6 [1]: レバテック. IT人材の転職市場が活発化、転職希望者数は前年同月比173%で過去最高. https://levtech.jp/partner/guide/research/detail/282/. 2025/04/14)
  4. PMのスキル不足 l 起きていること 2020年1月の調査[1] l メンバー視点 l PMが原因で失敗したことがある → 4割

    l スキル不足のPMが多い→ 67% l PM視点 l 失敗の原因 → スキル不足が1位 l PMを任命した役職者視点 l PMへの不満 → スキル不足が1位 l → 三方からスキルの不足が指摘されている l どうしてそうなる? l PMに求められているスキルは多岐にわたる l 一つの方法論・限られた研修では獲得が難しい l 育成を行うシニアPM側の時間が足りていない 7 [1]: ネオマーケティング.プロジェクト推進に関する意識調査, https://corp.neo-m.jp/report/investigation/work_013/, 2025/04/14
  5. 短期的視点と長期的視点のジレンマ → どちらかの視点に偏ることなく、両面から考える必要がある 8 個別プロジェクトの成功が大事 • プロジェクトが失敗すると、会社に 大きなダメージ • リスク回避のため「安全策としてシ

    ニアPMが担当」などの選択をしが ち → 結果、育成につながりにくい → PM不足が続く 短期的視点 PM育成が大事 • 若手に任せる • シニアが育成の工数を取る → 将来のPM人材を増やす • 任せる → プロジェクトでのリスク増 • 育成コストをかける → 短期採算が悪化する 長期的視点
  6. PM育成を成功させる3つの要点 1. 任せる 2. フォロー する 3. 共有 する 若手PMにプロジェクトを担わせる

    リスクを早期に検知・フィードバック PMコミュニティで知見を蓄積 → PMを育てるためのサイクルを形成する
  7. 2. フォローする:リスクを早期に検知・フィードバック l トラブルを大きくする前に上長が手を差し伸べる l まるなげしないならフォローする l フィードバックを適切に行なう l プロジェクト状況・PMの状態を把握する

    → プロジェクト自体の成功と、PMの成長を成立させる 12 任せただけだと うまくいかない プロジェクト PMの状況 を把握 適切なフォロー フィードバック
  8. 3. 共有する:PM同士で知見を溜め合うコミュニティ l PMはPJ全体の責任を負う・メンバーとステークホルダーの間に立つ l プレッシャーが大きい l シビアな決断を迫られる → 組織として継続的にスキルを伝承し、孤立を防ぐ

    l 同僚からのコミュニケーションのうち技術的なフォローがいちばん成長に つながる[1] 13 リアルタイムな 情報交換 ナレッジベース に蓄積 • 社内wiki 別プロジェクトへ 転用 [1]: 中原淳, 「職場学習論」, 東京大学出版会, 2021
  9. 任せるときの課題 個別プロジェクトの視点 l PMに丸投げをしてしまう l 権限は渡したが、必要な情報提供や支援策がなく、若手がスタート時から放置状態に。 l 結果:プロジェクトが迷走したり、若手が精神的に追い込まれる。 l 案件の難易度設定が難しい

    l 大きいプロジェクトを任せた l 結果:大きすぎるプロジェクトだと品質・スケジュールを守れず失敗した l 小さすぎるプロジェクトを任せた l 結果:あまり成長できなかった 組織全体の視点 l プロジェクトごとに任せ方がバラバラで、どこまで若手に権限を渡すか基準がない l 結果:プロジェクトの成否と成長の結果が部署ごとに大きく異なる l “任せた”後のトラブルがPMOレベルで把握できず、結局対応が後手に回る l 結果:プロジェクトの品質が安定しない 16
  10. 個別プロジェクトの視点 l 上長やPMOが忙しく、フォロー工数が足りない l 結果:サポート不足になり、追い詰められる l フィードバックが形だけで、具体的な改善策が提示されない l 結果:若手PMの成長に繋がらない l

    トラブルが起きるまで報告できず、火が大きくなってからようやく介入する l 結果:プロジェクト全体が遅延・予算オーバー 組織全体の視点 l PMOがどのラインで介入できるかが明確でない l 横断的なリスク管理ルールや報告フォーマットがない l 危険サインを早期発見できない l 結果:PMOがリスクの可視化ができず、経営層への報告や意思決定が遅れる 17 フォローの課題
  11. l 課題:丸投げになる l 任せる際に「定期チェックポイント」を設ける l 例:週1回の簡易報告、上長やステークホルダーとのチェックリストを用意 l 失敗時にマネージャーがすぐリカバリできるよう、「エスカレーションルール」をあ らかじめ共有 l

    例:一定額以上のコスト超過は必ず上長に報告、など l 「相談しやすい空気づくり」 l 失敗を責めるのではなく、学びに変える風土をトップが示す l 課題:案件選択 l 案件の難易度を整理する l 例:規模、納期、チーム構成、ステークホルダーの難易度など項目化し、若手PMに適 切な難易度を選定 l 課題:権限譲渡 l サブPM, PMOとしてアサインして段階的に権限を委譲する 20 任せる課題解決
  12. l 課題:フォローが遅れる l 定量的な指標で異変をチェック l タスク消化率、メンバーの残業状況などの数値をまとめ、閾値を超えたらアラート l チームメンバー・ステークホルダーから状況を把握 l PMの報告だけに依存せずアンテナを張る

    l 課題:フォロー工数が足りない l フォローの細分化 l レビュー会をたとえ15分でも毎週やることで、大きなトラブルを防止 l フォローの分担 l 上長だけのフォローではなく、PM同士が一声かけられるようにする l 課題:介入・報告のフォーマット l 進捗報告のフォーマットで課題・リスクに言及する l 例: 週次レポートに「今週の懸念点」「具体的な対策案」を書く欄を作る 21 フォローの課題解決
  13. l 相談する場所がない l SlackやTeamsなどのチャットツールで「PM専用チャンネル」を開設 l お互いのプロジェクト進捗を軽く報告し合い、困ったときにすぐ質問しやすくする l 定例的にPMが集まる場を開催し、成功事例・失敗事例を共有 l 失敗を責めるのではなく共有して防止策を皆で考える文化づくり

    l 形骸化する・文化が定着しない • 小さくはじめる • いきなり全社レベルで大きく始めない • 2~3人の若手PM+1人のシニアを巻き込み、ミニコミュニティから徐々に拡大 • ナレッジを蓄積できない • 振り返り時にレポートを作成する • メモ程度でもよい • ナレッジベースに残す 22 共有の課題解決
  14. 弊社での事例 l 課題:PMが楽観的な報告をしてしまい、リスクの検知が遅れる l 毎週の朝礼でプロジェクトの状況確認をいれる l PM・メンバーを問わずアンケートでプロジェクトのヘルスチェック l ラインを割ったらアラートとしてフォローをする l

    例:顧客とのコミュニケーションに懸念があることが発覚し、調整の場を設けられた l 課題:PMの悩み?を出す場所 l Slackにつらみチャンネルを作成 l 困っている人の存在が可視化される l 明確な解決方法がわからないこともアラートとしてあげられるように l 例:類似プロジェクトの経験者からの事例共有など、課題を解決できる知見・権限を持った人が積極的に 声掛けをできるようになった l この事例から得られた成功のポイント l PM個人の報告だけに頼らず、メンバーの声やデータなど多角的な情報でPJ状況を把握すること が、リスクの早期発見とフォローに不可欠 l プロジェクト内だけでなく、部署・会社全体に情報をオープンにすることで、フォローしやすい、ナ レッジが溜まりやすい構造にする 23
  15. PJ Insightの効果 l 課題:若手に任せたプロジェクトでのトラブルの発覚が遅れる l メンバーの声・PMの声で相補的に状況を把握することで、顕在化しそうなリ スクを早期発見することができる l アラートをいち早く検知できる l

    課題:PMへのフォローが不足する l レポートやアンケートへのコメントで他PMや上長・PMOからの細かいフォロー を促すことができる l 課題:PMが悩みを共有できず抱え込む l 相談機能でクローズドなコミュニケーションをプロジェクト情報のオープン化と 両立できる → PM育成のサイクルを「支援する」「効率化する」ツールとして活用 29
  16. 31 まとめ 解決策 課題 要点 • 責めない風土 • 報告のルール •

    段階的に委譲する • 健全性の可視化 • 丸投げになる • 案件設定 • 権限委譲 任せる • 客観的な指標・メンバーから状況を 探る • 横のつながりでフォローする • フォローを細かくする • アンケート・レポート • フォローが遅れる • フォロー人員が足りない • ルールがない フォローする • 相談する場所づくり • 小さく始める • 振り返りの文書化 • 相談・コメント • 振り返りが定着しない • 相談しにくい • 知見が蓄積しない 共有する